19/11/18 第15回 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会 議事録

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第15回 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会
日時 令和元年11月18日(月)9:30~12:06
場所 AP新橋 4階DE会議室
○田中企画官
それでは、定刻になりましたので、第15回多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会を開催いたします。
本日、傍聴されている皆様におかれましては、注意事項といたしまして、席上に資料を配付しております。事前にご一読いただければと存じます。円滑な会議運営にご協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。
それでは、まず、配付資料の確認をさせていただきます。机上に座席表がございますが、あとダブルクリップでとまっている資料がございます。クリップを外していただきますと、議事次第、そして委員名簿、そしてその下から資料1、資料2、資料3、資料4、そして資料4(別紙)、最後に資料5がございます。
また、本日、机の上にA3の資料をお配りしてございます。前回の小委員会でも配付している資料でございますが、こちらを議論の参考に配付をしてございます。
過不足等ある場合には、事務局にお申しつけいただければと存じます。
本日は、議題2の関係で、環境省の新田参事官にお越しをいただいております。
それでは、これよりは山本委員長に議事進行をお願いいたします。
○山本(一)委員長
それでは、まず、本日の議題の趣旨についてご説明させていただきます。
前回の小委員会では、貯蔵継続にかかわる事実関係の整理を事務局、東京電力において行うとともに、貯蔵継続、処分方法について風評への影響という観点から、その影響を抑えるためにはどのような方法があるかといった点を議論いただきました。
今回は、事務局にて、これまでの小委員会での議論を整理し、議論をさらに行うべき論点を整理いたしました。
具体的には、タンク増設に関連した敷地内外の土地の活用、ALPS処理水を処分する際の時間軸の考え方、処分方法の選択、風評被害対策などについて議論を深掘りいただければと考えております。
その一環として、福島第一原発の構内の外における土壌の管理の方法や大気・海洋に放出した
資料1
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場合の放射線の影響、ALPS処理水の貯蔵・処分の時間軸のイメージなどを事務局及び東京電力からご紹介いただきます。
本日も委員の皆様の活発な議論をお願いいたします。
○田中企画官
それでは、プレスの方のカメラ撮影はここまでとさせていただきます。ご協力をよろしくお願いいたします。
(プレス退室)
○山本(一)委員長
それでは、議事に入らせていただきます。
初めに、本年9月に開催いたしました第14回小委員会の議事録(案)の確認をさせていただきます。
資料1をご確認ください。先日メールでご確認いただいたものですけれども、特にご意見ございますでしょうか。
特になければ、こちらで正式に第14回議事録とさせていただきます。
それでは、議題2の東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故に伴う土壌の取扱いについて、に移らせていただきます。
前回、委員からいただいたご意見を踏まえ、福島第一原発の構内外における土壌の取扱いについて事務局から状況をご説明いただき、質疑応答とさせていただきます。
それでは、事務局から説明をお願いします。
○奥田対策官
そうしましたら、資料2をご覧いただけますでしょうか。
前回の委員会の中でも少しご議論していただきましたけれども、福島第一原発の内外における土壌の扱いについて違いがあるのはどうしてなのかということをしっかりと説明をすべきということでございました。
前回も少しお答えさせていただきましたけれども、基本的には違う法律によってそれぞれ管理がなされているというところでございまして、敷地の中につきましては原子炉等規制法、それから敷地の外につきましては放射性物質汚染対処特措法のもとで管理がなされております。
もちろん、原子炉等規制法のほうは非常に線量の高いものから線量の低いものまで幅広く見ている法体系でございます。
一方で、特措法のほうにつきましては除去土壌の扱いというところに特化をした法律と、こういうことになってございます。
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そのあたりを今日簡単にご説明をさせていただければと思います。
まず、資料1ページ目の1ポツが原子炉等規制法の中での廃棄物の取扱いというところでございます。
原子炉等規制法の中では、廃棄物としまして、気体、液体、固体、この3つの区分に分けて整理がなされております。
気体と液体の放射性廃棄物につきましては、さまざまな処理を経た上で規制基準を満足する形であれば、施設から環境中に管理放出することができると、こういう形になってございます。
一方で、固体の廃棄物につきましては、処分方法に適した形態に処理をした後ということになりますけれども、放射能レベルが時間の経過に伴って減衰して安全上問題のないレベル以下になるまでの間、生活環境から安全に隔離することが基本になると、こういうことでございます。
この炉規法に基づきまして、さまざまな方法が決められているわけでございますけれども、その中で、資料の中では「また」というところに書いてございますけれども、管理する中でクリアランスレベル以下(10μSv/年)ということでございますけれども、この物につきましては、放射性物質によって汚染された物ではないということで取り扱うことができると、こういうことも法律の中で決められていると、こういうところでございます。
一方で、敷地の外のほうの除去土壌でございますけれども、その下に書いてございます。法律としましては、原子炉施設外において、福島県内の土壌等の除染等の措置に伴い生じた土壌─「除去土壌」というふうに呼んでおりますけれども─これについて中間貯蔵をし、中間貯蔵開始後30年以内に福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずると、こういうことでございます。
ですので、その中で福島県内の除去土壌が量が膨大であるということもございますので、県外最終処分量を低減するということで政府一体となって除去土壌等の減容、それから再生利用というところに取り組んでいると。これを特措法の基準に従って適切な管理でやっていると、こういうことでございます。
どういう管理になっているかというのは、その下の「具体的には」というところに書いてございますけれども、除去土壌から異物を取り除くなどの前処理をした上ででございますけれども、利用先を管理主体や責任体制が明確になっている公共事業等に限るということ、それから人為的な形質変更が想定されない盛土材などの構造基盤の部材に限定をするというような形で、追加被ばく線量を制限するための放射能濃度の測定ですとか覆土などの遮へい、それから飛散・流出の防止、記録の作成・保管、こういったことをきっちりとやりながら再生利用すると、こういうふうな形で法律で定められているものでございます。
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その次のページに「まとめ」ということでまとめさせていただいてございます。こういった今ご説明をさせていただきましたような2つの法律の違いがございますので、まず除去土壌等の再生利用、外のほうにつきましては、県外最終処分量を低減するために、放射性物質汚染対処特措法の基準に従いまして適切な管理のもとで行うと、こういうことでございます。ですので、ここの中で福島第一原子力発電所内の土壌を取り扱うということは想定がされていないと、こういうことでございます。
一方で、福島第一原発内の土壌でございますけれども、炉規法のもとで適切に管理すると、先ほど申し上げた法体系のもとで管理をするということでございます。
ただ、福島第一原発の中にも、もちろん、敷地の外の特措法で取り扱うような土壌と同様の性質のものというのはもちろん、一部ではございますが含まれてはいます。それにつきましては、当該除去土壌と同じように処分するということは、放射線防護上の新たな懸念を生じるということはないというふうに考えられるんですけれども、今の段階では同じように扱うことは困難であるということでございまして、その理由をその下に3つ書かせていただいてございます。
1つは、今までご説明してきましたように、法律上、違う法律で管理をされていまして、特に特措法が県内最終処分量を低減するために行われているものであって、そこに発電所の土壌を持っていくということは想定されていないというようなことです。
それから、炉規法の中で扱っていくと、同じような体系で管理をすることはできないのかという点に関しましては、敷地内の土壌の搬出先ですとか保管方法が具体化をされていないということですとか、敷地内の土壌の最終的な処分方法が決まっていないと、こういったことがございますので、同様に扱うことは今の時点では難しいと、こういうことでございます。
それから、クリアランス制度の話を先ほどさせていただきました。原子炉等規制法の中では、一定のクリアランスレベル以下であれば炉規法の体系外に持っていって利用するということでございますけれども、それにつきましては、もちろんそういうことを妨げてはいないわけでございますけれども、福島第一原子力発電所の敷地内の土壌が汚染されているという実態ですとか、土壌に対する規制が未整備と、こういうことを踏まえますと、実態上、効果が期待できないものというふうに考えているということでございまして、こういった形で敷地の外、それから敷地の中の土壌の取扱いがどういう法体系のもとでどういうふうに違っているのかということのご説明をまとめさせていただきました。
私からの説明は、以上でございます。
○山本(一)委員長
ありがとうございます。
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それでは、これまでのご説明に対しましてご質問等ございましたらご発言をお願いいたします。
森田委員、お願いします。
○森田委員
法律上のことで、結論から言うと、いろいろ変えるのが面倒くさいという話だと思うんですけれども、ちょっとお聞きしたいのは、今、第一原発の中の汚染されている実態ということでしたけれども、どの程度汚染しているものなのですか。
○山本(一)委員長
松本室長、お願いします。
○東京電力(松本)
東京電力でございます。
ご質問の趣旨は、土壌という意味でしょうか。これはいろいろな種類がございまして、高いものですと数千Bq/kgというものから、当然地面の深いほうまで掘っていくと、いつかは通常のレベルまで下がっていくというところがございます。
一方、以前私どもの発電所の中で、汚染水をタンクに保管しているものが漏れたというところがございます。そういった周辺の土壌はやはり濃いものがございまして、それは回収して、今鉄箱というものに保管している状況でございまして、野積みという場合ではございませんが、レベルに応じて保管をしています。
そういう意味では、数千Bq/kgから数Bq/kgというところまで幅がございます。
○山本(一)委員長
ありがとうございます。
そのほか、ご質問、ご意見は。
田内委員、お願いします。
○田内委員
ただいまのご説明の件なんですが、敷地内の深いところの土というのは、実際には炉規法のクリアランスレベルをクリアできるはずですよね。その土が仕分けが可能なのかどうなのかというところをぜひ教えていただきたいのですが。特に工事で新たな敷地を切り開くときに出てくる土について、表面のある程度の部分を除いた残りというのは、無理に敷地内の土捨て場に持っていく必要はないのかなという気がするのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
○東京電力(松本)
当然深いところまで汚染が進んでいるという状況はないというふうに推定しておりますけれども、今のところ、まだ建物をつくっている際に、掘削したときの土壌をそれぞれ放射能レベルが
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どれくらいというふうにはかってはいないので確かなことがわからないという状況がございます。
それからもう一つは、発電所の敷地の中に関しましては、全体が放射線管理区域に相当する区域というふうになっておりますので、現時点では深さ方向でどういうふうに差別化できるのかというところまで規制上、何か決まっているというものはございません。
○山本(一)委員長
規制庁からお答えいただけるということなので、お願いします。
○竹内オブザーバー(規制庁)
原子力規制庁の竹内です。
今お話ありましたクリアランスに関しましては、今お話ありましたとおり、土壌が全般が汚染されていると。ただ、その深さ方向がどうかというところについては、我々も特に東京電力から聴取しているわけではございませんけれども。バックグラウンドとしては、もう既に毎時1μ~数μSvぐらいありますので、そういった環境からすると、クリアランスというのは、なかなか扱えるものが少ないんじゃないかということ。
あとクリアランスに関しましてはクリアランスしようとする対象物─まあ、今鉄くずでありますとかコンクリートがらというのが一般の原子力施設でも限定して適用しておりますけれども、土壌に関しては、まだそういった規制としてどう扱うかというのは実績はございませんし、仮にその土壌をクリアランスしようとする場合には、その土壌がどういった使われ方をして、まずはその中にどういった核種が含まれていて、それが、土壌がどういった生活圏にどういった触れ方をするかといったところまで確認した上で出すということになろうかと思いますので、現状、なかなかそういったことは想定していないというのが現状です。
○山本(一)委員長
ありがとうございます。
ほかに質問等ございますでしょうか。
崎田委員、お願いします。
○崎田委員
質問ではありませんが、コメントなんですが、私は環境省で進めている放射性物質汚染対処特措法、この委員会に法律ができてからずっと参加をしております。そのときの印象から言って、やはりできるだけ早く環境を回復する、そして復興につなげる、福島の皆さんの復興につなげるということで、放射線の影響のある土壌を除染して、その除去土壌を仮置き場から中間貯蔵に集めてきましたが、この作業だけでも本当に大変でした。地域の皆さんに了解をいただきながら、大事な土地を使わせていただくために、お話し合いを続け、ご説明をして許可をいただき、何年
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もかけてこういう流れをつくってきています。
そのときに、地域の皆さんにとっても、事故を起こした福島第一原子力発電所の敷地内のものに関しては、やはりまた別途の話し合いが必要であろうということで、そこは廃炉の取組の中でしっかりと道筋をつけていただき、それ以外の放射線の影響した土壌は中間貯蔵施設にということで納得をいただきながら、進めているという現実です。ですから、そこに福島第一原子力発電所から外に出すということをお願いをするということに関しては、単に法律を変えるというだけではなくて、福島の方にとってはきちんと時間をかけて話し合い、制度を見直すなり、そういうような大変な要素があるんだということをご理解いただいたほうがありがたいなというふうに思います。
だからこそ、この汚染水・処理水の問題に関しても、科学的には線量が大変低くなっているということであっても、皆さんのお気持ちが非常に厳しいという、そういう状況の中で、これだけ長い間話し合っているんだという、そういうことを共通に考えていただいたほうがいいかなという、私はそんな感じがしております。よろしくお願いいたします。
○山本(一)委員長
ありがとうございます。
関谷委員、お願いします。
○関谷委員
今の点で確認させていただきたいんですけれども、放射性物質汚染対処特措法は施行規則に、セシウムを主にはかるというふうにあるんですけれども、敷地内土壌に関しては基本的には炉規法の範疇で、核種を限定していなく、敷地内に関しては、ほかの核種も含まれているから、測定が現在のところ、どれぐらい時間がかかるかわからないというふうな理解でいいんでしょうか。
○山本(一)委員長
お願いします。
○竹内オブザーバー(規制庁)
原子力規制庁です。
時間がかかるというよりも、どういったものが含まれているのかということをまず押さえた上で、かつ、その他含まれる汚染された土壌が敷地外へ出ていって、どういった使われ方をするのか。人間環境とどういった触れ方をして、そこから出てくる核種による影響というのはどういったものになるのかというところまで評価した上でクリアランスというのが今の制度は成り立っておりますので、そういった確認が必要です。
また、それを実行する場合も、その測定方法というのが非常にごく低レベルのものになります
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ので、そういった測定方法というのも確立することが必要かと思っております。
○山本(一)委員長
そのほかいかがでしょうか。
森田委員、お願いします。
○森田委員
ちょっと話が、偏った方向に進んでいるのですが、もともと中間貯蔵施設に敷地内の土を持っていってくださいという話ではなくて、たまたま中間貯蔵施設が隣にあるので、中間貯蔵施設の話と比較しているだけです。結論的にいうと、敷地内にある土はどこかに管理区域をつくれば持ち出せるという話ということなんですよね。我々は別に中間貯蔵施設に持っていけという話をしているわけではないということは、一応コメントとして言っておきます。
○山本(一)委員長
事務局、お願いします。
○奥田対策官
おっしゃるとおりで、中間貯蔵に持っていくかどうかということよりは、敷地内から外に持ち出すときに、どういう今の法体系になっているのか。そのときの土壌の扱いが、ある意味敷地の外、炉規法の体系以外で放射性物質を含んだ土壌を扱うのは周辺地域だけなものですから、そことの比較を今させていただいているということで、森田委員がおっしゃるように、どこか別の場所に管理区域、これはまた管理区域の認可をもらって、そこでということがもし仮にあるのであれば、それは全て炉規法の体系の中で、閉じた上で処理がなされると、こういうことになるということだと思っています。
○森田委員
今のコメントは、我々は何も中間貯蔵施設に持っていけ、持っていけと言っているわけではありませんよということのコメントです。
○山本(一)委員長
辰巳委員、お願いします。
○辰巳委員
ありがとうございます。
現状、敷地内の土壌についてはクリアランス等の規定はないんだというお話ですけれども、今後、廃炉を進めていったときに出てくるコンクリートだったり、木材だったりしたときは、それは今あるクリアランスレベルで処分しようとなさっているはずですよね。それも敷地内に置いておくというわけではなくて、クリアランスレベルならば、どこかでリサイクルされたり何かされ
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るという可能性があるというふうに考えてよろしいんですよね。
そうしたときに、現状、今までそういうことがなかったから、土壌についてはクリアランスの規定というのは検討してこなかったというお話ですけれども、状況によってはというか、場合によっては、土も対象物として同じようなことを検討する─クリアランスレベル、つまりどこかで埋め立て等に使っても大丈夫だというふうなことを検討する余地があるのかないのか。もう全くそういうことはそこの現場で片付けなさいという発想で余地がないのか、そのあたりがちょっと知りたいなというふうに思いました。今すぐでなくても、長期的にどのようにお考えなのかということをお聞きしたいなというふうに思った。
○山本(一)委員長
事務局、お願いします。
○奥田対策官
これは、また規制庁さんとも相談をしながらだと思いますけれども、長期的なことについては、また今後。必ずしも今の時点でないから、未来永劫ないということではないとは思っていますけれども、ただ、先ほど申し上げましたように、まだいろいろなことが決まっていない中で、今すぐつくっていくという状況にある段階ではないということだと思いますけれども、長い目で見たときにはおっしゃるようなことも検討の対象になってくるんじゃないかなと思います。
○辰巳委員
では、もうちょっといいですか。すみません。
今日の話題の中で長期的な話が出てきますけれども、すごい長期的に─まあ、よくわかりませんから、40年か、50年か、60年かの先に、ここはどういう場所になるような形で想定されているのかというのを事務局なり東電さんなりに伺えればというふうに思ったんですが。
○山本(一)委員長
事務局、お願いします。
○奥田対策官
そこも、これからまさに、今汚染水・処理水の問題を検討いただいていますけれども、もちろん、それ以外にも廃炉の中ではさまざまな作業をこれからしていく必要がございます。特に燃料デブリの取り出しをした後に、燃料デブリの性状を分析しまして、どういったものなのか、どういうふうな処理ができるのか、こういったところをしっかりと決めながら、敷地全体についてもどうしていくのかということを判断していくと、こういうことが必要になっていくというふうに思っています。
ですので、今の時点で、まだデブリの取り出しが始まっていない状況の中で、今後どうしてい
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くということがなかなか決めにくい状況でございます。今後、そういった燃料デブリの取り出しですとか、さまざまな廃炉作業が進んでいく中で考えていければというふうに考えてございます。
○山本(一)委員長
そのほかいかがでしょうか。
森田委員。
○森田委員
お聞きしようと思っていたことが、ちょうど今の辰巳委員との関連なので、ここでちょっとお聞きしたいんですけれども。
いわゆる廃止措置とか、(前回の委員会で)廃炉と同じ意味ということだったのですが、その法的な定義というか、こうすることで廃止措置が終了しましたというのは、どの段階において廃炉が終了しましたということになるのでしょうか。
○山本(一)委員長
事務局。
○奥田対策官
今ももちろん廃止措置、廃炉作業というのは進んでいるところでございますけれども、これ間違っていたら規制庁さんから補足いただければと思いますけれども、廃止措置というのは炉規法上の廃止措置計画というものがございまして、これをしっかりと規制庁が認可をしていただいて、その廃止措置計画が終了するというのが、廃止措置の終了という法律上の定義になっているというふうに理解はしてございます。その中で進めていかないといけないわけでございますけれども、福島第一の場合は、まだ廃止措置計画を出せるという状況ではなくて、まずは安定した状態に持っていきながら廃炉作業を進めていると、こういう状況でございますので、廃止措置計画の終了というのがイコール廃炉の終了という形にはなると思いますけれども、そういったところに向けて、まだまだ作業がたくさん残っていると、こういう状況だというふうに認識をしています。
○山本(一)委員長
規制庁、お願いします。
○竹内オブザーバー(規制庁)
原子力規制庁です。
今奥田対策官もおっしゃったとおり、廃止措置に該当するような作業というのを今後進めていきまして、最終的に廃止措置が終了するというのは、放射線による影響がない段階、状態になった場合。すなわち、原子炉設置許可の効力が、炉規制法の適用を受けなくなった時点が廃止措置の終了ということになります。
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○山本(一)委員長
森田委員。
○森田委員
その終了というのは、敷地の中に完全にデブリの施設だとか、取り出したものだとか、そういうものを全くなくして、イメージ的には更地になった状態ということなんですか。
○山本(一)委員長
規制庁、お願いします。
○竹内オブザーバー(規制庁)
原子力規制庁です。
今の法律上は、そういうことになります。
○森田委員
では、廃炉作業は、一応更地になるということを目指すということですか。
○山本(一)委員長
事務局。
○奥田対策官
更地になることを目指すというか、そこも含めて、まだ土壌がどのぐらい汚染されているかということも含めて、さまざまな検討をしながら最終的に決めていくということだと思いますけれども、今の発電所としての認可の体系と、廃棄物の管理は別の管理体系になりますので、そういったところをどうしていくのかということも総合的に考えていかないといけないのかなというふうに考えています。
○森田委員
その廃止措置、廃炉の終了時点においては、前回の委員会では、タンクの処分を終えている必要があるという話でしたが、それは、つまり義務ではないという話なんですか。それとも、それは終えなければいけないということなのか。ただ、それは事務局側の希望なのかという。どうなのでしょうか。
○山本(一)委員長
事務局。
○奥田対策官
それは、ある意味義務として終えていないといけないというものだというふうに考えております。
ただ、今の発電所の設置許可の中でなくて、保管するということとの関係で、別の認可を取っ
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てということは可能性としてはあるのではないかなというふうに考えてございますし、例えば今処分方法の中で検討している地下埋設なんかは、恐らく何の管理もせずに、そのままでいいですよという、地下埋設ですとか地層注入はそのまま放っておいていいですということにはならないと思いますので、これはトリチウム水タスクフォースの中でも規制の検討の必要性があるというふうにも検討されておりますけれども、そういったところについては、ある意味別の規制の中にそういったものを移していくということが必要だと考えてございますので、いずれにしましても、廃止措置、廃炉の終了というところまでの間に処理水をどうするかということについては結論を出し、処分をしていかないといけないというふうに考えています。
○森田委員
ちょっと自分なりに整理できないんですけれども、要は、例えば先ほどから話が出ていたように、敷地内の土がすごく汚染していた場合、それはもう管理区域外に出せないので、敷地は管理区域にしたまま、しかし一方では、廃止措置を終了して、その管理区域は管理区域として残すということもあり得るということですか。
○奥田対策官
恐らく今の、もともと発電所としての設置許可の中での管理区域の考え方をそのまま残して、もしくは今その敷地全体が管理区域並みの扱いということになっていますけれども、そういう状態が残してということではなく、廃止措置が終了したということは、多分法律上の建付けも含めてなかなか難しいんじゃないかなというふうに思っていますし、そこはきちんと、さっき規制庁の竹内室長からご説明いただいたように、放射線による影響がない、管理しなくていいという状況になるまでということだと思います。
それを、では管理をしておく、別の形でとっておくときにどうしておくのかというのは、これはまた別の許認可の中で扱っていく必要があるものというのは残る可能性はあるのかなというふうに思います。
○山本(一)委員長
辰巳委員。
○辰巳委員
環境省の方が見えているということなので、中間貯蔵施設の約束は30年ですよね。その後には、一応何らかの形で地元の人に戻すという格好なのじゃないかなというふうに思うんですけれども、そのときの形は、そこの線があって、わずかに敷地内、F1の敷地内との違いが……F1じゃない、すみません、1Fです─の違いで、つながっているのに何か違いが起こるというふうな状況になり得るんでしょうか。どういうふうな形を、30年と言っていても、もう既に何年かたっ
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ているというふうに思うんですけれども、その後のあの地域の将来像というのはどんなふうに考えておられるんですか。
○山本(一)委員長
お願いいたします。
○環境省(新田)
環境省でございます。
中間貯蔵施設、搬入開始後30年以内に県が最終処分するというふうなことで取り組んでおりまして、今最終処分に向けてどうやって進めていくかというのをいろいろ一生懸命、それも検討を進めながら考えている段階で、その後どうするかというところは、まだ検討には至っていないところでございます。ただ、中間貯蔵施設用地という場所があって、そこから中の除去土壌を搬出するということになりますので、用地そのものをどうするかというのは今後の検討課題として考えていくものだとは思っております。
○山本(一)委員長
どうもありがとうございます。
いろいろご意見いただいておりますけれども、本委員会、多核種除去設備等処理水の取扱いからはちょっと離れた話になりますので、いただいたご意見とかご質問につきましては、次回までに事務局で整理して、個別にご説明させていただきたいと思います。
次に、議題3のALPS処理水の放出による放射線の影響について、に移ります。
事務局から説明をお願いいたします。
○奥田対策官
すみません、そうしましたら次、資料3をご覧いただけますでしょうか。
ALPS処理水の放出による放射線の影響について、というところでございます。
1ページ目のところに書いてございます。このALPS小委員会の設置のときに、トリチウム水タスクフォースで示された選択肢について、被ばく評価に基づく影響を検討するというのも検討課題の1つとして挙げさせていただいておりました。その関係で今回こういった議論をしていただければというふうに考えてございます。
トリチウム水タスクフォースの中で、先ほど申しましたけれども、5つの処分方法を挙げて検討をしてきたわけでございますけれども、その5つ、いずれも規制基準を遵守をして、生活圏への科学的な影響が出ないということを前提にしながら選択肢を検討してきましたので、結果としては、いずれも1mSv/年という公衆の被ばく影響よりも十分に小さくなることというのは予想されていますけれども、1回具体的に評価をしてみようと、こういうことでございます。
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本来であれば、そういうことで5つの処分方法についてきちんと評価をしたいということで事務局の中でもさまざまな検討をしてきたわけでございますが、放射線の影響評価を行う上では、さまざまな仮定を置いて評価を実施していく必要があります。
よく発電所の設置の段階などで評価をされるときには、保守的な観点に立った評価を行いながら、一定の影響以下であるというような保証をすると、こういったやり方をとることが一般的でございますので、選択肢をある意味横並びで見ていくというような形で考えたときに、仮定の置き方、それぞれ大胆な仮定を置きながら検討していく必要がございますので、この出てきた数字を大小横並びで公平に評価をできるという方法が世の中にはなかなか見当たらないという状況でございました。
その中で、原子放射線の影響に関する国連科学委員会、UNSCEARのほうが海洋放出、それから水蒸気放出については比較可能なモデルを公開しているということもございましたので、今回、このUNSCEARのモデルを使いまして、海洋、それから水蒸気の放出について放射線の影響評価を実施しようということでございます。
実際に、この評価方法につきましては、その下に少し書いてございますけれども、評価方法についてもホームページ上で公開をされている、ある意味そういう意味では透明性の高い評価方法だというふうに考えてございます。
次に2ページ目でございますけれども、ではどういったモデルになっているのかというところでございますけれども、最初、まず上のところに書いてございます。このモデルにつきましては、放射線核種が環境に放出された際に、一般公衆がどのぐらい放射線の影響を受けるのかと、こういったことを評価するためにつくられたモデルでございまして、放出地点の近くの地域に暮らす人々の個人の放射線の影響を評価できると、こういうモデルでございます。
ある程度定常状態になったということで、定常状態になった上で、その時点での年間の放射線の影響を評価すると、こういうものでございます。
先ほど申し上げましたように、海洋放出、大気放出について比較はできるということでございますけれども、被ばく経路はそれぞれ少し違ってございまして、海洋放出の場合には、砂浜からの外部被ばく、それから海洋生物の摂取による内部被ばくと、こういったところでございます。
ここで大気放出のほうにつきましては、大気からの外部被ばくですとか堆積後の土壌からの外部被ばく、それから吸入摂取による内部被ばく、それから陸生生物の摂取による内部被ばくと、こういったものを検討するモデルになってございます。
大気放出の場合は、特に放出地点からの距離というものが影響してきますので、そこは「※」で書いてございますけれども、放出地点より5km離れた地点での評価と、こういった形になっ
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てございます。
こういったモデルに今の福島第一の条件を当てはめて検討したわけでございますが、その当てはめた条件をその下に書いてございます。
1つは、処理水の性状というところでございますが、ここは濃度よりは年間の放出量というところが被ばく影響に大きく影響すると。大きくというか、そちらが影響するということで考えていただければというふうに思います。
トリチウムの濃度につきましては、100万Bq/Lという概算を置きまして、これを必要な希釈をした上で処理をしていくんだということを前提として検討してございますが、先ほど申しましたように、濃度が幾らになるかというところについては、特に決めをしなくても、このモデル上計算ができるということで、希釈先の濃度の決めはしていないと、こういうことでございます。
それから、その他の核種についてもあわせて評価をするというところでございます。ここに書いてございますように、告示濃度比1未満まで処理ができているK4エリアタンクの実測値を適用ということで、今タンクの中は告示比1を超えているものもあるというご説明をこれまで委員会の中でもしてきておりますけれども、それらについては環境中に放出する際には再評価を行うということをお約束してございますので、その後の結果として実測、後の結果と似たものとして実測できているK4エリアタンクの実測値を当てはめてございます。
それから、処分の速度でございます。先ほど来申していますように、年間にどのぐらいの処分をするのかという年間の放出量のほうが被ばく影響に大きくきいてきますので、ここは放出量を年間860兆Bq、86兆Bq、8.6兆Bqという3つのケースで比較をしてございます。
トリチウムの放出量で書いてございますが、年間860兆Bqというのは、この後東京電力から詳しく説明をいただきますけれども、今タンクに貯蔵されているトリチウムの量、全体で大体860兆Bqぐらいということでございます。トリチウム水の量にしますと、本当にコップ1杯以下の少ない量となっているということでございますけれども、そういったところも含めまして、そういったものが放出されていくというところを考えたものでございます。
次に、3ページに移っていただけますでしょうか。
そういった形で計算をさせていただいたものの結果をここにお示しをさせていただいています。
仮に、先ほど申しましたように、タンクに貯蔵されている処理水全てを1年間で処理した場合ということでございますけれども、海洋放出につきましては、年間約0.052μSv~0.62μSv、それから大気放出につきましては年間約1.3μSvという形になってございます。
マイクロシーベルトが、1,000μSvが1mSvでございますので、そのあたりも含めて非常に小さい数字になっているというふうにお考えいただければと思いますけれども、ここの海洋放
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出のところでございますけれども、この幅を持たせてございます
0.052~0.62μSvというところにつきましては、海洋放出の場合は、特に実際に濃度を測定して、先ほど申し上げましたK4エリアタンクの実測値の中で検出限界値以下の数字になっているものの影響というのが非常に大きいというところ、影響が出てくるというところもございまして、検出限界値以下になっている濃度をどう見るかというところですけれども、全てゼロだというふうに見ますと、この0.052μSvになります。一方で、検出限界値までは保守的に見て、存在している可能性があるという形で見ますと、0.62μSvになるということでございまして、こうした幅を持ってお示しをさせていただいています。
先ほど申しましたように、年間の放出量を幾つか、3つのパターンで評価をしてございます。
下に表も載ってございますけれども、表を見ていただきますとわかりますように、年間の放出量と放射線による影響というのは比例関係にございまして、放出量が10分の1、100分の1になりますと、その影響も10分の1、100分の1になると、こういうものでございます。
いずれの処分方法であっても、年間の被ばく線量、自然の放射、日本における自然界からの被ばくの影響である年間2.1mSv、2,100μSvと比較しますと、十分に低いという値になっているということは見ていただけるというふうに考えてございます。
それから、これだけ低い値ですので、この2つを比較することにどこまで意味があるのかというのは、またご議論もあるところかもしれませんけれども、大気放出と海洋放出を比較しますと、大気放出に比較しまして海洋放出のほうは半分以下の影響になると、こういう経過になっているというところでございます。
私からの説明は、以上でございます。
○山本(一)委員長
ありがとうございます。
ただいまの事務局の説明に対してご質問、ご意見等ございましたら、ご発言をお願いいたします。
柿内委員。
○柿内委員
3ページ目の線量評価のところで検出下限値のところを考えたときに、その値を入れると数字は大きくなるわけなんですけれども、この検出下限値、どの核種がこの数字を大きくしているか。どれが一番。トリチウムはここで示していただいているように余りきいていないわけなんですけれども、この数字を大きく見積もる核種というのは、どういったものが主にきいているのか教えていただきたいんですけれども。
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○山本(一)委員長
事務局、お願いします。
○奥田対策官
ちょっと今データを確認しています。ちょっと一瞬お待ちください。
後で改めてお答えさせていただきます。すみません。
○山本(一)委員長
そのほかいかがでしょうか。
高倉委員、お願いします。
○高倉委員
前にも聞いたことはあるかもしれないですけれども、ALPSで取りにくい核種が6種類程挙げられましたよね、たしか。1以下ですけれども、取りにくいのが幾つかあると。
それで、実際に放出する場合には規制庁が厳しくチェックして、とにかく全部1以下であるということを確認するということなんですけれども。それでも安全側に立ってさらに少なくしたい場合、2回、3回処理することによって減っていくんですか。ALPSの性能として。
○山本(一)委員長
東京電力、お願いします。
○東京電力(松本)
以前ご説明させていただいたとおり、ヨウ素129とかALPSで取りにくい核種があります。しかしながら、現在、交換回数をふやすですとか、そういう対策をとっておりますので、現在処理中のものについては告示比総和で言いますと1未満を処理後の結果として実現できているという状況でございます。
したがって、以前お話しさせていただいたとおり、85%程度の水が告示比総和を超えていますので、それについては二次処理ということでRO膜でこしたり、ALPSで再処理をすることで告示比総和1未満を実現することは可能でございます。
一方、ご質問にあったとおり、かければかけるほど減っていくのかというところは、確かにそういう傾向はございますが、当然量が少なくなっていくものをさらに薄くするということは技術的には難しさが増してきますので、今の段階では我々は告示比総和1未満を必ず達成しようということで考えています。
○山本(一)委員長
先ほどの結果を事務局、お願いします。
○奥田対策官
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すみません、失礼いたしました。
先ほど柿内委員からいただいたご質問でございますけれども、ND核種の中で特に影響が大きいものは、スズですとか鉄になります。NDでない、先ほどのK4エリアタンクの中ではNDでない核種もまじっておりますけれども、その中で言うと、例えばコバルトなんかも影響が比較的大きいほうに出てくるような核種でございます。
○山本(一)委員長
田内委員、お願いします。
○田内委員
すみません、シミュレーションの計算の前提条件をもう一度確認させていただきたいんですが、2ページ目のUNSCEARのレポートに掲載された評価モデルの2つ目のところです。ここに「100年間放出し続けた定常状態を仮定し」と書いてあるのですが、そうすると、想定している総量の100倍がずっと出ていたという前提で計算して、この被ばく量ですという意味なのでしょうか。
○奥田対策官
すみません、ちょっと説明を端折ってしまいまして申しわけございませんでした。
1年間に860兆Bqですとか86兆Bqですとか8.6兆Bqの放出をし、それが100年間続いて定常状態になっていると、こういう評価をしてございますので、実際に言いますと、タンクにたまっている総量が860兆Bqでございますので、この860兆を100年間流し続ける想定というのは多少─多少というか、保守的な方向に行っているものでございますけれども、計算方法としては、そういうモデルがある程度定常状態になった上での評価をするというモデルになっているものですから、こういう形で評価をさせていただいています。
ですので、例えば8.6兆Bqであれば、これは100年間─まあ、実際には半減期がございますので、単純に割ってということではございませんけれども、ざくっと言うと100年ぐらいということで、比較的モデルに当てはめた計算ができているものになると、こういうふうに考えてございます。
○山本(一)委員長
田内委員。
○田内委員
そうしますと、この数字はかなり過大評価になっているということでよろしいんですか。
○奥田対策官
特に860兆というものについては─まあ、ただ、今タンクに貯めているものだけではなくて、
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その後追加的に汚染水が発生してきて、どのぐらいふえていくかというところもございますので、なんですけれども、ただそういう意味では、事故時の解析の中ではトリチウム全体で
3,400兆Bqというふうな試算もしておりますので、それとの関係で言いますと、確かに860兆が放出をし続けて100年間というのは少し過大な評価になっているというところはございます。
○山本(一)委員長
崎田委員、お願いします。
○崎田委員
確認なんですけれども、年間800兆Bqを100年間というケースを考えた過大な試算ということなんですが、そういうことを実施したとしても、この3ページの下の図から言えば、自然放射線からの被ばくよりは桁違いに影響は少ないという、そういうふうに理解をすればいいんでしょうか。
○奥田対策官
おっしゃるとおりでございます。
860兆、まあ、過大ではあるんですけれども、1年間に流すとすれば、それだけの影響はそこに出てきますので、それをなるべく評価をしようということで計算をさせていただいているものでございます。
○山本(一)委員長
ほかはいかがでしょうか。
山西委員。
○山西委員
すみません、余りこの資料の本質的なところじゃないんですけれども、大気放出については5km離れた地点と書いてあるんですけれども、これはここが一番高くなるということで評価されているのですか。
○奥田対策官
一番高いということではないんですけれども、近傍に住んでいる人ということを、個人を特定するというか、という意味で5kmのところの地点で評価をしていると、こういうものでございます。
○山本(一)委員長
柿内委員。
○柿内委員
今のところ、補足的なというか、ほかの施設とかを参考に話をすると、例えばカナダにCAN
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DU炉と言って、重水減速炉と言ってトリチウムを大量に出す施設があるんですけれども、そういったところの環境中のモニタリングの結果というのがあるんですけれども、こちら大気に放出されて、それで定常的に、通常の運転で出るときの影響というのは、植物とか、そういったものの中に含まれている水とか有機結合型という有機物として入っているもののトリチウムの濃度影響というのは大体5kmだと、もうほとんどバックグラウンドに近い水準まで落ちるということで、影響を見るという意味では、通常─まあ、定常的にです。事故じゃなく放出される場合は余り見ることはできなくて、もっと近傍じゃないとなかなか認められないということが報告としてはございますので、影響を見るという意味では、直接的な出たものを評価するという意味では、そこは妥当かどうかというのはありますけれども、説明にあったように5km、そこに住んでいらっしゃる方の影響という意味では適切ではないかというふうに思います。
○奥田対策官
おっしゃるとおりで、これは先ほどもお話をさせていただきましたけれども、被ばく影響評価というのは仮定の置き方によって値も変わってくるものでございますので、我々もすごく悩んで、大気放出と海洋放出とを比べるというのは、このUNSCEARのレポートを使わせていただくのが、ある意味公平に比較できる1つの方法ではないかなということで使わせていただいております。
おっしゃるとおり、では、本当にどのぐらい被ばくするのかですとか、保守的に見たときにどのぐらいの被ばく量になるということを前提に考えていくのか。これはまた別にきちんと計算もしながら、多分規制委員会の認可をしていただくときにも、そういった話ももちろん出てくると思いますけれども、そういったところはまた別になってくるというふうにお考えをいただいたほうがいいかなというふうに思います。
○山本(一)委員長
高倉委員。
○高倉委員
ちょっと目的から外れるかもしれませんけれども、現実的にトリチウム放出で高いと言えば、日本の場合、ATRだったわけですけれども、今廃炉になっていますけれども、それの実績はかなりあったはずです。ですから、そのときの実績といいますか、大気中の濃度や、距離によってどうであったかとか、あるいは敦賀湾のトリチウム濃度はどうだったのか、そういったデータはあるんですか。
○山本(一)委員長
ATRのデータは、ちょっと調べさせてください。
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○高倉委員
そうですか。もし、調べるならば、韓国のもCANDU炉ですから、その辺の放出実績とか、そういうのも調べていただければと思うんですけれども。
○奥田対策官
そうですね。韓国のほうは、そういう意味では現状でありますので、例えば放出量なんかについても大体のデータは出ております。
例えば、韓国の発電所の中でいいますと、韓国の原子力発電所から、例えば2018年でいいますと202兆Bq─まあ、韓国の報告書の中では「TBq」と書いてございますけれども、220兆Bqでございますし、さらに前の年、2017年であれば189兆TBqというのが1年間に、これは液体放出でございますけれども、放出されているというような形の報告がなされておりますし、気体の放出ということでいいますと、2018年が159兆Bqですとか、2017年に160兆Bqというような形の放出量があるということが韓国国内の報告書の中でも報告をされていると、こういうものでございます。
○山本(一)委員長
小山委員。
○小山委員
被ばく線量の影響について、例えば最大値みたいなのって出せないんですか。海洋の影響なんかだと、例えば漁業者だとか、すごくマリンスポーツやる人とかがいたと、経口の摂取もあり得るとか。あるいは大気でも、これ5kmよりも柿内委員言うように、もっと近くで生活した場合とか、農産物のときなんかでも平均的に5,000Bqだとか、空間線量、このぐらいと言っても、産出性の野生の植物だとか生物を経口で摂取していた場合、かなり内部被ばく高く出たケースとかというのもあったので、例えば最大でもこのぐらいが想定されるというのも何か出ていると、これ放射線の影響について、処理水放出のです。もうちょっとリアルにわかりやすくなるんじゃないかなと思って、そういうシミュレーションというのはできるのかどうか。
○山本(一)委員長
事務局。
○奥田対策官
もちろん、いろいろな仮定を置いてやれば、数字は出てくると思います。ただ、最大というところをどういう仮定を置くのかというのは非常に悩ましいところもございまして、例えば今回の場合でも海洋放出の場合は、少しご説明しませんでしたけれども、トリチウムの影響というのは非常に低い値になってございます。これは基本的には海水を飲まないということを前提に今評価
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をしているわけですけれども、一方で、告示濃度の基準は6万Bq/Lという基準になってございますけれども、これについては放出した水を毎日飲み続けて影響が1mSv以下になるということで計算をされていますので、極端にといったときに、毎日海水を何らかの形で飲み続けるみたいな評価をするのであれば、それは1mSvみたいな数字になるわけですけれども、それを出すことに意味があるのかというと、ちょっとそれも違うかなというところもあって、最大というときにどういう仮定を置くのかというところは非常に難しいところがございます。
ただもう少し、ただ今回の評価につきましては、ある意味、大気放出と海洋放出というのを、さっき何回も申し上げていますけれども、ある程度同じような仮定のもとに評価をするとしたらこのぐらいじゃないかということでUNSCEARの中で並べて記載された評価方法のモデルでございますので、それと、もちろん、もう少し保守的に評価をしたときの値というのは違ってくるというふうに思いますし、実際にはそういった数字も今後少しお示しもしていくということもあり得るかなと思いますけれども、最大というところの捉え方は非常に難しいなというふうに思います。
○山本(一)委員長
辰巳委員。
○辰巳委員
これは、要するに、いずれ大気に放出するか、海洋に放出するかという方法がとられる可能性というのを前提にした上で考えているというふうにまずは考えていいのかどうかというのが1つ。
それから、量がちょっとよくわからないんです、量的な感じが。だから、海洋に放出したときの減る量、たまっている量が減るのと、大気に放出したときに、同じ1年間かけたら減る量が一緒なのかどうかがちょっとよくわからないという、私自身がわからないんで、そのあたりがわかれば教えていただけたら。
○山本(一)委員長
事務局、お願いします。
○奥田対策官
まず、これ最初にご説明をしていますけれども、特に我々としてこの2つに絞って評価をするということを考えたわけではございませんで、できれば5つの処分方法について評価をしたいというふうなところからスタートはしているんですけれども、どうしても公平に評価をできるものというのがなかなかなくて、その中でこのUNSCEARのモデルを使えば、この2つについては評価できるということで、この2つの評価を今回お出しをさせていただいているものでございます。
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そういう意味で、なぜこの2つについてだけあるのかというと、やっぱり実績がある処分方法だから、放出方法だからというところでUNSCEARのほうではこういったものがつくられていると、こういうことだというふうに考えてございます。
それから、量でございますけれども、これは海洋放出にしても、水蒸気放出にしても、同じ量を処分していくということを前提に考えてございますので、減っていく量というのは同じ形になります。
○辰巳委員
書いてありました。失礼しました。
○山本(一)委員長
高倉委員。
○高倉委員
影響評価についてちょっとお聞きしたいんですけれども、例えば海洋放出の場合、「UNSCEARによればこうです」ということではなくて、その中身は、「こういうふうに仮定して、この様に評価されます。」というふうにわかりやすく説明してもらったほうが一番いいんですけれども。
頭から、「UNSCEARによるとこうです。」ではちょっとわかりにくいような気がするんですけれども。皆さんわかるのかどうか。
○奥田対策官
すみません、そういう意味では、そうですね、「UNSCEARによると」と一言でまとめてしまったかもしれませんけれども、先ほど申し上げた大気放出、それから海洋放出についての被ばく経路を特定されております。その被ばく経路の中で、例えば海洋放出のほうでいいますと、海洋生物の摂取による内部被ばくの影響が大きいわけでございますけれども、それぞれの核種ごとに、その海洋生物にどのぐらい濃縮をするのかですとか、そういった濃縮した上で、そういった海洋生物をどのぐらい摂取するのかと、こういったところについてそれぞれ値が決まっておりまして、そういった数値を当てはめながら計算をしていけば、それぞれの被ばく量が出ると、こういうものでございまして、それをそれぞれの被ばく経路ごとに、それぞれの核種ごとに計算をし、足し合わせたものが最終的にここにお示しをしている被ばく線量という形になっていると、こういうものでございます。
○山本(一)委員長
高倉委員。
○高倉委員
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理屈はわかるんですけれども、現実的にです。例えば、トリチウムの場合ですと、外部被ばくは評価する必要はないですよね。内部被ばくだけです。内部被ばくは、魚ではどのぐらい、海藻ではにどのぐらいか。場所によって違うとは思いますが、海藻だったら年にどのぐらい食べる、魚だったらどのぐらい食べる。それによって評価はこうなるんですよという具体的に幾つか挙げないとわからないと思うのですが。
○山本(一)委員長
事務局。
○奥田対策官
わかりました。そういう意味では、非常にたくさんの指標を用いて計算をしておりますので、全部というのはなかなか、またご理解いただくのは難しいかもしれませんけれども、一部代表的なものについては少しこういった数値を使っているというところは整理して、また次回の委員会でもお示しをさせていただこうかなというふうに思います。
○山本(一)委員長
田内委員。
○田内委員
今の高倉委員の発言に関連してなのですが、環境の条件設定がどんな感じなのかというのを、簡単にぜひ書いていただきたいと思います。海流の速さとか、気象条件はどういう地域を想定していますとかということです。もちろん、たまたま雨が降ったりというのはあるのでしょうが、おおよそどういう環境のところで想定したらこうなっていますという説明は、やはりないとわかりにくいです。UNSCEARを読めというのは余りにも厳しいので、そこはぜひ情報をつけ足していただきたいと思います。
○奥田対策官
承知しました。
○山本(一)委員長
開沼委員、お願いします。
○開沼委員
今細かいプロセスの部分をわかりやすくすべきだという話だったかと思いますし、先ほどの炉規法と特措法の話とかもそうですけれども、かなりこの委員会が一般の方からも、被災地の方からも、今後どうなっていくんだというところで注目されている現状があり、こういう資料とかもSNS等で政治家の方とかが、こういう資料出ているよと紹介して拡散されたり、ここまでの委員会で出てきた資料とかも出ております。なので、一般の方にユーザーフレンドリーな見せ方と
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いうのはいろいろな面で必要かと思っていますし、そこで何か矛盾しているなとか、背景がよくわからないなとか、見ていても何か整合性がとれていないなというふうに思わせるようなことは極力排除したほうがいいというのが、多分ここまでの議論の根本にあるのかなと捉えていますけれども、関連して2点コメントと質問です。
1点目が、この資料の3ページの3つ目の点のところの「自然被ばく年間2.1mSv」という言い方、あるいは医療被ばくだと日本で平均3.8mですよみたいな話とかってありますが、年間ミリシーベルト、「mSv/年」というのはよく使われていて、結構勉強している一般の住民の方でも頭に入っていると。
一方で、マイクロシーベルトの場合は、福島県内の新聞とかテレビで、今環境の放射線量、こうですよというときに「/時」なんです。1時間当たり何とかマイクロシーベルトですよという使われ方がします。
その両方の物差しある中で、「μSv/年」というのは非常に混乱させるのかなというふうに思います。「mSv/年」にしてしまうとゼロがいっぱいになってしまうということで「μSv/年」にしたのかもしれないですけれども、マイクロシーベルトというと、0.23がどうこうとか、多分そこで頭に入っているところで急に/年が出てくるというのは、一般の震災、原発事故後に放射線のことを把握し始めた、今もしている方たちにとってはちょっとわかりにくいと思いますので、表現のご検討をいただいたほうがいいのかなというのが1点目のコメントです。
2点目が、ちょっとこの資料からは離れてしまう、本筋からは離れてしまうんですけれども、先ほども言いましたとおり、こういうものがよくも悪くも切り取られて、こういう資料が出回る状況があります。その中で国際的に─まあ、先ほどもありましたけれども、ほかの国ではどういうふうに出ているんだと。そういう中での860兆Bqなんだという議論を広く一般の方々はしていくわけですけれども、その中で今外交問題として韓国との話があります。韓国での放出量がどうだという話って、一般の方が結構注目しているところです。当然この委員会でも、世界的に見てここの国はどうですよという世界地図は出されていますけれども、現実的に韓国との問題というのは非常に重要な議題になっている中で、韓国がどのぐらいの放出をしていて、それに対して福島がこうなんですよという資料を、これとはまた別な話として用意する必要はあるんではないでしょうか。
そこでそういう、それが政治的な判断、各国でいい悪いは別にして、まず議論の土台を整備していくという意味で今言ったような2点、必要なのかなと思います。
2点目のほうは質問です。そういったことを検討する余地はあるのかというところはいかがでしょうか。
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○山本(一)委員長
事務局。
○奥田対策官
ありがとうございます。
1点目のところはおっしゃるとおりで、少し表現ぶりについては、見ている方がどういうふうに受けとめるかというところも考えながら、すみません、必要な修正をさせていただければというふうに思います。
それから、韓国も含めて、比較をどうしていくのかというところにつきましても、これもさっきも少しお話をしましたけれども、韓国の中でいいますと、860兆との対比で言いますと、大体年間200兆Bqぐらいの処分を液体放出としてやっていますし、大気放出のほうは200兆弱ぐらい、150兆ぐらいというのが続いておりますので、大体韓国でいいますと、年間合わせて350兆ぐらいの放出ということですので、2年、3年分ぐらいに相当するのが860兆だというようなことだと思いますので、そういったところは少し─まあ、韓国に限らずということだと思いますけれども、我々としては、きちんとこの860兆というものがどういうものなのかというところをわかりやすくご理解をしていただくというところは必要だと思いますし、その中でほかの地域との比較というものももちろんあると思いますし、今回お示しをしたような被ばく影響というのは大体どのぐらいの程度なのかという、細かい数字は別にしましても、オーダー感としてはご理解をいただいていくと、こういったところは必要になってくると思いますので、そこはしっかりとやらせていただきたいなと思います。
○山本(一)委員長
ありがとうございます。
山西委員。
○山西委員
ちょっと韓国の話もありましたんで、トリチウムの国際会議というのが3年に1回開かれているんですけれども、この4月に韓国・釜山で開かれました。国際運営委員やっている関係でそこに出て、福島のトリチウム水タスクフォースの話も少し紹介させていただいたんですけれども、そこでの欧米の研究者の意見は、海洋放出か大気放出が妥当であるというような意見がそこの発表の中ではあったということと、また韓国の専門家と少し話は別途しているんですけれども、そのときは韓国の研究者としても同様の意見だけれども、韓国には反原発、非常に反発するグループというのがあるらしくて、そこの人との、韓国の中でも放出に関してはなかなか大変だということと、今の韓国政府は、むしろ、そこの意見の人に近いという言い方をされていまして、なか
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なか、もし韓国の政府の意見としては厳しいものが出るんじゃないかというようなことをそこで言われていました。1つ情報として提供させていただきます。
○山本(一)委員長
ありがとうございます。
柿内委員。
○柿内委員
先ほどの開沼委員からの質問に関連してなんですけれども、今回、例えば年間何とかBqというのが出たときに、結局、線量としてというのもあるんですけれども、これまでも海外のそういう原子力関連施設とかで出た量に対して環境中の濃度レベルがどのくらいになったんだということもあわせて、実際学術的な、いわゆる論文という形のものでもいろいろ情報がございますので、セットにして、例えばこういう量が出たときに計算上はこうなる、実際はこうですよ、そういうものをセットにすると具体的なイメージとして抱いてもらいやすいのかなというふうに思いますので、それも今後検討していただければと思います。
○山本(一)委員長
ありがとうございます。
○奥田対策官
ありがとうございます。そういったところも含めて、少しデータのほうは整理をしていきたいなと思います。
○山本(一)委員長
特にほかになければ、次に議題4、前回までの議論の整理と残された論点について、に移ります。
まずは事務局から整理した状況を説明していただいて、その後、東京電力から貯蔵・処分の時間軸についてご説明をお願いいたします。
まず、事務局からお願いします。
○奥田対策官
そうしましたら、資料4をご覧いただけますでしょうか。その後、その後ろに資料4(別紙)という資料もついてございます。基本的には資料4のほうでご説明をさせていただきますが、幾つか資料4の別紙のほうに、資料4に書き切れていない詳細なことを資料4(別紙)という形で書いてございますので、ご議論の中で確認したい点があるときに、少しめくっていただくなりしていただければというふうに考えてございます。
資料4の1ページ目からご説明をさせていただきます。
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これまでの議論を整理しながら、今日ご議論をいただく論点として、まだ議論が尽きていないところ、どういったところがあるのかと、こういうふうにまとめさせていただいている資料でございます。
1ページ目は、そういう意味でこれまでの議論の整理が書いているページになってございますけれども、まず「検討の経緯」のところでございますけれども、トリチウム水タスクフォースで検討してきたというところと、多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会、この委員会で検討してきたということでございます。
タスクフォースのほうの検討結果につきましては、後ろの別紙のほうに少し評価結果も記載してございますが、基本的要件、それから制約となる要件というところについて、それぞれの処分方法について整理をしていただいたというのがタスクフォースでございます。
その後、風評への大きな影響を与えるということもございまして、この小委員会を設置して、技術的な観点に加えて、風評など社会的な観点も含めた総合的な検討を実施するということで、この委員会を進めてきているというのがこれまでの経緯でございます。
その中で、この小委員会の中ではさまざまな方々からのヒアリングを実施した上で、説明・公聴会を昨年夏に開催をし、その説明・公聴会でいただいた意見を踏まえて、今議論をしているというところでございます。
この意見の内容については概略だけでございますけれども、別紙のほうに記載をさせていただいていますので、後でまたご確認いただければと思います。
「現状の共有」のところでございますけれども、これまでこの委員会の中でさまざま議論してきていただいたところをまとめたところでございます。
まず、トリチウムの科学的性質について、というところでございますけれども、トリチウムは水素の放射性同位体であるということで、トリチウム水は水と同じ性質であり、自然界でも生成、存在をしているという形で、自然界で発生するトリチウム─自然界に発生するだけじゃないですが、このトリチウム水というのは自然界で存在しているということもありますので、人の体内にも一定量存在していると、こういうふうなものであるというようなことですとか、こういったトリチウムについて放射線による被ばく影響というのがどういう形で出てくるのかということも議論していただきまして、低濃度であれば、トリチウムからの被ばく量はごく小量であり、有機結合型トリチウムの影響も限定的であるというようなお話をしていただきました。
このあたりについては、昨年11月の委員会で丁寧に議論させていただきましたので、そういった内容については後ろの別紙のほうに記載をさせていただいていまして、生物影響についてのまとめを書かせていただいてございます。
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それから、多核種除去設備等処理水の取扱い、ALPS処理水の性状についてというところで、これも説明・公聴会のときに大きな話題になりまして、タンクの中にトリチウム以外の放射性物質が残っているというところでございますが、8割につきましては告示濃度比が総和1を下回っていないと、こういう状況でございます。これはALPSを設置した当初の不具合の影響ですとか、敷地境界1mSv/年という、タンクにためておくための基準を満たすために処理を急いだというようなところが原因になっているというところでございますけれども、何度も申し上げていますけれども、環境中に放出する場合には希釈を行う前に、もちろん、トリチウムの濃度がありますので、希釈をして環境中に放出するということになるわけですけれども、希釈を行う前にトリチウム以外の放射性物質については告示濃度比総和1を下回るまで二次処理を行う方針を示させていただいているというところでございます。
それから、(3)のタンクの保管状況でございます。
これまでの委員会でタンクの設置の経緯なんかもお示しをさせていただいておりますけれども、かつ、さまざまな漏洩防止対策も講じながらというところでございますけれども、今の現行のタンク計画で言えば、2022年の夏ごろにタンクはいっぱいになると、こういったところをお示しをしてきたところでございます。
また、委員会の中では、例えば説明・公聴会でいただきました大型タンクですとか地下タンクでの保管というところについても議論もしております。その辺は後ろの別紙のほうに少し記載をさせていただいているものでございます。
ただ、こういう形で2022年夏ごろにタンクが満杯になるということで、今の計画ではそうなるということですので、それをどうしていくのかというところがまさにこの委員会で議論をしていただいているところになってございます。
その中で、当然今後どのぐらい汚染水が発生してくるのかということが処理水の増加量と関係してきますので、汚染水の発生量についての記載をその下に書いてございますけれども、もともと2014年には540m3、1日当たり発生をしていた汚染水の発生量、昨年の平均で言えば、170m3まで低減してきているというようなところでございますけれども、これも引き続き汚染水の発生というのは一定程度は許容していかないといけないということで、2ページ目に移りますけれども、2020年内に150m3程度まで低減させるというのが今の目標になってございますし、その後さらに低減をしていくということももちろん考えていく必要がありますけれども、一定程度発生し続けるということは前提としないといけないと、こういうところでございます。
それから、(5)でございますけれども、今日も少しご議論いただきましたけれども、敷地外への移送・保管、それから敷地の拡大というところについても、タンクの保管容量をつくるため
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にどこまでできるのかというところでございますが、まず敷地外への搬出につきましては、移送に要求される規制ですとか、移送ルートの自治体からの同意を得た上で、移送先での保管施設の設置許可申請などを行う必要があるということでハードルが多いということ。
それから、敷地の拡大につきましては、1Fの外側が中間貯蔵施設の予定地ということでございまして、ほかの用途で使用することは難しいというようなことをこれまで議論してきていただいています。
もう少し詳しい内容は、別紙のほうにも記載をさせていただいてございます。
こういったことを踏まえますと、多少のタンクの増設も含めて検討の余地がある。敷地の中で検討の余地があるということでございますので、敷地の利用についてさまざまな制約は、いろいろなものをこれから敷地の中でつくっていかないといけないと、こういうこともあるんですけれども、タンクの増設も含めて敷地の有効活用を徹底的に進めていくべきではないかというのが前回の委員会でもご指摘をいただいているところというふうに考えてございます。
その下、論点でございます。今申し上げたような方向で議論していくべきではないかというご議論でございましたが、今日も少し土壌の話は議論いただきましたけれども、それ以外に、タンクの利用についてご議論をいただくべきことというのはないのかどうかというのが論点①でございます。
それから、次が(6)でございます。トリチウムの分離技術というところでございますけれども、トリチウムの分離技術につきましては、平成27年度の検証試験事業の中で、今のALPS処理水の量ですとか濃度を対象にした場合には、直ちに実用化できる段階にある技術は確認されなかったと、こういうふうに評価をされているわけでございますが、現時点においても、直ちに実用化できる段階にある技術は確認されていないというところでございます。
ですので、その検討の中ではトリチウムの分離は行わないことを前提とする。一方で、新たな技術の研究が進められているというところもございますので、引き続き技術動向は注視していくべきではないかということかと考えてございます。
それから、国内外でのトリチウムを含む放射性廃棄物の処分の状況というところでございます。これ今日も幾つか例を出してございますけれども、これまでもこの委員会の中でもさまざまな例をお示しをさせていただいています。例えば、国内の原発であれば、1サイトごとに数千億Bqから100兆Bq程度のトリチウムを含む放射性廃棄物の海洋への処分を行っているというところでございますが、これもPWRとBWRで少し違いがございまして、PWRであれば大体1サイト当たり13兆から100兆というのが22年度の実績でございますし、BWRであれば1サイト220億から2.2兆Bqというのが実績ということでございます。
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全体で見ますと、事故前の平均でいいますと、日本全体では年間大体380兆Bqの放出をしてきたというのが実績でございます。
また、使用済燃料プールから自然に蒸発した水蒸気が換気に伴って大気に放出をされているというのも、あわせてご紹介もしてきたところでございますが、これを福島第一原発に当てはめてみますと、福島第一原発の場合には、事故前に年間で2兆Bqの海洋放出、それから1.5兆Bqの大気放出の実績があるというようなところでございます。
それに関しまして、管理目標値というのも定められておりまして、福島第一原発の場合は年間22兆Bqということでございますけれども、これは設置されている炉の基数によりますので、例えば福島第二原発の場合は14兆Bqと、こういった管理目標値を持って管理をしてきたというようなところでございます。
それから、海外の例もお示しをしてございますけれども、国内と同じように原子力施設から海洋放出をされているわけでございますけれども、特記するべきこととしましては、例えば再処理施設なんかは年間に1京Bq以上放出するようなサイトがあるというようなことですとか、国内にはないんですけれども、重水炉では年間数百兆Bqを放出するようなサイトがあるというようなことでございます。
また、大気への放出につきましては、施設内の換気による放出というのは日本と同じでございますけれども、それ以外の例でいいますと、アメリカのスリーマイルアイランドの原子力発電所の事故の際には、水蒸気放出が行われているというところでございますけれども、その量につきましては24兆Bq、水の量で8,700m3、放出に2年をかけてやったと、こういった例があるというところをご紹介してきているところでございます。
それから、処分方法の検討というところでございますけれども、この委員会の中でも処分方法についてどうするのかというところをこの夏以降、何回かにわたり議論してきていただいているところでございますけれども、その中で、ある程度まとまってきているところと、まだまだ議論が足りていないところというふうに分かれるのかなというふうに考えてございます。
まず、(1)のところに書かせていただいていますALPS処理水については、科学的に安全なのは大前提なんですけれども、科学的な観点のみならず、社会的な影響も踏まえた判断をしていくべきではないかということですとか、ALPS処理水の処分については廃炉作業の一環であり、廃止措置終了までに処分を終える必要があるということ。ただ、その際には、復興をないがしろにすることなく、復興を進めながら廃炉を進捗させるために風評への影響に配慮することが重要ではないか。したがいまして、必要に応じて貯蔵を行うことも含めて、社会的な影響を抑えることを十分に踏まえて処理水の処分を検討すべきではないか、こういったところでこれまで委
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員会の議論を進めてきていただいていると考えてございますが、論点②、論点③、その下に書いてございますけれども、前回も委員会の中でご意見いただきましたけれども、まず論点②のほうで処理水の処分をする際の時間軸の考え方というところでございまして、年間の処分量ですとか処分期間、これはトレードオフになっているものでございますので、そういったことの関係ですとか、処分の開始のタイミングもそういった中に重要な考慮要素になってきますので、こういったところを今日東京電力からシミュレーションを示してもらいながら、さらにご議論いただければというふうに考えてございます。
また、こういった議論をしていただく上で、処分の開始のタイミングですとか処分期間、こういった時間軸を考えていく中で、具体的に決めるのは、有識者の委員会だけではなくて、関係者のご意見も踏まえながら最終的には決定していかないといけないというふうに考えているところもございますので、この委員会の中では留意点、どういった形の点をしっかりと考えて決定をしていくべきなのかと、どういう点に留意をしていくべきなのか、こういったところをぜひご議論をいただければというふうに考えてございます。
それから、論点③でございますけれども、どの処分方法が有力かというところでございます。技術的な観点、社会的な観点ございますけれども、この処分方法に優劣があるのかというところでございまして、先ほども、その一環として被ばく線量の評価というものをお示しをしようと考えてご説明をしましたけれども、先ほども議論ありましたけれども、水蒸気放出と海洋放出しか比較できるものがなかったということでございますけれども、そういったことも含めて、処分方法についてご議論をいただければというふうに考えてございます。
それから、(2)の風評対策の方向性ということでございます。この委員会の中で、風評影響、それからそれに対する対策というものについて重要視をし、主要なテーマとして扱ってきてございます。その中で、これまで風評対策については、まず情報をしっかりと伝えていくということでリスクコミュニケーションの対策、それから実際にさまざまな経済影響が起こることに対する経済的な対策、この2つをしっかりとやらないといけないのではないかということですとか、また処分に伴う不安が風評被害を誘発するということで、それが消費・流通・生産という形でそれぞれの階層ごとに伝わっていきますので、それぞれの階層ごとに適切な対策を検討していく必要があるのではないかというようなご議論。
それから、事故後8年超にわたって風評被害対策を講じて、その実績も出てきているところもございますので、そういった観点で、質・量の観点で、より効果のある対策というのを講じていくというようなことを考えていくべきではないかということ。
その1つとして、例えばリスクコミュニケーションとして、処分実施前に、処分による生活圏
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への科学的な影響、トリチウムの性質、これまでの実績など、しっかりと科学的な事実関係を周知する対策などがあり得るのではないかというようなことをご意見としていただいております。
たくさん議論していただきましたので、詳細については別紙のほうにもう少し書かせていただいておりますので、少し見ながら、また議論をいただければと思います。
こういったことも議論してきたわけでございますが、風評影響の対策について、さらに提言としてまとめておくべきこと、こういったところを今日はぜひご議論をいただければというふうに考えているところでございます。
それから、次に4ページ目でございますけれども、風評対策の一環というところもあるのかもしれませんけれども、モニタリングを徹底していくということについてはこの委員会でこれまで議論をいただいているところでございまして、処分した際の安全の確保、安心の追求という観点で、周辺環境のモニタリングを徹底すべきということでございますが、しっかりと処分時の規制基準を満足しているかどうかということ、加えまして、周辺環境の濃度が十分に低い水準を保っているということで、周辺環境の安全性の確認をしていくということ。また、その確認をするだけではなくて、処分に対する不安を払拭するために、こういった測定結果を活用しながら、わかりやすく丁寧な情報発信をしていくんだと、こういったところを議論をいただいてまとめているところでございます。これも詳細は、別紙のほうにもう少し書かせていただいております。
それから、この小委員会の位置づけと今後の展開というところで、処分決定の際の留意点のまとめ、と書いてございますけれども、前回、前々回の委員会の中でも議論をいただきましたけれども、小委員会では専門的な見地からの検討を実施するということで、関係者間の意見調整を行うものではないということは前提としながら、小委員会の提言の取りまとめの後に、政府として方針を喫緊に決定することを期待するというのが小委員会の立ち位置ではないかなということ。それから、その際に小委員会の提言だけではなくて、地元を初めとした幅広い関係者との調整も踏まえて、透明性のあるプロセスで決定を行っていくべきというのがご議論をいただいてきたというふうに考えてございます。
それから、方針の決定後も、国民の理解の醸成に向けて、透明性のある情報発信ですとか、双方向のコミュニケーションに長期的に取り組んでいくと、こういったところをこれまでご議論いただいているというふうに考えてございます。
事務局でこれまでのご議論、それから今日ご議論いただきたい点をまとめさせていただきましたけれども、そのほか議論しておくべき論点があれば、もちろん今日提起をいただいて、さらに議論を深めていければいいなというふうに考えてございますので、よろしくお願いいたします。
私からは以上でございます。
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○山本(一)委員長
ありがとうございます。
引き続き、東京電力からお願いします。
○東京電力(松本)
東京電力の松本でございます。それでは、資料5をご覧ください。
こちらの資料で、処理水を仮に処分を開始するとしたら、そのときのトリチウムの量、それから処理水の量がどういうふうに推移するかということをシミュレーションしたものでございます。
ページをめくっていただいて、1ページになります。
まず、処理水中に含まれるトリチウムの総量について評価いたしました。これは先ほど奥田対策官のほうからの被ばく評価に使った数字でございますけれども、私どもは処理水に含まれているトリチウムの量を2つの方法で考えています。
1つは、満杯になったタンク群については、それぞれ新たにサンプリングをいたしまして、実測値という形でタンク群ごとのトリチウムの濃度をはかっております。これが約83万m3ありまして、トリチウムの量としては約506兆Bqございます。また、満杯になっておらず、まだ測定が終わっていないものが34万m3ございまして、これは今年の4月から9月の多核種除去設備の出口の平均トリチウム濃度、約105万Bq/Lを用いて推定しています。この結果が350兆Bqございまして、合わせて856兆。今回の試算では、それらを丸めて約860兆Bqということで評価を実施いたしました。
この860兆Bqと申し上げますのは、水で換算いたしますと、いわゆる水は水素原子2つと酸素原子1つでH2Oという形になりますが、それを1つの水素原子がトリチウムに置きかわったHTOという形で評価いたしますと、大体コップを満杯にすることもない、量で言いますと約20gぐらいの量がHTOという形の水としては存在する量でございます。
これを実際に処分するとして、どういう評価をしたかという過程を2ページでお示しします。
こちらにつきましては、まず1つ目の「■」でございますが、まず量をどういうふうなスピードで処分するかということに関しましては、1ポツ目の「●」でございますとおり、毎日定量のトリチウムの量、トリチウムが貯留水から減少するという仮定を置いています。
それから、処分の開始日は2020年、2025年、2030年、2035年の5年刻みで、おのおの1月1日をスタートにしました。
それから、処分の完了日は、私どもとしては廃炉が完了する際にはこういった処理水はなくなっているべきだろうというふうに考えておりますので、廃炉30年後の2041年12月31日、それから廃炉40年の2051年の12月31日というふうに置いております。
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先ほど申し上げたとおり、トリチウムの総量は2020年の1月1日で860兆Bqというふうに置きました。
また、この試算をしている間については、毎日150m3の汚染水が発生し続けるということを仮定しておりまして、その濃度は105万Bq/L、それからトリチウムは12.3年の半減期を持っておりますので、この半減期に従った減衰はこのシミュレーション上は考慮してあります。
その結果でございますが、以下の4点が注意するべき点というふうでございます。
1つは、後ほど説明しますが、トリチウムの量を一定量低減させるということでシミュレーションを置いておりますので、実際の処分のスピード等を示してはおりません。
また、トリチウムの総量には推定値が含まれているということと、次のポツでございますが、毎日150m3の汚染水が発生し続けるですとか、あるいはその濃度を105万Bq/Lというふうに置いてあるというところも今後変動する可能性があります。
また、前回、前々回のこの小委員会でご説明させていただいた、2020年代後半には少なくとも必要になってくるような施設の敷地の確保など、技術的な成立性という面ではまだ検討が十分できていないという状況でございます。
それでは、ページをめくっていただいて、3ページからご説明していきます。
3ページは、2020年の1月1日に処分を開始し、2041年の12月31日、それから2051年の12月31日にトリチウムの量をゼロにするということで線を引いたものです。
オレンジの線が左側の軸になりますトリチウムの総量でございまして、グレーの線が保有水、処理水の量を示しております。
この結果、リード文に書いてございますとおり、2041年年末で処分する場合には、1年当たり約39兆Bq、2051年年末に処分完了するという場合には27兆Bqの年間の減少幅が必要になるというようなことがわかります。
また、処理水の量につきましては、2020年末に143万m3のタンク容量を保有する計画でございますが、これを超えないということがわかります。
続きまして4ページです。4ページは、2025年の1月1日に処分を開始して、先ほどと同様、2041年年末、それから2051年の年末にトリチウムの量をゼロにするということで処分をしたというシミュレーションでございます。
リード文にありますとおり、1年当たりの処分量は2041年年末のケースが約51兆Bq、2051年年末の場合には32兆Bqといった減少幅というふうになります。
また、処理水の量につきましては、2022年夏ごろ、タンク容量を上回るという状況になりまして、2025年のころから2030年ごろまでにかけて約150万トン、m3程度の保有水を抱えるという
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ような状況がわかります。
続きまして5ページが、2030年の処分開始ケースでございまして、こちらも同様に、2030年1月1日に処分を開始、2041年年末、2051年年末にトリチウムの量をゼロにするという目標で減少幅を評価いたしますと、1年当たり68兆、37兆Bqという減少幅になります。
また、タンクの処分、保有水の量につきましては、2030年前後に約175万m3程度の保有水が、保有が必要になるという状況になります。
最後に2035年の処分の開始ケースでございますが、こちらも2035年1月1日から処分を開始して、2041年年末、2051年年末に完了させると評価いたしますと、1年当たり106兆Bq、それから43兆Bqという減少幅が必要になります。
また、タンクの量、保有水の量につきましては、2035年ごろに200万m3を少し超える程度というようなところまでタンクが必要になる、あるいはタンクの中に水がたまっているというような状況になります。
いずれにいたしましても、今回東京電力といたしましては、処分を2020年から2035年、4ケースにわたりまして評価をしてみたら、こういう結果になったというところです。
やはり2025年を超えていきますと、現在の134万m3という保有水量は超えるというところと、やはり処分する期間が短くなれば、処分する減少幅、いわゆる年間当たりの処分量のベクレル数がふえるというようなところが評価できたというところでございます。
東京電力からは、以上になります。
○山本(一)委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局と東京電力の説明に対しましてご質問、ご意見等ございましたら、ご発言をお願いいたします。
森田委員。
○森田委員
意見があり過ぎて、どこから言おうかという話なんですけれども、まず東京電力の資料のほうで、どのグラフでもいいんですけれども、ちょっとわかりにくいのが、いわゆる「減少幅」というちょっとわかりにくいことが書かれていて、それは今回もそうでしたけれども、ずっと議論してきている中だと、放出量という話をしてきている中で、減少幅というのはちょっと捉えにくいなというのがありまして、そこは放出量ということにならないのかということを、まず第1のコメントとしてお願いしたいんですけれども。
○山本(一)委員長
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東京電力、お願いします。
○東京電力(松本)
今回の私どものシミュレーションでは、2041年年末、それから2051年年末にトリチウムの量をゼロにするという観点で、処分する量と、減衰によって自然消滅する量をあわせて評価した結果、こういうふうなものになります。
したがいまして、森田委員がおっしゃるように、処分する量だけを評価すると、もう少し早い結果になろうかとは思います。早いといいますか、この量だけを確保しようとすると、早目に処分が完了するという結果は得られます。それは自然消滅する量を除いて、環境中に放出する量だけで評価していくと、早目早目に減少幅が大きくなっていくというところです。
○森田委員
今の説明だと逆だと思いますけれども。減衰を入れないで、放出量だけでこれをカバーしようといったら長くなるほうだと思いますけれども、それは当然。
僕が言っているのは、それは全部放出も、普通の減衰も全て込みでこういう1年間の減少幅ということを示されていますけれども、この減少幅のときに放出量はどのぐらいになるんですかということを聞いています。
○山本(徳)委員
立米で。
○森田委員
いや、総量として。トリチウムの。
○山本(徳)委員
あっ、トリチウム。
○東京電力(松本)
年間の総量。
○森田委員
トリチウムの放出量。
○東京電力(松本)
ちょっと待ってください。
○奥田対策官
すみません、ちょっと補足を。
○山本(一)委員長
ちょっと事務局から。
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○奥田対策官
すみません、数字は、恐らく今日手持ちになければ、また次回、丁寧な数字をということだと思いますけれども、基本的にトリチウム12.3年の半減期ですので、1年間大体5%ぐらい、放っておいても自然減衰するということなので、5%分はある意味自然減衰で減る分で、それ以外に、放出した分と合わせて、今回この資料の中に書いている減少幅ということになるというふうに見ていただければいいというのが1つ。
ただ、そこの中に、今回は汚染水の追加発生量分で毎年ふえていく部分があるので、それをプラスしていますので、そのプラスマイナスで出てきた数字を減少幅として書いているというところがございます。ですので、例えば5%の減少幅と追加で出てくる汚染水の量がどっちが多いのかということによって違いが出てくるんですけれども、例えば……
○森田委員
今のここに書いてある条件だと、大体年間57兆ぐらい発生して、それに対して減衰5%ぐらいかけて、一番最初のグラフだと27兆ずつ放出して、このグラフになります?
○奥田対策官
27兆を放出しているわけではなくて、今申し上げたように、この1年間で追加的に発生するトリチウムの量と減衰する量との差分をとった上で、残り放出するようになるんですけれども、それを足したら27になるという、こういうことですので。
いろいろなシミュレーションの仕方があると思うんですけれども。
○森田委員
はい、そのことはわかっていて、このグラフを描くためには、1年間の放出量を幾つになるんですかという質問なんですけど。
○奥田対策官
それは、だから今回1年間の放出量を決めてシミュレーションしたわけではなくて、最初のスタート地点でどれだけ残っているのかということと、追加で出てくるものはどれだけなのかということと、最後、廃炉の終了のときにゼロになっているということで線を引いていますので、量が、水の量とかトリチウムの量が減ってくれば、減衰できいてくる分の量というのは減ってきますので、放出のほうの割合が当然大きくなりますし、最初のころは、たくさん水があるので減衰できいてくるところの量が多いので、放出のほうの、だから同じように減っていくということだけを今回は決めてシミュレーションをしているので、こういう形になります。
だから、年間の放出量ということで言うと、このシミュレーションの中で年数によって違いが出てきているということなので、そこはまた整理をしてお示しをできたらなと思います。
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○森田委員
わかりました。ついに理解できました。
○山本(一)委員長
東京電力、お願いします。
○東京電力(松本)
ちょっと説明が下手くそで申しわけありませんが、今回は2020年の1月1日に860兆Bq存在するという点からスタートして、それぞれ処分を開始する時点までどれくらいの処分量、トリチウム量があるかというところを計算しています。したがって、2021年1月1日を起点として2041年年末と2051年年末にゼロにするためにはどうするかというので直線を引いています。ここは減衰もあれば、環境に放出するという量も両方含まれています。その結果がタンクの処理水の量という形でカーブを引いてくるような線になっているというところになります。
したがって、例えば3ページの2020年処分開始のケースで言うと、直線的にトリチウムの量は減っていますけれども、150m3/日程度の水が入ってくる量がありますので、グレーの線は2035年ごろまでなかなか水が減っていかないというようなことになります。
一方、一番顕著な例は6ページのところ、2035年の処分開始ケースでいいますと、スタートする時点は860兆ですけれども、トリチウムの量としては、水はふえるものの減衰の効果がきいていて、2035年の1月1日の時点では、ちょっと粗いですけれども750兆Bq程度からスタートすると。したがって、その間は逆に水は直線的に増加していて、その後、グレーの線はこういうカーブでゼロになっていくというようなことになります。
○森田委員
要は─要はというか、6ページで言うと、2035年1月1日まではいろいろふえていく量と減衰とかを計算して、このぐらいトリチウムがありますよというポイントをつくっておいて、そこから2045年1月1日とか、2050年1月1日に向かって直線を引いているというものです。だから、直線の内訳はここでは考えていないという話ということですね。
○東京電力(松本)
直線の中身については、環境への放出と自然減衰と両方あります。
○森田委員
だけど、その割合というか、個々の数字は関係なく、とりあえず直線を引くって、直線から出る減少幅がここに書かれているということですね。
○東京電力(松本)
そのとおりです。
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○山本(一)委員長
内訳の中身は、計算上、出ていますよね。
○東京電力(松本)
お示しすることは可能です。
○山本(一)委員長
ですから、それは出ます。出るはずです。
○森田委員
だから、それが放出量ですよね。
○東京電力(松本)
毎年毎年変わりますので、そういう意味ではグラフ上は後ろの年度にいくほど減衰の量がきいています。
○奥田対策官
そういう意味では、今日議論いただく上でイメージを持っていただいたほうがいいと思うんですけれども、大体初期のころは、さっき申し上げた減衰する量と汚染水発生によってふえてくる部分が大体ほぼイコールぐらいの形になりますので、ですので、例えば6ページの図を見ていただきますと、2035年まで放出がないという中で、トリチウムの量が大体最初のころは少し平行に移動して、だんだんちょっとずつ下がってくる形ですけれども、最初、横に移動している間というのは追加で発生してくる汚染水の量と減衰で減っていく分が大体平衡状態にあるので、水平に推移するというような形になっていますので、この期間の感じで言うと、大体ここで言っている減少幅というのと放出量というのはほぼ近い数字になってくるというような形で見ていただいて、少し今日はご議論をいただければいいんじゃないかなというふうに思います。松本さん、大体そんな感じでいいですよね。
○東京電力(松本)
したがいまして、なかなか今回のシミュレーションでは考慮すべきパラメータといいますか、選択するパラメータが幾つかあって、例えば今回は起点と終点を決めてトリチウムの量をゼロにするというパターンで評価しましたけれども、森田委員がおっしゃるとおり環境に放出する量を幾らに設定してやるというケースももちろんできます。
今回の場合は、先ほど申し上げたとおり、トリチウムの量を直線でやりましたので、後年度に行くほど減衰の量がきいてきます。したがって、水の量としては、環境に放出する量を一定にすれば、後年度ほど出す量をふやすということができるようになります。どういうところを固定してシミュレーションするかによって、この結果はいろいろなパターンがありますけれども、2041
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年年末、
2051年年末で、今回のケースで言うとこういうふうになりますし、そこを着地点として、例えば放出量の中でも、例えば水の量なのか、トリチウムの量なのかという点でも、また条件としては違ってきますので、ちょっと今後準備を進めたいと思います。
○山本(一)委員長
森田委員。
○森田委員
残念ながら、こういうグラフをつくるセンスが、僕の中にはなかったので、なかなか理解ができなかったんですけれども、わかりました、理解しました。
それで、あわせてなんですけれども、資料4のほうにも、いろいろコメントがありまして、結局、今の東京電力のシミュレーションにしても、途中で予定しているタンクの量を超えてしまうということがあるわけです。しかし一方で、前々回ぐらいから何回もお聞きしていますように、タンクの用地がなくなることがタンクの処分の理由ではないという話でしたから、それに対してタンクの増設の検討をしなければいけないのではないかということで、そのために外の敷地を利用するとか言ってきたわけですが、それは色々な理由で難しく、ハードルが高いということでした。この資料でも最後のほうにあるように、今後ステークホルダーとの協議というか、関与を得て、納得していただいて、何かをするということになると相当時間がかかるわけで、そうなってきたとき、タンクはもうつくれませんということになると、ステークホルダーの人に対して、決断をせかすことになるので、この場で一言お願いをしておきたいですが、時間のかかることに関して、その間のタンクの場所をどうやって確保するかということは、事務局側にお願いするということになるんですけれども、せかすことにならないようにお願いしたいということです。
あと今回の資料で、海洋放出と大気放出で、あれだけの量を放出しても被ばく線量はあの程度であるということだったんですけれども、そうすると(7)番で出てくる、いわゆる放出管理目標値というのがどういう考えで、これを設定されているのかというのが、よくわからなくなるのですけれども、そこら辺のあたりの説明を1度お願いしていいでしょうか。
○奥田対策官
では、まず最初、1つ目でございますけれども、まずタンクについてはさっきも申し上げましたように、137万m3の計画が今ある、2022年夏にそれがいっぱいになる見込みというところだけをもって議論をするということではなくて、その後、追加分の検討というのはできる余地が、敷地の中を見てもあり得るというところ。ただ、その量は無限大に大きいわけではないというところは実際に委員の皆様にもご視察もいただきながら、この委員会の中でもご議論いただいてきているという状況だと思いますけれども、森田委員がおっしゃるような、タンクがもういっぱい
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だから今決めないといけないというような議論にならないように、事務局としてはしっかりと議論を進めていくということが大事だというふうに思っています。
○山本(一)委員長
東京電力、お願いします。
○東京電力(松本)
いわゆるトリチウムの放出管理目標値につきましては、歴史をちょっと調べてみたんですけれども、1974年ごろに米国等の実績をもとに設定をしたようでございます。事業者ごとに保安規定に取り込んだ時期は若干違うんですけれども、そのころがスタートポイントになります。
一方、その後、公式な文書といいますか、載っているのは、平成元年に当時の原子力安全委員会が「発電用軽水型原子炉施設の安全審査における一般公衆の線量評価について」という指針を出しています。その指針の中に、線量評価上、こういうふうに基準を定めなさいということが決まっていて、BWRですと、原子炉1基当たり100キュリー、ベクレルで言いますと3.7×1012Bq/年。それからPWRで申し上げますと、原子炉1基当たり2,000キュリー、ベクレル数で言うと7.4×1013Bq/年というのが指針上決められていまして、これがこれまで各原子力発電所の放出管理目標値のもとになっているということでございます。
○山本(一)委員長
ありがとうございます。
○森田委員
これは、先ほどほかの委員からもいろいろありましたけれども、要は例えば韓国はこのぐらいトリチウムを年間出していますよとか、日本でもこのぐらい出していますよという数字を言う場合と、しかし一方で、それよりも少ない数字で、放出管理目標値というのをこういうふうに決めていましたよという話があります。放出管理目標値というのはこういうものであって、このぐらい放出しても大丈夫という話とは違うので、ここを少し整理して、ちゃんと説明しておかないと、なぜ放出管理目標値がこの数字なのに、では韓国はそんなに出してもいいんだとか、いろいろな意見が出てくるんじゃないかという懸念があると思います。
先ほどの被ばく線量の評価においても、860兆出しても、あの評価なのにもかかわらず、日本の今の放出管理目標値が年間22兆というのはかなりずれがあるので、どういうことになっているかというのは、一般的には、なかなか理解がされないのではないでしょうか
○奥田対策官
ありがとうございます。そういう意味では、今、松本室長からご説明があったように、放出管理目標値というのは、被ばく量からさかのぼって計算をしているというよりは、1基当たりどの
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ぐらいの放出量になるかという実績をベースに計算をされたものということでございまして、被ばくの影響のほうでいいますと、例えば日本の中でいいますと、やっぱり規制基準をしっかりと守っていくというところが重要でございまして、それぞれ、例えば海洋放出でいいますと、告示濃度というのは決まっていて、それをしっかりと満たしていくことが重要ということでございますし、ですから、告示比1以下の状態にした上で、そのものを考えていくということが大事だということだというふうに思っています。そのあたりは、またしっかりと世の中の皆さんにもお伝えできるような形で事務局のほうでも整理をさせていただければというふうに思います。
○山本(一)委員長
高倉委員、お願いします。
○高倉委員
放出濃度についてちょっと心配といいますか、ちょっと気になるんですけれども、今は1,500Bq/Lで放出しているわけですか。
○東京電力(松本)
現在、地下水バイパスと地下水ドレン、サブドレン等で建屋の周囲の水は浄化した後、港湾内に放出していますけれども、その基準は1,500Bq/L未満でございます。
○高倉委員
法的には6万Bq/Lですよね。その辺の整合性はどういうふうに考えているのですか。
○東京電力(松本)
おっしゃるとおり、トリチウムの告示濃度基準は6万Bq/Lでございますが、そのうち福島第一の発電所で申し上げますと、液体放射性物質による被ばくの割り当てが0.22mSv等でございますので、それに相当する量。それをまず下回らなきゃいけないというところと、その他の核種、セシウムとかストロンチウムの寄与分を引きますと、大体トリチウムで1,500Bq/L未満というふうに考えております。
○高倉委員
この表では、濃度的には。
○東京電力(松本)
この私どものシミュレーションは、濃度については考慮しておりません。希釈する設備をどういうふうにつくるかという設備上の設計で、どのような濃度、希釈もできますので、そういう意味ではこのシミュレーションの中では放出濃度については決めていません。
○高倉委員
ただ、現実的にはトリチウム濃度で追っていくのが正しいんじゃないですか。
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○東京電力(松本)
おっしゃるとおり、今回のケースでいいますと、濃度で決めていきますと、例えば1,500Bq/Lだとすると、それを年間何万t出すか、処分していくかによって総量と処分のスピードが決まってきますが、今のところは、まだそこまで濃度を決めてはおりません。
○高倉委員
いや、その1,500と6万では余りにも違い過ぎるんで、もう全然表の値が違うんじゃないかと思うんですけれども。
○東京電力(松本)
おっしゃるとおり、希釈をどういうふうに、設備を建設するかによりますけれども、6万Bq/Lなのか、1,500Bq/Lなのか、また中間的な値なのかというところは選択の余地がありますし、それによっては設備をどういうふうに、ポンプを準備するですとか、あるいは年間どういうふうに抑えるかというような制限を考えていく必要はあろうかと思います。
○山本(一)委員長
柿内委員、お願いします。
○柿内委員
今の観点で言うと、結局ALPSで処理した水の中の共存するほかの核種、そういったものを何を想定するかで結局トリチウムの割り当てが決まってくると思うんですけれども、そういった意味で何回ALPSで取れるまで処理するかというのは、共存するものをどういうものを想定するかによって放出するときの濃度なり、出すときの割り当てが決まってくると思うんですけれども、その辺はどういう考え方をこれからする。
○東京電力(松本)
実際に環境中に放出する場合は二次処理をして、その他の核種の寄与について、トリチウム以外の核種の寄与については告示濃度1未満を実現しますので、そういう意味では寄与は評価いたしますけれども、ほとんど、いわゆる割り当てに関しましてはきいてこないというふうに思っています。むしろ、トリチウムの濃度のほうが支配的というふうに考えています。
○柿内委員
先ほど質問したものに、共存する核種というか、線量にきいてくるもので、先ほど鉄とかスズとかというお話がありましたけれども、そういう検出下限未満のものというのは評価できていない、評価できないというか、測定上は評価できないんですけれども、割り当てとしては少なく割り当てる。ちょっと矛盾するような感じもするので、その辺のところは出すときにしっかり評価した上で、そういうことをやっていただきたいというふうに。
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○東京電力(松本)
わかりました。いわゆる放出地点、場所、箇所のところでどういうふうな濃度の制限をして評価するかというところと、あとは実際に被ばく評価をする場合には、どこの水だったり、どこの空気を吸ったり魚を食べたりということが影響しますので、そういう点も考慮した上で評価したいと思います。
○山本(一)委員長
崎田委員、お願いします。
○崎田委員
ありがとうございます。今のご質問とちょっと違う視点ですがよろしいですか。
まず私は前回、時間軸という面を入れて、もう少しわかりやすくしてほしいという発言をした者として、今回、こういう多様なケースの時間軸の図を出していただき、かなり条件の設定など大変だったようですけれども、こういう資料を出していただいたことで、私はすごくイメージが湧くようになったというふうに思います。
今まで処分の方法や、長期貯蔵とか、そういう視点だけで考えていたんですが、どういう状況にあっても、それをきちんと30年、40年後の廃炉全体の収束までに完了するということを考えれば、どんな状況になるのかということが非常に見えてきて、私は、大変だったと思いますが、この時間軸のイメージを表として出していただいて、ありがたかったというふうに思います。
それで、ケースとして4ケースで出していただいているんですけれども、まず一番最初の2020年処分開始ケースとありますけれども、事故の前の管理基準にしておられた、1年間に22兆Bqに一番近い数字というのはこれなわけですけれども、できるだけ早い段階に処分を始めて、じっくりじっくりゆっくり放出していくというようなやり方でやれば、今までの状況と近い値でできなくはないという状況は見えてきたというふうに思っています。
質問なんですが、前の方のいろいろご質問にあったような二次処理のお話で、もし最初のケースで二次処理を事前に入れるとすると、2020年1月1日処分開始というのは、現実的にあり得る話なのか。実際の二次処理というのがどのくらいの時間を考えておられるのかというのをちょっと質問させていただきたいなというふうに思っています。
○東京電力(松本)
二次処理については、まだ現在今タンクに入っている水を多核種除去設備のほうに戻すようなライン構成ですとか、設備を改造する箇所がございますので、現実として2020年1月1日、もう1カ月ちょっとですけれども、その時点で開始するのは不可能であろうというふうに思っています。
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○崎田委員
ありがとうございます。ケースとして出していただいたということで、ありがとうございます。
それで2番目を拝見すると、もう少しじっくりと、少し時間がたってから開始ということではありますけれども、そうなると、2番目のケースだと2022年の夏ごろ処理水がタンクの容量を上回るわけで、この場合は少しタンクを今の予定よりも増設していただかなければいけないわけです。ただし、このくらいの増加幅だったらば、今の土地の中で工夫し努力して取り組んでいただくことができないのかなぐらいの感じだとは思って、拝見しました。
3番目と4番目のケースに関しては、かなりスタートはゆっくりできますので、多くの方に風評被害などに関する広報をじっくりできるのかもしれませんけれども、タンクとしてはかなりな追加容量も必要になってくるという、こういう流れなんだというふうに思います。
私は、もちろん、いろいろ具体的にはもっともっと精密なシミュレーションをしていただかなければいけないというふうに思いますけれども、こういう状況が見えてきましたので、ぜひこういうさまざまな取り組みのベネフィットとリスクとか、そういうことを考えて、しっかりと、地域の方としっかりと話し合いをしていただきながら、最終的には政府として決断をしていただくという、そういう流れに、ぜひそういう流れを検討していただければありがたいなというふうに思います。
なお、今回、論点①、②、③、④というふうに割に明確に出していただいたんですけれども、私が今話したのは論点②だと思うんですが、論点③に関してはここに書いてありますけれども、私は文化系の人間ですので、科学的な研究をされている方のお話をどう受けとめられるかという立場ではありますけれども、やはり今までの前例があって評価ができるという、水蒸気放出と海洋放出、この辺に集中させて、あと地域の方としっかりとどのくらいの時間軸で、地域の方も将来を考えていきたい、いかれるのか。そういうことを考えながら決断していただければありがたいなというふうに考えます。
なお、論点①の下の「(6)トリチウムの分離技術」というところの最後の行に、「一方で、新たな技術の研究が進められていることから、引き続き、技術動向を注視すべきである」というふうにあります。タスクフォースでいろいろと研究していただいたわけですけれども、それ以外にも今いろいろなご専門家がまだまだこういう研究を続けておられるのであれば、状況の中で最新のものをきちんとというか、しっかりとしたものを政府がうまく活用していただければありがたいなというふうに考えます。よろしくお願いします。
○山本(一)委員長
ありがとうございます。
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田内委員。
○田内委員
すみません、私も資料5のシミュレーションの図がよくわからなくて、森田委員の質問で、ようやく理解できたのですが、これって、要はこのつくり方、私、個人的には非常に乱暴な図だなと思います。というのは、これは年当たり必要な減少幅がこうであるという図ですよね。でも、実際には年当たり幾ら放出したらこうなりますよという図でないといけないと思うんですけれども。だとすると、これは絶対に直線にはならなくて、帰着点はもっと早いところに来ると思うんです。例えば、年間27兆Bqって決めて出せば、そこに減衰が合わさるわけですから、もっと早く着地するはずです。やはりそういう図にしていただかないと、これでは余りにも乱暴だと思います、大変失礼かもしれませんが。ぜひそういう形でもう一度出していただきたいと思います。
それから、たまたま私が関係している分野なので気づいてしまったんですが、資料4の別紙のほうの4ページに誤字があります。「放射線の生体影響」の一番下のポツは、「普段」というのが「不断」になっています。それからもう一つは「m3」の3が上付きになっていないのも非常に気になっております。できるだけ正確に書くというのは重要だと思いますので、立米が「m3」になっているところが資料5も含めてかなりありますので、ぜひそこは修正して、わかりやすい─わかりやすいというか、正確な形にしていただきたいと思います。
以上です。
○山本(一)委員長
辰巳委員、お願いします。
○辰巳委員
まず資料4で、先ほど多分崎田さんがおっしゃったこととかなり近い点があるかと思うんですけれども、資料4の2ページというか、今までの経緯の中で、まず敷地内で汚染水はためていくという方向にある程度なっていると考えたときに、2ページの論点①の上のあたりに、今後も多少のタンクの増設も含めて検討の余地があるというお話が何度か、私もこれすごい期待するような格好に読んでいるんですけれども、そのあたりの具体的な話というのがちょっとよくわからない。検討の余地があるというのは、たった1本だけ建つのか、まだまだ10本ぐらい建つのかとか、私はとても期待しますので、そこら辺をもうちょっと明確にしていただきたいということです。検討してくださっているはずだというふうに思いますもので。
それで、それとも関係するんですけれども、今回の東京電力さんのグラフなんですけれども、私もおっしゃるようにトリチウムの量で書かれているから誤解してしまって、お水の量のことを考えてしまっていたもので、それで、それはかなり了解したという前提なんですけれども、もし
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もいずれかの時点で放出をし出すと、タンクはあいていくわけですよね。あいたタンクにまた汚染水を入れるというふうなことがあり得るのかなというふうに思ったりもするもので。わかりませんよ。ラインがどうとかって、今さっきおっしゃったから、やっぱりラインの関係があってできないこともあるのかもしれないというふうに思いますけれども、入れ物に入っていた。その入れ物を出しちゃった。そうすると入れ物が残る。そうしたら、そこにまた新たに水を入れられるというふうなイメージで私はとりましたもので。そうすると、ここの横に
134万m3で線を引いている真ん中ら辺の足りなくなるよというお話がかなりカバーできるなんていうふうな話があるのかどうか。そんなあたりもちょっとよくわからなくて、もしも、そういう可能性があるんならば、さっきのタンクを増設するという、新たに検討するというお話との兼ね合いで、もうちょっと何かわかるといいなというふうに思いながら聞かせていただいておりました。すみません。
○山本(一)委員長
東京電力、お願いします。
○東京電力(松本)
資料につきましては、私どももなかなか悩んだ末ではあるんですけれども、トリチウムの量がどうなるのかというところでグラフはつくり直したいというふうに思います。
それから、タンクの余地、タンクを建設する余地については、前回、前々回でもこの場で議論になりましたけれども、こういった状況が見えているというところと、あと前回の資料でご説明したとおり、デブリの取り出し用の施設関係、あるいは使用済燃料を取り出すための設備、それから仮にタンクをつくるとしたら、今ある施設を撤去、解体してつくるということであれば、廃棄物の量をどうするかというようなところもありますので、そういった難しい、解きにくい連立方程式を解かなきゃいけないのかなというふうに思っていますので、何基つくれるというのはなかなか言いがたいところではあります。
必要な時期をまだ明示できない施設が幾つかありますというところが大きな要因です。
それから、タンクを繰り返し使うのかというところについては、これは方針としてあり得るというふうに思っています。ただ、今回の前提は、2041年末、2051年末にトリチウムの量をゼロにするということと、あわせてタンク自身は解体せねばならんのではないかというふうに思っています。タンクが敷地の中に、空ではありますけれども、そのまま存在し続けるというところは私どもとしては廃炉の完了という風景の中ではどう扱ったらいいものかというふうに思っていまして、今のところは解体撤去を考えています。
逆に、一部解体撤去を、先行して空になったタンクを解体撤去して、その間を廃棄物の置き場ですとか、あるいはデブリの一時保管施設というふうな形で利用できれば効率的な形では使える
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んではないかというふうに思っている次第です。
○山本(一)委員長
関谷委員、お願いします。
○関谷委員
2点あるんですが、まず1つ目が論点②について、論点②の1つ目のポツのところなんですけれども、「年間の処分量と処分期間はトレードオフの関係であり」って、ここまではわかるんですけれども、だとすると、処分開始のタイミングも重要な考慮要素になるというふうにあるんですけれども、普通に読めば、処分期間だから、処分開始と処分終了のタイミングが重要な考慮要素になるというふうに解するべきなんだろうというふうに思います。
先ほどから議論があるように、例えば廃炉のイメージというか、廃炉の完了とか廃炉の処分、これが30年、40年というふうな形でなされていますけれども、そこのイメージがはっきりしない以上は、まずシミュレーションとして出している以上は、開始の時期の幾つかのシミュレーションもあれば、終了の時期のシミュレーションも幾つかあってもいいんではないかなというふうに思います。もちろん、30年、40年でというのを前提に描かれているのはわかりますけれども、ここの「処分量と処分期間はトレードオフの関係である」という、このところだけを捉えれば、もう一個考え方としてあってもいいんではないかというふうに思います、論点として。
2つ目ですけれども、論点④のところですが、風評対策についてって今まで議論、この議論はなかったので、ちょっとつけ加えたいと思うんですけれども、この数カ月というか、この半年ぐらいの状況を考えれば、今までの過去の、前回の委員会では今まで以上のことはできないだろうというふうに言ったんですけれども、よくよく考えてみれば、多分国際世論に訴えるというか、正確に情報を提供していくというふうな面に関しては極めて不十分なんだろうというふうに今思っています。
特に韓国との関係で、オリンピックの問題である、オリンピックの会議でさまざまなことを、懸念を表明されたりとか、規制強化をすると言ったりであるとか、また「共に民主党」がマップを公開したりとか、そもそも異なったデータというか、日本が出しているデータ、あと現状の日本のデータとは異なったデータで議論されるというのは極めて問題がある現象だというふうに思っています。
ここで言っているようなリスクコミュニケーションやサイエンス、健康への影響というよりは、むしろきちんとした空間線量や検査体制、放射線量、検査結果などの事実が伝わっていないというふうな意味では、これは物すごく今の大きな課題であると思っていて、特に汚染水・処理水対策が直接的に海外に影響を与えるというふうな観点からしてみれば、ここの部分をちゃんと情報
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として提供するというのは極めて重要だと思います。今まで国内の農産物のプロモーション向け、国内のプロモーションが強化されてしまっていて、ここの部分は余り集中的に行われていなかったというのは懸念としてあろうかと思います。
今の現状を見ると、国際世論というか、国際ニュースの流通の現状からして、そのことが欧米諸国などで報道されて、また戻って国内のニュースになってしまうというのは、結局風評の影響を大きくしているというふうにも言えるわけですから、きちんと海外向けへの情報提供というか、誤った情報が伝わらないというか、誤った情報が報道されないように、またそういった状況が起こらないように、きちんと事実関係を示していくというのは、改めてトリチウム水の問題が出てくる前に行うべきことだろうというふうに思います。
以上です。
○山本(一)委員長
ありがとうございます。
森田委員。
○森田委員
今の風評被害のところでコメントなんですが、ここ数カ月間、議員の方とか、いろいろな発言をしていただいて、いよいよこの問題も全国的議論になるのかなという期待はあったんですが、残念ながら、いまだにトリチウムの放出が安全か否かというところでの発言ばかりされていて、そういう意味においては、この委員会で、何回も言われているように、放出するのは当然安全だから放出するのであって、その後の話が問題となっているわけですから、放出を勧められる方は、ぜひその後の対策も一緒にあわせて発言してほしいなと思っています。
あと、現在3ページに書かれている「風評対策の方向性について」、これまで何回も言ってきたんですけれども、現状においても、いまだに震災後の風評から、また、それが固定した状況で経済的被害がまだ進行中です。そのことをまず踏まえた上で対策を行うべきだということはきちんと明記すべきではないかと考えます。
ただ、実際有効な対策があるのかというと、なかなかないというか、しかし、8年かけてやってきても、今でも福島県の水揚げが震災前の15%ぐらいという状況ですと、今までと同じやり方で大丈夫なのかということはちょっと心配なところです。そこはいい案がないので、こういう書き方をせざるを得ないかなという、一応コメントです。
○山本(一)委員長
ありがとうございます。
大西委員。
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○大西委員
皆さん方、いろいろな議論されて非常にわかりやすくなってきてよろしいんですが、先ほどから国際的な情報の懸念がちょっと出ているということで、その点について特にコメントします。論点④の後ろにあります「モニタリング」という項目がございます。「徹底」という言葉があるんですが、その最後の項目に、「不安を払しょくし、安心を追求するために、こうした測定結果を活用し」って、ここのところはいまだに十分生かされていないという懸念がありまして、国際的な評価も、何をどういうふうにはかって、どういう評価しているのか非常にわかりにくいというか、そこのところが伝わっていないために、いろいろなところでいろいろなデータを勝手に取り出しては評価をして、こうだこうだという議論がされているという懸念があります。ぜひこの点は、ここまでまとめていただいて非常にありがたいんですが、特にこの点注意して今後もやっていただければというふうに思います。
○山本(一)委員長
開沼委員、お願いします。
○開沼委員
そういうモニタリングとかもそうですし、風評のところでどう発信していくのかというのは、もちろん、政府、行政レベルでのというところもありますけれども、民間交流とか民間レベルでどういうふうに流れをつくっていくのかというのもぜひ、可能ならば文言として入れていきながら議論していくことは重要かと思います。
特に今観光分野では学校・教育旅行であるとか外国人観光客、非常に福島、減っているというところで、さまざまな取り組みをやっています。例えば、いわゆるインフルエンサーマーケティングと言われるような、影響力がある方を外国から呼んできてユーチューブとかで発信してもらうとか。ユーチューブの話をすると、結構役所の方は嫌な顔をされるんですけれども、いろいろトラブルのイメージがあるかもしれないですけれども、結構地域活性化とかで使われている事例があります。
特に若者向けのユーチューブだと、釣りユーチューバーというのが結構な数いて、役所関係とかで、こういう風評対策の福島の作物のPRサイトとかつくると、数カ月で数十万ページビューとかという数字をある事例で聞いたことがありますけれども、ユーチューバーとかって、トップユーチューバーだと1個動画で50万PVとか100PVとかいきます。そういったことの可能性、新しいメディアのあり方とかも含めて─もちろん、行政として国同士でやっていくというところは当然なんですけれども、その上でそこではできない部分というのをどういうふうにつくっていくのかということも新しい取り組みとして─まあ、現状もやっていると思いますけれど
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も、さらに検討いただければと思います。
○山本(一)委員長
小山委員、お願いします。
○小山委員
もう時間もなくなっているので、今の風評のところにかかわって、今回東電のほうから4つのシミュレーションを出していただきまして、これはあくまでもトリチウムがなくなるということからの計算ということなんですけれども、風評の問題を考えると、やっぱり時期、4段階で時期を分けて開始すると。それから、期間。これは30年、40年というのを想定していますけれども、実際にはその前の期間で終わるような処理の仕方とかもあるんじゃないか。関谷委員からも話がありましたけれども。
そう考えると、今福島県の漁業も観光も、それからそれにかかわって今釣りの話がありましたけれども、遊漁船もそうですし、それから浜通りでイノベーション・コースト構想の中だと、観光や、それから教育なんかでも拠点をつくっていこうという話があるときに、どのタイミングで実際に処分なされて、どのぐらいかけてやるのかというのをすごく、これまでの8年間と違って、これからってタイミングがすごく重要になるなというふうに感じました。
特に今福島県漁業、15%ぐらいの水揚げ高の回復しかないわけですけれども、これからの数年間でもっと復興の進捗って早くなっていったり、あるいは売り先だとか売り方も、「常磐ものフェア」なんか、かなり力を入れて、販売戦略なんかもちょうど今やっているところなので、そこの回復している段階がかなりいい段階になったところで、ちょうど、例えばですよ、2025だとか2030とかというふうにかぶる可能性もあるのかなって、このシミュレーションだけ見ると思いました。
なので、この対策については、今まで考えていた対策とは違う段階の対策というのが今後必要なんではないかなと思って、一応これは意見として言っておきます。
以上です。
○山本(一)委員長
ありがとうございます。
辰巳委員。
○辰巳委員
風評被害の件なんですけれども、恐らく地域の方々の意識はとても高いので、結構正しくいろいろなことを知っておられると思うんですけれども、海外のお話もありましたけれども、国内を考えたときに、全国大の消費者の人たちとの温度差というのか、どういうふうに福島から離れて
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いる人たちは考えているのかというふうなことに関して、この処理水に関する調査なんていうのをなさったことはありますか。原子力とか、あるいは放射線の話とか、そういうのに関してはいろいろなさっていると思うんですけれども、汚染水に関して皆さん─汚染水じゃないです。すみません、処理水。処理水に関して、みんながどういうふうに全国大で思っているのかというふうな感じの調査とかも何かされてもいい、もし可能ならばですけれども、されるといいのかなと、私の個人的な感覚です、さっき言ったように。かなりまだまだ温度差があって、8年前と言いながらも、あの時点でもう意識がとまっているという人たちが結構多いという感触を受けますもので。だから、どんどん変わってきて、新しいデータもいっぱいあってというふうなところら辺がどこまで皆さんに広まっているのかとか、対応の方法をいろいろお話しくださって、私はそれぞれすごく大事だというふうに思うんですけれども、そういう現状も、何かせっかく国の仕事としてなさるんであれば、何かやっていただけると、ピンポイントのもうちょっとのあれが出るんじゃないかなと思ったりもします。感想というか、意見なんですけれども、可能ならばという範囲でお願いしたいと思います。
○奥田対策官
調査については、処理水に特化をしてアンケートみたいなものをやったとかということは余りないんですけれども、福島第一原発の廃炉の状況についてのアンケートみたいなものはさせていただいたりとか、そういったことはやってきた実績もございますので、そういったところで少し処理水の扱いも考えていくというのは、これから取り組めるかと思っていますし、あと恐らく関谷先生なんかはまた別途違う調査もやられているんじゃないかなというふうに思いますので、そういったものを我々としてもうまく活用させていただければなというふうに思っています。
○山本(一)委員長
柿内委員。
○柿内委員
今日の議論で大事なところとして時間軸ってあると思うんですけれども、風評被害のところで「モニタリングの徹底」ってございましたけれども、過去私も紹介したように、測定とか収束に時間がかかるとか、分析自体に時間がかかる、体制を整えるのにも高額ないろいろな機器が必要になってくるということで、準備期間ということを考えたときに、そういうモニタリングの枠組みというのを並行してこれから時間軸の中に織り込んで考えていっていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いします。
○山本(一)委員長
ありがとうございます。
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予定の時間は過ぎたんですけれども、本日の議論の内容とかその他全体を通じて、ご意見とかご質問等ございましたら。
特になければ、次回の小委員会では本日の議論を踏まえまして、事務局にて残された議論、今後議論すべき論点を整理いただいて議論を深めていきたいと思います。
それでは、事務局から連絡等ありましたらお願いいたします。
○田中企画官
本日も活発なご議論をありがとうございました。
次回以降につきましては、改めて事務局よりご連絡をいたしますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○山本(一)委員長
それでは、これをもちまして第15回多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会を閉会いたします。
どうもありがとうございました。
-了-

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