9/6トリチウム水 海洋放出案に反発続々/専門家「DNA傷つける」/国側は固執「薄めれば安全」/責任 福島に負わせるな/ヨウ素129も検出 解明ないまま/保管限界論は説明不足【東京新聞・特報】

=======2018/09/07 文言修正===========

北海学園大経済学部の「浜田武士」さんのお名前は「濱田武士」とのこと。東京新聞の裕デスクはもっとちゃんと見て欲しい。

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あまりの腰の痛みにシップ貼って寝ようかと思ったほどで、深夜2時に目が覚めた位だったが、5時半に目覚めたら腰痛がヒュルヒュルとどこかへ飛んでいった。
「台風のせいじゃないよねー」なんて言いながら天気予報を見ようとテレビをつけたら、北海道で震度6強の大地震が3時過ぎにおこったとのこと。
瘴気ともいうべきあのズドーンとした電磁波も感じないから、多分本震が来ることはないと思う。

トリチウム水の特報部、やっと 東洋アルミニウムと近大のトリチウムフィルターのことが話題に上がった!

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福島第一のトリチウム水 「保管長引けば廃炉影響」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201809/CK2018090602000151.html
【東京新聞・社会】2018年9月6日 朝刊

 

東京電力福島第一原発で貯蔵中の放射性物質トリチウムを含む水の処分を巡り、海などに放出せずタンクで長期保管する提案が相次いでいることに対し、原子力規制委員会の更田豊志(ふけたとよし)委員長は五日の定例会見で「保管が長引けば長引くほど廃炉に影響が出る」と否定的な考えを示した。

海洋放出には地元漁協などから強い懸念が出ているが、更田氏はこれまで「現実的な唯一の選択肢」と主張してきた。この日も「現実的な議論を期待する」と述べ、あらためて政府や東電に決断を促した。

トリチウム水の貯蔵量は九十三万トンに上り、今後も年に五万トン以上のペースで増える見込み。経済産業省の有識者会議は海や大気中などに放出する五つの案を議論してきたが、先月末に福島県など三カ所で開いた公聴会では、現行や新設のタンクで長期保管するよう求める意見が多く出た。会議の山本一良(いちろう)委員長(名古屋学芸大副学長)は、今後はタンク保管の選択肢も加える意向を示している。

公聴会では、トリチウム水の人体への影響がほとんどないとされていることにも「一部は細胞に取り込まれ遺伝子を破壊する」などと批判が相次いだ。更田氏は「極端な議論は人を不幸にする。苦渋の決断をしなければ前に進めない」と反論した。 (宮尾幹成)

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トリチウム水 海洋放出案に反発続々

2018年9月6日【東京新聞・こちら特報部】

東京電力福島第一原発の敷地には所狭しとタンクが並ぶ。中には放射性物質を含む水が入っている。国側は、これを薄めて海に流そうと前のめりだ。とはいえ、8月末の公聴会では、当然ながら地元の人らから反発が相次いだ。怒りをかうと分かっているのに、なぜ「海」で処分しようとしているのか。放出したら健康や地域への影響はどうなのか。ほかに解決策はないのか考えた。 (中沢佳子、中山岳)

 

専門家「DNA傷つける」

 国側は固執「薄めれば安全」

 

「水産物の安心感をないがしろにし、漁業に致命的な打撃を与える」「風評被害を招く」。政府が福島県や都内で開いた公聴会で怒りの声が次々と上がった。

会では、福島第一原発の敷地内で保管されている水の処分方法について意見を聞いた。出席者はこの水を海に流すという案に猛反発した。トリチウムを含む、トリチウム水だからだ。なぜ、敷地内にこんな水があるのか。

福島第一原発では、事故で溶け落ちた核燃料を冷やすため、原子炉に水を注いでいる。この水が炉の傷ついた部分から流れ出し、地下水と混ざって大量の汚染水となる。浄化処理をしても、どうしてもトリチウムだけは残ってしまう。外に出せず、東電はタンクに入れて原発の敷地内で保管しているのだ。

タンクはびっしりと並び、これからも増える。ニO二O年末まで増設していく計画。そろそろ、スペースが限界を迎えようとしている。そんなこんなで、廃炉作業を進めるには、保管でなく処分が必要と関係者は考えている。

原子力規制委員会の更田豊志委員長は、安全なレベルにまで薄めて海に流す海洋放出を処分の「唯一の手段」と見解を示している。五日の定例会見では「タンク保管の長期化は廃炉を難しくする」と述べた。

政府の小委員会は一六年十一月から検討を重ねた。五つの案の中から、海洋放出が門限も有力と考え、公聴会の資料でも利点を強調した。東電広報室は「こちら特報部」の取材に「社としてどの方法がいいか考えは示さない。政府の方針に従う」と語った。

政府や規制委が「薄めれば大丈夫」と言わんばかりなのは、トリチウムの性質によるところが大きい。

水素の仲間で、大気中の水蒸気や雨水、海水など自然界にも存在する。水素と同じ動きをし、一度薄めれば薄まったまま。蒸留しても水と一緒に蒸発して、濃度は上がらない。生物の体内での濃度も確認されていない。放射線のカはセシウムなどより弱い。

それなら、確かに薄めてしまえば大丈夫な気もする。しかし、放射線医学総合研究所の元主任研究官で、国会の福島原発事故調査委員会委員も務めた崎山比早子氏は注意を促す。

「放射線のエネルギーは弱く、半減期も約十二年と比駆的短い。でも、水と同じくどこにでも入り込む性質があり、DNAにも入りこむ。あらゆる所から人体を傷つけ、害を及ぼす実際のカは大きいと言える」

実は、国内外の原子力施設では、トリチウムを薄めて海に放出している。ただ、崎山氏によると、トリチウムを出す量の多い原発周辺では、白血病の発症や新生児の死亡率が高まるとの研究論文もある。

「体内に入ってすぐ病気になるわけではないが、DNAを傷つけることは分かっている。人体、特に乳幼児への影響を思えば、少しでも取り込みを増やさないようにするべきだ。政府の言う「安全」は、リスクがゼロという意味ではない」と警告する。

 責任 福島に負わせるな

  ヨウ素129も検出 解明ないまま

   保管限界論は説明不足

 

敷地内で保管している水の一部には、他の放射性物質も残っている。トリチウムのことだけを心配すればいいのではない。

一七年度の測定結果では、半減期が約千五百七十万年のヨウ素129が一リットル当たり最大六二・ニベクレル検出され、法令基準値の同九ベクレルを上回った。半減期約三百七十日のルテニウム106(基準値一OOベクレル)が最大九二・五ベクレル、半減期約二十一万一千年のテクネチウム99(同一OOOベクレル)が最大五九・0ベクレル検出された。

規制委は、放出前に薄めれば、これらの放射性物質も基準値以下になり、問題ないとの見解だ。そうだとしても「科学的に安全なので海に流す」という議論ばかりでは、一般の人たちに受け入れられそうもない。

例えば、福島沖の魚。事故後、漁業者は試験操業を続け、水揚げした魚介類の放射性物質を検査し、安全を確認して出荷している。そうやって努力を重ねても、なかなか消費者の不安はぬぐえないでいる。さらに海洋放出が行われたらどうなるか。

「漁業をはじめ福島産の食材へのダメージが大きい。生産者がせっかく積み上げた信頼を揺るがす」と、東京都練馬区の食文化史研究家、永山久夫さん(八六)は指摘する。科学的な安全だけで消費者の理解が得られないのは、「人が食事で感じるうま昧には、産地や店の情報など頭で感じる要素もある」からだ。

永山さんは「原発事故で消費者の頭に刻まれた放射性物質への恐怖感は、なかなか消えていない」と語る。海洋放出をすると、その恐怖を生々しく思い起こさせてしまうと考える。

早野龍五・東京大名誉教授(物理学)も「海洋放出すれば、風評被害が容易に予想される。漁業関係者が反対するのは当然だ」という見方。「科学的に安全なことは大事だが、科学で解決できる問題ではない。全ての人が納得できる解はない」と述べる。

処理の道筋をつけるには、政治の役割が重要になる。早野さんは「水の永久保存はできないので、政治による利害調整が必要だ。福島の漁場を持続可能にして次世代につなぐため政府は漁業者らと向き合い、振興策を示す必要がある」と指摘し、国民的合意を得るため手続きを踏むよう促す。

その手続き、議論は尽くされているのだろうか。

公聴会はこれまで福島県郡山市と富岡町、東京都の三回。海洋放出への反対が噴出した。北海学園大経済学部の濱田武士教授(地域経済論)は、「広く国民から理解を得たとはとても言えない」と指摘する。

濱田さんは「そもそも福島の人々が納得すれば、トリチウム水を海に流せるかのような構図は、おかしい」と感じている。汚染水処理の責任を福島の人々に負わせることになりかねないからだ。やはり、大事なのは政府の取り組みだ。

「タンクが限界に近づいていることが、切迫感を持って説明できていない。政府が前面に出て責任を持って処理方法を示さない限り、『科学的に大丈夫』と言うだけでは、議論は進まないだろう」

そうやって政府が前に出た時、処分方法の選択肢は海洋放出だけなのか。

公聴会に出席した原子力資料情報室(東京都新宿区)の伴英幸共同代表(六六)は、最新の技術に注目する。期待するのは、近畿大などが開発したトリチウムの分離技術だ。アルミ製フィルターで高い効率でトリチウム水を取り除くことに成功した。

「こうした技術の実用化を目指した方が良い。少なくとも水にトリチウム以外の放射性物質がどれだけ含まれているかはっきりしないままでは、海洋放出はすべきではない。貯蔵を続けるべきだ」と求める。

(((デスクメモ)))
二0一一年十月、内閣府の園田康博政務官(当時)は記者の前でトリチウムを含む福島第一原発内の水を飲んだ。「飲んでも問題ないほどきれい」と説明していたからだ。それは事実かもしれないが、多くの人があきれ、愚行と批判した。科学的に安全だけで人は納得できない。(裕) 2018・9・6

東京電力福島第一原発敷地内に立ち並ぶトリチウム水などが入ったタンク

原子力規制委員会の更田豊志委員長は「海洋放出が唯一の手段」と繰り返しているが=東京都港区で

トリチウム水の処分を巡り、公聴会で意見を述べる住民ら=8月、福島県富岡町で

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カテゴリー: トリチウム, 放射能汚染, 中日東京新聞・特報 パーマリンク