(トリチウム水)説明・公聴会について-135名の意見

多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会事務局

http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/pdf/010_02_00.pdf

平成30年10月

多核種除去設備等処理水の取扱いに係る説明・公聴会について

•多核種除去設備等処理水(以下、処理水)について、処分方法を限定せず、処分方法や処分した際の懸念について、県民・国民のご意見をお伺いする場として開催。
•富岡町(福島県)、郡山市(福島県)、東京の3会場で開催し、御地元の方をはじめとして、意見表明者延べ44名、傍聴者延べ274名の方にご参加いただいた。
•また、書面での意見募集については、締め切りを1週間延ばし、39日間の募集を行った結果、135名の方からご意見をいただいた。
•具体的には、処理水の安全性についての懸念、風評被害が懸念されるため海洋放出に反対、など、処理水の処分に関して、様々な懸念点をいただいた。
•今後、こうした国民の皆様のご懸念にどのように応えていくのかなど、小委員会にて議論を実施。

東京会場
日時:8月31日午後
場所:イイノホール
意見表明者数:16名
傍聴者数:85名

郡山会場
日時:8月31日午前
場所:郡山商工会議所
意見表明者数:14名
傍聴者数:88名

富岡会場
日時:8月30日午前
場所:富岡町文化交流センター
学びの森
意見表明者数:14名
傍聴者数:101名

<参考>各会場の概要について
※全会場とも、期限内に意見表明・傍聴申込のあった方については参加いただくとともに、会場に余裕のあった富岡会場、郡山会場については、傍聴の当日受付も行った。

いただいたご意見の概要について
①処分方法について
②貯蔵継続について
③トリチウムの生物影響について
④トリチウム以外の核種の取扱いについて
⑤モニタリング等の在り方について
⑥風評被害対策について
⑦合意形成の在り方について
⑧その他
•説明・公聴会での意見表明及び書面による意見募集でいただいたご意見は、大きく以下の論点に分類される。
※次ページ以降、主なご意見を記載するが、必ずしも事実関係として正確ではない点もあることから、今後の小委員会では事実関係を含めて確認・議論を行っていく。

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主なご意見①(処分方法について)
•処理水の処分濃度、総量規制、処分場所について
•処理水から放射性核種を取り除く新技術等について等

国民理解を得ずしての海洋放出には反対。
人為的に流すことは倫理に反する。委員会が提案する5つの提案には全て反対である。
国民、県民の不安払しょくのためには安全なトリチウムの海洋放出が必要。
風評被害を受ける産業が分散するので、許容できるのは水蒸気放出。水素放出は同意できる。
地層注入、地下埋設は直接目の届かないところで管理するので、異変に気付きにくく不適切。
たとえ法令の濃度を守っても、総量規制がなければ海の汚染は必至である。震災前の総量規制が守られるべきである。
原子力発電所の炉型によって総量規制値が変わっており、現在の総量規制値自体の根拠がない。
地元(福島)の沿岸漁業に対し風評被害の懸念を考えれば、タンカー船によるトリチウム水の輸送や配管を引くことで、沖合や深海での海水希釈・海洋放出をすればよいのではないか。
処理水を配管などで移送し、東京都内や無人島、福島第二原子力発電所など別の場所からの放出をするべきではないか。
コストを優先して海洋放出することは、福島第一原発事故の被害をさらに広げ、社会的影響が甚大であることを思料すべき。
プラントの稼働率が上がるかどうか未知数であり、何らかのプラントを建設する対策を避けるべき。
トリチウムの分離について、タスクフォースで定められた処分技術以外にも、近畿大学や京都大学などの新しい技術があり、それらについて調査をすべきである。
希釈して海洋へ放出するのはロンドン条約違反になる可能性がある。

主なご意見②(貯蔵継続について)
•処理水の長期保管の検討について
•処理水の保管方法について等

小委員会では、委員より、「現在タンクは適切に管理されており一番リスクが低い状況にあり、この点について理解が進んでいない」という意見が出されており、タンクへの貯蔵の継続を含めて検討されるべきである。
当分の間、保管を行い、分離技術など新しい技術を開発促進する時間を確保すべきである。
長期保管を行えば、減衰により処分量を減らすことが出来る。仮に120年待てば、処分量は千分の一になる。
タンクの建設は本当に限界か。大型タンク、地下貯蔵、洋上タンク等による長期保管を検討すべきである。
管理を続けるコストは、貯蔵することによる健康および経済面のメリットに比べて大きい。さらに大型タンクの管理作業上のリスクもある。また、貯蔵継続であっても風評被害は避けられない。
貯蔵継続は選択肢としてありうべきだが、状況の固定化を招き、最終的な選択肢を減らすことにしかならないのではないか。
法的には敷地外保管も可能である。それにも関わらず、敷地内しか選択肢がないかのように誘導するのは誤っている。福島第一周辺の土地で保管すべき。
仮に長期保管を行うならば、県外、特に東京電力管内での保管も行わなければ、他県の人々にとれば、福島に問題を押し付けておけばいい他人事、という形になってしまうことを強く懸念する。

主なご意見③(トリチウムの生物影響について)
•トリチウムの危険性(特に有機結合型トリチウム)について
•過去のトリチウムによる被害情報について等

排水中のトリチウムの法定告示濃度は6万Bq/Lとされているが、有機結合したトリチウムの内部被ばくリスクについては様々な科学的見解があり、この濃度で安全性が担保されたことにはならない。
トリチウムは生物への影響の有無が「証明されていない」のであって、「影響が無い」とは断言できない。
他の原子力施設で大量にトリチウムを放出している実績があるからといって、東京電力福島第一原子力発電所でも放出しても安全ということにはならない。
内部被ばくについてのICRPのモデルを否定する研究結果を出している科学者たちもいる。
遺伝子に含まれる水素原子とトリチウムが入れ替わり、トリチウムがヘリウムに壊変することで遺伝子の化学結合が切断される。
トリチウムは生体のあらゆる場所に取り込まれ、内部から被曝、活性酸素等を介して間接的に細胞膜やミトコンドリアを破壊する。
過去、トリチウムによる被ばく事例が複数あるが、それらの情報が説明されていない。
1970~1980年代には、低濃度でもトリチウムが染色体異常を起こすこと、母乳を通して子どもに残留することが動物実験で報告がされている。
原発から放出されたトリチウムによって玄海原発周辺の住民の白血病が増加している。またピッカリング原発(カナダ、年間2,500兆Bqのトリチウムを放出)周辺の都市ではダウン症候群の赤ん坊の出産や中枢神経系統に異状のある赤ん坊の出産も明らかにされている。

主なご意見④(トリチウム以外の核種の取扱いについて)
•処理水の性状・保管実態(特にトリチウム以外)について
•処理水に含まれるトリチウム以外の核種の処理・処分について等

多核種除去設備等でトリチウム以外の核種が取り除かれるという前提だったが、トリチウム以外にも半減期1570万年のヨウ素129などが法令基準値超で残存していることが明らかとなっており、小委員会の議論の前提が覆っている。
トリチウム以外にもタンクに残っていることが明らかになった以上、それらの処理処分方法が論じられない中でトリチウムのみを検討対象として処分方法を検討するという事自体が間違っている。
どのタンクにどの核種がどれだけ入っているのかを確認するのが先決である。
処理水を希釈しても生物濃縮によって再び濃度が高まる核種もあると考える。
原子力規制委員長の発言から、トリチウム以外の放射能物質も希釈して海に放出されるのではという疑念がある。
残存しているストロンチウム等を取り除く装置等の開発提案が可能である。
既設・増設ALPSは、除去性能に関する検査はされておらず、そもそも性能保証はされていない。

主なご意見⑤(モニタリング等の在り方)
•トリチウムのモニタリングの方法や難しさについて
•モニタリングの妥当性について等

現在福島産の食品に関して出荷前に残留セシウム量を測定し、消費者を安心させている。トリチウムについても、放出前後で飲料水などの含有量が増加していないことを示す必要がある。
サンプリング調査では部分的に核種が濃縮していたような場合を把握できず、懸念がある。
タンク内の汚染水のサンプル計測によるトリチウムの濃度計測に頼るのではなく、海洋放出に向けて汚染水の全量を計測するシステムを採用するべき。
トリチウムは計測するのに時間がかかり、測定結果が出た時には放出後であり、懸念がある。
海洋放出前に複数の機関が独自に検証すべき。
国際社会で認知されている規制値をもって放出するのではなく、県民を含めて関係者と協議の上、安心が得られる数値の設定が求められる。
実際に放出しても安全であることが、事前にシミュレーション出来ていないといけない。

主なご意見⑥(風評被害について)
•風評被害への懸念について
•風評被害ではなく実害である等

放射性物質は専門性が非常に高い分野であることから、その性質や特徴、危険性について、正しく国民に認識されているとはいえず、風評被害を招く。
環境中に放出すれば、消費者の意識を刺激し、市場の構造変化が更に促進され、固定化する。
試験操業として漁を再開し、水揚げ量を徐々に増加中。そんな中、トリチウムを含む処理水の海洋放出は明らかにマイナス要因であり、福島県産水産物の流通を回復させることに尽力してきた労力が無駄になる可能性がある。観光業にも影響が出る。
値下がり分を補償・補填されたとしても、風評被害によって失った取引先を取り戻せないことが問題。
見切りをつけて福島県の漁業・水産業から撤退する人々が現れ、地場産業の衰退に繋がる。
近隣諸国の輸入規制にまで広がりかねない。
風評とは「根も葉もない噂により経済的な被害を受けることなどを意味する言葉」である。原発事故による放射能汚染は、消費者が福島県のものを「買わない、選ばない」という合理的な根拠となり得ることから「風評被害」ではなく「実害」である。
因果関係の証明が難しいことを「心理的不安をます、経済損失を被る」などの理由で風評被害と決めつけるのは、反対意見を押さえつけているように見える。
処分に係るコストのシミュレーション同様に、風評被害額のシミュレーションも行うべきである。
トリチウムは現在も国内外の原子力施設から、管理された状態で海洋に放出されており、福島第一だけが特別の扱いになるのは合理的ではなく、かえって、「やはり福島第一は危険だ」と海外からも思われてしまい、逆に風評被害となるのでは。
補償ではなく、地域が自立できる支援が必要。

主なご意見⑦(合意形成の在り方等)
•国民への丁寧な情報発信が必要
•そのため、説明会等を実施することが必要等

仮に、海洋放出や大気放出等、住民の生活環境への放出がなされる場合には、総理大臣など国の責任者による全国民及び全世界への丁寧な説明、発信が必須。
汚染水が廃棄される場所に選定された自治体、近隣自治体に住む国民の意見を聞くべきであり、国や東電が決めるべきではない。
海洋放出以外の4つの手法や保管案について、どのような検討、意見交換が行われたのか、広く議論すべき。
意見表明者の意見・懸念のベースになっているエビデンスと小委員会が提示しているエビデンスに食い違いがあり、その違いがどこにあるのか、整理結果を広く共有することが、今後の検討の第一歩となる。
開催回数3回は少なく、10回以上は開催すべき。また、一般の方が参加しやすい休日を選ぶべき。
公聴会には一般層の参加者が少なく、特定の関心傾向の方が多く見られた。より広い層、現実的に利害が発生する層からの意見の吸い上げができるよう工夫すべき。
漁連や流通・小売、市場関係者、また沿岸の産業に携わる人、関係自治体を含めた、福島県外の関係者を含めた恒常的な委員会を設置し、課題や方向性を討議する場を設けてもいいのでは。
富岡会場では、他の地域の人たち、特に首都圏の人々に他人事としてではなく、「自分ごと」として考えてほしいという要望が特徴的だった
漁業等、影響を受ける沿岸産業の将来像を含めて議論していく必要がある。
汚染水を海洋放出の時には、近隣国の承諾を得るのか。国際的なコンセンサスが必要。
情報は積極的にすべてを公開すべき。

主なご意見⑧(その他)
•委員会のあり方
•政府や東電への不信感等

委員会は限定的なメンバーによって行われてきたことから、委員会の構成員を検討しなおすべき。
規制委員会と小委員会とで方針について意思疎通と共有化を行うべき。
作業員の健康と命を守ることを最優先して欲しい。
安全であれば、経産省や東電等が水道水や飲料水として使ったらよい。
政府や東京電力は信用できない。
敷地制約がでることは、事故当初から想定されていたことであり、今になって検討するのは、その場しのぎ、場当たり方策である。
「ALPS処理済み水は汚染水ではない」との資料は看過できない。

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