10/9ひいき、忖度やめて 計画頓挫 森友学園の周辺住民【東京新聞・社会】望月衣塑子記者の署名記事

ひいき、忖度やめて 計画頓挫 森友学園の周辺住民

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201710/CK2017100902000122.html
2017年10月9日 朝刊【東京新聞・社会】

 

「市民の要望通り、避難所になる公園にしてほしい」と訴える、有友耕二さん=9月28日、大阪府豊中市野田町で
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安倍晋三首相の周辺関係者が登場する森友学園事件と加計(かけ)学園疑惑。異例の国会冒頭解散は、「森友・加計」隠しと批判されたが、衆院選の注目は小池新党や民進党分裂に移り、両学園の真相解明は依然として進まない。用地の払い下げで、八億円もの不透明な値引きが発覚した森友学園のある大阪府豊中市では、「えこひいきや忖度(そんたく)のない政治」を求める声が聞かれた。 (望月衣塑子)

名神高速豊中インター近くの住宅地を歩くと、茶褐色の建物が目に入る。森友学園が「安倍晋三記念小学校」の触れ込みで寄付を募っていた小学校だ。校舎は98%完成していたが、計画は頓挫。敷地の周りの三分の二はフェンスで覆われていた。

森友への売却交渉が破棄されたとして、国が六月に土地を買い戻し、「国有地」の看板が所々に掛かる。校舎の前の一角には、小さな公園ができ、幼児連れの父親がぶらんこで娘を遊ばせていた。

目の前に住む鶴岡武さん(79)は元々、予定地内に住んでいた。市から災害時の避難のため公園を造ると言われて引っ越したという。

「なぜ、計画が変わったのか。安倍首相の昭恵夫人が懇意になった籠池夫妻が『記念小学校』を建てようとしたからでないのか」。今も疑念は消えないといい「地権者に説明がなく、忖度がまかり通っていたら言語道断。衆院選では市民に必要なことをする政治家、政党を選びたい」と話す。

友人と立ち話をしていた近所の有友耕二さん(71)は「当初の希望通り、全部の土地を避難所になる公園に戻してほしい」と訴えた。

森友学園は民事再生手続き中。手続きを進める管財人は「土地は国に戻ったが、学校建設での森友の支払いが完了していないため、建物は建設した藤原工業が所有している」と言う。十日に管財人が国などに示す再生計画案が認められなければ森友は破産する。

建設中だった「森友学園」の小学校の周りには、フェンスが張り巡らされ「国有地」と書かれた看板が掲げられていた

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管財人は「再生計画などを債権者がどう受け止めるか次第。土地価格を調査する会計検査院の報告や、大阪地検特捜部の捜査が終わるまでは手がつけられないのが実情だ」と明かした。

公園で幼なじみとおしゃべりをしていた会社員金岡碧さん(29)に声をかけると、「今、その話をしていたんですよ。ここどうなるんだろうねって。建物だけでも相当お金がかかっている」とあきれた表情を見せた。

「疑惑があったから処分で良いのか。うやむやなまま解散し、疑惑隠しとしか言えない。選挙が終わっても、土地がなぜこれほど値引きされたか、政府は説明責任を果たしてほしい」

次男(1つ)を自転車に乗せて、長男(3つ)を幼稚園に迎えに行く途中の主婦万廣祐莉(まひろゆり)さん(28)は「正直、政治不信になった。普通の会社なら『ごめんなさい』では済まない」という。「こうした疑惑があると、支持政党選びは慎重になる。子育てや教育にしっかりと寄り添い、えこひいきのない政治を行う政治家に投票したい」と考えている。

<森友学園事件> 学校法人「森友学園」が払い下げを受けた大阪府豊中市の国有地が、評価額より約8億円安い約1億3000万円で売却されていたことが今年2月に発覚。大阪地検特捜部は国や大阪府、市の補助金を詐取したなどとして、詐欺罪などで前理事長の籠池泰典被告と妻諄子被告を起訴した。国有地売却を巡る財務省関係者への背任容疑でも捜査している。

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