10/3【東京新聞・筆洗】「のくてー関電(身内に「温かい」会社)」『県別罵詈雑言(ばりぞうごん)辞典』より

https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2019100302000132.html
【東京新聞・コラム/筆洗】2019年10月3日

「温かい」とか「暖かい」という言葉を聞いて悪い印象を持つ人は少ないだろう。「温かい家庭」「春の暖かい陽気」…。その言葉自体に不快な響きはない▼

不思議なことに「あたたかい」を意味する方言が悪口として使われているお国がある。福井県である。「のくてー」という。『県別罵詈雑言(ばりぞうごん)辞典』によると「のくてー日(暖かい日)」などと使う一方で、人に対して使えば「愚か」という意味になる。福井の人に「のくてー人だな」と言われたら、自分の心の温かさがほめられたと思わぬ方が良さそうだ▼

かの地では「のくてー」の声もあろう。関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役から金品を受け取っていた問題である。昨日の会長と社長の記者会見に面食らう。二人とも辞任を考えず、原因究明、再発防止に取り組むと語っていた▼

会長は八百五十九万円相当。社長は百五十万円相当。地元建設会社とつながる怪しい金を受け取った張本人の二人が原因究明に当たる不思議さ。理解できないのはこちらの「のくてー」のせいではあるまい▼

この件での処分は会長が月額報酬の二割を二カ月、社長が一カ月返上した程度にとどまり、最も多い一億二千三百六十七万円を受け取った幹部に対しては「厳重注意」で終わっている▼

よほど、身内に「温かい」会社なのだろうが、その「温かい」には福井弁の方を使いたくなる。

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