12/17NHKスペシャル「激変する世界ビジネス “脱炭素革命”の衝撃」[字]【Mediacrit】

NHKスペシャル「激変する世界ビジネス “脱炭素革命”の衝撃」[字] 2017.12.17

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世界有数の産油国アラブ首長国連邦。
今ここで新たな革命が起きようとしている。
建設が進むのは世界最大の太陽光発電所だ。
300万枚の太陽光パネルで原発一基分に相当する電気を発電しようというのだ。
驚くべきはその安さだ。
価格は1キロワットアワーあたり2.6円
日本の石炭火力発電のコストのおよそ。      ←(ちたりた??????
劇的な価格破壊だ。

世界最大の二酸化炭素排出国中国も動き始めた。
(爆破音)老朽化した石炭火力発電所を停止。
100基の建設計画をストップした。
パンダをかたどった巨大な太陽光発電所も登場。
二酸化炭素を出すエネルギーからの脱却を図っている。
こうした流れのきっかけとなったのは2年前世界各国が合意したパリ協定だ。
地球温暖化が進めば異常気象が増え人類は最大のリスクに直面する。
これを避けるため二酸化炭素の排出量の削減にとどまらず今世紀後半に実質ゼロにする事。
脱炭素社会を目指す事で合意したのだ。
自国の経済に不利だとしてパリ協定からの脱退を表明したアメリカ。
しかしビジネスと一体となった脱炭素のうねりは誰にも止められない。
巨額の利益を見込んで投資家は脱炭素を掲げる企業に資金を注ぎ込んでいる。

ジャパン!
(ブーイング)だが日本は世界の潮流から取り残されようとしている。
先月開かれた国際会議。
日本は厳しい批判にさらされた。
日本企業は危機感を強めている。
18世紀石炭を燃やす事で始まった産業革命。
今起きている脱炭素への動きは世界をどう変えようとしているのか。
脱炭素革命の最前線を追った。

先月6日ドイツで温暖化対策について話し合う国連の会議COP23が開幕した。
会議には世界197の国と地域の代表が参加。
パリ協定を実行するためのルール作りを行っていた。
だが会議場の外に目を向けるとこれまでとは全く違う光景が広がっていた。
そこにいたのは多くのビジネスマンたちだった。
ビジネスマンたちを突き動かすきっかけとなったのは2年前のパリ協定の採択だ。
パリ協定で合意されたのは地球の平均気温の上昇を産業革命前から2℃未満に抑える事。
これを実現するには今世紀後半に二酸化炭素の排出量を実質ゼロにしなければならない。
各国はそれに向けた対策を実施し5年ごとに進捗状況を報告する事が義務づけられた。
温暖化対策がもうけを生むと見定めた大勢のビジネスマンたち。
彼らが続々と向かったのはアメリカ企業が作った巨大なパビリオンだ。
トランプ大統領がパリ協定からの脱退を表明したにもかかわらず政財界の大物が集結。
熱気に包まれていた。
(拍手と歓声)そこには企業の活動を後押しする自治体の姿もあった。
(拍手と歓声)パリ協定への支持を表明したアメリカの企業や自治体は2,500を超える。
国内の排出量の35%を占める。
世界を代表する巨大企業コカ・コーラ。
マイクロソフトの姿もあった。
アメリカ政府の方針に反し二酸化炭素の排出をゼロにしていくと約束した。
なぜ今世界の企業は脱炭素に大きくかじを切ったのか。
28か国で1万店舗以上を展開する世界最大のスーパーマーケットウォルマート。
巨大ハリケーンによって店舗が浸水。
長期間閉鎖に追い込まれるなど年間平均で22億円の損害が出ている。
温暖化による異常気象が経営を圧迫しかねないという。
損害を防ぐには自ら率先して脱炭素化に取り組むしかない。
ウォルマートは対策に乗り出した。
店舗の屋上に太陽光パネルを設置。
店で使う電気を全て賄う計画だ。
今や太陽光による発電量はアメリカの事業者の中で第2位となっている。
このほか配送トラックのドライバー8,000人にエコドライブを徹底。
冷蔵設備を効率のよいものにするなどさまざまな対策を進めた。
この取り組みは驚くべき結果をもたらした。
エネルギーコストが劇的に下がり巨額の利益につながったのだ。
脱炭素の取り組みは金を生み出す。
ウォルマートをはじめ今世界の企業が再生可能エネルギーだけで事業を運営する事を目指し走りだしている。
この動きを加速させているのはマネーの流れの変化だ。
投資家の意識が大きく変わったのだ。
COP23の会場には金融界の大物たちが顔をそろえた。
大手金融機関がこぞって脱炭素を掲げる企業に大量の資金を振り向け始めた。
パリ協定が企業に対する評価を一変させたからだ。
パリ協定は今後世界で排出できる二酸化炭素の量に事実上の上限を設けた。
試算によれば現在のペースで化石燃料を使い続ければあと25年ほどで上限に達してしまう。
このため地中にある化石燃料の2/3は掘り出しても使えなくなるというのだ。
つまりその価値はないに等しい事になる。
化石燃料への依存度が企業の価値をはかる新たな物差しとなったのだ。
世界の投資家は石炭火力発電所などの化石燃料関連の事業から次々と投資を撤退し始めている。
およそ100兆円を運用するノルウェーの年金基金など撤退を表明したのは世界の機関投資家700に上るという。
投資先を再生可能エネルギーや脱炭素を表明した企業へと乗り換えている。
石油王と呼ばれたアメリカのロックフェラー一族もいち早く動いていた。
19世紀後半石油の採掘によって巨万の富を得たロックフェラー一族。
初代から数えて5代目にあたるジャスティン・ロックフェラーさん。
化石燃料関連の会社からの投資撤退を決断したのはその将来性に疑問を感じたからだという。
脱炭素という新たな基準で投資先を探し始めたロックフェラー。
目をつけた国がある。
世界最大の二酸化炭素の排出国中国だ。
この日ロックフェラーの担当者は中国の環境ビジネスの企業と面談を繰り返していた。
数年前まで「温暖化は先進国の責任だ」として二酸化炭素の削減に消極的だった中国。
しかし10月に開かれた中国共産党大会。
習近平国家主席が打ち出したのはエコ文明だった。
政策転換の背景にあるのは深刻な大気汚染だ。
中国政府は今年およそ100基の石炭火力発電所の計画をストップした。
ガソリン車の禁止も視野に電気自動車の普及を推進。
脱炭素に大胆にシフトしている。
充電スタンドの整備も急ピッチで進めている。
太陽光と風力の導入量はここ数年急増。
再生可能エネルギーの導入量はこの5年で4倍近くに上り世界最大となった。
COP23の中国パビリオン。
政府の呼びかけで企業のトップが集まり積極的に商談を繰り広げていた。
その中に世界に打って出ようとする太陽光発電会社のCEOがいた。
売りはこちら。
パンダをかたどった巨大な太陽光発電所だ。
かわいい見かけによらず発電量は50メガワットおよそ5万世帯分の電力を発電。
山西省などで地元の住民に安い電気を供給しているという。
今後5年で世界各地に100か所の発電所を作る計画だという。
温暖化による異常気象で企業が損失を被るリスク。
そして脱炭素が利益を生むと流れを変えたマネー。
更に大国中国の大胆な転換。
脱炭素の潮流はもはや誰にも止められない。
環境先進国を標榜してきた日本。
脱炭素を目指す企業が現れ始めている。
大手オフィス機器メーカーリコー。
国内の企業では環境対策のトップランナーだ。
その責任者加藤茂夫さん。
COP23への派遣を命じられた。
自分たちの取り組みが世界で通用するのか確かめるためだ。
コピー機の生産で世界トップクラスのシェアを誇るリコー。
工場で使う電力の一部に再生可能エネルギーを導入。
照明をLED化。
地道に省エネを積み重ねてきた実績をCOP23でアピールしようと考えていた。
今回リコーをはじめCOP23を訪れた日本企業12社。
いずれも日本では温暖化対策の取り組みで高い評価を受けている。
電機住宅流通などそれぞれの分野で世界の動向を探りに来た。
日本政府が設置したパビリオンでも日本企業の環境技術をアピールしていた。
ところが…。
ジャパン!
(ブーイング)COP23の会場では日本が脱炭素の流れに背を向けていると非難されていた。
この数日前日本政府がアメリカ政府と共に石炭火力発電所の輸出を推進する方針を表明したからだ。
この日日本企業は世界の企業に環境対策を助言するシンクタンクの代表を招いた。
しかし伝えられたのは日本への苦言だった。
日本政府は成長戦略の一環として官民を挙げてアジア各国への石炭火力発電所の輸出を進めている。
日本が輸出を進めるのは高効率の石炭火力発電所。
石炭の燃焼効率を高める事で二酸化炭素の排出量を従来のものより16%ほど削減できるという。
国際協力銀行など日本の公的機関からの石炭火力発電所などへの融資額は先進国の中で群を抜いている。
融資によって建設された発電所はこの5年でアジアを中心に13か所25基に上っている。
日本のこうした姿勢は脱炭素へ向かう世界のマネーの流れから取り残されようとしている。
50兆円を運用するイギリスの保険会社の投資責任者。
二酸化炭素を大量に出す企業からの投資撤退に踏み出した。
そこには国内外でおよそ20基の石炭火力発電所を運営する日本企業の名前もあった。
気候変動によって異常気象が頻発し保険金の払い出しが増えれば事業が立ち行かなくなるというのだ。
一度建設すれば通常30年以上の長期にわたって稼働し二酸化炭素を出し続ける石炭火力発電所。
脱炭素を求める投資家は受け入れられないというのだ。
ああいうところをはっきりおっしゃられると…脱炭素への取り組みを求められる日本企業。
しかし再生可能エネルギーへの転換は思うように進んでいない。
風力発電を手がけてきた戸田建設の技術者佐藤郁さん。
戸田建設は将来のビジネスの柱の一つに育てようと10年前から洋上風力発電に取り組んできた。
浮体式と呼ばれる海に浮かべるタイプ。
水深の深い海でも設置できるのが特徴だ。
佐藤さんはプロジェクトを立ち上げたメンバーの一人。
環境省や大学と実証事業を行ってきた。
台風でも倒れない高い技術力が売り物だ。
実用化に成功したのは世界でも2社しかないという。
しかし稼働しているのは1基だけ。
利益が出るには程遠い状況だ。
なぜ日本では再生可能エネルギーが思うように普及しないのか。
理由の一つは発電コストが高い事だ。
設置に適した広い土地が少なく人件費や設備の費用も下がっていない。
もう一つの理由は作った電気を自由に売れない事だ。
太陽光や風力による電気は気象に影響されやすく発電量が不安定だ。
このため大手電力会社は安定供給の妨げになるほか空き容量が不足しているなどとして送電網への接続を制限している。
再生可能エネルギーのビジネスが成り立ちにくい状態が続いている。
日本の電力の割合だ。
最も多いのが火力発電。
6年前の東日本大震災で原発が停止しその割合は増えた。
再生可能エネルギーは7.7%。
政府はこの割合を2030年度に13〜15%程度に引き上げる事を目標としている。
一方脱炭素を積極的に推し進めるヨーロッパ。
ドイツでは再生可能エネルギーの割合は27.7%に達している。
ドイツでは再生可能エネルギーで作った電気を優先的に送電網につなげる政策を実施。
それが普及を強く後押ししている。
佐藤さんたちが挑戦している洋上風力発電もタイプは違うものの次々と実用化が進んでいる。
北海周辺だけでも3,000基を超える風車が稼働している。
そして新たな環境大国を目指す中国。
今中国企業は積極的に海外のマーケットに乗り出している。
中東で進められている世界最大の太陽光発電プロジェクト。
2年後に完成すれば1キロワットアワーあたり2.6円という破格の安さで電力を供給する予定だ。
豊富な日射量と地元政府の優遇策で実現した。
必要な太陽光パネルは300万枚以上。
その全てを受注したのは中国のメーカージンコソーラーだ。
中国政府の優遇政策を受け積極的に海外進出。
世界シェアトップに躍り出た。
値段が安いだけでなく厳しい砂漠の環境にも耐えられる技術力が売りだという。
中国・上海にあるオペレーションルーム。
自社の太陽光パネルの稼働状況を監視している。
既に23か国で事業を展開しているという。
想像をはるかに超えるスピードで進む脱炭素社会への転換。
戸田建設の佐藤さんは日本企業に何が求められているのかヒントを得ようとしていた。
この日は企業の環境対策を評価し投資家にアドバイスしているシンクタンクの代表に話を聞いた。
日本には生き残れるだけの高い技術力がある。
ないのは「変わる勇気」だという。
一人の技術者として日本の技術に誇りを持ってきた戸田建設の佐藤さん。
突きつけられたのはその技術が世界から取り残されようとしている現実だった。
先ほど言われたように…。
悔し涙を流した戸田建設の佐藤さん。
ある行動を起こしていた。
巨額のマネーが再生可能エネルギーに流れ込んでいる事を実感し思い切ってある投資家に会いに行ったという。
ハハハ…。
だからもう本当にちょっとね…。
オフィス機器メーカーリコーの加藤さんも動き始めていた。
この日訪ねたのはリコーにとって最も重要な取引先の一つ宅配大手のDHL。
世界200以上の国と地域で事業を展開するグローバル企業だ。
DHLは2050年までに二酸化炭素の排出量をゼロにすると宣言。
投資を呼び込むために必要な経営戦略の一つとしている。
加藤さんが注目したのは配達に使う車。
それは電気自動車だ。
DHLでは全世界の配送車9万2,000台全てを電気自動車にかえる計画だという。
驚いたのはベンチャー企業を買収し自社で生産を始めていた事だった。
加藤さんはその後1時間DHLの経営幹部と今後の取り引きについて議論を重ねた。
伝えられた要望に強い危機感を感じたという。
脱炭素に取り組まなければ投資を受けられず取り引きもできない。
日本企業が目の当たりにしたのは世界のビジネスのルールが大きく変わろうとする現実だった。
日本に戻ったリコーの加藤さん。
企業の環境対策の担当者や投資家の前で講演を行っていた。
自ら感じた危機感を訴えた。
今変わらなければ生き残れない。
洋上風力発電に取り組む戸田建設の佐藤さん。
投資家が大きな関心を示してくれた事を報告。
アジアなど海外市場にも打って出るべきだと提言した。
更に佐藤さんは洋上風力発電を共に開発している大手メーカーと協議。
これまで培ってきた技術を更に高め世界と闘っていく決意だ。
気候変動のリスクが引き金となった脱炭素革命。
巨額のマネーが流れ込み新たなビジネスチャンスが広がっていた。
その果実を求めて走りだした世界。
日本はその姿を捉え追い抜く事ができるのか?残された時間は限られている。
2017/12/17(日) 21:15〜22:05
NHK総合1・神戸
NHKスペシャル「激変する世界ビジネス “脱炭素革命”の衝撃」[字]

二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする“脱炭素”社会に向けて大きく舵を切った世界。マネーの流れが大きく変わり、中国も“環境大国”を目指す中、日本は生き残れるのか?

詳細情報
番組内容
パリ協定をきっかけに、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする“脱炭素”社会に向けて大きくかじを切った世界。アメリカの協定からの脱退表明にも関わらず、巨大企業は“脱炭素”を掲げ、マネーの流れも大きく変わりはじめている。この動きを決定づけたのは、世界最大の二酸化炭素排出国、中国が“環境大国”を目指し始めたこと。これまで環境先進国を標ぼうしてきた日本、そして日本企業は生き残ることができるか?その最前線を描く
出演者
【語り】窪田等

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ニュース/報道 – 報道特番

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カテゴリー: 新エネルギー パーマリンク