7/26これって本当? 復興庁冊子「放射線のホント」 【中日新聞・特報】

実際に何が起こっているかを聞くために今年も福島の生物環境の勉強会へ行く予定。
リスコミのスリコミがしたい復興庁の職員も来たらいいのよ。

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これって本当? 復興庁冊子「放射線のホント」

【中日新聞・特報】2018年7月26日 朝刊
http://www.chunichi.co.jp/article/tokuho/list/CK2018072602000064.html

 

東京電力福島第一原発事故後の食べ物の風評被害や偏見、差別を解消しようと、復興庁が一般向け冊子「放射線のホント」を発行した。 これに対し、将来にわたる危険に触れず、安全を強調し過ぎているとして、専門家らから批判が出ている。 (7月26日 朝刊)

[写真] 復興庁が作成した冊子「放射線のホント」

「放射線のホント」は三十ページの冊子で、政府の「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」の一環として今年三月、一般の人びと向けに制作された。福島を「知ってもらう」「食べてもらう」「来てもらう」という視点から、人びとに「分かりやすく、正しい知識を発信」することを狙いとしている。

放射線などに関する十の疑問に答える形で、イラストも交えて「身の回りからゼロにはできません」「遺伝しません」「うつりません」「事故で健康に影響が出たとは証明されていません」などと明記している。

国連の委員会の報告書を基に「亡くなったり、髪が抜けたりした人はおらず、今後のがん増加も予想されない」と断定。「知るという復興支援がある」とメッセージも打ち出した。

同庁担当者によると、五千部が発行され、行政機関などに配られたほか、同庁のホームぺージを通じ、電子書籍として無料配信している。吉野正芳復興相は記者会見で「コミュニケーションのプロにお願いし、ずばっと言っているところが特徴。わかりやすく、短い言葉で断言していく方が伝わりやすい」とこの冊子制作の狙いを強調した。

しかし「専門家の助言を得て制作した」(担当者)とはいうものの、将来にわたる健康や遺伝への影響を否定してしまってよいものだろうか。

NPO法人「原子力資料情報室」(東京)の伴英幸共同代表は「全体にわたり、極端な言い回しが目立つ。原発事故の影響はもう全くないかのような、誤ったメッセージを与えてしまう」と疑問を呈する。

例えば「放射線は人から人にうつりません」という表現だ。「放射線とすれば確かにそうだが、放射性物質が衣服に付いて運ばれることがあるのは、防護服の洗浄を思い出せば、簡単に分かること」と指摘する。

「福島の主要都市の放射線量は、国内外の主要都市と変わらないくらいになった」という小冊子の主張についても、伴氏は「除染されていない山林や、高線量のホットスポットの存在が無視されている」と否定する。放射線の遺伝的影響も、可能性は排除しきれないという。

「誰もが容易に分かるリスクを伝えず、ただ『安全』を繰り返すだけでは、かえって混乱を広げる。国民には事故の影響もきちんと伝え、考える材料としてもらうべきなのに」

日本大の糸長浩司特任教授授(農村計画)は冊子にある「多数の甲状腺がんの誕生を福島県では考える必要はないと評価されている」という表現に着目する。「今後十年、十五年と時間をかけて、検証すべき子どもの甲状腺がんの問題がないものとされ、無理やりに安心させようとしている」

糸長氏は「今も廃炉に当たっている作業員がいる。原発事故の将来にわたる影響と真正面から向き合わなければ、事故を起こした責任を放棄したのと同じことだ」と批判する。「風評被害の解消を表向きの理由として『福島はもう大丈夫』と開き直るような国なら、原発を扱う資格はない」

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