集団的自衛権反対訴え
男性が焼身自殺図る
新宿の横断橋上、重症
【中日新聞・朝刊（第35面）】2014年6月30日
ニ十九日午後二時十分ごろ、東京都新宿区のJR新宿駅南口の歩行者用横断橋上で、拡声器で「集団的自衛権反対」などと主張していた男性が、自分の体に火を付け自殺を図った。病院に運ばれ、全身のやけどで一～二カ月の重症だが、命に別条はないという。
新宿署によると、午後一時五分ごろ、「男性が橋の鉄枠に乗り、拡声器でしゃべっている。ガソリンの臭いがする」と１１０番があった。男性は地上約二十メートルの鉄枠の上に登っており、警察官が下りるように説得したが、約一時間後、ペットボトルに入ったガソリンのような液体をかぶり、ライターで火を付けた。
男性は五十～六十代でグレーの背広姿だった。同署で身元を調べている。日曜日で多数の買い物客がおり、周囲は一時騒然となった。
近くにいた大学生開鴻起さん（２１）によると、男性は鉄枠の上にあぐらをかいて座り「七十年間平和だった」「戦争しない」「政教分離」などと話していた。
「君死にたもうことなかれ」と、与謝野晶子の詩の一節を口にした後、火を付けたという。
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