トリチウム水 本当に安心安全なのか/「原子力市民委員会」の報道【共同通信・東京新聞】

トリチウム水で市民団体が見解 大型タンクで長期保管を

https://this.kiji.is/414709074908808289?c=39546741839462401
2018年9月18日【共同通信社】

東京電力福島第1原発のトリチウム水の処分を巡り、記者会見する「原子力市民委員会」のメンバー=18日午後、東京都内

東京電力福島第1原発で汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含む水の処分を巡り、脱原発社会の実現を目指す市民団体「原子力市民委員会」(座長・大島堅一龍谷大教授)は18日、東京都内で記者会見し、海洋に放出せず10万トン規模の大型タンクで敷地内や敷地近くに長期保管するべきだとする見解を示した。今後、声明としてまとめる。

第1原発では、溶け落ちた核燃料の冷却などで発生した高濃度汚染水を多核種除去設備(ALPS)で浄化しているが、トリチウムは除去できずに残る。敷地内でタンクに保管中のトリチウム水は約92万トンに上り、増え続けている

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「トリチウム汚染水 陸上で長期保管を」 脱原発団体海洋放出に反対

【東京新聞】2018/09/19

東京電力福島第一原発で汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含む水の処分を巡り、脱原発社会の実現を目指す市民団体「原子力市民委員会」(座長・大島堅一龍谷大教授)は十八日、東京都内で記者会見し、海洋に放出せず十万トン規模の大型タンクで敷地内や敷地近くに長期保管するべきだとする見解を示した。今後、声明としてまとめる。

第一原発では、溶け落ちた核燃料の冷却などで発生した高濃度汚染水を多核種除去設備(ALPS)で浄化しているが、トリチウムは除去できずに残る。敷地内でタンクに保管中のトリチウム水は約九十二万トンに上り、増え続けている。政府の小委員会で処分方法の議論が進められており、海洋放出が最も有力な選択肢として浮上。八月末に福島県と東京都で関かれた公聴会では参加者から海洋放出への反対意見が相次いだ。

会見で市民委員会は、長期保管を選択することで、トリチウムの放射線量が百二十三年後に約千分の一に低減し、新たな処分策を開発する時間の確保にもつながると指摘。会の事務局長で京都精華大の細川弘明教授は、大型タンクの設置費用を一基あたり二十億~三十億円とする試算を示した上で「海洋放出せずに長期貯蔵することが技術的、経済的に妥当だ」と述べた。

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トリチウム水 本当に安心安全なのか

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018092002000171.html
2018年9月20日【東京新聞・社説】

東京電力福島第一原発構内にたまり続ける放射性物質を含んだ大量の水。タンクの設置も限界と、政府は海への放出に前のめり。漁業者は反発を強めている。母なる海は受け止めてくれるだろうか。

水で薄めて海に放出-。シンプルで、わかりやすい解決法には違いない。でも本当に、それでよいのだろうか。

メルトダウン(炉心溶融)した原子炉を冷やすなどした汚染水には、多種多様な放射性物質が含まれる。そのほとんどは多核種除去設備(ALPS)で取り除くことができるという。

ただし、トリチウム(三重水素)は例外だ。性質が水素とそっくりなので、水から分離することができないというのである。ALPSで処理した後も、タンクを造ってため続けているのが現状だ。

トリチウムは放射線のエネルギーも弱く、生物の体内に入っても蓄積されない、とされている。だから、海に流せばいいと。

ところが、トリチウムは生物のDNAの中にまで水のごとく入り込み、遺伝子を傷つける恐れがあるとの指摘もある。

タンクの中に残った放射性物質は、トリチウムだけではない。

ヨウ素129やルテニウムが実際に検出されている。

原子力規制委員会は、このような物質も「水で薄めれば基準値以下になり、問題ない」との立場だが、本当にそうなのか。

思い出すのは、「公害の原点」といわれる水俣事件である。

原因企業による有機水銀の海への垂れ流しを政府が放置し続けたため、深刻な被害が広がった。

「海水の希釈能力は無限と考えたのは誤りだった」。事件に関係した高名な学者が、後に漏らした苦渋のつぶやきだ。水銀と放射性物質は同列にはできないが、不気味ではないか。

規制委は「海洋放出は唯一の手段」と言うが、政府側からは、薄めて大気中に放出したり、地下に埋設したりなど、“代替案”も提示されている。ただし、海洋放出よりも手間や費用はかかる。

このままでは廃炉作業に支障を来すという、東電側の主張はよく分かる。だが言うまでもなく、最も大切な“物差し”は人体への「安全」だ。「海洋放出ありき」は危うくないか。

放射線の影響は未知なる部分が多い。漁業被害の問題だけにはとどまらない。

議論はまだ、熟しているとは言い難い。

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