10/31~11/7「関電本店前包囲行動」高浜3号機再再稼働反対![原発ゼロ上牧行動]

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原発ゼロ上牧行動

  高浜3号機再再稼働反対!

関電本店2万人包囲をめざして

めいめいが思い思いに、関電本店前へ!

2018年1031日(水)~117日(水)

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上牧行動は1人・1人の自立した行動を関電本店前で行うことを呼びかけます。
なお、上牧行動の坂元は10月31日(水)~11月7日(水)(土曜・日曜を除く)まで時間未定で行います。6日は予定がありますので行いません。

【連絡先】09069162413(坂元) sakamoto@tomafam.com
http://takatukigomi.sblo.jp/

 

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カテゴリー: 関西電力, 再稼働, 上牧行動

中川五郎さん 講演とライブ 母校・同志社大で11日【鹿砦社の松岡利康氏から】

㈱鹿砦社の松岡利康氏からメールが届きました。
その新聞記事から。

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中川五郎さん 講演とライブ

  母校・同志社大で11日

関西フォーク界の草分けの一人で、フォークシンガー・訳詞家の中川五郎さん(69)=写真=が11日午後1時、母校の同志社大今出川キャンパス(上京区)の良心館で講演とライブを開く。

大阪府寝屋川市生まれ。高校3年で作詞した「受験生ブルース」(1968年)が話題になり、69年にレコードデビュー。翻訳も手がけ、訳書に「ボブ・ディラン全詩集」などがある。

ジャーナリストを目指し同志社大に入学したが、音楽活動が忙しくなり、大学をやめて上京した。「フォークソングが、メッセージを歌にして伝えられる新しいメディアだった」と話す。

70年代以降、中川さんは翻訳や執筆に重心を移すが、90年代半ばからは「年齢を重ねた自分に歌えることがあるはず」と、音楽に回帰し、年間200回近くライブを行う。中川さんは「現在、そして未来に向けて歌う姿を見てほしい」と話している。

無料。問い合わせは、主催の同志社大学学友会倶楽部(090・3623・3865)。

カテゴリー: ちたりた

高槻市バス(18年11月3日 前島発20:33)の運転手は一旦停車しても30分遅延についてアナウンスもなく乗車扉もあけずすぐにエンジンをかけだし、怪訝に思った乗客が扉のガラス窓を叩くと「乗る気あんのかぁぁ このドアホ」と暴言を吐き決して乗車扉を開けなかった。恐怖しか感じなかった。

カテゴリー: ちたりた

30分遅れた高槻市バス運転手 乗車扉を開けず暴言を吐く!

カテゴリー: ちたりた

10/31原電前で「東海第二廃炉を」 金曜抗議、来月2日で300回【東京新聞・茨城】

「原電いばらき抗議アクション」さんは300回を迎えるまでに、きっと原電に雇われた右翼の襲撃があったりしたんだろうなぁと、上牧行動になぞらえてしまう。

今日は電磁波「シールドクロス」の「フルモト商事㈱」の新しいサイト http://www.furumoto-jp.com/ を再発見した。
春だったかブラックベリーの頃、フルモト商事を探したのにヒットしなかったのは事業所移転したからかもしれない。

フルモト商事株式会社
大阪市西淀川区佃2丁目15番6-215
℡ : (06) 6472-3275 (代表)

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原電前で「東海第二廃炉を」 金曜抗議、来月2日で300回

http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201810/CK2018103102000144.html
【東京新聞・茨城】2018年10月31日

抗議行動を振り返る花山さん=いずれも水戸市で
写真

東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発の再稼働に反対するため、原電の茨城事務所が入る水戸市の県開発公社ビル前で、六年前から続く毎週金曜の抗議行動が十一月二日、三百回目を迎える。雨の日も、寒い日も参加してきた関係者は「東海第二を廃炉にするまで、やめるわけにはいかない」と決意を新たにしている。 (越田普之)

抗議行動は「原電いばらき抗議アクション」で、毎週金曜に都内の首相官邸前で続く官邸前デモに呼応し、二〇一二年七月二十日から始まった。

毎回、午後六時から約一時間半、原電の事務所に向かって再稼働を断念するよう呼び掛けるとともに、プラカードを掲げて通行人にPRしている。

初回からほぼ欠かさず参加し、司会を務めてきた水戸市の法律事務所事務員花山知宏(ちひろ)さん(41)は「東海第二は他原発よりも古く、百回もかからずに、廃炉が決まると思っていた」と振り返る。

しかし一四年五月、原電は再稼働を目指し、新規制基準に基づく審査を原子力規制委員会に申請。これに対し、花山さんらは東日本大震災で被災した老朽原発を再稼働させてはならないとの思いで、反対の声を強めてきた。

300回を迎える原電事務所前の抗議行動(2013年7月撮影)
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花山さんによると、初期は党派を超え約六十人が駆けつけた。多い時には百人以上に上り、飛び入り参加でマイクを握って思いをぶつける若者もいたという。その後、病気や引っ越しなどで、現在の参加者は三十人ほどに減った。

再稼働に向けた規制委の手続きが着々と進む中、花山さんは「抗議をしても意味がないのでは」と無力感を覚えたこともあったと明かす。それでも「反対の声を可視化し続けなければ、事態がどんどん進んでしまう」と自らを奮い立たせ、思いを同じくする仲間と街頭に立ち続けてきた。

規制委は近く最長二十年の運転延長を認めるとみられる。「事故が起きれば、三十キロ圏に住む百万人近い人たちが逃げるのは無理」と花山さん。不安を抱く人たちに向け、「五分でも十分でも、一緒に立ってもらえたら心強い」と、参加を呼びかけている。

花山さんとともに抗議行動をけん引してきた茨城町の日立製作所元社員の川澄敏雄さん(69)も「もう少し参加者を増やせたらと思っている。東海第二を止めるまで、抗議をやめるわけにはいかない」と語った。

カテゴリー: 再稼働

18/10/6原発事故の直後のアメリカ政府のデータが語る真実 1F首都圏プロジェクト【二ユースのタネ】

先週末、某勉強会仲間の鈴木氏から拡散依頼のメールがあった。
金曜夜から風邪で寝込んでしまい、土曜の上牧行動や高槻アクションのイベント(長澤先生のおっかけ)にも行けず、美容院へ毛染め(ヘナ)にも行けず、日曜の栗東市の東海道ほっこり祭の豆腐田楽発祥の地にも行けなかった。
さらに無理して月曜に出社して、結局また火・水と休んでしまって、もうさっぱりわややな一週間で、拡散が今日になってしまった。ごめんなさい。

画像が多すぎて仕事中に読めないので、思わず文字おこし(画像なし)。
これは第一弾とのこと、次が楽しみ。

== 鈴木氏からのメール==

アメリカ軍のデータを私が分析しています。
もしよかったら拡散にご協力ください。

原発事故の直後のアメリカ政府のデータが語る真実 1F首都圏プロジェクト
https://seedsfornews.com/2018/10/fukushimaproject1/

クラウドファンディングもやっています
https://readyfor.jp/projects/Fukushima1st

鈴木

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福島第一原発事故で新事実

 事故直後の首都圏で高レベルの放射線量が計測されていた

  1F首都圏プロジェクト

【二ュースのタネ】2018/10/6

 

2011年の東日本大震災で起きた福島第一原発における事故。この事故の翌日からアメリカ政府が日本各地の20000件を上回る地点で放射線量を計測したデータがある。「ニュースのタネ」は、このデータの分析に着手。その第一弾を伝える。事故直後の首都圏で計測された放射線量は、我々の予想を上回る数値だった。(鈴木祐太、山崎秀夫、立岩陽一郎)

 

 

データは、近畿大学で長年にわたって放射性物の分析に燐わり、福島第一原発事故後の首都圏での放射性物質の調査などに携わっている山崎秀夫氏が米エネルギー省のウェブサイトからダウンロードしたもので、今はその一部しか公開されていない。

二ユースのタネが入手したデータ(リンク)
https://drive.google.com/file/d/1I_z4Z3ra9HSObbZvUEMzFVNsaznaVJBf/view

データによると、アメリ力政府は、事故発生直後の2011年3月12日から5月11日までの2か月間にわたってのベ22000か所で調査を行っていた。その場所は福島県や宮城県、茨城県にとどまらず、東京都や神奈川県などの首都圏一帯を含む広い地域だった。
調査は初期の段階は米軍によって行われ、その後は米エネルギー省が加わって行われたとみられる。調査対象は、土壌や大気中の放射性物質に由来する地上での空間線量や放射能濃度の他、航空機を使った浮遊粉じんの放射能濃度や核種分析などだ。
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[参考記事 福島第一事故の被害規模は本当にチェルノブイリ事故の7分の1なのか?(上)](リンク)
https://seedsfornews.com/2013/11/1f/

今回「NPOニュースのタネ」が分析したのは、3月12日から4月1日までについての力ンマ線とベータ線についての約10000か所の数値。その結果、政府が、被ばくの許容量としている0.23マイクロシーベルト/時を超える数値を示した場所は、6698件にのぼった。何れも空間の線量だ。

このうちガンマ線について見る。
東京の米大使館、横田基地、神奈川県の厚木基地周辺といった首都圏などでの数値を見てみた。この0.23マイクロシーベルト/時は、国際放射線防議委員会(ICRP) が推奨している緊急時の一般人の許容被曝線量である年間1ミリシーベルトを時間に換算したものだ。

(画像)アメリカ大使館とアメリカ軍横田基地で計測された最大線量
アメリカ軍横田基地 3/14 PM9:00 4.94μSv/h
アメリカ大使館3/29 PM2:00 0.46μSv/h

特に東京都福生市などにまたがる横田基地では、3月14日に、4.9マイクロシーベルト/時の数値を計測していた。上記許容量の実に21倍だ。仮に、この数値を年間で浴び続けた場合の被ばく量は42.9ミリシーベルトを越える極めて高いものとなる。ちなみに、福島県内で今ち立ち入りが禁止されている帰還因灘区域は年間20ミリシーベルト以上だ。

[参考記事 原発避難者 関西訴訟で原告の弁論続く](リンク)
https://seedsfornews.com/2018/02/genpatsu/

画像 アメリカ軍横田基地

アメリ力政府は、3月16日に、日本在住のアメリカ国民に対して首都圏を含む福島第一原発から半径80キロの範囲からの退避を勧告している。これについて日本政府は当時、アメリ力政府の判断の根拠に疑問を呈している。しかし、こうした極めて高い数値がアメリ力政府の判断に影響を与えていた可能性が浮上した形だ。

山崎氏は、「この数値には様々な放射性核種による放射線が含まれている。セシウム以外にも、ヨウ素なども含まれている」点が気になると話す。

画像 山崎秀夫氏

放射性ヨウ素は、子どもの甲状腺がんの原因となる。現在、福島県内では継続して調査が行われているが、このアメリ力政府のデータから考えると、同じ状況が首都圏でも起きていると考えられる。首都圏の子供は検査をしなくて良いとは考えにくい。

画像 アメリカ大使館

このデータの存在について日本政府は知っていたのだろうか?アメリカ政府との窓口となる外務省に問い合わせたところ「当時米国政府より日本側に本件情報の提供があった由です」としてデータが日本側に伝えられていたことを認めた。しかし、「どのようなルートで提供がありどのような取り扱いがされたかについては、現時点では、外務省では確認できない」という。

日本政府は、事故直後の東京で高い放射線量が計測されていたことを知っていたということになる。では、それはどう活かされたのだろうか。まだ取材は続ける必要がある。

一方で、気になるのは、今の首都圏の状況だ。これについては注意が必要なのは、上記のアメリカ政府の計測は空間線量であり、一時的なものであった可能性が高い。アメリ力政府は現在、横田基地で活動を行っており、それを考えると、そこに放射性物質がとどまって引き続き高い線量が計測されているとは考えられない。

[参考記事 大阪で原発燃料が作られてるって知ってました? ◇手作業の燃料棒組立に驚く 「暇です。再稼働してほしい」と案内の社員] (リンク)

https://seedsfornews.com/2014/05/nuclear/

 

NPOニュースのタネは引き続き、調査を行いたいと考えている。なお、データは整理した後に、全て公開することにしている。

(山崎秀夫氏の解説)
アメリカ政府がこのような迅速な緊急時の対応をしていたことに篤かされる。一方で、日本はそのような測定をしていたのか、していなかったならばなぜしていなかったのかを検証する必要がある。

また、アメリ力政府が測定したデータの日本政府への情報の流れを検証しないといけない。日本政府がこの米国データの存在を知ったのはいつか?知っていて内容が理解できていれば汚染地域の住民の避難がもっと迅速にできていたはず。

今回の検鉦は、「放射性物質は県境を越えて飛来してくる」という事実と向き合うことを意味する。原発から30km圏内における避難計画が十分な距離と言えるのか?検証が必要だ。

(参考) IAEA傘下の機関である国際放射線防護委員会(ICRP) によれば、緊急時の一般人の放射線被曝の許容限度は年間1ミリシベルト(0.114マイクロシーベルト/時)としている。

これは人間の一生を100年として計算した場合に、この値を被ばくし続けると生涯に100ミリシーベルトを浴びる計算となることからきている。この100ミリシーベルトの被ばくは、一般的にはがんの発生率を0.5%高めると考えられている。つまり、一生涯に100ミリシーベルトを被ばくした場合、200人が同様な数値を被ばくした場合に1人癌が発生することになる。

日本政府が許容範囲としている0.23マイクロシーベルト/時はごの1ミリシーベルトに、自然環境で被ばくする(体外被ばく)の0.96ミリシーベルトを加えた約2ミリシーベルトを一時間あたりで計測した値である。

一方、自然放射線による被ばくの世界平均は2.4ミリシーベルトとされているが、そのうち40%が体外被ばく(0.96ミりシーベルト)、60%(1.44ミリシーベルト)が体内被ばく。体内被ばくの大部分は食品と共に体内に入ってくるカリウム40 (天然放射性核種)と地殻中のウランから供給されるラドン226 (気体)の吸引による.体外被ばくは地殻中の放射性核種から放射されるガンマ線と太陽から来る放射線に由来する。要するに、自然放射線による体外被ばく線量と同じ線量を人為的な被ばくの限度にしようと考えたわけ。年間1ミリシーベルトは生涯被ばく線量としてほぼ100ミリシーベルトである(おおざっぱに100年生きると仮定している)。100ミリシーベルトの被ばくは固形癌の発がんリスクを0.5%上昇させると言われている。

注:アメリ力政府の元データでは、ガンマ線の値はレントゲン、ベータ線についてはキューリーを使っており、それぞれ国際標準であるシーベルトとべクレルに換算した。

[参考記事 原発避難者 関西訴訟で原告の弁論続く](リンク)
https://seedsfornews.com/2018/02/genpatsu/

カテゴリー: 放射能汚染 | タグ:

10/7<除染土の行方>帰還困難区域 福島・飯舘村 苦渋の選択、長泥地区【東京新聞・特報】

<除染土の行方>帰還困難区域 福島・飯舘村

  苦渋の選択、長泥地区

   再利用、除染の条件

     農地造成に→復興拠点広く

2018年10月7日【東京新聞・こちら特報部】

東京電力福島第一原発から北西におよそ三十キロ離れた福島県飯舘村長泥地区。多くの放射性物質が降り注ぎながら避難指示が遅れ、今も帰郷がかなわない帰還困難区域に指定される。不条理はこれにとどまらない。ほかの地区から持ち込まれた除染土を使って農地造成する事業が計画されているためだ。さらなる負担を強いられるのはなぜか。元区長の杉下初男さん(68)=同県伊達市=と現地を訪れながら背景を探った。 (榊原崇仁)

秋雨の合間に青空がのぞいた先月二十六日。軽トラックが阿武隈山系にあるゲート前に着いた。「この先 帰還困難区域につき通行止め」と書いた看板が見える。運転席の杉下さんは通行証を警備員に示し、長泥地区へ車を進めた。

道路脇ではススキが伸び、イノシシが土を堀った跡も目立つ。坂を下ると、何台ものダンプカーとすれ違う。やがて見えたのは除染土入りのフレコンバッグ。かつて水田だった場所で何段にも山積みされる。

「長泥で除染した土でねえど」。杉下さんが教えてくれる。「村のよその地区から持ってきてて。再利用に使うやつを。さっきのダンプは袋運んだ帰りだべ」

さらに進み、再利用の予定地に向かう。地区を東西に流れる比曽川沿いだ。そばの道路から一段低い。以前は田畑だったというが、やぶが広がっている。

今の計画では、村内のほかの地区から持ち込んだフレコンバッグ手を開き、放射能濃度が比較的低い除染土を選別して盛り土にした上、覆土をかぶせて新たな農地を造成する。広さは三十四ヘクタールに及ぶ。荒れた田畑を一新し、区画を整理できる利点があるが、地元が再利用を求めたのではない。「こっちの願いは除染。長泥が汚されたままの土地じゃ困る。広くやってくれって言ってたら環境省や村から話が来た」

「除染のために除染土を引き受ける」という矛盾したような状況は、ある仕組みから生じた。

避難区域のうち居住制限、避難指示解除準備の両区域は全域的に除染を実施し住民帰還を広く促そうとした一方、汚染が深刻だった帰還困難区域は「効果的な手法を検討する」として除肢が先送りされてきた。

事態が動いたのは二O一六年八月。政府は帰還困難区域のうち線量が比較的低く、農業や商業などの活動や住民帰還が見込めるエリアは復興拠点とし、五年後をめどにした避難指示解除に向け、除染とハード整備を進める方針を示した。つまり、市町村が国や住民と協議して決める拠点のエリアに入れば除染されることになり、拠点外の扱いは「今後検討」とされた。

長泥地区の人口は二百五十人程度で、村の中心から離れた最南端にある。帰還者数が見通しにくく、当初は集会所を中心にした二ヘクタールほどの拠点案が村から住民側に示された。

杉下さんらは話を聞くうちに不信感を募らせた。「拠点から外れると除染されないまま放置され、避難指示が解除されるんじゃねえのって。それじゃ、故郷に戻る意欲がなくなる」。改めて「この条件をのめば広く除染する」と提案されたのが再利用だったという。

住民「帰郷の希望に」

 計画書に「仮置き場早期解消」も

 「汚染物は東電が引き取りを」

環境省や村によると、次のような経過をたどった。

同省は二O一六年六月、除染土の最終処分の量を減らすために再利用の考え方をまとめ、市町村に再利用を呼び掛けた一方、復興拠点について飯館村などと協議。その中で除染土による農地造成が浮上した。営農再開の基盤を広く設ければ帰還の促進、さらに除線対象となる復興拠点の範囲も拡大できるとして住民側に提案した。

「地元としては苦渋の決断でのんだ。故郷がある以上、戻る希望を残したかったから」(杉下さん)

今年四月、拠点の構想が決まった。範囲は農地造成分を含む百八十六ヘクタール。地区内の約七十世帯のうち大半が除染対象になったという。計画書では「除染土の仮置き場の早期解消を実現」「国益に資する先駆的取り組み」と底意識が強調された。しかし、心配は残る。

長泥の住民代表と学識者が再利用について議論する協議会が八月に始まったものの、造成に使う土壌の基準値は示されなかった。委員でもある杉下さんは「本当に汚染の程度が低い土が使われるのか」と語る。

全村避難となった飯館村だが、長泥以外は除染がほぼ終わり、避難指示は解除された。「なんで長泥だけ条件をのまないと広く除染してもらえねえのかな」。帰還困難区域がある葛尾村にも自が向く。「小さな集落に復興拠点ができるんだけど、除染土を再利用しなくてもいい。それでも広い範囲で除染する」

杉下さんの自宅に着く。屋外の空間線量は毎時三・七マイクロシーベルトという。数十メートル先のモニタリングポストの値は一・八マイクロシーベルト近くだが「あそこら辺だけ、防火水槽があるから除染してある」。

石材加工業を営む杉下さんの工場も近くにある。休業中ながら時折、機械の調子を確認している。「六十歳を超えて余裕が出たとこで原発車故。楽しい人生が一瞬で終わった」。故郷の今後も思うままにならず、「住民の意見が大事にされないのはおかしいよ」。

長泥地区の中心部の西側にはフレコンバッグの除染土を選別するヤードが平らに整えられていた。今後、大型の機械が搬入される。奥にある数軒の民家は「もう住めないから」と解体される。本年度中には作物の試験栽培などが行われる。「長泥はたたき台。村外でもやるための」と感じる一方、「他の県で除染土を受け入れてくれるとこってないでしょ。よそに迷感もかけたくねえべ」と漏らす。

原発車故後から長泥地区で線量測定を続ける「飯館村放射能エコロジー研究会」の面々は現状を憂える。

「国は再利用を進めるため、除染を願う村民の気持ちを逆手に取って話を進めていないか」。日本大の糸長浩司特任教授(環境学)はそう疑う。

国のしたたかさは過去にも見られた。前出の再利用の考え方では当初、用途を道路や防潮堤などに限ったが、翌年以降、緑地や農地でも使えるようにした。

京都大複合原子力科学研究所の今中哲二氏は訴える。「除染土再利用の問題は廃炉で出る廃棄物やトリチウム汚染水にもつながる。汚染された物は原因者の東京電力が引き取るのが原則。除染や帰還は別の話であって、戻りたい希望があるなら国や自治体はきちんと向き合うべきではないか」

(デスクメモ)
放射性物質が降り注いだ故郷が汚されたままだなんて、大地を守る者のプライドが許さない。「元に戻して」という住民の願いがそのままでは聞き入れられず、新たに除染を引き受けさせられる。これが選択か。原発事故を起こした加害者の国や東京電力の開き直りには際限がない。(直)  2018・10・7

(写真)
他地区から運び込まれたフレコンバッグ。地区内の除染はこの2日後から始まった。(上)は帰還困難区域前のゲート。今も立ち入りが規制されている=福島県飯館村長泥地区で

▲故郷への思いを語った杉下初男さん

農地造成に使う除染土の選別ヤードの予定地 (左)は毎時1.8マイクロシーベルト近くを示すモニタリングポスト=福島県飯館村長泥地区で

カテゴリー: 放射能汚染, 中日東京新聞・特報, 今中哲二

10/16「電力過多」の九州電力 太陽光発電一時停止の愚【東京新聞・特報】

「電力過多」の九州電力 太陽光発電一時停止の愚

 対象リストも非公開

2018年10月16日【東京新聞・こちら特報】

 

再生可能エネルギーの一つの太陽光発電があふれそうになり、九州電力は先週末、一部の太陽光発電を一時的に止めた。9月の北海道地震で記憶に残る、ブラックアウト(大規模停電)を避けるための供給調整だという。原発の発電が優先され、太陽光の発電が調整弁にされるのは本末転倒だ。これでは再生エネルギー普及の機運もしぼみかねない。同社の原発は4基が再稼働しており、発電過多の背景にある。止めるべきは危険な原発ではないか。 (中山岳、大村歩)

 

九州電力が実施した出力制御の二日間を振り返る。

十三日は午前十一時半から午後四時まで、九千七百五十九カ所の太陽光発電を送電線から切り離した。国も電力が余った午後零時半からの三十分間は、最大四十三万キロワットの発電を抑えた。

十四日は最大五十四万キロワットを抑えた。両日とも制御が必要になったのは、九州地方で電力需要に対し、供給が大幅に上回る見通しになったためだ。電力は需要(利用)と供給(発電)のバランスが崩れると、大停電が起きる恐れがあるため出力制御が認められている。

一方、再稼働中の川内原発(鹿児島)と玄海原発(佐賀)の計四基ほ通常運転を続けた。国のルールで出力抑制の順番があり、原発は水力や地熱とともに、太陽光よりも優先して発電が認められているからだ。

事業者はどう受け止めたのか。長崎県を中心に太陽光発電を手がけるチョープロ(同県長与町)の定富-さだとみ-勉・新エネルギー事業部長は「どこの発電所でどれだけ発電を抑えたか分からんですね。(事業者は)公平に選ばれたんですか」と疑問をロにする。同社は両日で運営する太陽光発電のうち計七力所で送電できなくなったが、対象事業者のリストが非公開なのは不満だ。

定富さんは「国の政策で原発を動かしているので仕方ないが、放射性廃棄物の最終処分も決まっていない原発より太陽光など再生可能エネルギーをもっと活用してほしい」と求める。

小泉純一郎元首相も十四日に岐阜市内で開かれた講演会で「原発が要らなくなると困るからと、太陽光発電を減らすのはおかしい」と九電の姿勢を批判した。

今回の出力制御は避けられなかったのか。九電の担当者によると、両日とも余剰電力を生かすため、九州と本州をつなぐ送電線「関門連系線」で百九十二万キロワットを送るなどしたが、「それでも余ったので出力制御した」と説明する。

同社の和仁-わに-寛・系統運用部長は直前の十二日の記者会見で、今後も太陽光の出力制御が行われる可能性を問われ、「秋や春などはあり得る」と述べている。

太陽光発電より、原発の発電を優先するルールは変えられないものなのか。

資源エネルギー庁の省エネルギー・新エネルギー部政策課制度審議室の河合賢矢室長補佐は「原子力発電は出力を一度下げると、戻すのに時間がかかる」と説明する。仮に原発を止めて太陽光発電を維持しても、夜間は発電できず火力発電で補わなければならない。「二酸化炭素(CO2)の排出やコストが上がる」

原発の出力制御は、なぜ難しいのか。プラント技術者で原子力市民委員会委員の筒井哲郎氏は「原発は核燃料が密閉された圧力容器や格納容器内にあり、炉内で燃焼量を調整するのが難しい。炉外でも出力調整を考えた設計になっていない」と指摘する。

筒井氏によれば、かつては電力業界も原発の出力調整をしたがっていた時期があった。実際に四国電力伊方原発2号機では、一九八七年と翌年の二回にわたり出力調整運転試験が行われている。「しかし、原発は出力が変動する過渡期の運転がもっとも注意が必要で、事故の原因になりうる。」 一九八六年のチェルノブイリ原発事故でも、人為的ミスが主因だったとはいえ、出力調整運転実験中の出来事だった。「何度も出力調整をすると、だんだん核燃料の組成が不安定になる問題もある」という。

再稼働4基は通常運転

 原発優先のルールに問題

  「全道停電」脅威あおる材料に

原発で臨機応変の出力調整が難しいというのは確かにそうかもしれないが、全くできないわけでもない。

NPO法人「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也-てつなり-所長は「原発は二十四~四十八時間前から準備すれば、出力を下げられる」と話す。実際、ドイツやフランスでも原発の出力調整は行われているという。今回、九州電力が出力制御の見通しを発表したのは実施二日前の十一日で、「この時点で原発の出力を下げれば、太陽光発電の出力制御をしなくても済んだはずだ」

そもそも、九電はニO一四年に太陽光発電停止の可能性を公表し、さらに今年初めごろから今秋の太陽光発電停止の可能性をにおわせてきた。余ることが予測できたなら、今年三月に玄海原発3号機を、六月に同4号機を再稼働させたりせず、停止させておけばよかったのではないか。

自然エネルギー普及を目指して政策提言などを行っている自然エネルギー財団の大林ミカ事業局長は「九電も経産省も「やるぞ」と言い続けてきた。むしろ、電力が余ると大変だが、原発は止められない、だから太陽光発電を停止するというパターンを既成事実化するための公開実験的な意味合いだったのではないか。北海道で全道停電が起きたことも脅威をあおる材料にした感がある」と指摘する。

龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)も「現在稼働中の九電の原発の計四基のうち、一基分を停止させておけば、電力過剰となる事態を防げた。せっかく燃料費ゼロでできた太陽光の電力を捨てて、燃料費のかかる原発の電力を優先するのは、経済的にはまったくおかしい」と指摘する。

大島氏は、そもそも、今年七月に閣議決定されたエネルギー基本計画で「主力電源」と位置付けられた再生可能エネルギーと、長期固定電源(ベースロード電源)と位置付けられた原発とで、「どちらを優先したいのか、はっきりしていない」と批判する。

長期固定電源となっているため、電力需給を広域的に調整する電力広域的運営推進機関(OCCTO)の業務指針でも、原発の出力調盤は最終手段と位置付けられている。風力、太陽光、バイオマスなど再生可能エネルギーはそれより以前に調整対象とされている。「結果的に、再生エネルギーを主力電源にすると言いながら、いざとなれば棄てる。これでは主力電源化というのも掛け声だけではないかと疑問視されて当然だ」

さらに、前出の大林氏は、このベースロード電源イコール原発という考え方自体に疑問符を投げかける。

「再生可能エネルギー普及が進む欧米の国では、需要と供給の予測をITにより正確に行い、供配電のマネジメントをきちんとやることで、再生エネで日本のベースロード需要に相当する電力を賄っている。停止すると一気にエリアが停電しかねない原発など大規模発電所は、ベースロード電源とは言えない」

今回、いざとなれば太陽光発電を止めるという九電の姿勢が明確になったことで、少なくとも九州では再生可能エネルギーが余剰電力になる恐れがある。それが補償もされず捨てられるとなれば、「九州での再生可能エネルギーの普及にストップがかかるのは必至だし、他の地域への影響も大きい」(大島氏)。

やはり、電力が余るというなら、よりコストが高く危険な電源から削っていく方向に、政策転換をすべきではないか。前出の飯田氏はこう語る。「ドイツでは、太陽光発電の出力を抑制した場合は事業者に補償している。放射性廃棄物を出す原発より、再生可能エネルギーが環境的にも社会的にも優先されているからだ。太陽光より原発を優先する日本のルールを変え、まず原発を止めるべきだ」

デスクメモ
政府と司法が両輪となって原発再種働へと突き進む傍らで、太陽光の電力が捨てられる。まるでブラックアウトを招き入れる悪者みたいに。本当の悪はどっちだ?動き続ける限り核のごみを出し、事故になれば回復不能な被害をもたらす原発の方だ。敵と味方を間違えたくない。   (直) 2018.10.6

(図)再生可能エネルギー出力制御の仕組み

九州電力
①九電が電力需給のバランスを予測
②供給力が需要を上回りそうな場合は事前にメールで連絡

太陽光など再エネ事業者
③連絡を受けた事業者は送電網への接続を停止

(写真)
九州電力のメガソーラー大牟田発電所=福岡県大牟田市で(同社提供)

九州電力川内原発2号機(手前)と1号機=鹿児島県薩摩川内市で、本社機「おおたか弐世」から
.
九州電力の太陽光発電出力制御を批判する小泉純一郎元首相=14日、岐阜市内で

出力制御について脱明する九州電力の和仁寛・系統運用部長=12日、福岡市で

カテゴリー: 新エネルギー, 中日東京新聞・特報

10/15原子力10施設、解体180億円 小規模でも国民負担巨額【東京新聞・社会】

(図表の画像を文字おこし)

 新たに判明した 原子力機構10施設の解体費

研究施設        試算対象        費用
————————————————–

青森研究開発センター(青森県) 関根施設 32億円

原子力科学研究所(茨城県) 研究用原子炉「JRR4」など4施設 54億円

大洗研究所(同) 重水臨界実験装置  7億円

核燃料サイクル工学研究所(同) プルトニウム燃料第二開発室など2施設  66億円

人形峠環境技術センター(岡山県) 濃縮工学施設など2施設  23億円

=======================

原子力10施設、解体180億円 小規模でも国民負担巨額

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201810/CK2018101502000130.html
2018年10月15日 朝刊【東京新聞・社会】

写真

国内最大の原子力研究機関「日本原子力研究開発機構」が各地に保有する原子力関連の七十九施設のうち、青森、茨城、岡山三県にある十施設の廃止に伴う「解体費」を約百八十億円と試算していたことが十四日、分かった。機構は、原発の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す東海再処理施設(茨城県)など廃止が決まった大規模施設については解体費を含む廃止費用を公表済みだが、より小規模な施設の廃止関連費用も巨額に上ることが判明した。

機構は国の交付金で運営され、解体費は国民負担となる。十施設は、放射線漏れ事故を起こした原子力船むつに関する研究開発や核燃料製造に必要な技術開発を行い、既に廃止方針が決定。廃止完了には、施設の解体費に加え、放射性廃棄物をドラム缶に詰めるなどの準備作業でかかる「処理費」や、実際に処分場に埋設する際の「処分費」も必要となる。昨年の法改正で、原子力事業者は年末までに施設の廃止費用などの公表を義務付けられており、機構が精査を進めているが、七十九施設で数兆円規模になる可能性もある。七十九施設の半数程度は廃止方針が決まっている。

解体費が判明したのは、全国五つの研究拠点にある計十施設。内訳は、プルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料の製造技術を開発するなどした核燃料サイクル工学研究所(茨城県)の二施設が約六十六億円、原子力科学研究所(同)の研究用原子炉など四施設が五十四億円、核燃料製造に必要なウラン濃縮技術を開発した人形峠環境技術センター(岡山県)の二施設が約二十三億円、青森研究開発センター(青森県)の一施設が約三十二億円、大洗研究所(茨城県)の一施設が約七億円だった。

一方、東海再処理施設の廃止費用は作業完了までの約七十年間で約一兆円と試算している。高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)は政府試算では、廃止までの施設維持費を含め約三千七百五十億円。

カテゴリー: 廃炉

高槻市10/20(土)14時から「使用済み核燃料(核のゴミ)の実際」学習・討論会-

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学習・討論会 使用済み核燃料(核のゴミ)の実際
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おはなし:長沢 啓行 さん (若狭ネット資料室長:大阪府立大学名誉教授)
テキスト: 使用済核燃料 (長沢啓行著 ¥500)
日  時: 20181020日(土曜) pm2:00 
場  所: 坂元宅 (高槻市前島1丁目11-13)

駐車場あります。
駅からは高槻市バスしかないので(1時間に1本)ご注意ください。
高槻市バス[5]乗り場(13前島行)
JR高槻駅南(松坂屋前)より午後1時38分 阪急高槻駅より 午後1時41分
坂元宅はバス停[前島]からすぐです。案内を出しておきます。
乗り遅れた時は、連絡ください。お迎えに行きます。

主  催 : 原発ゼロ上牧行動  脱原発高槻アクション
連  絡 : 坂元 電話 072-669-1120 携帯 09069162413

 

原子力発電の大きな問題は、原発の過酷事故と、使用済み燃料だと思います。過酷事故は福島第一原発事故によって市民に白日のもとに明らかにになりました。

使用済燃料のことは多くの人(私も含めて)知っていますが、その実際についての理解は十分とはいえません。長沢さんのお話とテキストを中心に学習と討論会をします。

十分な時間を取り討論しますので、この問題についての理解はとても深まり、これが脱原発運動の力になると思います。

是非ご参加下さい。できればテキストを一通り目を通て参加されるのがよいと思います。

テキストは坂元が販売しています。

 

テキスト目次
第一部 フクシマ事故の現在
事故の負の遺産をどうする
「だまされた」の言い訳は通用しない
「避難計画が万全」なら安心か
「アンダーコントール」したか
福島原発の「廃止そき」は
プール内貯蔵量と取出状況
建屋とタンクに107万㎥の汚染水
使用済核燃料と新燃料の行き先
数百人・Svの労働者被曝
線量の高い2号建屋
1~3号機は4号機の千倍の放射能
燃料デブリの取出し
瓦礫の発生予測 など

第二部 再稼働の前に考えよう、
行き先のない使用済み核燃料
乾式貯蔵へ早期移行は危険
欧米の乾式貯蔵
プール貯蔵は放射線の遮蔽を兼ねる
使用済み燃料があれば危険は同じか
MOX燃料はプールに90年
美浜3は満杯までの余裕が10年に
キャスクの耐用年数は40年~60年
中間貯蔵施設は、永久貯蔵となる可能性
関電は6千回以上、自治体を訪問し中間貯蔵の説明
関電管内の予備率は18%~27%電力の過剰状態
関電管内は新電力への切り替えが多い

第三部 子や孫が直面する
「真の姿」が見えているか
「廃止措置」=解体・撤去は虚構
机上の空論・「処分」
地震・火山列島に「科学的有某地」あり得ぬ
科学的特性マップ
無人島が狙われている
プレートの沈み込みによって生成される火山フロント
ふげん廃止措置計画
旧ドイツ原発での除染、解体、取出し

カテゴリー: 高槻アクション, 講演会, 放射能汚染, 最終処分場, 核燃サイクル

10/1トリチウム水処理法「わからない」51.1% 県民世論調査【福島民報】

トリチウム水処理法「わからない」51.1% 県民世論調査

http://www.minpo.jp/news/detail/2018100155920
【福島民報】2018年10月1日

福島民報社は福島テレビと共同で県民世論調査(第二十三回)を行った。東京電力福島第一原発の汚染水浄化後に残る放射性物質トリチウムを含んだ水の処分を巡り、処理方法を「わからない」と感じる割合は51・1%で、「理解している」の48・9%を上回った。海洋放出に関しては「反対」が53・8%と半数を超え、「賛成」とした17・1%の三倍に達した。議論の進め方に対しては四割が「もっと意見を交わすべき」と指摘し、政府の説明が不足している現状や検討過程への疑問が浮かんだ。

処理方法をどの程度理解しているかを聞いた結果は【グラフ(1)】の通り。「よくわからない」が43・8%で最も多く、「全くわからない」は7・3%で計51・1%となった。一方、「よく理解している」は10・8%、「ある程度理解している」は38・1%で計48・9%だった。

トリチウム水の処分については原子力規制委員会が海洋放出を有力な選択肢に挙げる中、国民の意見を聞く公聴会が八月末に富岡町と郡山市、東京都で開かれた。

しかし、トリチウム以外の放射性物質が残留していることが開催直前に発覚。各公聴会では海洋放出への反対意見や国の議論の進め方への批判が相次いだ。

■海洋放出「反対」53.8%「賛成」17.1%

海洋放出への賛否を聞いた結果は【グラフ(2)】の通り。濃度を薄めた上で放出する方法に「反対」が53・8%と「賛成」の17・1%の三倍に上った。「わからない」は29・1%で「賛成」を上回った。海洋放出の是非に関しては処理方法を「よく理解している」と答えた人でも賛成が43・4%、反対が50・0%と意見が割れている。

政府の小委員会は海洋放出への反発を踏まえ、トリチウム水の処理方法について公聴会で説明した五つの方法((1)地層注入(2)海洋放出(3)水蒸気放出(4)水素放出(5)地下埋設)に加え、タンクによる長期保管の可能性も検討する姿勢を示している。

■関係者と議論必要40.1%

今後の議論の進め方を聞いた結果は【グラフ(3)】の通り。特に重視すべき項目を「風評の影響が懸念される農林水産業や観光業の関係者ともっと意見を交わすべき」と考える人が40・1%で最も多かった。「処分方法に応じて地域や産業界の振興策を打ち出すべき」が27・0%、「まずは具体的な風評対策を固めるべき」が12・6%で続いた。

トリチウム水は原発敷地内のタンクに保管されている。敷地内へのタンク増設は限界に近づきつつあり、廃炉作業に支障を及ぼす恐れがあるとして処分方法が検討されている。

九月二十八日には東電が保管中の処理水約八十九万トンのうち、約八割でトリチウム以外の放射性物質濃度が排水の法令基準値を超えている-との調査結果を公表。環境中に放出する際には基準値を下回るよう再浄化する方針を、一日に開かれる政府の小委員会で報告する見通しだ。

( 2018/10/01 08:16 カテゴリー:主要 )

カテゴリー: トリチウム

(トリチウム水)説明・公聴会について-135名の意見

多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会事務局

http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/pdf/010_02_00.pdf

平成30年10月

多核種除去設備等処理水の取扱いに係る説明・公聴会について

•多核種除去設備等処理水(以下、処理水)について、処分方法を限定せず、処分方法や処分した際の懸念について、県民・国民のご意見をお伺いする場として開催。
•富岡町(福島県)、郡山市(福島県)、東京の3会場で開催し、御地元の方をはじめとして、意見表明者延べ44名、傍聴者延べ274名の方にご参加いただいた。
•また、書面での意見募集については、締め切りを1週間延ばし、39日間の募集を行った結果、135名の方からご意見をいただいた。
•具体的には、処理水の安全性についての懸念、風評被害が懸念されるため海洋放出に反対、など、処理水の処分に関して、様々な懸念点をいただいた。
•今後、こうした国民の皆様のご懸念にどのように応えていくのかなど、小委員会にて議論を実施。

東京会場
日時:8月31日午後
場所:イイノホール
意見表明者数:16名
傍聴者数:85名

郡山会場
日時:8月31日午前
場所:郡山商工会議所
意見表明者数:14名
傍聴者数:88名

富岡会場
日時:8月30日午前
場所:富岡町文化交流センター
学びの森
意見表明者数:14名
傍聴者数:101名

<参考>各会場の概要について
※全会場とも、期限内に意見表明・傍聴申込のあった方については参加いただくとともに、会場に余裕のあった富岡会場、郡山会場については、傍聴の当日受付も行った。

いただいたご意見の概要について
①処分方法について
②貯蔵継続について
③トリチウムの生物影響について
④トリチウム以外の核種の取扱いについて
⑤モニタリング等の在り方について
⑥風評被害対策について
⑦合意形成の在り方について
⑧その他
•説明・公聴会での意見表明及び書面による意見募集でいただいたご意見は、大きく以下の論点に分類される。
※次ページ以降、主なご意見を記載するが、必ずしも事実関係として正確ではない点もあることから、今後の小委員会では事実関係を含めて確認・議論を行っていく。

===============

主なご意見①(処分方法について)
•処理水の処分濃度、総量規制、処分場所について
•処理水から放射性核種を取り除く新技術等について等

国民理解を得ずしての海洋放出には反対。
人為的に流すことは倫理に反する。委員会が提案する5つの提案には全て反対である。
国民、県民の不安払しょくのためには安全なトリチウムの海洋放出が必要。
風評被害を受ける産業が分散するので、許容できるのは水蒸気放出。水素放出は同意できる。
地層注入、地下埋設は直接目の届かないところで管理するので、異変に気付きにくく不適切。
たとえ法令の濃度を守っても、総量規制がなければ海の汚染は必至である。震災前の総量規制が守られるべきである。
原子力発電所の炉型によって総量規制値が変わっており、現在の総量規制値自体の根拠がない。
地元(福島)の沿岸漁業に対し風評被害の懸念を考えれば、タンカー船によるトリチウム水の輸送や配管を引くことで、沖合や深海での海水希釈・海洋放出をすればよいのではないか。
処理水を配管などで移送し、東京都内や無人島、福島第二原子力発電所など別の場所からの放出をするべきではないか。
コストを優先して海洋放出することは、福島第一原発事故の被害をさらに広げ、社会的影響が甚大であることを思料すべき。
プラントの稼働率が上がるかどうか未知数であり、何らかのプラントを建設する対策を避けるべき。
トリチウムの分離について、タスクフォースで定められた処分技術以外にも、近畿大学や京都大学などの新しい技術があり、それらについて調査をすべきである。
希釈して海洋へ放出するのはロンドン条約違反になる可能性がある。

主なご意見②(貯蔵継続について)
•処理水の長期保管の検討について
•処理水の保管方法について等

小委員会では、委員より、「現在タンクは適切に管理されており一番リスクが低い状況にあり、この点について理解が進んでいない」という意見が出されており、タンクへの貯蔵の継続を含めて検討されるべきである。
当分の間、保管を行い、分離技術など新しい技術を開発促進する時間を確保すべきである。
長期保管を行えば、減衰により処分量を減らすことが出来る。仮に120年待てば、処分量は千分の一になる。
タンクの建設は本当に限界か。大型タンク、地下貯蔵、洋上タンク等による長期保管を検討すべきである。
管理を続けるコストは、貯蔵することによる健康および経済面のメリットに比べて大きい。さらに大型タンクの管理作業上のリスクもある。また、貯蔵継続であっても風評被害は避けられない。
貯蔵継続は選択肢としてありうべきだが、状況の固定化を招き、最終的な選択肢を減らすことにしかならないのではないか。
法的には敷地外保管も可能である。それにも関わらず、敷地内しか選択肢がないかのように誘導するのは誤っている。福島第一周辺の土地で保管すべき。
仮に長期保管を行うならば、県外、特に東京電力管内での保管も行わなければ、他県の人々にとれば、福島に問題を押し付けておけばいい他人事、という形になってしまうことを強く懸念する。

主なご意見③(トリチウムの生物影響について)
•トリチウムの危険性(特に有機結合型トリチウム)について
•過去のトリチウムによる被害情報について等

排水中のトリチウムの法定告示濃度は6万Bq/Lとされているが、有機結合したトリチウムの内部被ばくリスクについては様々な科学的見解があり、この濃度で安全性が担保されたことにはならない。
トリチウムは生物への影響の有無が「証明されていない」のであって、「影響が無い」とは断言できない。
他の原子力施設で大量にトリチウムを放出している実績があるからといって、東京電力福島第一原子力発電所でも放出しても安全ということにはならない。
内部被ばくについてのICRPのモデルを否定する研究結果を出している科学者たちもいる。
遺伝子に含まれる水素原子とトリチウムが入れ替わり、トリチウムがヘリウムに壊変することで遺伝子の化学結合が切断される。
トリチウムは生体のあらゆる場所に取り込まれ、内部から被曝、活性酸素等を介して間接的に細胞膜やミトコンドリアを破壊する。
過去、トリチウムによる被ばく事例が複数あるが、それらの情報が説明されていない。
1970~1980年代には、低濃度でもトリチウムが染色体異常を起こすこと、母乳を通して子どもに残留することが動物実験で報告がされている。
原発から放出されたトリチウムによって玄海原発周辺の住民の白血病が増加している。またピッカリング原発(カナダ、年間2,500兆Bqのトリチウムを放出)周辺の都市ではダウン症候群の赤ん坊の出産や中枢神経系統に異状のある赤ん坊の出産も明らかにされている。

主なご意見④(トリチウム以外の核種の取扱いについて)
•処理水の性状・保管実態(特にトリチウム以外)について
•処理水に含まれるトリチウム以外の核種の処理・処分について等

多核種除去設備等でトリチウム以外の核種が取り除かれるという前提だったが、トリチウム以外にも半減期1570万年のヨウ素129などが法令基準値超で残存していることが明らかとなっており、小委員会の議論の前提が覆っている。
トリチウム以外にもタンクに残っていることが明らかになった以上、それらの処理処分方法が論じられない中でトリチウムのみを検討対象として処分方法を検討するという事自体が間違っている。
どのタンクにどの核種がどれだけ入っているのかを確認するのが先決である。
処理水を希釈しても生物濃縮によって再び濃度が高まる核種もあると考える。
原子力規制委員長の発言から、トリチウム以外の放射能物質も希釈して海に放出されるのではという疑念がある。
残存しているストロンチウム等を取り除く装置等の開発提案が可能である。
既設・増設ALPSは、除去性能に関する検査はされておらず、そもそも性能保証はされていない。

主なご意見⑤(モニタリング等の在り方)
•トリチウムのモニタリングの方法や難しさについて
•モニタリングの妥当性について等

現在福島産の食品に関して出荷前に残留セシウム量を測定し、消費者を安心させている。トリチウムについても、放出前後で飲料水などの含有量が増加していないことを示す必要がある。
サンプリング調査では部分的に核種が濃縮していたような場合を把握できず、懸念がある。
タンク内の汚染水のサンプル計測によるトリチウムの濃度計測に頼るのではなく、海洋放出に向けて汚染水の全量を計測するシステムを採用するべき。
トリチウムは計測するのに時間がかかり、測定結果が出た時には放出後であり、懸念がある。
海洋放出前に複数の機関が独自に検証すべき。
国際社会で認知されている規制値をもって放出するのではなく、県民を含めて関係者と協議の上、安心が得られる数値の設定が求められる。
実際に放出しても安全であることが、事前にシミュレーション出来ていないといけない。

主なご意見⑥(風評被害について)
•風評被害への懸念について
•風評被害ではなく実害である等

放射性物質は専門性が非常に高い分野であることから、その性質や特徴、危険性について、正しく国民に認識されているとはいえず、風評被害を招く。
環境中に放出すれば、消費者の意識を刺激し、市場の構造変化が更に促進され、固定化する。
試験操業として漁を再開し、水揚げ量を徐々に増加中。そんな中、トリチウムを含む処理水の海洋放出は明らかにマイナス要因であり、福島県産水産物の流通を回復させることに尽力してきた労力が無駄になる可能性がある。観光業にも影響が出る。
値下がり分を補償・補填されたとしても、風評被害によって失った取引先を取り戻せないことが問題。
見切りをつけて福島県の漁業・水産業から撤退する人々が現れ、地場産業の衰退に繋がる。
近隣諸国の輸入規制にまで広がりかねない。
風評とは「根も葉もない噂により経済的な被害を受けることなどを意味する言葉」である。原発事故による放射能汚染は、消費者が福島県のものを「買わない、選ばない」という合理的な根拠となり得ることから「風評被害」ではなく「実害」である。
因果関係の証明が難しいことを「心理的不安をます、経済損失を被る」などの理由で風評被害と決めつけるのは、反対意見を押さえつけているように見える。
処分に係るコストのシミュレーション同様に、風評被害額のシミュレーションも行うべきである。
トリチウムは現在も国内外の原子力施設から、管理された状態で海洋に放出されており、福島第一だけが特別の扱いになるのは合理的ではなく、かえって、「やはり福島第一は危険だ」と海外からも思われてしまい、逆に風評被害となるのでは。
補償ではなく、地域が自立できる支援が必要。

主なご意見⑦(合意形成の在り方等)
•国民への丁寧な情報発信が必要
•そのため、説明会等を実施することが必要等

仮に、海洋放出や大気放出等、住民の生活環境への放出がなされる場合には、総理大臣など国の責任者による全国民及び全世界への丁寧な説明、発信が必須。
汚染水が廃棄される場所に選定された自治体、近隣自治体に住む国民の意見を聞くべきであり、国や東電が決めるべきではない。
海洋放出以外の4つの手法や保管案について、どのような検討、意見交換が行われたのか、広く議論すべき。
意見表明者の意見・懸念のベースになっているエビデンスと小委員会が提示しているエビデンスに食い違いがあり、その違いがどこにあるのか、整理結果を広く共有することが、今後の検討の第一歩となる。
開催回数3回は少なく、10回以上は開催すべき。また、一般の方が参加しやすい休日を選ぶべき。
公聴会には一般層の参加者が少なく、特定の関心傾向の方が多く見られた。より広い層、現実的に利害が発生する層からの意見の吸い上げができるよう工夫すべき。
漁連や流通・小売、市場関係者、また沿岸の産業に携わる人、関係自治体を含めた、福島県外の関係者を含めた恒常的な委員会を設置し、課題や方向性を討議する場を設けてもいいのでは。
富岡会場では、他の地域の人たち、特に首都圏の人々に他人事としてではなく、「自分ごと」として考えてほしいという要望が特徴的だった
漁業等、影響を受ける沿岸産業の将来像を含めて議論していく必要がある。
汚染水を海洋放出の時には、近隣国の承諾を得るのか。国際的なコンセンサスが必要。
情報は積極的にすべてを公開すべき。

主なご意見⑧(その他)
•委員会のあり方
•政府や東電への不信感等

委員会は限定的なメンバーによって行われてきたことから、委員会の構成員を検討しなおすべき。
規制委員会と小委員会とで方針について意思疎通と共有化を行うべき。
作業員の健康と命を守ることを最優先して欲しい。
安全であれば、経産省や東電等が水道水や飲料水として使ったらよい。
政府や東京電力は信用できない。
敷地制約がでることは、事故当初から想定されていたことであり、今になって検討するのは、その場しのぎ、場当たり方策である。
「ALPS処理済み水は汚染水ではない」との資料は看過できない。

カテゴリー: トリチウム

7/13第9回 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会-「(トリチウム水)処分の必要、処分するというのは今の段階では決まっていないというふうに考えていいんですね」

資料1
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/pdf/010_01_01.pdf

第9回 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会

日時 平成30年7月13日(金)14:59~17:07
場所 経済産業省本館地下2階 講堂

○田中企画官
それでは、定刻になりましたので、第9回多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会を開催いたします。
まず、本日傍聴されている皆様におかれましては、注意事項を席上に配付させていただいております。事前にご一読いただけますよう、よろしくお願いいたします。円滑な会議運営にご協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。
経産省では、会議のペーパーレス化を推進しておりまして、本日の会議はタブレットを用いて会議を進めたいと存じます。
タブレットの使い方をご説明いたします。
開いていただきますと、現在画面に議事次第が出ていると思いますが、画面をタップいたしますと、左上に矢印が出てまいります。この矢印をタップすると、本日の資料が格納されているフォルダに戻ります。この中で、資料名のついたPDFのファイルをタップいたしますと、資料の画面が立ち上がります。資料を閉じる場合には、先ほどと同様な操作をしていただければと思います。
ご不明な点がありましたら、事務局にお知らせください。よろしいでしょうか。
それでは、本日の資料の確認でございますが、ただいまフォルダをごらんいただいているかと存じます。この画面にて資料の確認をさせていただきます。
まず、議事次第と委員名簿がございます。その下に資料1、資料2、資料3、資料4-1、4-2という形で格納されてございます。よろしいでしょうか。
このほか、机上に、座席表と、「放射線のホント」という黄色い冊子が配付されてございます。こちらについては、復興庁さんのほうから後ほどご紹介いただけると聞いてございます。よろしいでしょうか。
それでは、プレスの方のカメラによる撮影はここまでとさせていただきます。ご協力をよろしくお願いいたします。

(プレス退室)

○田中企画官
それでは、議事に入らせていただきます。
これよりは、山本委員長より議事進行をよろしくお願いいたします。

○山本(一)委員長
それでは、議事に入らせていただきます。
まず初めに、ことし5月に開催いたしました第8回小委員会の議事録(案)の確認をさせていただきます。資料1をご確認ください。先日、メールでご確認いただいたものですけれども、特にご意見はございますでしょうか。
特になければ、こちらで正式に第8回議事録とさせていただきます。どうもありがとうございました。
次に、本日の議題の趣旨についてご説明いたします。
前回は、多核種除去設備等処理水を処分した際の社会的影響の考え方などについて議論するとともに、社会的影響を考える際には国民の理解・懸念を把握することもまた重要であるため、説明・公聴会の開催についてご紹介させていただきました。
今回は、7月5日に開催されました「原子力災害による風評被害を含む影響への対策タスクフォース」で示された風評被害対策の主な取り組み状況をご紹介いただくとともに、前回の小委員会での議論を振り返り、さらに議論を深めていきたいと考えております。
また、説明・公聴会に向けて、説明資料案について議論したいと思います。
それでは、議題2の「原子力災害による風評被害を含む影響への対策タスクフォース」につきまして、その議題に移らせていただきます。
まずは、復興庁より資料を用いてご説明いただいた後、質疑応答とさせていただきます。
それでは、復興庁、増田参事官、よろしくお願いいたします。

○増田参事官
復興庁より参りました参事官の増田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
座ってお話しさせていただきます。
私は、このタスクフォース、風評タスクフォースと通常言っておりますが、につきましては、これまでこの小委員会で2回お話をさせていただいております。
資料ですが、タブレット、大変恐縮ですが、全部で12ページありますが、一番後ろから2ページの11ページをご覧いただけますでしょうか。
前回、2月だったと思いますが、第7回のこちらの小委員会で、このタスクフォースで12月に風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略をつくりましたとご紹介をさせていただきました。覚えている方もいらっしゃるかと思います。
今回、7月5日にこのタスクフォースを行いましたが、これは、この戦略に基づいて各府省庁が行っている施策についてフォローアップを行ったものでございます。
簡単に、この戦略について、もう一度だけ復習させていただきますと、いろいろ風評被害、農林水産物の全国との価格差であるとか、あるいは、教育旅行等の観光業の不振、あるいは、いじめ等の偏見差別ということに対処するために、正しい放射線の知識、あるいは、ちゃんと福島の農産物の安全が保たれていること、あるいは、復興している福島の姿について情報発信していこうという戦略でございまして、それぞれ「知ってもらう」、「食べてもらう」、「来てもらう」という形で、それぞれターゲットといいますか、対象を大事な順に並べまして、かつ、発信する内容もシンプルに発信していこうというものございました。
それを受けまして、12ページでございますが、我が国としては、各府省庁で工夫を凝らした情報発信をしていくんだと。それから、復興庁としては、いち早くモデルコンテンツをこしらえまして、また、メディアミックス、テレビとかインターネットとか、そういうものを通じて発信していこうと。また、各府省庁の取組については、タスクフォース等でフォローアップしていくということが、12ページの一番下に書いてございます。
10ページをご覧いただきまして、我々タスクフォースというのは、このようなメンバーで、復興大臣以下、各省庁の局長級でつくっているということでございます。今回、オブザーバーで、オリンピック・パラリンピックの事務局にも入っていただく形にしております。また、福島県にも従来からオブザーバーで入っていただいております。
更に遡って恐縮ですが、どういうことをやったかということで、5ページが、前回の7月5日のタスクフォースのまとめでございまして、こちらに書いてありますとおり、まず、復興大臣のもとで、このタスクフォースで、これまでもやってきたのですが、風評対策強化指針という3本柱に基づいて取り組んでいる。
特に風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略に基づいて、いろいろやってきたということでして、内容としましては、強化指針の1で、風評の源を取り除くということで、これについては、検査等の内容について書いているところでございます。
次の6ページの強化指針2でございますが、正確でわかりやすい情報提供を進め、風評を防ぐということで、まず、放射線の基礎的知識については、先ほどちょっと申し上げましたモデルコンテンツを、お手元に配付させていただいております。また、傍聴の方は、ちょっと間に合わなかったので、入り口のところに山積みになっていますので、そちらをお取りいただきたいと思うのですが、各府省庁の今後の情報発信のモデルとなるコンテンツとして、「放射線のホント」というのを、この戦略に基づいてつくりました。これについては、例えば、アマゾンのキンドルとか、電子書籍で今無料で配信しておりまして、このタイトルで検索していただきましたら入手できるようにしております。
また、ちょっと別のものでございますが、「食べてもらう」、「来てもらう」については、もう少しシンプルにした「風評の払拭に向けて」という冊子、パンフレットを、英語版とか、今後、中国語版などもつくって、配布していく予定でございます。
また、各府省庁、消費者庁等々、いろいろなところで情報発信をしていただいているところでございます。
また、被災地の不安に向けた取り組みということで、被災地でのリスコミも強化しているところでございます。
7ページにまいりまして、強化指針3で、風評被害を受けた産業を支援するということで、販路拡大等につきましては、農林水産省から県に47億円ぐらいの予算を出しまして、そこで販路拡大、あるいは、流通実態調査というのを農水省でやっていただきまして、今年もやるのですが、その流通に切り込んでいくということをしております。
また、企業等の、ふくしま応援企業ネットワーク等々で、企業からの支援ということも取り組んでいるところでございます。
また、(2)でございますが、外国への働きかけということで、いわゆる輸入規制の撤廃への働きかけと、草の根からの発信をしているところでございます。
8ページでございますが、風評被害を受けた産業を支援するということで、特に観光については、インバウンド、訪日外国人の拡大に向けまして、いろいろプロモーションをしたり、あるいは、浜通りについては、いわゆるホープツーリズムという形で、どんどん福島の新しい魅力について発信しているということでございます。
今後の方向性でございますが、この内容は、1ページに遡っていただきまして、最終的に復興大臣からの指示事項という形で、毎回、タスクフォースで指示しております。ほとんど内容は同じでございますので、こちらを見ていただければと思っております。
こちらにいろいろ書いてございますけれども、戦略に書いてあります「知ってもらう」、「食べてもらう」、「来てもらう」でまとめておりまして、まず1ページの「知ってもらう」につきましては、放射線の基本的な事項等を国民一般に対してメディアミックスで発信していくと。特に関係府省庁と連携してやっていくということになります。
(2)で、これに基づいてつくったパンフレットについては、実際に使われるように、各省庁工夫しましょうと。特に「知ってもらう」対象の1番に挙げております子供さんについては、文科省さん中心に、副読本の改訂などを通じてやっていくんだというのが書いてございます。
2ページでございますが、「食べてもらう」ということでございますが、こちらは農水省でやっていただいております流通実態調査を、価格の追跡といいますか、そういうものを入れて、さらに今年やっていく。
(2)でございますが、輸入規制の撤廃に向けては、首脳レベルの働きかけのみならず、草の根からも発信していく。
(3)は、各省庁でもいろいろマルシェ等やりまして、福島県産品の魅力を発信していくことと、企業との連携を図っていくということが書いています。
「来てもらう」につきましては、こちらにあるとおりでございますが、東北の魅力発信ということで、誘客を一層促進する。それから、教育旅行の回復に向けて、教育委員会等の働きかけ、あるいは環境省等になりますが、保護者の方々へのセミナー等をやっていくということは書いてありますし、(2)で、特に浜通りへの誘客を進めるために、ホープツーリズム等を宣伝していこうということが書いてございます。
非常に雑駁ではございますけれども、以上でございます。

○山本(一)委員長
ありがとうございます。
それでは、ただいまの復興庁、増田参事官からのご説明に対してご質問等ございましたら、ご発言をお願いします。
高倉委員、お願いします。

○高倉委員
ちょっとお聞きしたいんですけれども、いろいろされて、大変ご努力されていることはわかりましたけれども、実際に国民の反応、それから自己評価、その辺はどういうふうに考えられておりますか。

○増田参事官
若干聞こえなかったのですが、今の国民の反応はどうかということでよろしいですか。

○高倉委員
はい。それから、実際に実行してどのように感じられたか、自己評価をどのようにしているのか、ちょっとお聞きしたいんですけれども。

○増田参事官
今やっているいろいろな施策、つまり戦略に基づいてやっている施策については、基本的には、このようなフォローアップをしていくことでやっていくのですが、例えば、特にその中心となる、復興庁がメディアミックスで発信するものについても、その中で効果を見ていこうと思っています。
それは、多分年度末になってしまうので、今どうこうとは言えないんですが、今のところ、私の個人的な感じで言いますと、例えばモデルコンテンツは、福島県内では、わかりやすいのでもう少し下さいとかいうのはあるんですが、今のところ、それ以外余り反応がないというのが正直なところで、我々としては、福島の復興や、あるいは放射線等々に余り興味のない方に知っていただきたいという中で、どうやっていこうかなと思っているんですが、今のところは我々としてもまだ普及に手がついたところという段階かなとは思っております。

○山本(一)委員長
田内委員、お願いします。

○田内委員 この黄色い冊子なんですけれども、エッセンスをよくまとめられているとは思うのですが、実際にどういう場所で配られているのかをお聞きしたいと思います。ウエブだと、やっぱり見に行こうと思われる方でないとダウンロードはされないと思います。やはりどこか、目につくところに置いてあるのかというのをお伺いしたいのですが。

○増田参事官
そもそものコンセプトが、モデルコンテンツという形でつくりましたので、まずは各府省庁に共有してもらう。それから、全国知事会とか地方四団体を通じて、自治体の皆さんに、電子版といいますか、電子ファイルですけれども、配っていただく形でまず進めております。
この後、どのようにやっていくか、いわゆるメディアミックスの発信の中でどう位置づけて発信していくのかというのは、今考えているところです。
その第1弾として電子書籍化ということで、3つの大きな電子書籍のサイトから、無料で出したというところでございます。

○山本(一)委員長
崎田委員、お願いします。

○崎田委員
ありがとうございます。
まず、私はコメントという形になりますが、国が風評被害対策の計画を立てる際に、どういう計画をお立てになるのかなと思っていたんですが、「知ってもらう」、「食べてもらう」、「来てもらう」という3つのキーワードをつくって、非常に国民目線からいえばわかりやすい投げかけをしていただいたということで、これの成果を非常に期待しております。今スタートの緒についたというお話でしたので、成果をぜひ出していただきたいと思うんですが、そのときに、いろいろなやり方があって、情報が伝わっていくことが大事なんですけれども、やはり福島で農産物をつくっておられる方とか、復興に向けて地域で取り組む福島の方たちと直接会っていただくことでの共感や感動とか、そういうものはとても大きいと思いますので、できるだけ直接交流できる機会をふやして、相乗効果を上げていただければうれしいなというふうに思っています。よろしくお願いいたします。

○増田参事官
ありがとうございます。

○山本(一)委員長
大西委員、お願いします。

○大西委員
以前から話題になっていたとは思うんですが、福島の場合は流通に関してかなり問題があるということで、流通関係者にこういうパンフレットを渡して、それが物と一緒に全国津々浦々につながるような形で配布していただけると効果があると思うんですけれども、いかがでしょう。

○増田参事官
我々としては、実は今日お持ちできなかったのですが、どちらかというと「食べてもらう」、「来てもらう」については別のパンフレットがありまして、非常にシンプルなものですが、そちらを使っていこうとは思っているのですが、必要に応じて、この「放射線のホント」についても実は使っておりまして、今日もいらっしゃっておりますが、農水省の皆さんが、流通実態調査に基づいて、指導・助言の一環という形で各種の流通団体等に説明会を開いて、我々復興庁あるいは経産省も一緒に行きまして、その中で戦略について説明させていただいています。全部じゃないのですが、最近は特に「放射線のホント」についてもお配りするような形でしておりますので、今後も対処していきたいと思っております。

○山本(一)委員長
辰巳委員、お願いします。

○辰巳委員
ありがとうございます。
いろいろ国のほうでも取り組んでおられるということがわかりました。一応そちらの取り組みは復興支援ということで、復興のためにという前提のお話なんだというふうに思っておりまして、今回初めて私もこの本を手に、今見せてもらっただけで、きちんと見たわけじゃありませんけれども、こういう類いの書籍で、やっぱり書く立場の人によって書き方がいろいろ違いがあるというふうに思っておりまして、何て言ったらいいんでしょうね、私たち、普通にこういうのを読んだときに一番気になるのは、問題ありません、問題ありません、問題ありません、問題ありませんという表現で全てがまとまっているように見えたんですね、今は、ちゃんと見たときに。きちんと読んではいませんけれども。そうすると、じゃあ、何で問題が起こっているのっていうふうなところに疑問がいってしまって、そこが結局、常にいろんなコミュニケーションがうまくいかない原因ではないかっていうふうに思っております。
今までからも、こういう場でもお話があったと思うんですけれども、皆様いろいろ、自分の持っている情報量の違いによって捉え方も全然違うわけですよね。それで、こういう説明をされるときに、こういうふうな考えもあるけれども、でも、こういうふうな考えもあるっていうふうな説明の仕方をぜひしていただけるといいなと。
そうでないと、何が言いたいかというと、やっぱり問題ないということだけの押しつけじゃないかと、コミュニケーションにはならないよねっていうふうな雰囲気になるんじゃなかろうかと、私はとても懸念しておりまして、片面、すごく絵がたくさん入っていて、確かに子供たちにも見やすい書き方にはなっているけれども、中身はとても重い話でしてね。だから、そこが常に、特にこの原子力の発電所と言ったらいいんでしょうか、事故の問題に関しても、なかなかうまく片づかない理由じゃないかと思っております。そういう私の見方に関しては、何かご説明いただけますか。
以上です。

○増田参事官
今お話ありましたご懸念というのは、当然あり得るべきものだろうと思っています。
恐らく今までたくさん各省庁ではいろいろな資料を出してきたのですが、恐らく関心のある方は一生懸命読み込むのですが、それ以外の方は多分、見た瞬間に開かないという方が多かったのかなと思っています。
この「放射線のホント」で実は一番知ってもらいたいのは、困っている人たちがいることが書いてある、1ページなのです。やっぱり困っている人、あるいは、これから困っていく人がふえてしまう可能性があると思っています。
これも、多分詳しく書こうと思えばどんどん分厚くなっていくんですが、一番最後の、今度は30ページになるのですが、30ページの真ん中で、「この冊子は「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」を基に作成されています。」と書いています。ちょっと今日はお持ちできませんでしたが、第7回のときはお配りしたと思うのですが、あそこに関心のある方は行っていただくと。そうすると、細かいものもあるということです。
さらに詳しいものは、復興庁を中心に各省庁で集めた資料、もっと分厚い、その横になりますが、「放射線リスクに関する基礎的情報」がありますので、読んでいただくということがあるのかなと思っています。
また、これについてまたご意見がある方は、この横にありますメールアドレスになりますが、こちらに意見をいただいて、それについても我々としては認識して、これも改訂というのは当然あり得べきものだと思いますので、そこに生かしていきたいと考えております。

○山本(一)委員長
ほか、いかがでしょうか。
じゃ、高倉委員、お願いします。

○高倉委員
ちょっと1点ひっかかるところがあるんでお聞きしたいんですけれども、前どこかでも言われたんですけれども、チェルノブイリと今回の事故は全然違うんですよね。例えればスリーマイルが同じっていいますかね。ですから、その辺はもっとはっきり書くべきだと思うんですけれども、ただ7分の1だということじゃなくて、もう基本的に違いますからね、事故の内容が。それはどうお考えになりますか。

○増田参事官
おっしゃっているのは、恐らく20ページのことかなと思うのですが、これをつくるに当たっては、実はいろいろな方にお話を伺いました。特にいろいろお話を伺った方については後ろのページに書いてございますが、それ以外も実はいろいろお話を伺って、その中では、今、高倉委員のおっしゃったようなお話も伺っているのですが、これの発信については戦略で、特にシンプルに発信するんだというところがありますので、その意味から、出す情報量についてはなるべく絞った形で出したいということで、今このような形にしております。
多分、委員ご指摘の部分は、チェルノブイリと東京電力の福島第一原子力発電所との違いが他にもあるのだと思いますが、端的にこの文脈で伝えるべきは、まず一番絞るとすればこれだろうという形で出したというところでございます。

○山本(一)委員長
関谷委員、お願いします。

○関谷委員
改めて一つお伺いしたいんですけれども、「知ってもらう」、「来てもらう」、「食べてもらう」というのは、主語というか、主体は誰なんでしょう。

○増田参事官
すみません、余り厳密にそこを詰めたことはないのですが、「てもらう」だから、少なくとも、これ出したのが、政府のタスクフォースなので、端的に言えばタスクフォースが、こうしてもらおう、政府として、全体として、こうしてもらおうということなのだろうと思います。

○関谷委員
政府がってことですね。

○増田参事官
だと思います。

○山本(一)委員長
ほかはいかがでしょうか。
特にないようでしたら、議題3に移らせていただきます。
まず初めに事務局から、前回の小委員会の振り返りについて、資料を用いて説明していただいて、その後、意見交換に移りたいと思います。
それでは、事務局からよろしくお願いします。

○奥田対策官
そうしましたら、資料3、前回小委の振り返りという資料をごらんいただけますでしょうか。
まず最初、1枚目、2ページ目でございますけれども、前回の委員会でご議論していただいたこととしまして、集約をして図にまとめております。前回もお話をさせていただきましたけれども、風評被害の全般の話と、それに対する対策としまして、情報を的確に伝えるためのリスクコミュニケーション対策というところと、風評被害防止、抑制や補塡のための経済対策と、この2つを、両方を丁寧に実施することが必要というようなことでご議論をいただいております。
その中でいただいたご意見、たくさんさまざまございましたけれども、少しまとめさせていただいたものがその次のページでございます。大きくは、この4つに大きくくくれるのではないかなと思って、事務局のほうで今回整理をさせていただきました。
まず、トリチウムの処分量というところでございますけれども、処分期間の話も少し触れていたところもございまして、処理水の追加発生によって変わってくるので、一概に何年とは言えないというお話ですとか、実際にタンクで10年なら10年の間、並行して保管することになるというようなお話の中で、タンクに保管している間に半減期で減っていくことになるので、社会的影響の中で、同時並行でタンクに保管していることも触れるべきではないかというようなことですとか、あと、現在の貯蔵量ですとか処理水追加発生量、タンクにためることによる半減期のトリチウムの減少と、こういったことを時間軸でわかるようにしてほしいと、こういったご議論はいただいております。
次に、処分のタイミングというところでございますけれども、何らかの形で処分は必要という中で、風評被害ということを考えると、今処分を決めること、処分をすることがよいのか、あるいは、数年間タンクに保管をするというのがよいのか。また、オリンピックなどのイベントですとか産業の復興の進捗、こういったことも考慮する必要があると、いつ処分するかということはよく考えたほうがいいのではないかというようなご意見ですとか、福島の事故から、どう早く対応して廃炉を進め、復興につなげるかということになりますので、
10年かけて議論するようなものではない。すぐに処分方法を決めて、翌日に処分を開始するわけじゃないということなので、時間のイメージを示しながら議論していくことが必要ではないかというようなご意見。
また、一般的に風評被害は、時間がたてばたつほど風評被害は小さくなるというようなご意見の一方で、現状でも、配管などからの漏えいで、ネガティブな事象が起こるたびに風評が起こっているし、処分の際にも起こるんではないかと、こういったようなご意見もいただいたところでございます。こういった形で、処分のタイミングというところは一つの議論になったかなというふうに考えております。
処分に伴う安全性の確認というところでございますけれども、社会的影響を検討する際には、本来、人体への影響について事前によく評価した上で、健康への影響がない状態でしか処理水の処分をしないというのがそもそも前提であるということを、まずは振り返って考えていかないといけないのではないかというところ。それから、事故直後の農産物などのセシウムの問題のときには、検査を徹底するということで解消してきたところ、解決してきたところがある中で、トリチウムでも同じようなことができるのかということに対しまして、トリチウムの場合は少し低エネルギーの放射線ということもあって分析に時間がかかるので、農産物等のセシウム同様の検査というのは難しいけれども、安心を得るためにはモニタリングというのはしていかないといけないんではないか、こういったご意見をいただいております。
また、対策の検討の方向性というところでは、放射線処分の影響の広がりがわからないという中で、生産者の範囲が特定できないと対策の検討が難しくなるのではないかですとか、また、どこまでが影響範囲なのかというのをきちんと整理したほうがいいのではないか、こういったご意見ですとか、また、対策の方法として、福島の方々と情報共有を、また、対話の場づくりということをしっかりしていくことが重要で、そういった信頼関係ができてきたら、それを全国に発信していくという流れも重要ではないかということ。また、安全であったとしても風評被害は起こり、賠償の対象となり、社会的影響の範囲として認められるということもあるのではないかな。また、海外の問題でありますと、海外からの輸入規制まで発展すると、今の海外からネガティブに見られている現状よりも悪化するというふうに考えたほうがいいんじゃないかというようなご意見をいただいております。
こういったご意見につきまして、今回、事務局で少し事実関係の整理をさせていただいたのが
その次のページでございまして、4ページ目のところでございます。
まず、トリチウムの処分量というところでございますけれども、現在、タンクの中のトリチウム量でございますけれども、約1,000兆ベクレルということでございまして、それぞれの量にしますと、100万立米の水の量になっておりまして、濃度が大体約100万ベクレル・パー・リッターぐらいの濃度になっております。ただ、トリチウム水の重さということでいいますと約20グラムということで、この20グラムのトリチウム水が大量の水の中にまじっていると、こういった状況になっているということでございます。
その下、少し小さく書いてございますけれども、事故時に1号機から3号機までの中にございましたトリチウムの存在量というのが、約3,400兆ベクレル、60グラムということで分析をされておりまして、その中で、事故当時の海洋放水量、これは推定になりますけれども、100から500兆ベクレルぐらいが放出をされたんではないかなと見込まれております。こういった量の中で考えていく必要があるということでございます。
減っていく話とふえていく話というところがその下2つでございまして、減衰効果、半減期12.3年でございますので、年間にしますと5.5%の割合で、減衰効果で減っていくということでございまして、先ほどの1,000兆ベクレルと比べますと、年間55兆ベクレルの減衰が起こるという中で、発生量のほうは、汚染水の追加発生ということで、タンクの中にあるトリチウムの量というのがふえていくという形になるわけでございますけれども、それが大体、今、我々が目標としている2020年に日当たり150立米の汚染水の追加発生ということを考えますと、年間5.5万トンでございますので、仮に今の濃度と同じということで仮定をしますと、55兆ベクレルということになりますので、大体同じような量になるということでございます。
こういった形で、そうしますと、これは両方とも仮定の話ではございますけれども、このままいきますと、タンクにたまっているトリチウムの量というのは変わらないですけれども、水の量はふえていくというような形になるという一方で、全体の量としては、先ほど申し上げましたように、事故当時の1号機から3号機の3,400兆というのが全体の量でございまして、そこからは半減期で減ってきている分があるということでございまして、そういったものをどう処分していくのかという話でございます。
処分の量のことでいいますと、その下、書いてございますけれども、事故前の1Fのトリチウムの放出管理目標値というのは大体22兆ベクレルということでございまして、ほかの原子力発電所では7兆から290兆ベクレルぐらいの幅で、発電所1サイト当たりということでございますけれども、放出をされていたというのが実績でございます。
こういったことを踏まえて処分期間ということを考えますと、年間の処分量をどうするのかということと汚染水の継続的な発生期間ということに依存して最終的な処分期間というのが決まってくると、こういう形になるというふうに考えております。
それから、その下、次、下が処分のタイミングを検討する上で検討すべき事項ということで、処分のタイミングのお話も前回たくさんいただいておりますけれども、その中で一つは、ALPS処理水を処分する際の風評被害の発生のタイミングということでございまして、その処分を決定してすぐにということではございませんで、準備の期間というのがございまして、トリチウム水タスクフォースの評価の中なんかでは、どの処分方法をとっても1年半以上かかるということで、一定の期間が必要ということでございます。それで処分の開始ということになるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、処分の終了までは燃料デブリを取り出して汚染水の追加発生ゼロを達成するということで、汚染水の追加発生がなくなるまでということでございますけれども、それでALPS処理水の処分が終了。全体としましては、廃炉作業の完了というのが30年から40年を目標にしておりますので、こういった時間軸の中で考えていく必要があるというふうに考えてございます。
一方で、前回の委員会でもご意見いただきましたように、風評被害への影響ということで、産業の復興の進捗ですとか、オリンピックなどのイベントということを考えていかないといけないんではないかな。
また、右側にありますような廃炉の進展というところで申し上げますと、使用済み燃料ですとか燃料デブリの取り出しといった廃炉全体の進捗、作業エリアの確保が必要になってくるというようなことも考えていく必要があると思いますし、また、タンクの処理が進んでいないことが、廃炉が進んでいないというようなイメージの問題。一方で、タンクは適切に管理されているんだという状況もあると。こういった中で廃炉の進展全体を見ながら、タイミングというのも検討も必要ではないかなと。
それから、タンクの状況でございます。タンクの貯蔵量、2018年の3月時点でございますけれども、105万立米のタンクの貯蔵量になっておりまして、タンクの計画、今、2020年末まで137万立米の計画を持っております。一方で、先ほど来申し上げていますように、汚染水というのは追加的に発生しておりまして、それが大体年間5から8万立米ぐらいになるんではないかなというふうに見込んでおりますので、こういったこともタイミングの検討の上で必要な要素なのかなというふうに考えているところでございます。
次のページでございますけれども、安全性の確認ということで、今回少しご紹介させていただくのは、現状、どういった形でモニタリングをやっているのかというようなことでございます。
一つは、法律で定められている確認事項ということで、原子力発電所の場合、排気口、排水口のところで濃度を監視して、濃度限度を超えないような形を維持するということは法律で定められているということでございますし、また、福島の場合は、総合モニタリング計画を作成した中で、この①から⑦まで書いてございますけれども、さまざまな分野でモニタリングを実施していると。その中でトリチウムについても測定が行われておりまして、海洋モニタリングの中で、そこに書いています近傍海域ですとか沿岸海域のところで、東京電力、原子力規制庁、福島県がそれぞれ、それぞれの頻度でモニタリングを行っているというような状況でございます。
また、今の1Fの状況でいいますと、サブドレン、地下水バイパスは運用基準を定めて、排水前にトリチウム等の濃度が基準を満たしているということを確認した上で、データを公表して排水を実施しているということで、トリチウムについてもこういった形でモニタリングを実施しているという状況をご紹介させていただこうかということでございます。
こういったことで、前回のいただいたご意見をもとに、我らのほうで少し事実関係を整理させていただきましたので、きょうはこれをもとにさらにご意見をいただければというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

○山本(一)委員長
ありがとうございます。
ただいまの事務局からの説明に対してご意見等ございましたら、ご発言をお願いしたいと思います。
田内委員。

○田内委員
論点の整理の①のところなんですが、2つ目のポツで、年間55兆ベクレル、約1グラム減るという書き方をしてしまうと、これは誤解を生むと思います。計算すれば5.5%減はそのとおりなのですが、確かに直近の1年で見ればそうですけれども、この数字だけがひとり歩きすると、じゃ、20年でなくなるのではないかという話になりかねないので検討ください。
それから、その次のポツのところも、5.5万立米出てくると55兆ベクレル、約1グラムと書いてありますが、これは実際に今出ている汚染水について、1リットル当たりの濃度がタンクに入っているものと同じ濃度であるという前提で書かれているのかと思うのですが。そのあたりも、こういう数字を書いていいのかなという気がしますし、実態に合っているのかどうかというところがちょっと気になりますので、そこはぜひ修正いただきたいと思います。

○奥田対策官
おっしゃっていただいたとおりでございまして、ある仮定を置いて計算をした数字でございますので、少し表現の仕方は工夫をしたいなと思います。
ここでお伝えをしたかったのは、やっぱりタンクに保管をすることによって、半減期で減っていく部分があるということの、そのボリューム感と、汚染水が追加的に発生してくる中でタンクに、ある意味、建屋の滞留水の中からタンクにトリチウムを移しているような形になってございますけれども、どのぐらいの量を移しているのかというのは、そのオーダー感をぜひお話ししたいなと思ってつくらせていただいたんですけれども、ちょっと言葉が足りないところございますので、資料のほうは修正させていただきたいと思います。

○山本(一)委員長
辰巳委員、お願いします。

○辰巳委員
すみません、ありがとうございます。
このたび、西日本で豪雨のお話が毎日報道されております。何年に一度かわからない。50年に一度でしたっけ、の大きな雨だという表現ではありました。ありますけれども、その前に、やっぱり被害を受けられた方々にはお見舞いを申し上げたいなと私は思っております。
その次ですけれども、50年に一度と言いつつ、今まで各地で何度もこういう豪雨による被害というのが起こっておりますよね。もうそんなことから、福島のこの現場にもこういう豪雨の被害というのが起こらないという何の保証もないというふうに思っております。
復興のお話も先ほどあって、現地の人たちの気持ちはちょっと私はわからないんですけれども、本当にすっきりと早く、きれいさっぱり全てをなくしたいと本当に思っていらっしゃるのかどうかというのもよくわかっておりませんが、私は、過去にそういう被害に遭っている現場等もちょっと見せてもらったこともあるし、今も長崎の雲仙の普賢岳の爆発による、爆発の後、火砕、何でしょうか、噴火した灰のところに水がたまって、その後の1年ぐらい後でしたっけ、豪雨で土石流が起こって、やっぱりその土石流で大きな被害があったというふうな現場もそのまま、30年近く前かもしれませんけれども、遺跡として残してあって、ああいうものを私たちが知るということがすごく重要だと思っているんですね。
だから、今被害に遭われている方たちに対してどうこうというわけでは、どうしたらいいというのはわからないんですけれども、やっぱり福島のあの状況というものを本当にきれいさっぱりするということは、本当に大事なことなのかどうかというのも考えてもらえないかというのをすごくきょうは思ってここに来たんですけれども、それで、やっぱり、先ほど言ったように、どういう状況が今後また福島に起こるかもしれない、あるいは、福島以外の場所にどういうことが起こるかもしれないということから、20年、30年たつと、私たちの記憶はもうみんななくなっていってしまいますもので、そういう意味では、こんな大変な被害が起こるような原因があって被害が起こっているわけですけれども、それを何らかの形で見せていくということも重要かなっていうふうに思っているんですね。
これは、東京電力さんのほうからは嫌だろうというふうに思われるかもしれないですけれども、私たち国民としては、本当にもう目の前に来ているオリンピックのために、きちんと片づけないといけないんだという発想で……すみません、何でかというと、きょうのお話がいかにも早く片づけたいというふうなイメージに受け取っておりますもので、だから、それを思って、それで申し上げているんですけれども、片づけることも大事だとは思いますけれども、やっぱりそこの中で何を国民に残し、伝えるために残していくのかっていうのは、すごく私は重要だというふうにも思っているもので、先ほどの長崎の例でもそうですけれども、何かそういうことの検討の余地というのはないんでしょうかというのが意見です。
それからもう一つは、ああいう大きい、すごい大量の雨がもしも降ったらば、今ここで予測されている、先ほどの今後の発生量の話なんかも、正しくこういう数値でいいのかっていうか、見通しがいいのかっていうふうなことも、ちょっと説明、教えていただきたいというふうには思っております。

○奥田対策官
まず、汚染水が雨のときにふえるんではないかということについては、実際に、やはり一定の雨が降ると少し発生量がふえるというのは、今継続はしているところでございまして、そこに対する対策はとっているところでございまして、徐々にそこも改善されてきているというのが現状でございます。またちょっと、すみません、きょう、数字はすぐにはなかなかお話ができないと思います。またちょっと改めて、その辺の状況はお伝えするようにしたいなというふうに思います。
それから、おっしゃるとおり、何かを残していくということは非常に意味のあることだと思います。福島でも、例えばアーカイブ拠点をつくるというようなお話が進んでいるところでもございますけれども、やはり発電所の、今リスクがある発電所を、そのリスクを減らしていくということと何か残すってことはちょっと別のものとして考えないと、リスクがあるものを残すことは決してよくないことではあって、そのリスクを下げていくための廃炉というのはきちんと着実に進めていく必要がある一方で、そういう、後世にどういうものを残していくかということは、また別に考えるということなのかなというふうに考えております。

○辰巳委員
すみません、おっしゃるとおり、危ないものをそのままやっぱり置いておくわけにいかないというのは、とてもよくわかります。
ただ、何ゆえにそういうことが起こったかとか、そういう経緯に関してきちんと私たちが学習、個人個人の学習ではなくて、人間の歴史として学習していくための遺跡というか、残していくべきものというのは必ず必要だというふうに思っております。例えば広島のドームなんかもまさにそういうものだというふうに思いますもので、ぜひよろしくご検討いただきたい。

○山本(一)委員長
崎田委員、お願いします。
じゃあ、まずお答え、先にお願いします。

○松本室長(東京電力)
東京電力の松本でございます。
おっしゃるとおり、2020年を目標に、建屋の流入量、汚染水の発生量を、1日当たり150立方メートルまで低下させていこうというのが当面の目標になっております。
ご指摘のとおり、今、雨が降りますと、その流入量が、特に屋根、建屋の屋根ですとか、凍土壁の内側に降った雨等の影響がありまして、約200立方メートル程度ございます。
ただ一方、雨が、降雨が少ない状況ですと100程度まで下がるってことがわかっておりますので、引き続き、サブドレンですとか凍土壁を活用しながら、汚染水の発生量を低下させていきたいというふうに考えております。
それから、2点目のご質問につきましては、やはり私どもとしては、まず、発電所全体のリスクをどういうふうに低下させていくかというところが主眼で取り組んでおりますので、現在では1号、3号、4号、爆発しましたけれども、やはり使用済み燃料がまた冷却できなくなるってことのリスクのために、リスクを低減させるために、解体・撤去を今進めているところでございます。したがいまして、特にリスクの低減とはかかわらない、そういう形で何か残せるものがあれば考えていきたいというふうに思っております。

○山本(一)委員長
崎田委員、お願いします。

○崎田委員
ありがとうございます。
先ほどご発言された委員の方が、早く片づけたいという印象に見えるというご発言だったので、これまで私なりに発言してきたことを申し上げます。私は逆に、廃炉をこれから本格的に進めていくためには、その入り口として、この汚染水のALPS処理水を長期間ためておくというよりも、きちんと道筋をつけて、しっかりと廃炉を、本格的な廃炉を始めるということのほうが大事なんではないかというふうにずっと発言してきました。
その流れから考えると、これは単にトリチウム水の処分だけの話ではなく、廃炉全体をしっかりと進めていただくために、その場所のきちんと、今後、デブリへの対応などレベルの高い廃炉の設備が必要なときに、その場所をしっかり確保するとか、いろんな対応が必要だと思って私は拝見していますので、そういう流れに沿ってやっていたければありがたいなというふうに思っていました。
なお、豪雨とかそういうお話がありましたけれども、今後の豪雨とか、天候不順への対応など、そういうことを考えても、やはり処分の道筋を早くつけるというほうがリスクを低減させるという印象を持っていまして、そういう考え方もあるということを一応発言させていただきたいというふうに思いました。
なお、この事故を二度と起こさないように、やはり人類の中でどういうふうにこれを継承していくかという、その辺は非常に大事なことだと思いますので、現場でそういうことを今後考えていただくのはもちろんですが、社会全体で考えるときに、政府各省が予算を出して福島県が三春に環境創造センターという施設をつくっておられます。今、環境省、福島県、JAEAなどが、放射線に関する研究拠点を置くとともに、放射線学習や情報発信拠点として交流棟もつくっておられますので、そういう施設をより強化していくような形で、社会が関心を持っていくということが大事なんではないかなというふうに思っています。
よろしくお願いします。

○山本(一)委員長
ありがとうございます。
高倉委員。

○高倉委員
ちょっと基本的なこと2点ほどお聞きしたいんですけれども。科学的な根拠に基づいて、ちょっとお聞きしたいんです。私、以前は、20年近くになるんですけれども、福島第一と第二のトリチウム、はかっていました、福島県でですね。それで、基本的なことをちょっと事務方にもお聞きしたいんだけど、法的には、規制庁のほうがいいのかな、リッター当たり6万ベクレルで規制されているわけですね。その安全性はどこから来たの。根拠をちょっと知りたいということ一つ。
それから、東電に聞きたいのは、それを1,500で妥協したという点。
その2点がちょっとわかんないんですけれども。

○タケウチ(規制庁)
原子力規制庁、きょうは事故対策室長の今井があいにく出張で不在ですので、代理のタケウチが出席させていただいております。トリチウムの濃度限度につきましては、おっしゃるとおり、1リッター当たりの6万ベクレルということは、ちょっとすみません、少し確認させてください。基本的には、これはICRPのほうで評価された内容をもとに、これは国内にも取り込んでいるということで、そういったところの観点で決めているということでございます。詳細は少し、ちょっと資料を見させていただければと思います。

○松本室長(東京電力)
東京電力の松本でございます。
現在、サブドレンにつきましては、リッター当たり1,500ベクレルということで、それを確認しながら排水をしております。こちらについては、ご指摘のとおり、規制の基準がリッター当たり6万ベクレルに対しまして、十分低い値で排水をしたいということで、我々が関係の皆様にお願いをした結果、1,500ベクレルというところで決めさせていただいたというところです。

○高倉委員
今の話、ちょっとはっきりしないんですけれども、ただ、現実的には、よその施設は全て6万ベクレルで、ある海外も許可されているというか、実施されているわけですね。我々も事故前は、ずっとはかっていたときに、それで全然問題なかったわけですよ。今回、トラブル起こしたからだって、感情的なものだと思うんですけれども、それがどういうふうにしてわかってもらえるかというのが一番大事なことかなとは思うんですけれども、本来ならば、法的には全部一定でなくてはならないと思うんですよね。そうでないと、よそだって、なぜ福島だけだめなんですかということですからね。その辺を、誤解を避けるためにはどうすればいいのかということなんですけれども、どうお考えですかね。

○ 森田委員
それは事務局側が一番詳しいと思いますけれども、敷地境界レベルを1ミリシーベルトに下げるときに、β線が寄与する見積もりを大きく見ているので、1,500ベクレルしかトリチウムに割り当てられなかったという数字上の話です。事務局が多分詳しいです。感情的とか妥協とかという話じゃない。

○奥田対策官
よろしいですか。まず、ちょっとこれ、規制庁さん、もし間違っていたら訂正いただければと思いますけれども、基本的に6万ベクレル・パー・リッターというのは、トリチウムのみで年間の1ミリシーベルトの被曝量となる値を、その計算をした上で、この6万ベクレル・パー・リッターという数字を計算して、それを規制の基準に設定されているということでございまして、そういう意味で、今の福島第一の場合はまだ、委員もおっしゃったように、それだけの影響があるわけではなくて、ほかの影響もございますので、その中でそれぞれ、どういった形をとっていくのかということで、その水、そういう意味で、水で、大体2割ぐらいの被曝線量は水の影響が出るだろうということで設定をしながら、さまざまな規制を考えて今この処理を行っていると、こういう状況になっているということでございます。

○森田委員
ちょっと高倉委員の話より、もう1個前の辰巳委員と崎田委員の話に戻りますけれども、辰巳委員おっしゃるように、資料から見ると、片づけが優先しているというような形の資料に見られるということで、後で公聴会の資料のときに発言しようかと思ったんですが、おとついあたりも報道ありましたけれども、今誤解を招いているのが、デブリの処理など、廃炉をするためにタンクを片づけなければいけないというふうに世の中が受けとめているということですね。
もともとタンクに入っている水は、適切に処理すれば出せるという水を、どこかにも書いてありましたけれども、社会的影響を考慮してためているという状態であって、これが多分理解されていなくて、何かしら危険なもので処理できないので、ためているというふうに世間的には思われていると。ここに、今、敷地をあけて廃炉を進めなければいけないために、このタンクを処分しようとしていると世の中的には思われていると。実は、もともとそういうことがなくても、実はタンクは処分できて、汚染水ではなくトリチウム水は処分できるわけで、廃炉を進めるためにこのタンクを処分しなければいけないという流れ、話の流れがちょっとおかしいんじゃないかと私は思っています。廃炉を進めるために、新聞報道もありましたけれども、その後跡地に、デブリとかを保管するとか、そういうことをしなければいけないので、危険なものが入っているタンクを処分して、また誰かに被害を与えようとしているんじゃないかと思われているのだと思います。

○奥田対策官
そのあたりも含めて多分、説明・公聴会の資料で、どういうふうに我々、この委員会として何を、情報をどういうふうにお伝えをした上でご意見をお聞きするのかということにつながってくると思いますが、ちょっと後で、私のほうからまた説明・公聴会の資料を説明させていただきますけれども、そのときにそのあたりも含めてお話をさせていただければなと思います。

○山本(一)委員長
いろいろ貴重なご意見いただきました。
じゃ、関谷さん。

○関谷委員
すみません、今のポイントとは少し異なるんですけれども、風評被害への影響の、論点整理の①で、風評被害への影響のところなんですけれども、産業復興の進捗とオリンピックなどのイベントというのが2つ並べられています。
これ、前回の議事録を見ると、漁業のどれだけ回復しているのかというのが、漁業やほかの福島県内の産業がどれだけ回復しているのかというのが1個ポイントとしてあるというのは、私、発言しました。オリンピックなどのイベントに関しては小山委員が、今、オリンピック招致のときに、福島県の魚を提供するのに向けてGAPなどをとって頑張っているという、そういうふうなタイミングで言われたと思うんですけれども、ちょっとこれって2つ並べると意味が違うと思っています。
要は、どれだけ回復しているかによってどれだけ影響があるというのと、オリンピックに与える、オリンピックなどのイベントというふうにぽんと書かれると、これ、どういうふうな意味なのかというのがちょっとわからなくて、これ、どういった意味でオリンピックのイベントというのは風評被害への影響と関係しているのかというふうな意味で整理をされたのか、もうちょっとご説明いただければというふうに思います。

○奥田対策官
そういう意味では、おっしゃっていただいたとおり、前回の委員会の中でいただいた意見を我々なりに整理をさせていただいておりまして、確かにこの2つの意味するところは違うんですけれども、ここで申し上げたかったのは、上に書いてあります、ALPS処理水を処分するとしたときに動いていく時間軸と、それから、産業の復興のような、今徐々に戻ってきている状態の中で考えていかないといけないようなことですとか、オリンピックみたいな、ある意味外的に入ってくるようなイベントのタイミングとか、要はALPS処理水の処分の進捗と、そういった復興周辺の状況というのを、両方うまく考え合わせた上でタイミングを検討しないといけないと。そういう意味で2つに分けてしまったので、この風評被害への影響というところが、すみません、一つにまとまってしまって、少し中身がわかりにくくなったということだと思いますけれども、おっしゃるように、ここをもう少し整理していくということは、これからの取り組みとして必要なんではないかなと思いますし、また少しご意見もいただきながら、ここ、整理を進めていければいいかなというふうに思います。

○関谷委員
小山委員の発言は、オリンピックなどのイベントがあるので今は言えないんじゃないかというのと、あと、福島県内がオリンピックの競技の誘致をしたり、魚を提供したりするので、頑張っているというふうな発言だったんですね。
このオリンピックなどのイベントというふうに書かれると、オリンピックというのは2020年に当たるわけですけれども、この2020年というのが何か意味を持っているのか持っていないのかというふうな意味合いにとれてしまうんですけれども、そこはないんですか。

○奥田対策官
2020年、すみません、そういう意味では、私自身の前回のご意見の捉え方としては、別に2020年という、何か2020年というよりはオリンピックという、やはり世の中が注目するイベントがあるというところが、一つの考えないといけない考慮要因になるんじゃないかというふうなご発言だったのではないかなというふうに捉えておりまして、そういう意味で書かせていただいております。

○関谷委員
これは時期の問題を意味することではないってことですね。2020年ということではなくて、国際的な与える影響というふうな意味で、これをイベントというふうな形で書いていると。

○奥田対策官
そうです。別に何か2020年と言いたくてオリンピックと書いたわけでは全くなくて、まさにオリンピックという国際的なイベントがあるということが、やはりいろんな意味で影響するだろうということで書かせていただいております。

○山本(一)委員長
こういう形でまとめることで、というか、非常に言葉足らずのところも出てくるし、書き方によっては誤解を生むということもございますので、ただいま皆様からいただいたご意見をもとに、またこれをブラッシュアップさせていただいて、この予定されている説明会・公聴会の資料へつないでいきたいと考えております。
またさらに、この委員会でもまたご議論願いたいと思います。よろしくお願いいたします。
では、いいですかね。ほかにございますか。
柿内委員。

○柿内委員
5ページ目のところでモニタリングの実施状況について紹介いただいておりまして、こういうふうにやっているということを紹介いただくのはすごくいいことだと思っていまして、あと、もう1点、せっかく紹介していただくのであれば、例えば、いつからいつまでの期間に、どのくらい出たときに、観測としてはこの範囲にあったというような、いわゆる健全にそこは担保されているというのを見る機会、確かにデータとしては公表されているんですけれども、そこまでさかのぼって、そこを確認する方というのもなかなかいらっしゃらない場合も多いと思いますので、
機会を捉えて、そういう健全さというか、実際にどういうレベルにあるのかというのを確認する機会として、こういうデータ紹介するときにセットにしていただけると、よりわかりやすいのではないかというふうに思います。

○山本(一)委員長
開沼委員。

○開沼委員
この論点の整理1のところを見てなんですけれども、やっぱりこれだけ見ると、何か大変なことが起こるのか、あるいは、いつそれがどうなるのかというところが、何となくまだブラックボックスな感じがしております。
前のほうのスライドで、やっぱり何か経済的な問題があったら補塡をするということが、もう言葉として出ているわけで、であれば、じゃあ、どういう補塡がどういうタイミングでどうなるのかみたいな、今答えを出してくれと言っている話ではありませんけれども、恐らくそういったところが今後具体的な議論になってくるであろうし、ぜひ住民・国民の話を聞く中では、そこら辺の具体的な話を詰めていただくということが重要になってくるのかなと。そういう点で、やや不足は感じますし、今後の議論に期待したいなと思っています。
そこに関連して、やっぱりこの下の風評被害発生のタイミングのところというのも、これだけだと、はっきり言って、普通の生活者にはわかりにくいと思いますので、じゃあ、それが具体的にどういうシナリオがあり得るのかと。あり得るのかって、多分示した時点でいろんな憶測を呼んでしまったりとかというのは、もちろんご懸念あるんじゃないかなと想像しますけれども、とはいえ、今の風評被害への影響の話とかも、オリンピックというところに意味があるのかないのかみたいなところも含めて、ないんでしょうけれども、多分これ、フラットに書いているだけじゃ話が前へ進まないところあると思いますので、本当に物事がいいほうに進むために、どういうふうに私たちは議論していけるのかということを考える上でも、そういうシナリオみたいなものがより見えていく方向に進んでいくことを期待したいと思います。

○山本(一)委員長
ありがとうございます。

○関谷委員
すみません、今の開沼さんの話で少し気になったんですけれども、開沼さんので気づいたんですが、振り返りのところの、「風評被害はおこり、賠償の対象となり、社会的影響の範囲として認められている。」という。「安全であったとしても、風評被害はおこり、賠償の対象となり」、社会的影響は認められているというところ、これ、私の発言だと思うんですが、今気づいたんですけれども、前回発言したのは、賠償なのか、補償なのか、わからない。要は、原子力損害賠償法上の賠償対象なのか、今回はその枠外で補償するのかとか、本当にこれが原子力損害賠償法の対象としてだけで賠償の可能性があるのか、わからないというふうな趣旨の発言だったと思うので、ちょっとそこら辺のことを整理していただければというふうに思います。

○奥田対策官
すみません、ちょっときょうは答えを別に持ち合わせていないので、また整理をして、ご相談させていただければと思います。

○山本(一)委員長
いろいろありがとうございます。
本当にきょうの意見をまた反映して、説明会に臨みたいと思っております。そしてまた、先ほども申し上げましたけれども、この会議でもさらにご議論いただきたいと思います。
今の議題と次の議題、関連しておりますので、それでは、最後に、議題4に移らせていただきます。
まず初めに、事務局から説明・公聴会の資料案等について、資料を用いて説明していただき、その後、意見交換に移りたいと思います。
それでは、事務局からお願いします。

○奥田対策官
資料案の前に、まずちょっと資料の4-1をごらんいただけますでしょうか。
説明・公聴会の、前回もご説明をさせていただいておりますけれども、委員の皆様とも日程の調整もさせていただきまして、具体的には、そこの2ポツのところにありますように、8月の30日、31日にかけて、福島県富岡会場、郡山会場、それから東京会場という3カ所で開催をしたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。
あと、少し前回お話をして、できていなかったところでいいますと、その下の米印のところに少し書いてございますけれども、意見表明者は大体10名から15名ぐらいを見込んで、会場の準備をし始めております。傍聴者も50から100名ぐらいは入れるような会場をしっかりと確保していこうかなというふうに考えているところでございます。個人区分と団体区分ということに分類をして、意見をいただくような形の募集の方法とさせていただければなというふうに思っております。そうしますと、大体1人8分程度の意見を表明していただく時間をとれるのかなというふうに思っております。
前回も申し上げましたように、この人数の中に入り切れない方については、紙で意見をいただきまして、それも含めて公表させていただきまして、我々の委員会での検討につなげていければというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
そうしましたら、ちょっと資料を戻っていただきまして、4-2の資料でございます。
1枚目に目次を書かせていただいております。
今回改めて、そういう意味では、これまでこの委員会の進捗を知らない方に一からご説明をする内容として事務局として考えさせていただいたものが、こういった流れかなというふうに考えておりまして、まず、そもそも発電所の廃炉と、事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所の廃炉というものがどういったものなのかというところ、お話をさせていただきまして、その中でも特に汚染水についてはどういった対策をとってきたのか。そして、その汚染水というのはなぜ発生をしていて、どういう処理をして、どういう状態でタンクに貯蔵しているのか。
それがどういう現状になっているのかというようなところをお話をさせていただいた上で、トリチウムというものについての性質をしっかりと話をさせていただき、その上で、廃炉の進捗ですとか、リスク低減のためのリスクエリアの確保の必要性、トリチウム水タスクフォースで議論していただいた処分方法についての評価、それから、この委員会で議論いただいています社会的影響の検討の内容と、こういったものをご紹介させていただいた上で意見をいただければなというふうに考えているところでございます。
先ほど、森田委員からお話のありました、そういう意味で、恐らくこれでいうと6番目のところの廃炉の進捗とエリアの確保というところなんですけれども、我々も、そこが一番最初に来るということではなくて、やはりこの1から5のところまでの、まず、どういったものがどういった状況になっていて、どういうものを今タンクに貯蔵しているのかということと、その性質というのはどういうものなのかということを、まずはちゃんとお話をした上で、それを前提としながらも、やはりその全体の進捗なんかの中で考えていく部分もあるのではないかということで6番目の話をさせていただくと、こんなことでどうかなというふうに考えているところでございます。
中身を少しご説明します。
1枚めくっていただきまして、1ポツでございます。
この東京電力福島第一原子力発電所の廃炉というのは、原子力建屋にございます使用済み燃料ですとか燃料デブリ、これをやはり取り出すことによりまして、放射性物質によるリスクから人と環境を守っていくと、こうして継続的にリスクを低減していくと、これが廃炉だというふうに考えておりまして、また、その処理の過程で発生する汚染水ですとか廃棄物、こういったもののリスクを下げていくということでございます。
下にございますけれども、写真がございますけれども、3号機の使用済み燃料の取り出しの状況ですとか、2号機のデブリ取り出しに向けた内部調査の状況なんかを紹介させていただいておりますけれども、下にスケジュール、線表がございますけれども、使用済み燃料プールからの燃料の取り出し、それから燃料デブリの取り出し、これをまずは進めていくということで、それぞれ現在の進捗が三角の矢印で入れさせていただいております。
使用済み燃料プールからの取り出しについては、号機ごとに少し進捗異なってございますけれども、まだまだこれから3号機の燃料、使用済み燃料の取り出し、それから、1号機、2号機については、まだがれき撤去等の状況ということで、これからこういった作業をしっかりと進めていかないといけない。
また、燃料デブリの取り出しにつきましては、まさに1号機から3号機とも、内部の状況の把握というようなところですとか取り出しの工法の検討と、こういったところを進めているところでございます。
その後に原子炉施設等の解体というものがあって、最後、廃炉という形で考えておりまして、これ全体を30年から40年かけて進めていくというような計画をしているところでございます。
こうした発電所の廃炉、汚染水対策の安全・着実な進捗と実施というものは、福島再生の大前提ということでございまして、これをしっかりと進めていかないといけないということでございます。
次に、汚染水の話をさせていただきます。次のページでございます。
汚染水につきましては、事故直後から、その下の図にありますピンク色のところなんかを中心に、海水配管トレンチなどにたまっていた高濃度の汚染水の処理をまずは優先して進めてきている中で、海側への汚染水の漏えいを抑えるということで、鋼鉄製の海側遮水壁の設置で地下水が海洋へ流出することを防止すると、こういった対策をとってきておりまして、これは2015年に終えているところでございます。その効果も出てきているという状況でございますが、今継続して取り組んでいるのが、建屋内部に滞留している汚染水の処理でございまして、建屋内部の滞留水中の放射性物質を削減するということを継続して取り組んでいるところでございます。
一方で、この建屋に地下水が入り込んでしまうことによって汚染水が発生するという状況になっているものですから、凍土壁ですとかサブドレンによって予防的・重層的な対策をとって、汚染水の発生量を抑えるということを取り組んできております。そこに書いてありますように、540立米ぐらいあったものが220まで、去年の平均でいえば低減を進めることができているという状況でございますけれども、この建屋からの汚染水を、漏えいを防ぐということで一定の汚染水の発生は継続をしているということで、2020年には150立米を目標にして、今取り組みを進めていると、こういう状況でございます。
この汚染水の発生のところは、次のページでもう少し詳しくお話をさせていただければと思います。
4ページ目、3ポツのところでございますけれども、原子炉建屋内で溶けて固まった燃料に水をかけて冷却を継続しているということで、右側、少し模式図ございますけれども、水をかけて冷却をする。ただ、これが、その水が建屋に流れ出してしまうということで原子炉建屋の中に汚染水が発生していると、こういう状況でございます。
この汚染水を建屋の外に漏らさないということのために、建屋の外の地下水を建屋内の汚染水の水位より高くすると。こういう管理をして環境中への漏えいを防止しているということでございますので、結果として、この地下水がどうしても建屋の中に入り込んでしまうというようなことが続いていると。この状況でございまして、こういったものをできるだけ減らしていきたいということで取り組みをしているということ。ただし、先ほど申し上げましたように、2020年までに日当たり150立米というところが今の目標になっているということでございます。
こうした形で汚染水が発生し続けるわけでございますけれども、冷却水に使わない分の汚染水につきましては、くみ上げをしまして浄化処理をしまして、それがタンクにためられていると、こういう状況になってございます。
この取り除くことのできないトリチウムというものが残ってしまうわけでございますけれども、この多核種除去設備等処理水、まさにこの委員会のタイトルにもありますけれども、ALPS処理水と呼んでおりますけれども、汚染水を浄化処理したものでございますので、建屋にたまっている汚染水そのものとは性質が異なっているものでございます。こういったものについては、ただ科学的な安全性を確認するということだけで処分を決定してしまうということではなくて、まさにこの委員会で議論いただいていますように、社会的な影響も含めて処分方法を検討する必要があるということで、今一旦タンクにためながら、処分の方法についての検討を進めさせていただいていると、こういう状況でございます。
次に、このタンクにたまっている状況ということでございますけれども、次のページ、4ポツのところでございますけれども、こうしたタンクはどんどんどんどんふえ続けているという状況の中で、そこに構内図もございますけれども、タンクの設置エリアというのが発電所敷地の南半分の多くを占めていると、こういう状況になってございます。
一方で、敷地地図にもありますけれども、北側のほう、図でいいますと左側のほうでございますけれども、廃棄物貯蔵施設等の建設が予定されておりまして、タンクを建設するために適した土地というのが限界を迎えつつあるというのも事実でございます。現時点では137万トンまでのタンクの建設計画を策定しているということでございまして、右側のところに表がございまして、少し表でまとめさせていただいております。
先ほどの資料にもございましたけれども、タンクの貯蔵量、3月時点で105万立米というところで、タンクの建設計画が2020年末までで137万立米の計画があるという中で、先ほど来申し上げていますように、汚染水の増加量が5から8万立米ということで、こういったことを整理をさせていただいたところでございます。
また、タンクにたまっているトリチウムの濃度ということでいいますと、平均しまして約100万ベクレル・パー・リッターということでございまして、タンクの量と掛け合わせますと、大体約1,000兆ベクレルのトリチウムがタンクの中に保管をされているという状態でございます。これが、先ほど申し上げましたけれども、トリチウム水の重さということにしますと約20グラムということで、ほぼ20グラムというような捉え方もありますけれども、この20グラムが100万トンの水の中にまじっていると、こういう状況になっているということでございます。
このトリチウムの含まれた水につきましては、事故前でございますけれども、先ほど来話にありますけれども、放出管理目標値が年間22兆ベクレル、規制濃度基準が6万ベクレル以下ということで、海洋への希釈放出というのを実施されていたというのが事故前の状況でございます。
事故後は、サブドレンですとか地下水バイパスで水をくみ上げるということをやっているわけでございますけれども、この中にトリチウムが含まれておりまして、濃度を計測し、管理しながら、希釈せずに海洋への放出をしているということで、先ほどちょっと話題になっていますけれども、それの運用目標が1,500ベクレル・パー・リッター以下と、こういうことになっているというのが今の現状でございます。
次に、じゃあ最後、取り切れないで残っているトリチウムというものがどういうものかということで、これはこの委員会でも時間をかけてご議論いただきましたけれども、トリチウムというのは自然界にも存在する弱い放射線を出す物質で、希釈された低濃度の状態であれば健康影響の心配はないということでございまして、どういったことを国民の皆様にもご理解いただくかというので随分議論いただきまして、それのエッセンスをその下にまとめておりますけれども、トリチウムとは水素の仲間で、弱い放射線を出す。また、トリチウムは自然界でも生成されて、水分子を構成する水素として存在するものが多いので、大気中の水蒸気ですとか雨水、海水、水道水なんかにも含まれているものなんだというようなこと。
また、国内の原子力発電所で1年間に発生するトリチウムのうち、海に放出されるものの総量というのは、国内の1年間の降水に含まれるトリチウムの総量の1.7倍ぐらいということで、ほぼ同程度のオーダーのトリチウムは自然界でも発生し、原子力発電所からの海への放出ということも行われているということでございますが、このトリチウムにつきましては、その下にありますように、水と同じ性質を持つため、人や特定の生物への濃縮は確認されていないということでございますので、また、健康への影響もセシウムの700分の1程度ということでございまして、全国の原子力発電所から運転基準に基づいて、基準内のトリチウムを含む水が40年以上にわたって排出されていますけれども、近郊の海水の濃度は世界的な飲料水の基準を大幅に下回っているというようなことも確認できていると。こういったことを記載していけばどうかと考えているところでございます。
次に、6枚目でございます。
まず、やっぱり大前提として、この廃炉・汚染水対策の安全かつ着実な実施というのは福島再生の大前提ということでございまして、その上で、やっぱり敷地の中にタンクの増設の限界が近づいているということで、いつまでもタンクにため続けることはできない、こういう状況になっている。
また、廃炉を進捗させ、発電所全体のリスクを低減するというためには、燃料デブリですとか使用済み燃料、最初にご説明しましたけれども、こういったものをできるだけ早期に原子炉建屋から取り出し、安定した状態に移行させていくことは必要ということで、最難関は、未知の作業となる燃料デブリの取り出しということの作業エリアですとか、使用済み燃料を保管する乾式キャスクの設置場所など、こういったエリアを新たに確保していくことが必要になる。燃料デブリの取り出しなどのこういった作業によりまして、将来の汚染水の発生も完全に抑えられるようになり、リスクは低減するということで、先ほど申しましたように、デブリがあり、そこに水をかけて冷却をしているということで、汚染水の発生ということにつながっているものですから、こういった燃料デブリの取り出しで、将来の汚染水の発生を完全に抑えていくということができればいいかなということでございます。
ただ、こうした作業を進めるためには、高台も含めた敷地に安定した一定規模の土地を確保することが必要であると、こういうふうに考えているところでございます。
先ほど、森田委員からも少しご発言いただきましたけれども、一部報道でも、タンクの跡地にデブリ保管の方針を固めたというような報道が出ておりますけれども、燃料デブリの取り出しに向けては、1号機の取り出し方法の策定に向けて、今まさに予備エンジニアリング等実施をしている段階でございまして、燃料デブリの保管についても、その検討の中で、その中で検討を行っている途中ということでございまして、現時点で燃料デブリの方針を政府として決定したということはございませんし、そのタンク跡地にデブリを保管すると決めたわけではございません。
ただ、今回の資料は、今ご説明したとおり、燃料デブリの取り出しの作業を進めるためには、今後さまざまな検討が必要ではあるものの、高台を含めた敷地内に一定の土地を確保しながら進めていく必要があると、こういう見通しをお示しさせていただいた上で、ALPS処理水の処分についての検討を進める上での材料としていただければいいかなというふうに考えてのものでございます。
それから次に、資料を進めさせていただきますと、7ページ、7枚目、トリチウム水タスクフォースの技術的評価ということでございます。
トリチウム水タスクフォースでは、5つの処分方法、下にも模式図ございますけれども、地層注入、海洋放出、水蒸気放出、水素放出、地下埋設、この5つについて規制の成立性ですとか安全性を確保するためのモニタリングの実施、また、技術的成立性、処理期間やコストなども評価をさせていただいております。
いずれも生活圏への科学的な影響を生じないといことを前提に検討されたものでございまして、その上で少しそれぞれの処分方法の違いというところで、海洋放出・水蒸気放出については規制基準が存在し、国内外において放出の実績がある。一方で、地層注入については適用される既存の基準はなくて、長期モニタリングの方法の確立をされていない。また、水素放出については、前処理ですとかスケール拡大に研究開発が必要と、こういった課題があること。それから、地層注入・地下埋設については、モニタリングは将来にわたり必要な可能性があると。こういった指摘を、評価をトリチウム水タスクフォースの中でさせていただいているところでございます。
また、このタスクフォースの中でトリチウムの分離技術について検討しておりますが、分離実証事業も行った結果として、直ちに実用化できる段階にある技術は確認されなかったということでございます。
ALPS処理水の処分は、先ほど来申し上げていますように、風評などの社会的影響を与えることから、小委員会で議論をするということになったということで、この委員会がスタートしたということでございます。
その次のページが、この委員会での議論の経緯ということでございまして、社会的影響の検討という中で、環境への放出経路によって風評被害が生じるメカニズムというのは大きく違わないという一方で、その社会的影響を直接与え得る地域ですとか対象には影響が出るということで、処分完了までの期間についても社会的影響を与える期間に影響するというようなことでございまして、前回の委員会で議論させていただいたものに、いただいたご意見も踏まえて少し微修正をしておりますけれども、下のほうに表という形で、地層注入・地下埋設、地下水を経由するもの、それから、海水を経由する海洋放出、それから、大気を経由する水蒸気放出・水素放出ということによって、社会的影響を直接与える地域ですとか対象、また、処分完了するまでの期間というところは違いが出るということをまとめさせていただいております。
こうした社会的影響を抑える対策につきましては、情報を的確に伝えるためのリスクコミュニケーション対策と、風評被害の防止・抑制・補塡のための経済対策と、こういう大きく二分されるということで、ALPS処理水を処分する際には、この両方の対策を丁寧に実施していくことが必要ということでございます。
前回の委員会の中では、社会的影響の検討に際して、処分量の話ですとか、処分のタイミングですとか、安全性の確認と、こういったご意見をいただいておりまして、少しそこに書かせていただいております。
きょうも幾つかご意見いただいておりますので、ここは委員会後に少し修正をさせていただいて、またご相談をできればなと思っているところでございます。
その後は参考として、きょう、先ほどごらんいただいた資料を2枚、間に挟んでおります。ここにつきましては、先ほどさまざまご意見いただきましたので、そこの修正は反映させた上で、ただ、実際に事実関係としては国民の皆様にもきちんとお伝えをした上で、ご意見をいただく必要のある情報ではないかなと考えておりまして、ここに挟むことを検討しております。
最後、12ページ目、9ポツのところでございますけれども、今後の検討に向けた論点整理ということで、まずはALPS処理水を処分する際の安全の確保ですとか安心の追求といったことと、それの対応策をどうしていくのかということでございまして、規制基準を遵守した処分ですとか、モニタリングの実施・強化、放射線やトリチウムに関する理解醸成、過去の実績の共有と、こういったことを取り組んでいかないといけないのではないかと。
また、その下の社会的影響に対する考え方及びその対応策としましては、その処分方法ですとか処分時期を踏まえた社会的影響の評価と対応策を考えるということで、きょうも幾つかご意見をいただいておりますけれども、そういったことをさらに整理をして議論していかないといけないのではないか。
それから、風評被害の対策として、きょう、復興庁からご紹介いただきましたけれども、既存の取り組みと処分に際して取り組んでいく取り組みということを考えていかないといけない中で、先ほど申し上げましたように、リスクコミュニケーション対策と経済的な対策というところを意識して整理をしていく、論点を整理していければいいかなというふうに考えているところでございます。
また、海外の輸入規制につきましては、影響を考えながら考えていかないと、そこまで考えて対策を考えていかないといけないということだということで、論点として挙げさせていただいたところでございます。
こういったご説明を大きなストーリーとしてはさせていただいた上で、ご意見をいただければなというふうに考えておりまして、この点について、きょうご意見をいただければと思います。
この後、資料がたくさん実はついておりまして、参考として、まず、この小委員会の検討の状況ということで、13ページ、14ページが経緯でございまして、15ページ、16ページは、これまでのこの委員会でいただいた意見を、事務局で整理させていただいたものを掲載させていただいております。
それから、17ページ以降は、まず、今、福島第一原子力発電所の廃炉というものがどういう状況になっているのかということをもう少し詳しく説明した資料でございまして、17ページ、18ページ、19ページまでのところは、廃炉の全体の作業の進捗ということで、燃料デブリの取り出しですとか、使用済み燃料プールの燃料の取り出しに向けた作業の状況を資料としてつけさせていただいております。
それから、その後、20ページ以降は汚染水の話でございまして、汚染水が、先ほど、浄化処理をしていると、ALPS等を使って浄化処理をしているというふうに申し上げましたけれども、それの詳細という形で、セシウム吸着装置を通した上でALPS、多核種除去設備を通して、そうした水が今タンクにためられている水になっているというようなことを、ご説明をした資料でございます。
それから、その次、21ページは汚染水対策、重層的な効果が出てきているということで、そこの細かい分析についてのご紹介をさせていただいております。
それから、この委員会で常々出てきていますタンクの管理状況でございますけれども、22ページのところに今の管理状況についてのご紹介ということでございます。
それから、23ページ、24ページにつきましては、タンクの建設の見通しですとか、先ほどご紹介したようなタンクの今の現状ということで、資料を入れさせていただいております。
25ページ、26ページ、27ページまで、ここの3枚につきましては、トリチウムの量、今の発電所の中でどうなっているのかということですとか、自然界に生成するトリチウムの話ですとか、日本の原子力近海の海産物のトリチウム濃度、こういったトリチウムの事実の整理をさせていただいたものを入れております。
それから、参考の7-1、28ページから29、30、31、32、33ページまでがトリチウム水タスクフォースでございまして、5つの処分方法を検討したということで、その検討の詳細をここに入れさせていただいております。
それから、34ページでございますけれども、国内外のトリチウムの放出に係る現状ということで、全体のさまざまな量を見ていただくために、これ、前回の委員会でもお示しをしたデータでございますけれども、国内外の放出事例のボリュームのオーダー感を見ていただこうと。それをちょっとわかりやすくということで、下にグラフで、実数のグラフで示させていただいて、そうしますと、どうしても一番左の図のようになってしまって、小さいところが全く見えなくなりますので、グラフを拡大する形で、
10倍、50倍に拡大すると、こういった形で見えてくるというご紹介をさせていただいているところでございます。
それから、その次、35ページ、36ページにつきましては、原子力発電所からの海洋への放出の参考事例ですとか、世界の原子力発電所かららのトリチウムの年間の排出量ということで、これまでのこの委員会でも紹介させていただきましたけれども、その事例を掲載させていただいて、最後、37ページ、38ページは、前回ご議論いただきました社会的影響についての資料を、少し前回のご議論いただいて修正している部分はございますけれども、掲載させていただいて、参考にということで。
こういった参考資料を、これまでの検討の経緯をしっかりと知りたいという方には見ていただけるような形で、ちょっとボリュームは大きくなるんですけれども、つけさせていただいて、ご議論いただければなということで考えているということでございます。
きょう、まずは最初にご説明した大きな流れのところについてご議論いただきながら、参考資料についてもお気づきの点あればご指摘をいただいて、説明・公聴会に臨みたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。

○山本(一)委員長
ありがとうございます。
ただいま事務局からの説明に対してご意見等ございましたら、ご発言をお願いいたします。
高倉委員。

○高倉委員
ちょっとお聞きしたいんですけれども、前のトリチウムタスクフォースで、処理処分については5つの方法を挙げていましたけれども、実は先週、ご存じのように、新聞で、画期的なトリチウム収支方法が出たような感じの記事が出ていたんですけれども、それについてはどうお考え。

○奥田対策官
実際に私たちも少し具体的なお話もお聞きをさせていただきました。お話を聞いている中では、まだ実験室で実験をした段階でございまして、直ちに実用化できるところまで技術が成熟をしているということではなくて、実験室である一定の成果ができたということで、もちろんその成果については引き続き注視をしていきたいなと思っていますけれども、直ちに実用化できる技術がないという点におきましては、トリチウム水タスクフォースで評価した状況と余り変わりはないんじゃないかなというふうに考えております。

○高倉委員
そうすると、実現性には時間的にかなり今後かかるんじゃないかという考えなんですか。

○奥田対策官
そうですね。実際にやっぱり研究者の方も、まだまだ実用化に向けて取り組む課題が多いということで、お話をいただいているところでございます。

○山本(一)委員長
山西委員とか私は、長年ずっとトリチウム分離の仕事をやってきた者です。核融合の、例えば核融合炉にかかわるぐらいの量であれば、非常に濃度も高く、量もそれなりであるので、もうやれるという自信もございますけれども、我々が今対応している、非常に薄い濃度で大量のものに関しては、適切なトリチウム同位体分離のプラントということを考えると、この前発表されたものは、今までいろんな提案があったものと同様、非常にまだ先の研究開発が必要だと、そういう判断であります。
山本委員。

○山本(徳)委員
8ページ目のALPS処理水の社会的影響の検討のところですけれども、既にサブドレンの放出の際に、先ほど議論があったように、1,500ベクレル・パー・リッターで放出しているというふうに聞いておりますけれども、あのときに余り風評被害が、大きな風評被害が出ていないのではないかというふうにも聞いているんですけれども、そんなことも頭の中に置きながら、最初のひし形の文章を見ますと、少し表現が断定的過ぎるのではないかなというふうに思っています。「大きな影響を与える」とか、あるいは「期間に影響する」というのは、少し表現が強いのかなというふうに思いますので、全体的に広く配っていくという意味では少し表現を、「可能性がある」とか、そんな表現に直しておいたほうがよろしいんではないかと思いますので、コメントをさせていただきます。

○奥田対策官
ありがとうございます。
おっしゃるとおり、これ、前回も少し委員会の中でもご議論いただく、意見いただいたと思うんですけれども、やっぱり、どういう被害が出るかというのは、いろんなパターンがありますので、少し幅を持って、断定的にならないように修正をさせていただければと思います。

○山本(一)委員長
田内委員。

○田内委員
この資料は、基本的にはやっぱり客観的に書くべきだと思います。特に5ページ目の「トリチウムとは?」という記載の一番最初が、私は非常に気になるんですけれども、「希釈された低濃度の状態であれば、健康影響の心配はない。」というのは、非常に曖昧な表現で、幾らだったら大丈夫なんですかっていう話になると思います。当然ですけれども、希釈された低濃度とは幾らなのかというのを言わない限りはこの話は成り立たないので、こういう曖昧な表現はやめていただいて、やはり、トリチウムは弱い放射線を出す物質という、そこまでで切るべきだと思います。実際にはこういうふうなことが知られていますよという事項は、その下の箱の中に書かれていますので、このような「心配はない」とかいう言い切りはぜひやめていただきたいと思います。

○奥田対策官
ありがとうございます。
ここは私も悩みながら少し書いているところはあるんですけれども、こういったことを伝えていかないと、なかなかトリチウムの理解をしていただくことも難しいんじゃないかと、表現の仕方はなかなか難しいなと思っているところでございまして、やっぱり、それは放射線の影響、全体がそうだと思うんですけれども、もちろん低ければ低いほどいいという一方で、ある意味、生活の中に普通に放射線というのはある中で我々も生活をしていてというところをしっかりとご理解をいただきながら、トリチウムについても理解をしていただくという中で、ちょっと表現が乱暴過ぎてはいけないものの、ある意味シンプルに伝えないと伝わらないというところの間合いをどうとるかということだと思っているんですけれども。

○田内委員
もし書くのであれば、やっぱり最初の箱に書くべき話ではなくて、2つ目の箱の中にするべきと思います。例えばこの黄色い本にもありますけれども、放射線の影響はレベルで決まるので、非常に低い場合には影響は認められていない、というような表現であれば問題はないと思うのですが、最初の箱にこれを書かれると、非常に何か意図を感じるという気がしますし、これは何なんだという話になりかねないので、そこはぜひ注意をしていただきたいなと思います。

○奥田対策官
わかりました。趣旨はわかりましたので、少し修正をさせていただければと思います。

○山本(一)委員長
崎田委員。

○崎田委員
すみません、資料4-1はもうご説明いただいているんですよね。

○奥田対策官
すみません、簡単にだけ紹介をさせていただきました。

○崎田委員
わかりました。すみません。
それで、何を申し上げたいかというと、この委員会は、ALPS処理水の取り扱いについての社会的な影響をしっかり考えていくという、そういう委員会ですので、ここでの議論だけではなくて、しっかり説明・公聴会をするという、こういう方向性は大事なことだというふうに思っていますので、こういう準備をぜひしていただきたいと思っています。今回、スタートを福島でしてから東京という流れも大事だと思っています。やはり非常に身近な影響として、福島に住んでおられる方、あるいはこれから避難先から戻ろうかと考えておられる方など、いろんな関係をする方がこの問題をどう理解してくださるかということがとても大事だと思いますので、まず福島でこの説明・公聴会をしていただいてから東京で実施するという流れ自体も、私は賛成をしたいというふうに思っています。
こういうときに、きょう、資料の説明を伺っても感じるんですけれども、私は、この委員会に入って何度もこういう説明を伺っていますので、全体の流れはかなり理解できると思うんですけれども、やっぱり説明・公聴会で説明いただくだけでは社会に伝わるというのは難しいと思いますので、これから公聴会まで1カ月以上ありますので、その間も少しきちんと、まずは福島県内のいろいろ関係者のところで説明をしていただくとか、やはりそういうことをこの1カ月の間でもちゃんと実施して、その上で、ご意見をいただきたい方の多くの声を、多様な声をしっかりと公聴会で聞いていただくというような、そういう流れをちゃんとつくっていただければありがたいなと、まずは私はそんな印象を持ちました。
よろしくお願いします。

○奥田対策官
おっしゃるとおりだと思いますので、我々もしっかりとやっていきたいなと思っております。よろしくお願いします。

○山本(一)委員長
小山委員。

○小山委員
スライドだと8とか9にかかわる部分なんですけれども、今回のトリチウムの処理水を処理するということと社会的影響を考えたときに、2011年の事故のときの放出されたものをイメージしてしまうということが起こるんじゃないかなと、ちょっと心配していました。なので、そこを明確にわかるように、要するに、事故でもう全くコントロールできなくて飛ぶのと、今回、処理で行われることというのが違うということと、それから、処理方法のうち、大気と海洋に関してでいうと、事故のときはセシウムとか特定の場所にかなり集中的に落ちたりして、いわゆるホットススポットとかホットエリアができたことで、食品中に移行してしまったり、農産物に移行したりとかいうことが起こったわけですけれども、今回のトリチウムの問題に関していうと、基本的に希釈されるというところがすごく大きな違いなので、そこをもうちょっとわかりやすく言っておかないと、要するに、またあのときのようなこと起こるのかというふうに、例えば新聞のタイトルだけ見て想定するということは、こんなに勉強をみんなしないわけですから、起こってしまうかなと。
ただし、セシウムの問題のときのこと考えると、ホットエリアとかホットスポットがあったとしても、この7年間で除染をしたりだとかいろんな対策をして、空間線量も含めてですけれども、当時高かったのが低くなりましたということを、数字だとか、あるいは何か可視化するようなマップで示したりだとか、安全になってきた過程を見せられたわけです。
ところが、このトリチウム、例えば海洋だとか大気だとかにした場合に、恐らく、もう初年度から数字は出ない、東京電力さんとかのモニタリングで見ても。なので、初めから大丈夫でしたよってことなんですけれども、数字でいうとですね。一方で、イメージだけ変なふうに捉えられてしまうと、ああ、放出された海だということだけが、要するに、その後に下がっているとか、安全だったとかという経過を見せることが恐らく今回できないと思うんですね、もうずっと低いままなので。
なので、最初の海だとか大気だとか、地下でもいいんですけれども、そこのところの情報の出し方とか、最初にどういうイメージで固定化してしまうかというのは結構、事故のときのその後の対応と比べても、すごく重要になるかなって感じをしました。
それから、9の今後の検討に向けた論点整理の2番目、対応策にかかわる部分と、先ほどの復興庁のリスコミ、タスクフォースのこともかかわるんですけれども、結局、この風評の問題って、ほとんど流通とか消費者の対策になってしまうんですね。結局、何かあったときに、多分、漁業も同じだと、同じ側面あると思うんですけれども、流通構造が変わってしまうと。流通構造が変わっていることを、いろいろ情報を発信したとしても、例えば農産物でいえば、加工用の原料になったとか、あるいは米でいえば、業務用米が福島だと半分になってしまったわけですね。
そしたら、それを変えるというよりは、むしろそれに適合した産地をつくるという産地対策のほうが実は産業上は重要になっているのに、リスコミ・風評のタスクフォースでやることじゃないんですけれども、余りこの産地の、例えば業務用米になるんであれば、大規模にもっと農地をしなければいけないだとか、つくり方ももっとローコストでつくるとかという対策がもう7年、8年たつと必要で、漁業も多分何らかのことは必要になるかもしれない。
なので、この対応策のところに、風評とかリスコミの対応策だけだと、流通と消費地の対策ばっかりになってしまって、実は産地で本当は対応しないといけないようなことがずっとできないということが起こってしまうんですね。今回の復興庁のタスクフォースは、リスコミ・風評のタスクフォースなので、余り産地というのは別なのかもしれませんが、9の今後に向けたところでは、それが賠償とかでなくて、補償みたいな話なのか、何らかの事業みたいな話なのか、わかりませんけれども、きっとそういうものも必要になるんじゃないかなと思いました。
以上です。

○奥田対策官
ありがとうございます。
この説明・公聴会の資料に反映させるべきところと、さらにその先のところまでのご意見もあわせていただいたのかなというふうに思いますが、ちょっと資料に反映できるところは反映して、またご確認をいただいて、説明・公聴会に臨んで、説明・公聴会で出てきた意見も含めて、また、今いただいたようなご議論というのはもう少しこの委員会の場でもさせていただければなというふうに思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

○山本(一)委員長
お待たせしました。森田委員、お願いします。

○森田委員
資料は、全体的には、こういう流れになるんだろうと思いますけれども、最初に、辰巳委員がパンフレットに対してコメントされたように、問題がない、問題がないというふうにパンフレットに書いてあるけれども、じゃ、何で今問題にしているんだという話と同じように、タンクの水が問題ないのに、なぜタンクに水を今ためているのかというのが一番のみんなの疑問にあると思うんですね。
その答えが3番目に、3ページ目に書いてあるように、「科学的な安全性を確認するだけでなく、社会的影響を含めて処分方法等を検討する」ためにタンクに貯蔵しているという話で、ここをもっと、説明者のやり方だと思いますけれども、ちゃんと強調するように説明をしていただきたいということと、ただ一方で、タンクにためたことによって、このタンク貯蔵が非常に社会的インパクトを抑えるという効果は非常にあったがゆえに、今、そのタンクの処分ができないということになってしまっているわけなんだと思うんですが、それに対して、次のページに続くように、タンクのエリアを確保したいという話があるわけですよね、廃炉を進めるために。
ただ、現在使っているタンクのエリアが全部必要なのかということは疑問で、どのぐらいタンクのエリアが必要なのかってことをちゃんと示していかないと、多分聞いているほうは納得しないという話と、さらに、6番目にあるように、結局は燃料デブリを取り出さないと汚染水の発生が抑えられないわけで、そうなると、タンクはふえていくわけですよね。現在タンクがある理由と、タンクのエリアを一部でもいいから確保して、燃料デブリの取り出しをしないとタンクは結局増加しますよという、全体の話がこれを見ている限りでは見えないというところに多分問題があると思うんですね。これを説明する人のやり方だと思うんですけれども、全部が繋がっている話であるということをうまく説明していただきたいという。

○山本(一)委員長
ありがとうございます。
うまく反映する、ちょっとまた工夫しなければいけないと思った。

○関谷委員
2点あるんですけれども。
1点は、先ほど、山本先生が言っていた点なんですが、もともと処理した水は安全性に問題なかったとしても、社会的影響が大きいからためていたというのが前提だと思うので、ある意味、社会的影響が小さいかもしれないと言ったら、そもそもの議論が成り立たないと思うので、ここの部分は影響が大きいだろうからたしかここで検討しているはずだと思うので、そこのところはご確認いただいたほうがいいんじゃないかなというのが一つあります。
あと、2点目は、前回の説明会・公聴会についての運営方針の案だと、トリチウムのタスクフォースの結果と社会的影響などについてのこの小委員会での議論についての説明だったと思います。必ずしもトリチウムの安全性についての説明が主たる目的ではなかったんではないかなというふうに思います。
なので、私の理解だと、この7番目、8番目、9番目の、トリチウムのタスクフォースの処分方法の技術的評価と社会的影響と、あと、今後の検討に向けた論点整理、ここら辺の説明が主だと思うんですけれども、それとも、トリチウムの安全、トリチウムに関する安全性の説明から始めるということなんでしょうか。それとも、前回の資料にあったように、今の検討状況、トリチウムのタスクフォースと今回の小委員会の検討状況の説明なんでしょうか。
ちょっと意味が違うと思いますので、確認したいんですけれども。

○奥田対策官
まず、資料でございますけれども、殊さらにトリチウムの安全性だけを、すみません、それの説明する資料にしたつもりは全くないんですけれども、ちょっとそういうふうに見えているんだとしたら、少しまたご意見踏まえて修正をしますけれども、ただ、今起こっている、トリチウム水タスクフォースをやり、このALPS小委をやりっていう、その前提として、そもそも廃炉というのは何なのか、福島の復興の大前提であるということがあり、廃炉というのはどういうものか。その中で、ALPS処理水というものはどういうふうに発生をしていて、どういうふうに貯蔵していて、だから検討を始めないといけない状態になっているんだ。そこに貯蔵されているものというのはどういうものなんだというところは、まず議論の前提として、やはりお伝えをしないといけないんではないかなと。
ただ、そこは非常に、ある意味ちょっと複雑になっているところもあるものですから、その資料の中でも少しボリュームがありますけれども、そういった中で、まさにおっしゃっていただいたとおり、7から9のところというのが、まさに意見をいただく中心になるというふうには考えていますけれども、意見をいただく前提として、やはりご理解を、お伝えをしないといけない前提というのはその前のところにあるんじゃないかなということで、こういう資料の構成に今させていただいています。

○関谷委員
あくまで確認なんですけれども、公聴会というのはやっぱり、住民であり、この影響を受ける日本国民の意見を聞くというのが本来の姿だと思いますので、説明の部分が強調されてもどうかなと思いますので、ぜひそこら辺はニュートラルに、あくまで検討方法の説明と意見聴取というのがメーンであるってことは少し強調され、もちろんトリチウムから説明しなければいけないってわかるんですけれども、公聴会の目的というのが何なのかというのは少し明確にされたほうがいいんではないか。そうしないと、リスクコミュニケーションというか、安全性ということを前提にして、それについての説明というふうに受け取られると思いますので。
私は、きちんとまず、どういうふうな不安を持っているかとか、どういうふうな社会的影響を福島県民なり日本国民が懸念しているのかというのを、ちゃんと聞くというのが多分本来の趣旨だと思いますので、そこのところから離れて説明というほうに余り強くいかないほうがいいんではないかと思います。
○奥田対策官
ありがとうございます。
ちょっとそういう意味では、すみません、きょう、私の説明の中で、資料の4-1の説明を、時間もあると思って省略をしてしまった部分があるんですけれども、ちょっと4-1を見ていただきますと、4-1の「1.はじめに」のところに趣旨を書かせていただいておりまして、この委員会で、風評被害等の社会的影響も含めて総合的に検討するという中で、「風評被害の問題については、福島県内で完結するものではなく、広く国民の皆様がこの問題をどう認識し、どのような懸念があると考えているのかなどを聴取した上で、今後の検討を進めていくことが必要」ということを、この説明・公聴会の趣旨を書かせていただいておりまして、ここは意見を募集する際にもきちんとわかりやすく表示をした上で、意見募集というのをやっていきたいなというふうに思っております。

○関谷委員
前回の説明会・公聴会についての案と、ちょっと運営方針のところが少し変わっていたので、確認です、あくまで。前回資料から、その運営方針では、ご意見を伺うに当たって、トリチウム水タスクフォースの結果、社会的影響など小委員会の検討結果についてわかりやすく提示するというのが説明会の趣旨というふうに書いてあったので、そこの部分が抜けていたので、あくまで確認です。

○奥田対策官
すみません、そこは次の、もう1枚めくっていただくと3ポツがあって、そこの書き方は変わっていないんですけれども、ですので、趣旨として、トリチウム水タスクフォースの結果ですとか、社会的影響などのこの委員会での検討状況をお伝えするということではあるんですけれども、さっき申し上げたように、それをわかっていただくためには、少し前提となるものを説明しないといけないんじゃないかというのが今回の資料になっているということでございます。

○関谷委員
すみません、PDF見落としていました。すみません。

○奥田対策官
すみません、私も説明をしていないので、申しわけございませんでした。

○山本(一)委員長
お願いします。辰巳委員。

○辰巳委員
すみません、ありがとうございます、お時間のない中。
この委員会に参加しつつ私も、今回の説明会に関しての、やっぱり趣旨っていうものをかなり、今再確認いただいたので落ちついたんですけれども、最初にも説明したように、言ったように、やっぱり2020年を目指してこの処理水を片づけなければいけないんで、その大きな目的はデブリを片づけるために、そのためにはスペースが必要だから、だからとにかく片づける方法を検討して、皆さん、公表して検討していくんだというふうなイメージで受け取っておりましたもので、そういうふうに、ここにいながらそういうふうに受け取るということ自身が、やっぱり進行上あり得るんだという、資料を見ていてもそういうふうに思ってしまって、だから基本的に、先ほどちょっと森田先生おっしゃってくださったように、そういう不安を持ったままこの委員会に参加しておりますもので、同じ言葉を聞いても違うように聞こえてしまうのかもしれません。
だけど、それが多くの国民のとり方だというふうに思っていただいて、だから、やっぱりそこら辺、誤解なきように、今後もこれからまだ検討していくんであって、それがどういう方法がいいんであるかというのを、皆さんのご意見を聞きながら検討していきたいんだということがちゃんと伝わるように、ぜひお願いします。
やっぱり2020年という数字が出てきたり、グラフも今後ふえていきますと言いながら、2020年あたりで先の様子が見えないような状況になったりして、もう今後スペースがないとかって書かれていれば、本当に全部片づけなければいけないんだというふうに。
片づけるのだって三、四十年かかるかもしれないんですけれども、そういうふうな長さと、今すぐ何をやるべきかっていうふうなこととの、その感覚がやっぱりちょっとわからないというふうに思いますもので、ぜひ誤解なきようにお願いしたいなというふうに思いました。よろしくお願いします。

○山本(一)委員長
ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
はい、どうぞ。

○菅野課長(福島県)
すみません、オブザーバーという形でございますが、福島県でございます。地元として、改めてお願い申し上げたいと思いまして、手挙げさせていただきました。
先ほどご説明もいただいたとおり、ここで言うまでもなく、廃炉というものは、福島県にとって、福島県の復興にとって非常に大きな前提となるものだというふうに考えて、その中でもトリチウム水の処分については、皆さん、県民の中の関心が非常に高くなっております。
そうした中で今回、福島県と東京都で説明・公聴会、開催していただけるということでございます。ぜひとも福島県はもとより県外の方々も含めて、ご意見、お考え、あるいはお気持ちといったようなものを、ぜひ聞き取っていただきたいというふうにお願い申し上げたいと思います。
それから、先ほど、委員の方からもおっしゃっていただきましたけれども、トリチウム水の取り扱いというものを決めるに当たっては、ぜひ環境への影響であったり風評への対策、そういったことを、国民・県民の疑問や不安に対しまして一つ一つ丁寧にご説明をいただいて、何より地元の者の理解というものを最優先にして検討を進めていただきたいということを、これまでもお願い申し上げていましたが、改めてお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○山本(一)委員長
あと、いかがでしょうか。
それでは、本日いただいたいろいろなご意見につきまして、反映できるところは反映するということで、事務局で資料を修正していただきまして、それを委員の皆様にメール等で確認して、その後で公表するようにしたいと思います。
本日の議事については以上でございます。
そのほかに、全体を通じてご意見とかご質問等ございましたら、ご発言お願いいたします。

○辰巳委員
公聴会の件なんですけれども、どういう進行になるのかがすごくちょっと心配でして、参加する委員としてですね。ご意見が多分、いろんなご意見が出てきたときに、それをその場で、何かご意見に対して回答できることはいいんですけれども、できないこともいっぱいあるかというふうに思うんですけれども、そういうふうなのをここにまた持ち帰って、ここで検討するということでよろしいんでしょうかというのを聞きたかった。

○奥田対策官
すみません、これまたちょっと、先ほどご説明をできていればよかったんですが、さっきの4-1の資料の1ポツの「はじめに」というところの一番最後に書かせていただいているんですけれども、この説明・公聴会でいただいたご意見というのは、この小委員会での検討を深めるために活用するというふうに書かせていただいておりまして、説明・公聴会で対応して、それで終わりということではなくて、さまざまいただいた意見を持ち帰って、小委員会の場で議論いただいて結論を出していきたいなというふうに考えております。
そういう意味で、辰巳委員、先ほどおっしゃっていましたけれども、まだまだ検討を続けていく必要があるものはたくさんあると思っておりますので、それはしっかりとやらせていただければなというふうに思っております。
ただ、いただいたご意見に対して、やはり回答というものはどこかのタイミングではさせていただかないといけないというふうには思っておりまして、その次のページの3ポツのところの一番最後のところに書いていますけれども、委員会での取りまとめの際には、意見募集で寄せられた意見を一括して、事務局の考え方として、最終的にこの委員会の取りまとめをする際には、きちんとお伝えをさせていただくというような形にさせていただければいいかなというふうに考えております。

○辰巳委員
いろんな委員会でパブコメとか募集して、委員会のまとめというのをつくることが多いと思うんですけれども、その折に、今までの経験では、そういうパブコメがどういうふうに生かされたのかというのが全く見えないっていうことがとても多くてですね、だから、やっぱり今回も、公聴会で自分の意見をお出
しくださった方が、自分の意見がどうなったのかっていうことをきちんとお知りになりたいというふうに思いますもので、それがはっきりわかるような形で、経過の中でお願いしたいなというふうに思って、それだけです。

○山本(一)委員長
関谷委員。

○関谷委員
ちょっとこの委員会とは少し関係ないんですけれども、きのう、おととい、報道が出たので確認しておきたいんですけれども、途中で奥田さんからお話もありましたが、ため続けることは不可能とし、処分の必要、処分するというのは今の段階では決まっていないというふうに考えていいんですね。

○奥田対策官
処分を決定するということでいうと、この委員会の結論も踏まえた上で、最終的には政府で決定していくという形になりますので、今の時点で処分を決定したということはございません。

○山本(一)委員長
では、本日の議事につきましては以上でございます。
次回以降のスケジュールにつきまして、8月30、31日に説明・公聴会を開催するということで準備を進めたいと思います。その後、取りまとめに向けて、さらにこの委員会で議論を深めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、事務局から連絡等ございましたら、よろしくお願いします。

○奥田対策官
きょうもさまざまご議論いただきまして、ありがとうございました。
説明・公聴会に向けて、資料の調製が残されております。我々のほうで、きょういただいた意見を反映させた案をつくらせていただきまして、もう一度、委員の皆様と、これはもうメールベースになると思いますけれども、やりとりをさせていただいて、資料の調製を進めていければと思います。
資料を調製させていただいた上で、資料の公表とともに意見募集を開始するという形にしたいなというふうに考えております。
十分な意見募集の期間をとりたいというふうに思っておりますので、遅くとも今月中には公表したいなというふうに考えておりますので、ちょっと委員の皆様、お忙しい中、大変恐縮ではございますけれども、資料の調製にはご協力をいただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
それから、説明・公聴会のさまざま細かいロジも含めて、詳細につきましてはまた改めて事務局のほうからご連絡させていただきますので、こちらもよろしくお願いをいたします。
以上でございます。

○山本(一)委員長
それでは、これをもちまして、第9回多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会を閉会いたします。どうもありがとうございました。

-了-

カテゴリー: トリチウム

10/20学習・討論集会 使用済み核燃料 (核のゴミの実際)のご案内

学習・討論集会 使用済み核燃料

  (核のゴミの実際)

おはなし : 長沢 啓行 さん (若狭ネット資料室長)

テキスト : 使用済核燃料 (長沢 啓行 \500)

日  時 : 1020日(曜) pm2:00 ~

場  所 : 坂元宅 (高槻市前島1丁目11-13)

カテゴリー: 高槻アクション, 講演会, 上牧行動 | タグ:

【9/27-28東京新聞】東海第二「適合」の報道

東海第二「適合」決定

「牛置いて逃げられない」

 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201809/CK2018092702000163.html
2018年9月27日【東京新聞・茨城】

飼育している牛を見る保田さん=小美玉市で

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日本原子力発電の東海第二原発(東海村)が新規制基準に適合していることを、原子力規制委員会が二十六日、正式に決定した。再稼働への道を着々と進む中、東京電力福島第一原発事故で被害を受けた県内の酪農家からは不安の声が上がる。「事故が起きても、牛を置いて逃げられない」と悲愴(ひそう)感すら漂う声も聞かれた。 (越田普之)

県は乳牛の飼育頭数が全国八位で、最も酪農が盛んなのが、原発から三十キロ強に位置する小美玉市だ。市内で約二百頭の牛を飼育する美野里酪農業協同組合青年部長の保田(やすだ)知紀さん(40)は「対策を取っても事故の可能性はなくならない。心配だ」と語る。

福島の事故から約十日後、県内の牛乳から放射性物質が検出され、生乳の廃棄を求められた。餌に放射性物質が付着したことが原因とみられた。福島第一までは百キロ以上。「放射性物質がそんなに飛ぶと知らず、まさかという感じだった」

牛は乳を搾らなければ病気になる。一日に二回、約三千リットルを搾乳しては浄化槽に捨てた。出荷制限が解除されるまでの約三週間、保田さんを含め県内の酪農家約四百二十戸が廃棄した生乳は約八千トンにも上った。

保田さんは「やっていることが無意味に思え、むなしかった。酪農協も暗い雰囲気だった」と振り返る。

当時、福島県相馬市の酪農家が「原発さえなければ」と書き残して自殺した。同業者の悲しみは記憶に刻まれている。

事故の恐怖は過去にも味わった。水戸市の飲食店に勤務していた一九九九年、東海村でJCO臨界事故が起きた。「突然、外に出ないように言われた。あの経験は忘れられない」

一方で、実家に戻り牛を飼育する今、電気を大量に使わなければならない現実がある。夏場は、暑さに弱い牛のため扇風機を二十四時間回す。原発停止後に電気代は一・五倍になり、経営を圧迫する。「再稼働すれば電気代が安くなる」との電力会社のうたい文句は本当だろうか。疑問を抱きつつ、心が揺れる。

首都圏にある東海第二で深刻な事故が起きれば、被害は福島事故を上回るだろう。でも「生き物がいるから、ここを離れられない」。保田さんは牛たちと運命を共にする覚悟でいる。

小美玉市内の別の男性酪農家(41)は「福島の映像を見てショックを受けた。ここも同じようになるリスクがあると思うと、本当に原発が必要なのか疑問だ」と、不信感をにじませた。

 

東海第二「適合」 批判意見認めず 規制委、審査書を決定

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201809/CK2018092702000172.html
2018年9月27日 朝刊【東京新聞・社会】

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首都圏唯一の原発である日本原子力発電(原電)の東海第二原発(茨城県東海村)について、原子力規制委員会は26日の定例会合で、新規制基準に適合したとする審査書を正式決定した。国民からの意見募集(パブリックコメント)で、東京電力による原電への資金支援への疑問や、東海第二が東日本大震災で被災したことへの不安が寄せられたが、規制委がそうした声をくみ取ることはなかった。 (越田普之)

東海第二は震災で外部電源を失い、非常用発電機の一部が使えなくなり、残りの発電機でかろうじて原子炉を冷温停止させた。被災原発の新基準適合は初めて。再稼働には、県と東海村や水戸市など三十キロ圏の六市村の同意が必要で、見通しは立っていない。

規制委の会合では、一カ月間実施したパブコメの内容が報告された。集まった約千二百五十件の大半が再稼働に批判的。原電が約千八百億円の対策工事費を工面するため、福島第一原発事故を起こした東電から支援を受けることが特にやり玉に挙がった。

「政府の資金が投入されている東電から支援を受けるのは道理がない」「支援がなければ再稼働できない状態なのに、事故時の賠償や収束費用はどうするのか」。そういった疑問の声に対し、規制委は「資金支援の意向が確認でき、工事費を調達できると判断した」と答えるにとどまった。

「東日本大震災でダメージを受け、再稼働すべきではない」という意見も目立った。規制委は、一部設備で震災による損傷があったことは認めたものの、機能的に問題ないとして不安に応えなかった。

ケーブルの火災対策への関心も高かった。審査書によると、全長千四百キロの約四割だけを燃えにくい素材へ取り換え、残りを防火シートで覆う。パブコメでは「防火シートに、同じ効果があるとは思えない」と批判が集中したが、規制委は「十分な保安水準が確保される」などとした。

津波で「大型船舶が漂流して原子炉建屋や防潮堤に衝突する」との指摘にも、規制委は「基準津波の流速や流向から漂流してくる可能性はない」と一蹴した。

規制委は、パブコメを受け、審査書案の細かな字句修正をするだけだった。これまでもパブコメを重視する意識は薄く、手続きの形骸化が進んでいる。

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規制委前で「原発いらない」「命守れ」

 市民団体が抗議 8000人分の署名提出も

 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201809/CK2018092702000161.html
2018年9月27日【東京新聞・茨城】

原子力規制委が入るビルの前で、東海第二原発などの再稼働に反対する市民グループのメンバー=東京都港区で

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「原発はいらない」。東海第二の再稼働に反対する青、黄、オレンジの色とりどりの横断幕やのぼりが風にはためいた。規制委が再稼働へ向けて正式な審査適合を決めた二十六日、市民グループのメンバーらが抗議の声を上げた。

雨上がりのどんよりとした曇り空の下、メンバーら十人以上が議論開始前の午前十時ごろから、規制委の入る東京都港区のビル前に集まった。「東海第二、不合格」「命を守れ」とシュプレヒコールを繰り返した。

「規制委の甘い審査で合格しても、安全とはいえない」などと再稼働を認めないよう求める抗議文と約八千人分の署名を規制委の担当者に提出した。

規制委の議論が終わり、五人の委員が正式適合を了承すると、傍聴席からは「反対です」「原子力推進委員会だ」と次々に怒りの声が上がり、会場は一時騒然とした。

地元にも不安は根強い。再稼働に反対する市民団体「脱原発ネットワーク茨城」共同代表の小川仙月さん(54)は「電力会社が出してきた(再稼働)申請を追認するような規制委の審査のやり方には疑問がある。ここ二カ月の間に大きな水害や地震も起こった。これらも踏まえ審査をやり直すべきだ」と強調した。

東海村の自治会役員の男性(68)は「ハード面の安全性は確認された」としつつも、事故の際に「一人で逃げられない人の移動手段をどうするかなど決まっていない部分は多い」と不安も口にする。再稼働の際に同意を求められる県などに対し「十分に議論し、再稼働の是非を考えてほしい」と訴えた。

 

東海第二再稼働の反対意見書

 常陸大宮市議会も可決

http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201809/CK2018092802000168.html
2018年9月28日【東京新聞・茨城】

 

日本原子力発電(原電)東海第二原発(東海村)を巡り、原発から三十キロ圏の常陸大宮市議会が、住民同意のない再稼働に反対する意見書を賛成多数で可決した。東海第二原発を巡っては、原子力規制委員会が二十六日に新規制基準に適合を出したが、再稼働に反対する意見書は六月に水戸市議会でも可決されている。 (山下葉月)

意見書は大井川和彦知事宛てで、原発の三十キロ圏に九十六万人が住むことに触れた上で「過酷事故が起きた時にスムーズな避難は困難」と指摘。「原子力災害から市民の安全と暮らしを守ることが重要で、三十キロ圏の住民の同意のない再稼働に反対する」としている。可決は二十一日。

市議会に八月、再稼働に反対し廃炉を求める陳情が提出され、総務常任委員会で議論していた。「九十六万人の避難は現実的ではない」「次世代に原発は必要なのか」などの意見を受けて、委員会は陳情を「一部採択」とした上で、「住民同意のない再稼働に反対する」との表現で意見書の提出を決めた。

小森敬太郎委員長は「原発は住民の命に関わる問題。委員会として市民の気持ちを意見書で代弁した」と話した。

再稼働に必要な審査は、最長二十年の運転延長と設備の詳細を定めた工事計画の残り二つ。しかし、県によると、県内の市町村議会から再稼働や運転延長に反対する意見書が相次いで提出されている。

今泉市長(左奥)と面談する「新石岡市を考える市民の会」メンバーら=石岡市役所で
写真

◆市民ら石岡市長と面会 再稼働反対の意思表示求め

日本原子力発電の東海第二原発の再稼働に反対する石岡市の市民グループ「新石岡市を考える市民の会」が二十七日、市役所で今泉文彦市長と面会し、再稼働を認めない意思表示をするよう要望した。今泉市長は「原発の在り方は国と県の政策推移を見守る」として、再稼働の是非には言及しなかった。

県の計画で、東海第二原発で深刻な事故が起きた場合、原発から五十キロ圏の石岡市は、三十キロ圏のひたちなか市民を受け入れることになっている。

市民の会はその計画が再稼働に結び付くとして、八月に計画への協力を拒否するよう市に要望し、回答と面談を求めていた。 (水谷エリナ)

 

96万人の避難、見通せず

 東海第二30キロ圏 計画難航

2018年9月27日【東京新聞・核心】

 

茨城県東海村の東海第二原発が再稼働の条件を整える中で、全国最多の96万人に及ぶ30キロ圏住民の避難計画作りが難航している。地震により原発事故と同時に道路が寸断されれば、高齢者や障害者の救援だけでなく、車で30キロ圏から出ることさえ不可能になる。多数必要となるバスなどの車両や運転手の確保も難しいのが実情だ。 (山下葉月)

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9/26<除染土の行方>知らぬ間に進む 再利用実証事業【東京新聞・特報】

2018年9月26日【東京新聞・こちら特報部】

広島高裁が四国電力伊方原発3号機の運転差し止め仮処分を取り消し、同原発は一年ぶりに再稼働への道が開けた。福島原発事故の教訓を忘れきった司法判断だ。福島県などでは原発事故で生じた膨大な除染土が行き場のないまま残され、土壌を「再利用」するという新たな実証事業が進められる地域の苦悩は深い。住民の頭ごしに実証事業を進めようとした国の思惑をはね返した同県二本松市の人たち。その現場を歩いた。 (榊原崇仁、安藤恭子)

<除染土の行方>知らぬ間に進む 再利用実証事業

 福島・二本松 住民ら猛反対で計画阻止

   埋めて舗装 放射線量調査

「四月に近所のおばちゃんと話をした時、再利用のことを初めて知ったんです。『一軒一軒回って説明してくれるんだろうな』と思っていたら、どうも様子がおかしくて。やる前提でもう話が進んでいたんですよ」。韓国人の女性牧師、金基順さん(五二)はそう語る。

金さんが住むのは二本松市原セ才木-はらせさいき-地区。環境省が除染土再利用の実証事業を予定した場所だ。人口五万人の同市で安達太良山のふもとにあり、JR二本松駅から車で二十分ほど。一帯は色づいた稲穂が揺れ、民家はぽつりぽつりとある程度。人の姿や通り過ぎる車もほとんど見当たらず、スギ林の鳥の声がよく聞こえてくる。

同省は水田の脇を走る未舗装の市道約二百メートルを掘削した上で、近くに仮置いた除染土約五百立方メートルを埋めて土で覆い、舗装後に放射線量を調べる実証事業を計画していた。問題は、現場から二百メートルしか離れていない場所に住む金さんがよく知らないうちに進められていた、ということだった。

実は環境省は昨年末、市議会の全国協議会で再利用の実証事業を市側に報告し、原セ才木地区や周辺地区の回覧板で周知を図ったという。ただ金さんは「そんなにしっかり見てなかったんですよね・・・:」と漏らす。

一方、市民団体「みんなでつくる二本松・市政の会(みんなの会)」は早々に反応した。「除染土は中間貯蔵施設に運ぶと思い込んでいた」。そう振り返る佐藤俊一共同代表(七七)は二本松は避難指示が出なかったとはいっても汚染された。だから土を取り除いたのに、それを埋めるなんておかしな話。被災者感情を逆なでしていると思った」。

みんなの会は学習会を開き、同調する市議や他の市民団体は市政報告会や県への中止申し入れをした。再利用反対を訴えるのぼり旗を市内各地に立て、二万枚近いチラシを配った。署名も集めた。

大きく事態が動いたのは四月二十六日。原セ才木に近い永田地区が求めていた環境省の説明会が開かれた。約百人が集う中、「最終処分地にするのか」「農産物に風評被害が出る」と怒号が飛んだ。再利用の話を知ったばかりだった金さんも、みんなの会の誘いで足を運び「韓国から若者を招けなくなる」と訴えた。

佐藤さんは「私たちが情報公開請求で得た文書から、昨年十月に原セ才木地区の了承を得るための会合があったことが分かったが、参加したのは全二十一世帯中、半数足らずだったようです」と振り返る。

五月には環境省に約五千人分の署名を提出。改めて開かれた説明会でも異論が噴出した。そして一カ月後、同省は市側に「実証事業は再検討する」と事実上の再利用ストップを伝えた。

みんなの会事務局次長の鈴木久之事務局次長(六一)は「阻止の決め手は住民の声の連なり。現場周辺を含めて『反対してもいい』という空気が広がったことが大きかった」と語り、「環境省が昨年末に実証事業の計画を示した直後、原発ゼロを掲げる市長に代わったのも影響があったかもしれない」とみている。

腑-ふ-に落ちないのは二本松がなぜ実証事業の場に選ばれたのかということだ。環境省は「再利用が可能な地域を探した結果」と説明しているが、鈴木さんは「二本松は元復興相の根本匠衆院議員の選挙区だ。前の市長は中央とのパイプを訴えていた。何か関係がなかったか」と疑う。

資材で使えるのは100ベクレル?8000ベクレル?

 「二重基準 変では」

  「知らぬうちに全国に広がる」

なぜ、福島県内の汚染土の再利用が検討されてきたのか。環境省はこれまで、除染で出た土壌などを県内の施設で焼却し、量を減らしてきた。それでも最大二千二百万立方メートル(東京ドーム十八個分)の除染土が残るとみられる。

除染土は建設中の中間貯蔵施設(双葉、大熊町)に運び込まれる予定だが、用地取得が進まず、施設整備は遅れている。しかも三十年後には、県外のどこかで最終処分するという困難な約束もしてきた。

このため同省は、ニO一六年六月、「基本的考え方」を示し「全量をそのまま最終処分することは実現性が乏しい」と指摘。除染土の量を減らすため、管理責任が明確で土場の流出が防げるとの理由から、道路や防潮堤などの公共事業に限定し、資材として再利用する方針を打ち出した。

その第一弾として「実証事業」が始まったのが、一六年七月まで避難指示が続いた南相馬市小高地区だ。一七年四月、区内の仮囲き場の除染土で盛り土をつくり、厚さ五十センチの別の土で表面を覆うなどして、周辺環境への影響を調べる作業に着手した。同省は「空間線量率は事業開始の前と後で大きく変動していない」と覆土の効果を評価し、本年度中に作業工程や留意事項をまとめる予定だ。

ただ、事故前まで同区に住んでいた国分富夫さん(七三)=相馬市=「一部の住民しか知らなかった。いくら線量が低くても、東電の敷地内など、隔離できる区域に保管するべきじゃないか」と憤る。「ここが全国の公共事業に汚染土が広がる第一歩になるかもしれない。東京の人たちにも、目の前の道路に汚染土が埋め込まれる情景を想像してほしい」として、県民で近く除染土問題を考える組織を立ち上げる方針だ。

二本松の実証事業は住民の反発でストップされたが、県内では他に飯舘村の長泥地区で実証事業が計画されている。再利用ではないが、福島県外でも、除染土を覆土して埋め立てる実証事業が茨城県東海村と栃木県那須町で八月と九月、始まったばかりだ。

原発事故から七年半がたつ中、行き場のない除染土の処分への対応が目に見えて浮上してきた形だ。ただ、福島県内の土壌の再利用について「二重基準がまかり通っているのはおかしい」とジャーナリストのまさのあつこ氏は懸念する。

同省の「基本的考え方」の中で、除染土の再利用基準は、放射性セシウム濃度で一キロ当たり八OOOベクレル以下とされた。工事中の作業員や周辺住民の年間被ばく線量が年間一ミリシーベルト以下となるよう設けられた数値だ。

一方、福島原発事故の前から、廃炉の際に放射性廃棄物が制約なく再利用できる「クリアランス基準」は、同一00ベクレル以下とされてきた。仮に同五OOOベクレルの土を再利用した場合、この基準を満たすための自然減衰には百七十年かかるとの試算もある。環境省は「クリアランスは再生資材として自由な流通を認める基準。再利用は公共事業などに限り、適切な管理の下で使われる。前提が異なる」と説明する。

これら除染土の再利用について、現段階で法律の根拠はない。同省の担当者は「実証事業を踏まえ、安全性の担保など法的整備を検討する」と検討の過程にあるとする。これに対し、まさの氏は「クリアランス基準の最大八十倍もの濃度を扱う想定にもかかわらず、第三者が安全性を確認する手続きや管理年限が定められていないのは問題。覆土が崩れたらどうするのか。実証事業の名の下に既成事実化が図られるのではないか」とみる。

実証事業にいたる住民への説明も不十分と問題視する。「全国の公共事業で汚染土を使うというのなら公聴会を開き、再利用について国民の意見を仰ぐ時期に来ているのではないか。なし崩し的に再利用が始まり、誰も知らないうちに広く薄くばらまかれる状況になりかねない」と警告した。

デスクメモ
処理できない土が再利と言葉を変えて押しつられる。モラルなき計画への地元の怒りは当然だが、国民全体からみれ少数派。反対の声もかき消されがちだ。いつまた計画が復活するか油断できない。原発再稼働に躍起になる政府の後押しを司法もまた恥だと思わない国だから。(直) 2018.9.26

「みんなでつくる二本松・市政の会」の佐藤俊一さん(左)と鈴木久之さん=福島県二本松市で

(上)除染土入りの袋が積み重ねられた仮置き場
(下)環境省が除染土再利用の実証事業を計画した未舗装の市道=二本松市で

カテゴリー: 最終処分場, 上牧産業廃棄物焼却場問題, 中日東京新聞・特報

9/23「MOX燃料再処理断念」に経産相が猛反発 なぜ?【東京新聞・特報】

2018年9月23日【東京新聞・こちら特報部】

使用済み核燃料を再処理してリサイクルしたプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料。政府は、通常の原発でMOX燃料を利用するプルサーマルを「核燃料サイクル」の柱の一つとして進める一方、「使用済みのMOX燃料」を、さらに再処理するかどうかについては方針決定が棚上げされてきた。福島原発事故後、プルサーマルの先行きさえ不透明なのが現実だが、今月上旬、この問題をめぐって「MOX再処理断念」と報じられると、世耕弘成経済産業相は猛反発し、「MOX再処理」に固執した。なぜか。背景を探った。 (大村歩)

 

「断念」報道に経産相猛反発

MOX再処理 固執する政府

 存続ありきの会計基準

「事実に反する報道。当該媒体に対しては直ちに厳重に抗議した」

四日の閣議後記者会見で世耕経産相は、こうまくしたてた。世耕氏がやり玉に挙げたのは、共同通信が二日に加盟社に配信した「MOX燃料の再処理断念」という記事だ。

原発を持つ電力会社十社は従来、通常の核燃料とMOX燃料の再処理費用をそれぞれ区別して、引当金を積み立ててきた。だが、ニO一六年度以降、両者を区別せずに政府の認可法人「使用済燃料再処理機構」に拠出金として支払うようになった。区別されていない以上、その拠出金は事実上、一般の使用済み燃料からウランとプルトニウムを取り出すための施設・六ケ所再処理工場(青森県、未完成)に使われる。だが、同工場ではMOX燃料の再処理はできない。従って「MOX再処理」は資金面での根拠を失い、断念したことになるーという内容だ。本紙も三日付朝刊で報じた。

これに対し、世耕氏は五日、ツイッターで「『事実上現在の再処理工場に使われる』と言うが、今はMOX再処理工場が無いのだから当然。しかし機構は将来のMOX再処理も含め総額費用算定し、長期計画を立てている」と反論。つまり今後、MOX再処理に向けた具体策が動きだせば、そちらに資金が回るため、「MOX再処理の『資金面での根拠を失っ』たことにはならない」というわけだ。確かに会計上、通常核燃料とMOX燃料を同じ「使用済み核燃料」と仕訳しただけと言えなくもない。

これについて、核燃料サイクルをめぐる会計問題に群しい日本大の村井秀樹教授(会計学)は「世耕氏の主張は、政府の論理としてはぶれていない。使用済燃料再処理機構、それを根拠づけた再処理等拠出金法は、とっくに破綻している核燃料サイクルの存続ありきで会計基準を定めたのだから」と指摘する。

どんな会計基準か。村井氏によれば、日本政府は一九七0年代以降、「使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムの価値は再処理費用を上回る」ことを前提にしてきた。電力会社もこの前提に基づき、使用済み骸燃料を「資産」として計上してきた。しかし、八0年代から政府内でも、「再処理費用の方がプルトニウムの価値を大幅に上回る」との指摘が噴出。その結果、再処理費用のための引当金制度が導入された。こうした経緯があったにもかかわらず、プルトニウムが「資産」という扱いは、現在もそのままだという。

「実態は使用済み核燃料を価値ある資産とは言い難いが、会計上、資産と言い続けないと再処理の意議が崩壊する。だから使用済みMOX燃料にも資産価値があるとして、再処理し続けることにしないといけないのだろう」(村井氏)

 

核燃サイクル とっくに破綻

 「矛盾明らか 政策転換すべき」

 技術、コスト面でも不可能

 

ところで、MOX燃料の再処理は実現可能なのか。可能だとしても、やる意味があるのか。

「使用済みMOX燃料は通常の使用済み核燃料よりもずっと危険度の高い厄介な存在。しかも再処理しても、燃料として使える部分は少ない。無理して再処理する意味はないと思う」。そう語るのは、放射性廃棄物処分に詳しい神奈川工科大の藤村陽教授(物理化学)だ。

MOX燃料は通常の核燃料より、放射線を出し続ける期間が長い超ウラン元素が多く含まれており、発熱量は約四倍にもなる。MOX燃料が取り出し後五十年たった通常核燃料と同程度に冷えるには、三百年かかる。使用済みMOX燃料の中性子線は通常の使用済み核燃料の十倍で、安全に保管するなら中性子線を遮断する水中で冷やしておくしかないが、五十~百年単位で水冷可能なプールなど実現は考えにくい。

藤村教授は「発熱量も放射線量も厳Lい条件となるため、MOX燃料は、通常核燃料よりも再処理時に出る放射性廃棄物を処分するには圧倒的に不利になる。また、使用済みMOX燃料は最初からプルトニウムが含まれているため、使用中に核分裂性でないプルトニニウムが大量に含まれる(高次化)ようになり、再処理してこの汚れたプルトニウムを再びMOX燃料化して利用するのは現実的ではない」と指摘する。

にもかかわらず、使用済みMOX燃料を再処理してまたMOX燃料として原発で燃やすプルサーマル・サイクルについて、政府は無限リサイクルが可能であるような表現を続け、実際にそれで原発のコスト計算をしてきた。

原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「政府や電力会社は、再処理工場からMOX燃料加工工場、原発へとずっとグルグルと回り続けるかのような図を描いてきたが、実際には一回ぐるっと回ることさえ不可能だ」と指摘する。

政府は、MOX燃料再処理を手がける場合、新たに「第二再処理工場」を建設し、そこで再処理するとしてきた。

世耕氏がこれほど力んで「MOX再処理」を叫ぶ以上、政府はこの新工場を建設する方針を固めたかのように見えるのだが、伴氏は「技術面、コスト面、政策面から見ても、第二再処理工場はとうてい不可能だ」という。

そもそも通常の核燃料を再処理する六ケ所再処理工場でさえ、一九九三年に着工して以降、稼働前からトラブルが続出。建設・運営する日本原燃は昨年、二十四回目の完成延期を発表した。当初七千六百億円だった建設費は約三兆円にまで膨らみ、総事業費は、十三兆円に上る見通しだ。

この上、通常の使用済み核燃料よりはるかに厄介な使用済みMOX燃料を再処理する第二再処理工場を完成できる、とはとても信じられない。実際、使用済みMOX燃料を商業レベルで大規棋に再処理した国はない。

一方で、国内外で長崎に投下された原爆六千発分・四十七トンのプルトニウムを持つ日本は、プルトニウムを削減するよう世界から圧力をかけられており、エネルギー基本計画でも初めて「プルトニウム削減」を言明せざるを得なくなった。

核燃料サイクルのもう一つの柱だった高速増殖炉「もんじゅ」(福井県)を廃炉とし、大規模にプルトニウムを燃やす場がなくなった日本としては、プルサーマルで既存のプルトニウムをMOX燃料として消費していくしか道がないが、MOX燃料を再処理してプルトニウムを取り出してしまったら、せっかく減らしたプルトニウムをまた増やすことになる.

あらゆる意味で無駄としかいいようがないMOX燃料の再処理。伴氏は言う。「世耕民の怒りは、核燃料サイクル全体の行き詰まりを糊塗-こと-せざるを得ない原発推進側の焦りが背景にあるのではないか。もう矛盾は明らかなのだから、政策を転換すべきだ」

デスクメモ

「MOX再処理断念」報道に対する経産相の反論も、背景を調べてみれば、何ともうさんくさい。もんじゅが腐炉となり六ケ所再処理工場さえまともに動かせない日本の技術力で、MOX再処理工場など言語道断だ。原発事故後の現実世界で、いつまで愚かな夢物語を見ているのか。(典) 2018・9・23

大型クレーンで原子炉内へ装てんされるMOX燃料=2010年、福井県高浜町の高浜原発3号機で

今年5月、新たなエネルギー基本計画案について開かれた有識者会議。新計画ではプルトニウム削減をうたいつつ核燃料サイクルを継続するという矛盾した方針が示された=東京・霞が関の経産省で

カテゴリー: 核燃サイクル, 中日東京新聞・特報

トリチウム水 本当に安心安全なのか/「原子力市民委員会」の報道【共同通信・東京新聞】

トリチウム水で市民団体が見解 大型タンクで長期保管を

https://this.kiji.is/414709074908808289?c=39546741839462401
2018年9月18日【共同通信社】

東京電力福島第1原発のトリチウム水の処分を巡り、記者会見する「原子力市民委員会」のメンバー=18日午後、東京都内

東京電力福島第1原発で汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含む水の処分を巡り、脱原発社会の実現を目指す市民団体「原子力市民委員会」(座長・大島堅一龍谷大教授)は18日、東京都内で記者会見し、海洋に放出せず10万トン規模の大型タンクで敷地内や敷地近くに長期保管するべきだとする見解を示した。今後、声明としてまとめる。

第1原発では、溶け落ちた核燃料の冷却などで発生した高濃度汚染水を多核種除去設備(ALPS)で浄化しているが、トリチウムは除去できずに残る。敷地内でタンクに保管中のトリチウム水は約92万トンに上り、増え続けている

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「トリチウム汚染水 陸上で長期保管を」 脱原発団体海洋放出に反対

【東京新聞】2018/09/19

東京電力福島第一原発で汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含む水の処分を巡り、脱原発社会の実現を目指す市民団体「原子力市民委員会」(座長・大島堅一龍谷大教授)は十八日、東京都内で記者会見し、海洋に放出せず十万トン規模の大型タンクで敷地内や敷地近くに長期保管するべきだとする見解を示した。今後、声明としてまとめる。

第一原発では、溶け落ちた核燃料の冷却などで発生した高濃度汚染水を多核種除去設備(ALPS)で浄化しているが、トリチウムは除去できずに残る。敷地内でタンクに保管中のトリチウム水は約九十二万トンに上り、増え続けている。政府の小委員会で処分方法の議論が進められており、海洋放出が最も有力な選択肢として浮上。八月末に福島県と東京都で関かれた公聴会では参加者から海洋放出への反対意見が相次いだ。

会見で市民委員会は、長期保管を選択することで、トリチウムの放射線量が百二十三年後に約千分の一に低減し、新たな処分策を開発する時間の確保にもつながると指摘。会の事務局長で京都精華大の細川弘明教授は、大型タンクの設置費用を一基あたり二十億~三十億円とする試算を示した上で「海洋放出せずに長期貯蔵することが技術的、経済的に妥当だ」と述べた。

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トリチウム水 本当に安心安全なのか

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018092002000171.html
2018年9月20日【東京新聞・社説】

東京電力福島第一原発構内にたまり続ける放射性物質を含んだ大量の水。タンクの設置も限界と、政府は海への放出に前のめり。漁業者は反発を強めている。母なる海は受け止めてくれるだろうか。

水で薄めて海に放出-。シンプルで、わかりやすい解決法には違いない。でも本当に、それでよいのだろうか。

メルトダウン(炉心溶融)した原子炉を冷やすなどした汚染水には、多種多様な放射性物質が含まれる。そのほとんどは多核種除去設備(ALPS)で取り除くことができるという。

ただし、トリチウム(三重水素)は例外だ。性質が水素とそっくりなので、水から分離することができないというのである。ALPSで処理した後も、タンクを造ってため続けているのが現状だ。

トリチウムは放射線のエネルギーも弱く、生物の体内に入っても蓄積されない、とされている。だから、海に流せばいいと。

ところが、トリチウムは生物のDNAの中にまで水のごとく入り込み、遺伝子を傷つける恐れがあるとの指摘もある。

タンクの中に残った放射性物質は、トリチウムだけではない。

ヨウ素129やルテニウムが実際に検出されている。

原子力規制委員会は、このような物質も「水で薄めれば基準値以下になり、問題ない」との立場だが、本当にそうなのか。

思い出すのは、「公害の原点」といわれる水俣事件である。

原因企業による有機水銀の海への垂れ流しを政府が放置し続けたため、深刻な被害が広がった。

「海水の希釈能力は無限と考えたのは誤りだった」。事件に関係した高名な学者が、後に漏らした苦渋のつぶやきだ。水銀と放射性物質は同列にはできないが、不気味ではないか。

規制委は「海洋放出は唯一の手段」と言うが、政府側からは、薄めて大気中に放出したり、地下に埋設したりなど、“代替案”も提示されている。ただし、海洋放出よりも手間や費用はかかる。

このままでは廃炉作業に支障を来すという、東電側の主張はよく分かる。だが言うまでもなく、最も大切な“物差し”は人体への「安全」だ。「海洋放出ありき」は危うくないか。

放射線の影響は未知なる部分が多い。漁業被害の問題だけにはとどまらない。

議論はまだ、熟しているとは言い難い。

カテゴリー: トリチウム

9/9北海道の地震で奮闘 「セイコーマート」/休まずに営業 安心届ける/車から電気◆ガス釜で米炊きおにぎり/温かい食事 住民「助かる」/配送センターは自家発電◆従業員も使命感/04年台風被害教訓に災害対応整備【東京新聞・特報】

北海道の地震で奮闘 「セイコーマート」

 休まずに営業 安心届ける

  車から電気◆ガス釜で米炊きおにぎり

2018年9月9日【東京新聞・こちら特報部】

北海道を襲った最大震度7の地震の後、大規模停電などで大手コンビニチェーンの多くの店舗が休業を余儀なくされる中、地元の「セコマ」(本社・札幌市)が運営する「セイコーマート」が奮闘している。道内千百店舗のほとんどが店を開け続け、調理コーナーで温かい食料も提供。「神対応」「北海道の誇り」といった称賛の声が寄せられている。セイコーマートとはどんなコンビニなのか。今回の地震で強みを見せた理由とは。 (片山夏子、中山岳、榊原崇仁)

札幌市中央区の本社ビル下にある「セイコーマート南9条店」。震災後、近隣のコンビニやスーパーの各店舗が停電で店を閉める中、自動車から引いた電源でレジと、商品を清算できる小型端末機を作動させ、店を開け続けた。

八日昼、同店で豚井を買った同市中央区の本間有未子さん(三八)はネットでセイコーマートが営業していると知った。「地震の日はお菓子しかなかった。子どももおり、今回はお弁当があって本当に助かる。お肉なんて久しぶり。店を営業し続けてくれている従業員の方々に感謝です」

地震後、物流が滞り、パンやお弁当が手に入らない。そんな中、大活躍したのが店内調理コーナー「ホットシエフ」だ。ガス釜のある店舗では、地震直後から米を炊き、手作りのおにぎりを提供。その後、各店舗ごとに本来のメニューを徐々に再開させた。停電から回復した今、南9条店では作り立ての豚井、カツ井、フライドチキンが棚に並ぶそばから売れていく。同市豊平区の店を利用した三角則子さん(八一)は「温かい食事ができて本当に助かった」。南区の店を使った大学二年の霜田孝太郎さん(一九)は「家にあった冷凍食品を食べたら何もなし。おにぎりも出してくれて助かった。車で電源引いて店を開くなんて、セコマすげーって思った」。会社員奥田康博さん(四八)は「停電して街が暗い中でも店を開いて『どうぞ』と言ってくれた。どれだけ助かったか」と絶賛する。

函館市でも、突然の大停電に直面した人々の不安を物心ともに支えたのがセイコーマートだった。

函館新川店は市内全域が停電の中、六日は通常通り午前六時に開店。幸い、商品棚は崩れず、同店チーフの佐々木理恵さん(四一)はオーナーと相談して店を開いた。「地域密着型の店なので、自分がお客だったら、こんな時こそ開いていてほしいから」と振り返る。

開店と同時に客が押しかけ、パンやおにぎりはあっという間に売り切れに。暗くなる午後四時半まで、営業を続けた。

同店近くに住む主婦佐藤洋子さん(六七)は「地震後もあちこちでセイコーマートが開いていて、本当に助かっている」と話す。六日朝は同店で牛乳二本と食パン一斤を購入。翌七日夕方は停電で夕食が作れなかったが、セイコーマートの別店舗で、揚げたての豚カツ三枚や唐揚げを買うことができ、家族五人で温かい食事を食べられたという。

「開店前から駐車場はいっぱいで、お客が入り口前に集まっていた」と地震当日を振り返るのは函館石川店の店長・鈴木亜希子さん(四四)。午前八時に開店すると、通常の二倍近い八百人ほどが押し寄せたという。店近くに住む大坂純一さん(四八)は同日朝、非常食用に飲み物やカップ麺を買ったといい、「地震の日もいつも通り開いているのを見て安心した」と感謝した。

温かい食事 住民「助かる」

  配送センターは自家発電◆従業員も使命感

    04年台風被害教訓に災害対応整備

セイコーマートは茨城県に八十五店、埼玉県に十店(八月末現在)あるが、軸足は完全に北海道に置く。札幌市内に一号店ができたのは一九七一年で「日本にあるコンビニの中で店も早い誕生」とPRする。現在の道内店舗数でも他社をしのぎ、全道停電という事態にも、被害が大きかった厚真町、安平町、むかわ町以外の店舗約千五十店舗が営業を続けた。どうしてこんなことができたのか。

セイコーマートを運営するセコマの佐々木威知広報室部長はニOO四年、道内で猛威を振るい、広範囲で停電が発生した台風18号が契機だったと振り返る。

「店を開いたがバッテリーが無くなるとレジが使えなくなった。計算機でやるにも商品の値段が分からない。それをきっかけに災害対応を整えた」と説明する。 全店に「非常用電源セット」として、車から電源が取れるケーブルとレジの手元を照らせる発光ダイオード(LED)ライトとマニュアルを配布していた。地震後、ツイッターにも、社員や従業員の車から電源を取る店舗の様子が数多く投稿された。

被災者に温かい食べ物を提供したホットシエフは既に九百五十四店で導入済み。こうした取り組みは一九九四年から始めている。

東日本大震災時は、茨城県内の店舗が被災。その時は群馬から水を運び、店で米を飲いておにぎりを出した。「当時の経験があったので、ガス釜の店が結構ある。今回も地震直後はたくさんの人に行き渡るようにと、他のメニューは作らず、短時間で多く作れるおにぎりを提供し続けた」

物流にも強みがあった。今回の地震で、札幌配送センターは停電と商品崩れで一時配送が滞ったが、釧路配送センターは100%自家発電で継続的に稼働。同センターが備蓄する一カ月分の軽油の一部を札幌に回し、商品を配送した。

釧路配送センターは、東日本大震災後に見直された津波マップに基づき、一六年に高台に移転。その時、自家発電を設置したのも、災害に備えるためだ。「災害時にコンビニが物資供給の拠点になるといって、何とか店を開けたとしても物流が無ければ、物を提供できない」(佐々木部長)との思いが、今回の地震でずばり当たった格好だ。

さらに、店を開くには従業員が欠かせない。南9条店は二十四時間営業。相原聖子店長は地震当時自宅にいたが、倒れた食器棚の割れたガラスを処理し、二時間後には店に来たという。「困る人がいるだろうから、店を開け続け、できることをしようと思った」と話す。佐々木部長は「『家族を優先して』と言ったが、社員も従業員もパートの人もみな使命感を持ち、当たり前のように駆け付けてくれた」と感慨探げに話す。むろん停電中も開店していたコンビニはセイコーマートだけではない。だが、これほど道民が信頼を寄せていることについて、コンビニ研究家の田矢信二さんは「北海道とともに成長し、『おいしく』『安く』を実現してきたのがセイコーマート。もともと道民に愛されてきたので、皆さんが『まず行ってみよう』と思ったのでは」とみる。あまり報じられていないが、コンビニ事業以外でも底力を見せた。セコマは災害発生時の協力支援協定を北海道のほか、札幌市や紋別市など計十七市町村、陸上自衛隊北部方面隊、北海道電力などと締結しており、今回の地震後も北海道、札幌市や厚真町など八市町などに水、パン、おにぎり、カップ麺などを提供。自衛隊が厚真町でしている炊き出し用に必要なみそなど食材も用意した。

ネットでは多数の称賛が寄せられているが、佐々木部長はこう言い切る. 「普段われわれは道民に支えられている。地元のわれわれが一番この地に愛を持って、できることをやるのは当たり前のこと。特別なことはしていない」

((デスクメモ))
自宅の近隣にコンビニは八軒あるが、東日本大震災の時は、どの店も食料品が不足した。大規模停電が起きたら、確実により深刻な状態に陥る。そもそも災害時、コンビニ頼りではまずい。道民がセイコーマートに何を求めたのかを知り、どんな備えが必要なのか、ヒントにしたい。(典) 2018・9・9

セイコーマート南9条店=8日、札幌市中央区で

停電時の営業に使った車から電源を取る機器など

店舗内で調理した商品を提供する「ホットシェフ」=8日、札幌市中央区で

カテゴリー: 経済, 地震, 中日東京新聞・特報

9/6トリチウム水 海洋放出案に反発続々/専門家「DNA傷つける」/国側は固執「薄めれば安全」/責任 福島に負わせるな/ヨウ素129も検出 解明ないまま/保管限界論は説明不足【東京新聞・特報】

=======2018/09/07 文言修正===========

北海学園大経済学部の「浜田武士」さんのお名前は「濱田武士」とのこと。東京新聞の裕デスクはもっとちゃんと見て欲しい。

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あまりの腰の痛みにシップ貼って寝ようかと思ったほどで、深夜2時に目が覚めた位だったが、5時半に目覚めたら腰痛がヒュルヒュルとどこかへ飛んでいった。
「台風のせいじゃないよねー」なんて言いながら天気予報を見ようとテレビをつけたら、北海道で震度6強の大地震が3時過ぎにおこったとのこと。
瘴気ともいうべきあのズドーンとした電磁波も感じないから、多分本震が来ることはないと思う。

トリチウム水の特報部、やっと 東洋アルミニウムと近大のトリチウムフィルターのことが話題に上がった!

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福島第一のトリチウム水 「保管長引けば廃炉影響」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201809/CK2018090602000151.html
【東京新聞・社会】2018年9月6日 朝刊

 

東京電力福島第一原発で貯蔵中の放射性物質トリチウムを含む水の処分を巡り、海などに放出せずタンクで長期保管する提案が相次いでいることに対し、原子力規制委員会の更田豊志(ふけたとよし)委員長は五日の定例会見で「保管が長引けば長引くほど廃炉に影響が出る」と否定的な考えを示した。

海洋放出には地元漁協などから強い懸念が出ているが、更田氏はこれまで「現実的な唯一の選択肢」と主張してきた。この日も「現実的な議論を期待する」と述べ、あらためて政府や東電に決断を促した。

トリチウム水の貯蔵量は九十三万トンに上り、今後も年に五万トン以上のペースで増える見込み。経済産業省の有識者会議は海や大気中などに放出する五つの案を議論してきたが、先月末に福島県など三カ所で開いた公聴会では、現行や新設のタンクで長期保管するよう求める意見が多く出た。会議の山本一良(いちろう)委員長(名古屋学芸大副学長)は、今後はタンク保管の選択肢も加える意向を示している。

公聴会では、トリチウム水の人体への影響がほとんどないとされていることにも「一部は細胞に取り込まれ遺伝子を破壊する」などと批判が相次いだ。更田氏は「極端な議論は人を不幸にする。苦渋の決断をしなければ前に進めない」と反論した。 (宮尾幹成)

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トリチウム水 海洋放出案に反発続々

2018年9月6日【東京新聞・こちら特報部】

東京電力福島第一原発の敷地には所狭しとタンクが並ぶ。中には放射性物質を含む水が入っている。国側は、これを薄めて海に流そうと前のめりだ。とはいえ、8月末の公聴会では、当然ながら地元の人らから反発が相次いだ。怒りをかうと分かっているのに、なぜ「海」で処分しようとしているのか。放出したら健康や地域への影響はどうなのか。ほかに解決策はないのか考えた。 (中沢佳子、中山岳)

 

専門家「DNA傷つける」

 国側は固執「薄めれば安全」

 

「水産物の安心感をないがしろにし、漁業に致命的な打撃を与える」「風評被害を招く」。政府が福島県や都内で開いた公聴会で怒りの声が次々と上がった。

会では、福島第一原発の敷地内で保管されている水の処分方法について意見を聞いた。出席者はこの水を海に流すという案に猛反発した。トリチウムを含む、トリチウム水だからだ。なぜ、敷地内にこんな水があるのか。

福島第一原発では、事故で溶け落ちた核燃料を冷やすため、原子炉に水を注いでいる。この水が炉の傷ついた部分から流れ出し、地下水と混ざって大量の汚染水となる。浄化処理をしても、どうしてもトリチウムだけは残ってしまう。外に出せず、東電はタンクに入れて原発の敷地内で保管しているのだ。

タンクはびっしりと並び、これからも増える。ニO二O年末まで増設していく計画。そろそろ、スペースが限界を迎えようとしている。そんなこんなで、廃炉作業を進めるには、保管でなく処分が必要と関係者は考えている。

原子力規制委員会の更田豊志委員長は、安全なレベルにまで薄めて海に流す海洋放出を処分の「唯一の手段」と見解を示している。五日の定例会見では「タンク保管の長期化は廃炉を難しくする」と述べた。

政府の小委員会は一六年十一月から検討を重ねた。五つの案の中から、海洋放出が門限も有力と考え、公聴会の資料でも利点を強調した。東電広報室は「こちら特報部」の取材に「社としてどの方法がいいか考えは示さない。政府の方針に従う」と語った。

政府や規制委が「薄めれば大丈夫」と言わんばかりなのは、トリチウムの性質によるところが大きい。

水素の仲間で、大気中の水蒸気や雨水、海水など自然界にも存在する。水素と同じ動きをし、一度薄めれば薄まったまま。蒸留しても水と一緒に蒸発して、濃度は上がらない。生物の体内での濃度も確認されていない。放射線のカはセシウムなどより弱い。

それなら、確かに薄めてしまえば大丈夫な気もする。しかし、放射線医学総合研究所の元主任研究官で、国会の福島原発事故調査委員会委員も務めた崎山比早子氏は注意を促す。

「放射線のエネルギーは弱く、半減期も約十二年と比駆的短い。でも、水と同じくどこにでも入り込む性質があり、DNAにも入りこむ。あらゆる所から人体を傷つけ、害を及ぼす実際のカは大きいと言える」

実は、国内外の原子力施設では、トリチウムを薄めて海に放出している。ただ、崎山氏によると、トリチウムを出す量の多い原発周辺では、白血病の発症や新生児の死亡率が高まるとの研究論文もある。

「体内に入ってすぐ病気になるわけではないが、DNAを傷つけることは分かっている。人体、特に乳幼児への影響を思えば、少しでも取り込みを増やさないようにするべきだ。政府の言う「安全」は、リスクがゼロという意味ではない」と警告する。

 責任 福島に負わせるな

  ヨウ素129も検出 解明ないまま

   保管限界論は説明不足

 

敷地内で保管している水の一部には、他の放射性物質も残っている。トリチウムのことだけを心配すればいいのではない。

一七年度の測定結果では、半減期が約千五百七十万年のヨウ素129が一リットル当たり最大六二・ニベクレル検出され、法令基準値の同九ベクレルを上回った。半減期約三百七十日のルテニウム106(基準値一OOベクレル)が最大九二・五ベクレル、半減期約二十一万一千年のテクネチウム99(同一OOOベクレル)が最大五九・0ベクレル検出された。

規制委は、放出前に薄めれば、これらの放射性物質も基準値以下になり、問題ないとの見解だ。そうだとしても「科学的に安全なので海に流す」という議論ばかりでは、一般の人たちに受け入れられそうもない。

例えば、福島沖の魚。事故後、漁業者は試験操業を続け、水揚げした魚介類の放射性物質を検査し、安全を確認して出荷している。そうやって努力を重ねても、なかなか消費者の不安はぬぐえないでいる。さらに海洋放出が行われたらどうなるか。

「漁業をはじめ福島産の食材へのダメージが大きい。生産者がせっかく積み上げた信頼を揺るがす」と、東京都練馬区の食文化史研究家、永山久夫さん(八六)は指摘する。科学的な安全だけで消費者の理解が得られないのは、「人が食事で感じるうま昧には、産地や店の情報など頭で感じる要素もある」からだ。

永山さんは「原発事故で消費者の頭に刻まれた放射性物質への恐怖感は、なかなか消えていない」と語る。海洋放出をすると、その恐怖を生々しく思い起こさせてしまうと考える。

早野龍五・東京大名誉教授(物理学)も「海洋放出すれば、風評被害が容易に予想される。漁業関係者が反対するのは当然だ」という見方。「科学的に安全なことは大事だが、科学で解決できる問題ではない。全ての人が納得できる解はない」と述べる。

処理の道筋をつけるには、政治の役割が重要になる。早野さんは「水の永久保存はできないので、政治による利害調整が必要だ。福島の漁場を持続可能にして次世代につなぐため政府は漁業者らと向き合い、振興策を示す必要がある」と指摘し、国民的合意を得るため手続きを踏むよう促す。

その手続き、議論は尽くされているのだろうか。

公聴会はこれまで福島県郡山市と富岡町、東京都の三回。海洋放出への反対が噴出した。北海学園大経済学部の濱田武士教授(地域経済論)は、「広く国民から理解を得たとはとても言えない」と指摘する。

濱田さんは「そもそも福島の人々が納得すれば、トリチウム水を海に流せるかのような構図は、おかしい」と感じている。汚染水処理の責任を福島の人々に負わせることになりかねないからだ。やはり、大事なのは政府の取り組みだ。

「タンクが限界に近づいていることが、切迫感を持って説明できていない。政府が前面に出て責任を持って処理方法を示さない限り、『科学的に大丈夫』と言うだけでは、議論は進まないだろう」

そうやって政府が前に出た時、処分方法の選択肢は海洋放出だけなのか。

公聴会に出席した原子力資料情報室(東京都新宿区)の伴英幸共同代表(六六)は、最新の技術に注目する。期待するのは、近畿大などが開発したトリチウムの分離技術だ。アルミ製フィルターで高い効率でトリチウム水を取り除くことに成功した。

「こうした技術の実用化を目指した方が良い。少なくとも水にトリチウム以外の放射性物質がどれだけ含まれているかはっきりしないままでは、海洋放出はすべきではない。貯蔵を続けるべきだ」と求める。

(((デスクメモ)))
二0一一年十月、内閣府の園田康博政務官(当時)は記者の前でトリチウムを含む福島第一原発内の水を飲んだ。「飲んでも問題ないほどきれい」と説明していたからだ。それは事実かもしれないが、多くの人があきれ、愚行と批判した。科学的に安全だけで人は納得できない。(裕) 2018・9・6

東京電力福島第一原発敷地内に立ち並ぶトリチウム水などが入ったタンク

原子力規制委員会の更田豊志委員長は「海洋放出が唯一の手段」と繰り返しているが=東京都港区で

トリチウム水の処分を巡り、公聴会で意見を述べる住民ら=8月、福島県富岡町で

カテゴリー: トリチウム, 放射能汚染, 中日東京新聞・特報