600メートル沖に活断層か 愛媛大元学長らが見解 伊方原発【9/6大分合同新聞】

600メートル沖に活断層か 愛媛大元学長らが見解 伊方原発

https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2017/09/06/JD0056121114
2017年9月6日【大分合同新聞】

 

伊方原発の600メートル沖に中央構造線の「本体」があると指摘する愛媛大学元学長の小松正幸氏

【大分合同・愛媛伊方特別支局】四国電力伊方原発(愛媛県)のわずか600メートル沖に活断層がある―。小松正幸・愛媛大学元学長(地質学)らの研究者グループがこんな見解を発表している。四国電は地震対策で原発から約8キロ沖の「中央構造線断層帯」を重視するが、小松氏らは「沿岸の活断層が動き、付随してできた断層にすぎない」と指摘。四国電の地震想定は不十分だとして一帯の詳細な調査を求めている。

伊方原発沖には紀伊半島から伊予灘まで長さ360キロに及ぶ活断層帯の中央構造線断層帯が走っている。

これとルートがほぼ重なる形で、地質境界の断層である中央構造線が存在する。関東から九州まで、長さは1000キロに達する。

伊予灘ではこれまで、大きな地震を起こす可能性のある活断層は中央構造線断層帯だと注目された。四国電も地震想定で最も影響がある断層としてきた。

小松氏らは原子力規制委員会に提出された四国電の資料などを検討。原発から約600メートルの近さにある地質境界の方が、約300万年前以降に活動を続けてきた「本体」だと推定する。

小松氏らによると、中央構造線がずれ動いた際に「ハーフグラーベン」(半地溝)と呼ばれるへこみが生じ、そこに堆積物が蓄積。その後も断層運動が繰り返され、堆積層に多数の副次的断層が形成された。伊予灘の中央構造線断層帯はそれらの副次的断層で、深部には達しておらず、大地震を起こす断層ではないという。

こうした見解は昨年9月、東京で開かれた日本地質学会の学術大会で発表した。山口地裁岩国支部で審理されている伊方3号機の運転差し止め仮処分申請で主要な争点になっている。同支部は住民側の申請を踏まえ、小松氏の尋問を実施するか検討している。

小松氏は「本来の活断層を無視して安全性を議論するわけにはいかない」と強調する。

一方、四国電は「発電所周辺の詳細な地質調査をしており、指摘された海域に活断層がないのを確認している。地震動の評価は新規制基準適合性審査で妥当性が確認されており、影響を与えるものではない」とコメント。小松氏らの見解は誤りだとする主張書面を同支部に提出している。

小松正幸(こまつ・まさゆき) 1941年、長野県生まれ。地質学者。新潟大学に就職後、45歳の時に愛媛大へ移り、2003~09年に学長。日本地質学会長も務めた。現在は同大名誉教授。愛媛県砥部町在住。76歳。
※この記事は、2017年9月6日【大分合同新聞】朝刊19ページに掲載されています。

広告
カテゴリー: 裁判 タグ: パーマリンク