8/29嫌韓報道ファクトチェック 市民団体、活動に着手 友情基づく関係模索【東京新聞・特報】根源に日本経済悪化?/「ここがおかしい日韓関係をチェック」運動の呼びかけ

嫌韓報道ファクトチェック 市民団体、活動に着手 友情基づく関係模索

https://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2019082902000175.html
2019年8月29日【東京新聞・こちら特報部】

 

日韓の対立がますます深まっている。28日には、「ホワイト国外し」に対して韓国側が世界貿易機関(WTO)へ提訴する方針を表明した。そんな情勢を受け新聞、テレビ、週刊誌などでは、韓国に厳しい論調が目立つ。その中に誤解を招きかねない「嫌韓報道」があると、市民団体がファクトチェック(事実確認)に乗り出した。どんな報道が問題なのか。 (安藤恭子、石井紀代美)

嫌韓報道 ファクトチェック

 悪者視 感情的 政権忖度 やめて

 「裏に差別勘定」■友情基づく関係模索

「日本メディアは韓国を徹底して悪者にし、感情的な解釈報道をしている。毎日テレビや週刊誌で流されれば事実に基づかなくても真実と思う。対等な判断ができる情報が必要だ。メディアはあおるなと、社会に提起しなくてはいけない」

衆院議員会館で二十七日、市民団体「日韓市民交流を進める希望連帯(希望連帯)」が集会を開いた。約六十人を前に、白石孝代表が過熱する日本の「嫌韓報道」を批判。この日から始めたファクトチェック運動への参加を呼びかけた。

対象は七月以降の新聞、雑誌、テレビ番組。協力者を募り、問題と感じた内容をメールでもらう。届いた情報は専門家を交えたチームで分析し、問題ありと判断したらメディアに質問状を出して回答を公表する。

白石氏ら希望連帯のメンバーは今月中旬、韓国を訪れた。貧困や格差是正に取り組む地域の政策を学ぶのが目的だったが、悪化する日韓関係の改善を求め、元市民運動家の朴元淳ソウル市長に面会を申し入れた。

一行がソウル市庁を訪れた二十一日には約三十社の韓国メディアが殺到した。白石氏は「安倍政権は国民の嫌韓意識をあおり、メディアも政権に忖度した報道を垂れ流している。私たちは『反日・反韓』に染まらず『反安倍』で団結しよう」と市民の連携を提案。ファクトチェックを通じた事実の発信を約束した。

朴市長は「韓国の市民は、安倍政権の歴史否定や不当なホワイト国排除に反対する手段として不買運動をしている。日本人への敵対ではない。政治は有限だが、市民は永遠。この交流をきっかけに、友情と平和が支配する新たな関係を」と応じた。

白石氏は、日本の過剰な文在寅大統領パッシングの裏に、戦前の植民地政策から続く社会の差別蔑視観と優越感情がある、とみる。「これは人権の闘い。あきらめず社会に問わねばならない」と、ファクトチェックへの決意を述べた。

では具体的にどんな報道が問題なのか。集会では、テレビ出演した時の武藤正敏氏の経歴に疑問の声が出た。指摘を参考に出演番組を確認した。

八月二十二日昼に放送された情報番組「ひるおび!」(TBSV)。武藤氏は、元駐韓国日本大使で「文在寅という災厄」の著者として登場した。「文大統領の支持層はみんな過激派なんですよね」「韓国は裁判官でも相当左がかった人が多い」と語った。

この武藤氏の経歴は間違っていない。だが、重要な情報が抜けている。

武藤氏は外務省を退聴した後のニ0一三~一七年、三菱重工業の顧問を務め、「前職の知見、人脈に基づき広く助言する役割」(三菱重工業)だった。同社は韓国の元徴用工裁判の被告企業だ。

聖学院大の柴田武男講師(企業経済論)は「武藤氏は利害当事者。経歴を伝えず、あたかも中立公平な専門家と扱うのは、NHKと日本民間放送連盟が定める放送倫理基本綱領に違反する。視聴者への裏切り行為でもある」と批判する。

根源に日本経済悪化?

◎「専門家」元大使「三菱重工」の経歴に触れず
◎GSOMIA破棄 日本の無視に言及せず
◎日韓請求権協定 歴史事実に疑問符の記事

「コンプレックスの裏返しも」

コメントを報道する時、コメントの切り取り方によって、受け手に伝わる印象が変わることがある。前出の白石氏は「韓国が日本に破棄を通告した日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の報道でそれが起きた」と指摘する。

白石氏らは、韓国大統領府の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)・国家安保室第二次長が、破棄の理由を説明した記者会見全文を翻訳した。それによれば、韓国側は元徴用工問題を外交的に解決するため、日本に何度も対話を呼び掛けていた。内容を紹介する。

韓国は特使や駐日韓国大使を通じ、日本との協議を模索した。実務者レベルでも対話を提案した。日本は一切応じようとしなかった。日本の植民地支配からの解放を祝う「光復節」では、文大統領が日本に対話の手を伸ばす祝辞を述べ、その内容を事前に日本に伝えてもいた。

ところが、その後に北京で開かれた日韓外相会談でも、日本は従来の立場を繰り返すだけ。韓国の議員団が訪日しても効果がなかった。見かねた米国が話し合いで解決するよう勧告。それも日本は拒否をした。さらに金氏は「日本の対応は単なる拒否を超え、私たちの国家的自尊心まで毀損するほどの無視で一貫しており、外交的欠礼を犯した」とコメントした。

この詳細な内容は、本紙も含め国内ではほとんど取り上げられていない。白石氏は「経済問題を軍事問題にすり替えているという日本政府の見解に沿うような報道ばかりが目立った」と批判する。結果として「韓国が感情的になって暴走した」という印象付けがされたと憂慮する。

露骨に「嫌韓」をあおっていると問題視する報道もある。

雑誌には「韓国崩壊寸前」「文在寅大統領が一切聞く耳持たない」といった見出しが並ぷ。月刊誌「Hanada」最新号では、「韓国という病」のテーマで特集。世耕弘成経産相が保守系ジャーナリストと対談し、輸出規制問題を巡る韓国の対応を真っ向から批判している.

中には、歴史事実に疑問符が付くものがある。前出の柴田氏は「週刊エコノミスト」最新号に掲載された記事を例に挙げる。

執筆したのは日韓関係を専門とする大学教授。記事は、日本が韓国に五億ドルの経済支援をする一方で、韓国側は戦時中に起きたことに基づく請求権問題を主張しない「日韓請求権協定」に言及。「一括して資金を受け取った朴大統領は、それを浦項-ポハン-製鉄(現POSCO)の建設などインフラ整備に投入し、韓国国民の補償にはほとんど用いなかった」とある。

柴田氏は「支援は十年の分割払いで、しかも日本の生産物や日本人の役務を供与する条件となっている。使途は韓国が勝手に決定できない仕組み。仮に国民の補償に使いたくても使えなかった」と指摘する。

ジャーナリストの田原総一朗氏は、嫌韓をあおる報道の根源にあるのは、日本経済の悪化と指摘する。「ジャパン・アズ・ナンバーワンの時代と違い、日本人は自信をなくしてしまった。コンプレックスの裏返しが韓国や中国批判となって表れる。特にテレビは、視聴率を下げたくないから、国民に迎合する番組を作ろうとする」

ソウル特派員の経験もあるジャーナリストの青木理氏は「多くの日本人が日韓情勢を客観視できなくなっている。ファクトベースで状況を捉えられず、損得勘定も働かない。関係が悪化して心に余裕がない時だからこそ、正確な情報が重要だ。すでに七十五年前の日本が敗戦で学んでいるはずなのに…」と語る。

(((デスクメモ)))
お隣さんは選べない。賃貸なら引っ越しできても、買った家だと無理。意見が合わなくても、折り合いを付けた方が日々の暮らしは豊かになる。そのためには相手がどんな人で、どんな考えなのか正しく知ることが大切だ。そうしないと議論すらできない。国同士も同じでしょう。(裕) 2019・8・29

集会で嫌韓へのファクトチェックを呼びかける白石孝さん=27日、東京都千代田区で

赴元淳ソウル市長(中)と面会した「希望連帯」のメンバー=21日、ソウル市で(希望連帯提供)

日本政府に対話での解決を求める首相官邸前のデモ=27日、東京都千代田区で

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日韓 真実の報道を メディア検証 市民が運動開始
しんぶん赤旗【2019年8月29日】

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-08-29/2019082901_04_1.html

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「ここがおかしい日韓報道をチェック」運動の呼掛け

日韓市民交流を進める「希望連帯」では、韓国を何度も訪れ、さまざまな課題のテーマに沿って現場を訪れ、市民レベルの交流をしてきました。先日は、韓国における反貧困、社会的連帯経済、ムン・ジェイン政権の労働政策に関する訪問調査を行い、8月21日には、ソウル市庁舎市長室で、朴元淳ソウル市長と「希望連帯」訪韓メンバー13人が意見交換を行ないました。

慰安婦問題や徴用工問題に発する、この間の韓国に対する日本のマスメディアの報道は、余りにも偏向し、安倍政権に忖度、迎合して事実を歪曲した報道が垂れ流され、世論をミスリードしています。私たちは、心あるメディア関係者や市民による共同作業で、報道調査活動(ファクトチェック運動)を広く呼びかけ、行います。その活動を通して、誤った方向に導かれている日本世論に正当な歴史認識に基づいた事実を提供します。

このマスメディアに対する報道調査活動(ファクトチェック運動)に参加ご希望の方は、裏面の「ここがおかしい日韓報道ファクトチェック企画書」に基づいて、参加登録してください。
市民参加で、一緒にマスメディアに対するファクトチェック運動を行ってゆきましょう。
なおこの
「ここがおかしい日韓報道をチェック」運動の紹介(「嫌韓報道ファクトチェック」)が、本日8月29日(木)付の「東京新聞」朝刊の第24面・25面の「こちら特集部」で詳しく紹介されています。ぜひご覧ください。

日韓市民交流を進める「希望連帯」
連絡先 e-mail: kibourentai@gmail.com

「ここがおかしい日韓報道をチェック」運動企画書

<基本案は>
1 チェック運動参加者募集~個人参加方式でジャーナリストと市民が対象
2 それぞれが、自分のチェックする紙誌、番組を決める
3 チェックし、問題と感じた内容をメーリスで報告
4 検討チームで検討、分析
5 問題ありと判断したら、公開質問状をだし、回答を求める
6 結果を公表

<参加登録してください>
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◇あなたのEメールアドレス →          @
◇あなたがこれはおかしいと思ってチェックするもの
→        新聞、  週刊・月刊・ 刊       雑誌、
テレビ局の          番組
◇チェックした記事、コメント内容と日時を記載して、希望連帯に連絡する
月     日     時
→ kibourentai@gmail.com

 

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