9/29本日発売!!『「新聞うずみ火」連続講演  熊取六人組 原発事故を斬る』【岩波書店】

1月にもうすぐ本が出ますよとお聞きして、待つこと半年以上。
一昨年の「熊取6人組 連続講演会  2014うずみ火講座」の内容のはず、はたして瀬尾さんの分はどうなっているのでしょうね?

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http://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?head=y&isbn=ISBN4-00-022639

uzumibi_kumatori6「新聞うずみ火」連続講演  熊取六人組 原発事故を斬る

(岩波書店)

今中 哲二,海老澤 徹,川野 眞治, 小出 裕章,小林 圭二,瀬尾 健

■体裁=四六判・並製・カバー・192頁
■定価(本体 2,100円 + 税)
■2016年9月28日
■ISBN978-4-00-022639-4 C0036

いまだ収束しない福島第一原発事故の現状は?
放射能汚染とどのように向き合えばよいのか?
再稼働に向けた安全審査の問題点とは?
原発推進の真の狙いとは?

――「熊取六人組」として知られる研究者たちが,それぞれの視点から真実を語った連続講演会の記録.
主催は,大阪を拠点とする月刊「新聞うずみ火」.

カテゴリー: 講演会, 小出裕章, 上牧行動

【8/31】第86回福井県原子力安全専門委員会 議事概要

第86回福井県原子力安全専門委員会
http://www.atom.pref.fukui.jp/senmon/

議事概要
http://www.atom.pref.fukui.jp/senmon/dai86kai/giji.pdf

1. 日 時 :平成28 年8月31 日(水)10:00~12:40

2. 場 所 :福井県庁6階大会議室

3. 出席者 :
(委員)
中川委員長、三島委員、田島委員、西本委員、山本委員、大堀委員、望月委員、
田岡委員、玉川委員、釜江委員
(原子力規制庁)
地域原子力規制総括調整官(福井担当) 小山田 巧
安全規制管理官(PWR 担当)付 管理官補佐 関 雅之
安全審査官 中野 光行
(関西電力)
原子力事業本部 副事業本部長 大塚 茂樹
原子力保全担当部長 中野 守人
高経年対策グループ チーフマネジャー 南 安彦
電気設備グループ チーフマネジャー 今井 和夫
(事務局:福井県)
清水安全環境部部長、木村安全環境部危機対策監、坪川安全環境部企画幹、
野路原子力安全対策課課長

4. 会議次第:
・ 高浜発電所1、2号機の工事計画および運転期間延長認可について
・ 前回の委員会(5/13)における委員からの質問に対する回答

5. 配付資料:
・会議次第
・出席者および説明者
・資料 No.1-1
関西電力㈱高浜発電所1・2号炉の工事計画認可等について [原子力規制庁]
http://www.atom.pref.fukui.jp/senmon/dai86kai/no.1-1.pdf

・資料 No.1-2
関西電力㈱高浜発電所1・2号炉の運転期間延長認可の概要 [原子力規制庁]
http://www.atom.pref.fukui.jp/senmon/dai86kai/no.1-2.pdf

・資料No.2
前回の委員会(5/13)における委員からの質問に対する回答について[関西電力㈱]
http://www.atom.pref.fukui.jp/senmon/dai86kai/no.2.pdf
6.概要

○原子力規制庁より、資料No.1-1「関西電力㈱高浜発電所1・2号炉の工事計画認可等について」および資料No.1-2「関西電力㈱高浜発電所1・2号炉の運転期間延長認可の概要」を説明

(田島委員)

・ 今回の規制庁からの説明にはなかったが、前回(5月13 日)の委員会の後、熊本地震の状況が明らかになったり、元規制委員会委員の島崎氏による規制庁への大飯発電所の基準地震動の再計算の要請があるなど、様々な問題があった。

・ 基準地震動は非常に重要な問題でもあることから、規制庁にお願いしたい点を含めて申し上げる。

・ 私は、この委員会で、これまで何度も、設定されている基準地震動は安心できる科学的根拠がないと主張してきた。

・ 今年の6月に、原子力規制委員会の委員長代理であった島崎氏が、規制庁に対し、大飯1、2号機の基準地震動再計算の必要性を求め、規制庁は2度までも再計算を行った。

・ すでに規制委員会が審査を認容していながら、専門家の指摘を受けて再計算をするということは、審査が十分でなかったためであると考えられる。

・ 原子力発電所の基準地震動に関する審査は安全上の根幹であるので、十分に信頼できる審査ができていないのではないかと大変不安に思う。

・ この件について、いまだに島崎氏との意見の差は埋まっていないと聞いている。また、島崎氏以外にも、地質や防災の専門家や、元原子力安全委員会の委員など、関連した人々が基準地震動の策定にあたり、多くの問題を指摘しており、その多くは過小評価であるという意見である。

・ 私は、以前、この委員会で、現在採用されている基準地震動の計算は、どの程度、実測に裏打ちされており、信頼できるものなのかと質問した。その際、釜江委員は、兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)以降に計算手法は大きく前進したと説明された。

・ しかし、今回、島崎氏の主張により再計算となった事態は、計算方法は前進した面もあるが、地震に関する学会から全面的に支持する信頼されたものではないことを示している。また、規制委員会の田中委員長も、学会としての統一見解を作ってほしいと言っている。

・ 地震の予測は実験できないため、過去の事実に学ぶしかない問題である。1995 年の兵庫県南部地震から約20 年が経過しているが、結果を解析することはできても、信頼性の高い予測ができるまでには成熟していないと言えるのではないか。

・ 原子力発電所の基準地震動には、現在、最も曖昧さが少ないと考えられる計算方法を用いているとされているが、計算には多くの情報が必要であり、設定に曖昧さが含まれる。

・ この件について、曖昧さを安全側にとって計算していると主張されているが、安全であるという明確な根拠がない。このような基準地震動の導出の不確定さからくる危険性は、これまでに行われた原子力発電所の基準地震動の設定において、これは国会事故調査委員会の報告書にもあるが、過去10 年間に4つの原子力発電所で合計5回にわたり、基準地震動を超過するという事実に、はっきりと表れている。

・ また、熊本地震に関しても、ある識者は、(日本国内の)どこでも、同じような地震災害がいつ起こっても不思議ではないとおっしゃっている。

・ 原子力発電所周辺の活断層が全て見つかっているわけではない。地震が発生してから活断層の存在が判明した事例もある。

・ 以前にこの委員会で述べたこともあるが、基準地震動の計算に必要な入力情報を全て得るには、原子炉周辺の地面全体を、深さ数km にわたって剥ぎ取るという、人間には不可能な作業が必要になる。

・ 根本的欠陥は、地震が発生する地下深くの断層構造が、まだ明らかになっていないということ。日本独自の断層モデルができていないということである。

・ 原爆投下2回、原子力発電所の過酷事故1回と、原子力による大きな災害を3度も経験した日本では、絶対安全性を求めることが社会通念であると思う。

・ 原子力発電所が近くにあるか否か、原子力発電所の運転に賛成か反対かにかかわらず、過酷事故は2度とごめんだというのが圧倒的多数の意見である。

・ 日本は地殻変動が激しい環境にあり、原子炉の絶対的安全性を保障するための基準をつくる土台となる研究は、十分に信頼できるまでに至っていない。その上、地震の活動期に入ったのではないかと再び指摘されている。

・ 日本における原子力発電所の運転は適当ではないと考える。今、原子力発電所を使用するためには、2006 年以降、福島第一原子力発電所事故後も変更されていない基準地震動の策定方法を見直し、地震に関連する学会のお墨付きを得た科学的な策定方法を作ることができるかを検討すべきである。

・ 福島第一原子力発電所事故を踏まえた改定が、なぜ行われなかったかはわからないが、規制庁には、基準地震動の策定方法の見直しをお願いしたい。

・ 例として、神戸大学名誉教授の石橋克彦氏は、震源を特定して策定する地震動も本質的には知ることが不可能であるとおっしゃっている。

・ 日本において、地震が発生する地下深くの断層構造を明らかにして、日本で観測される地震動の最高値、これは柏崎刈羽原子力発電所で観測された1700 ガルということだが、これらを参考に、関連学会からお墨付きを得られる地震動の値を、全原子力発電所の基準地震動に適用することが適当ではないかと考えている。

・ 1700 ガルが適当であるかはわからないが、これらについて、規制庁にお願いしたい。
(原子力規制庁:小山田 地域原子力規制総括調整官)

・ いろいろご意見をいただいた。本日、基準地震動に関する担当が来ていないため、私が把握している範囲でお答えする。

・ まず、島崎前委員長代理の指摘に関しては、手法を変えて計算するようにという提案であった。規制庁で指摘を踏まえた計算をやってみたが、なかなか現実的な方法、あるいは、妥当な方法ではないという結論が得られ、最終的には島崎前委員長代理が言っていた内容というのが、熊本地震を踏まえて、ご自身が考えた疑問ではあったが、手法も含めて、学会でオーソライズが得られた手法ではないのではないのかということであり、新知見として捉えるのであれば、学会の方でしっかりご検討いただきたいということであった。

・ また、基準地震動に関しては、全原子力発電所共通の基準地震動を、という指摘もあったが、地震の発生は地域ごとに違っている。断層などの状況により変わってくるものであり、その場所々々によって決めるということが適当ではないかと思う。その手法については、これまでの知見に対して、不確実性という指摘もあったが、それらも十分考慮し、さらには、震源を特定しない地震動の設定も行っており、その中で行うことかと思う。
(中川委員長)

・ 基準地震動の審査に関しては、現状では今のままで行うということである。これまでも問題になっていたと思うが、震源を特定せずに設定する地震動により、不確定さを補充しているという考え方で、これまで規制庁で取り入れていると思う。現状はそういう考え方ということで。

・ もう一つは、地下断層が明らかにならない限り、という意見があったが、この点に関してはどうか。
(原子力規制庁:小山田 地域原子力規制総括調整官)

・ 新しい技術基準においては、三次元で当該場所を確認するようになっている。これは、例えば、これまでの浜岡や柏崎刈羽のサイトにおいて到達する地震動が違っていたという経験を踏まえ、三次元的に地下構造まで含めて確認するということになっている。

・ ご指摘の、さらに地下の深い所という話もあると思うが、最も基準地震動に影響してくるものは、やはり浅い所の揺れが、サイトに対して相当な影響を及ぼすと思っており、より影響の大きな所を中心に見ていくということだと考えている。
(中川委員長)

・ 深さという点では、例えば20km 深さになると、(基準地震動策定において)ほとんど考慮する必要がないと。

・ ただ、10km 程度や、田島委員が述べられた5~10km 深さについては、いわゆる震源断層帯として重要な領域だが、そこまで掘り調べるのは不可能である。現状では、地表近く、2~3km の地盤を調べて、地震動の減衰状態を考えるという状態になっており、それ以上はなかなか進めないと思う。規制庁もそういう考え方だと思う。
(田島委員)

・ 規制委員長も、学会から統一した見解を出してほしいと言っている訳であり、地震学会等いろいろあると思うが、学会のお墨付きがあり、初めて安心できるというか、日本の科学技術としては安心できると思う。そのあたりを浅い所でしか影響しない等、独自に判断するのはおかしいと思う。そのようなことを行うと、様々な人から意見が出てくるため、きちんとした判断をしていただきたいと思う。
(中川委員長)

・ 浅い所の影響しか出てこないということではなく、浅い所の地盤を詳細に調べ、いわゆる地震波の減衰定数が正しく評価されているかどうかが重要であると思うが、このあたりについて、学会では議論されているのか。
(釜江委員)

・ 田島委員が述べられたことについては、中身的には正しい所もたくさんあったし、「曖昧さ」という言葉を使われたが、自然現象であり、不確かさがある。少し事実誤認もあったかと思うが、私が答える話ではなく、規制庁も今日担当者が来られていないということであり、そのあたりは後日クリアにしていただきたい。これは、県民や国民の不安につながるところであり、少しでもクリアにしておいた方が良いと思う。

・ 規制委員長も、学会の見解を、という意見があったが、これは、レシピの是非の話であると考えている。島崎前委員長代理は、当初、熊本地震を引用されて大飯サイトは過小評価だと。あるスケーリング則の使い方が悪いということもあり、それは規制委員会で対応されたが、少し事実誤認があったりした。また、熊本地震からまだ4か月しかたっておらず、国の方もまだ活断層関係の調査をしている。レシピについては、規制基準の規則ではなく、地震調査研究推進本部のような科学的な観点からの枠組みの中にあり、少しそれを見直すことがあるのかということも含めて、新たな知見を得ようということで、地震調査研究推進本部を含め、現在検討しているところだと思う。

・ それとともに、学会レベルでもいろいろ発表されており、新知見が出れば、規制委員会も反映するということは前回の委員会でも規制庁から説明があり、当然の話だと思う。

・ そのあたりも含めて、今回の結果だけで、まだ、我々のやっている枠組みが変わるということにはなっていないと私は思っているが、もう少し議論を深めて、考え直すべきところがあれば、レシピや最終的には規制委員会の規則にも反映させ、知見として導入していくことは必要だと思う。

・ 学会の総意として、この方法論を、100 人が100 人賛同する方法というのがどうなのか。不確かさが存在する中で、統一見解を出すのは、学会の役割ではないと思う。学会の中で個別に行っていることについて、出てくる情報を取り込んでいくということは当然あると思うが、それを一つの枠組みにしていくということは、学会の役割ではないと思う。このため、学会として(見解を出す)ということにはならないと考えている。
(中川委員長)

・ 地震動の問題は、常に大きな問題になるが、現状ではまず、露頭している活断層の評価を行うということが1点。また、それだけでは、まだいろいろな不確かさがあるため、いわゆる震源を特定しないという形で、さらに基準地震動の設定を強化するということになっている。

・ 不確かさがあるということは、皆、認めているわけだが、その意味では、リスクゼロというのはあり得ない。リスクの問題を考えるときは、リスク競合を常に考えておく必要がある。
(山本委員)

・ 資料No.1-2 について、3点伺いたい。

・ まず、今日説明いただいた経年劣化に関する検査等については、今までに確立された方法を用いているという意味では妥当かなと思う。ただ、美浜3号機の二次系配管の破断があったことを覚えておられると思うが、検査の見落としが起因であった。原子力発電所は、コンポーネント数がかなり多いため、品質管理が重要になると思うが、その点について、審査の中でどのように確認されたのか教えていただきたい。

・ 2点目は、今回ご説明いただいたのは、従来からあるコンポ―ネントが今後20 年間でどのように劣化していくか、それをどう保全するかについて、話をしていただいたと思う。今回様々な設備を追設しており、どのように経年変化していくのかについて経験がないものもあると思う。それらについては、先ほど10 年毎の定期安全レビューの話もあったが、どのような形でモニタしていくのか、考えがあれば教えていただきたい。

・ 3点目は、先ほども最新知見の話があったが、米国等で高経年化プラントの運転経験がかなり積まれているはずで、最近の知見で考慮すべきものがあったかどうか、情報を収集しているかも含めて、教えていただきたい。
(原子力規制庁:関 管理官補佐)

・ まず1点目、美浜3号機の事故があったが、現状保全に関する品質管理の点だと思う。私自身、美浜3号機の事故については、現場調査等々担当しており、その観点から見ると、当時見落とした点があったのではないかと。その中で、現状保全をしっかりやっていくためには、品質管理が大切ということは私も痛感している。

・ 今回の審査の中では、劣化評価していく上では、現状保全がどのように行われているのか、その結果を踏まえて評価をしているかということが大事だと思っており、主にこの審査の中で、現状保全がどのように行われているのかということについて、保全プログラムの保全計画の計画表を確認したり、その履行結果を確認したりすることにより、その状況を確認した。

・ 保全については、美浜3号機の事故の後に、当時の保安院で、保全プログラムを導入し、保全計画をしっかり立てていくということを法制化しており、これ以外の部分においても、定期安全管理審査等、また別の観点から、保全を適切な時期に設定しているのか、行われているのかを見ているというのが、規制上の立付けであると考えている。

・ 2点目、追設設備が今回多いという指摘については、我々もまずは工事計画の中で、設備が決まっていくところをよく確認しながら、運転延長も審査を行った。基本的には、設計上どうなのかということは工事計画で扱われており、そちらの審査になるが、新しく追設した設備は、劣化ゼロの状態から、どのような状況で劣化していくのかというところを当てはめていくことが重要かと思う。

・ 新設する設備についても、同じような劣化を当てはめていき、どうなのかということを審査の中で確認し、概ね現状の劣化の知見の中で扱えるのではないかと評価結果の中で出ており、その妥当性についてもそういうことだと考えている。

・ 審査の中では、そのように扱った上で認可しているが、今後については、やはり新しいものであり、今評価したものが、どのように範囲内で劣化していくのか、合っているのかということは、確認していくことが大事であると考えている。その中で、今後の状況については、検査等で確認していく。

・ 最新知見の反映については、運転延長のガイドにおいて、まず事業者に何を反映したのかを要求している。この点については、事業者から説明していただきたい。規制側で、知見を反映した規制基準にしている点を挙げると、先ほども出てきた、PTS(加熱熱衝撃)評価のところで、最新のJEAC の知見を踏まえた改定をし、それを要求事項としているという点が主に最新知見を反映したところである。

・ また、事業者に求めた内容が、現在、我々が把握している技術情報から見て、反映すべき情報が入っているかどうかを確認したということである。
(田島委員)

・ 前回の委員会において、高浜1、2号機では、溶融した燃料が原子炉容器の下に落ちることを想定し、原子炉下部キャビティへの注水設備を設置するという説明があった。

・ 重大事故等により炉心の冷却機能が喪失し、炉心温度が1,000℃を超えたところでジルコニウムの被覆管が溶け出し、2,800℃で燃料ペレットが溶けるとされており、鉄の融点が約1500℃であることから、燃料ペレットが溶け落ちると、原子炉容器も溶け出し、溶融炉心が下へ落ちることになる。

・ それを想定して、あらかじめ下部に水を注入するということだが、心配なのは、水蒸気爆発を起こさないかということと、PWR の事故進展は非常に早いと思っており、これに起因することだが、ジルコニウムと水の反応による水素が短時間で大量に発生と考えている。

・ 仮に、ジルコニウム全量が水と反応した場合、水素爆発が起きない基準値以下に収まるのか、また、水素の発生スピードにもよるが、イグナイタを用いることで、水素爆発を回避できるのか。

・ 水素爆発は福島第一原子力発電所事故において非常に大きな影響を及ぼした事象であり、審査の過程で規制庁も水素の発生量は計算されていると思うが、どのような結果になっているのか。
(中川委員長)

・ 田島委員のご質問は、下部キャビティへの注水により原子炉容器から落下した燃料を冷やすこととしているが、高温の燃料が溶け落ちた場合に、いわゆる水蒸気爆発の恐れがあるが、その点はどのように評価されているのかというのが1点。

・ もう1点は、PWR は非常に進展が早いというのは、必ずしもそうではなく、BWR の事故進展と比較した結果、同じ程度になるというデータがあるが、それはそれとして、水素爆発に関して、どのように考えているのかということだと思う。
(原子力規制庁:小山田 地域原子力規制総括調整官)

・ 手元に用意している資料では、下部キャビティに注水を行う場合の手順等は記載しているが、ご指摘いただいた水蒸気爆発に関する内容を確認できないので、後日、確認した上で、改めて回答させていただく。

・ イグナイタを用いた水素の燃焼効果に関しては、水素の放出量を考慮した評価が行われているが、具体的な内容については事業者の方から回答いただきたい。
(関西電力:大塚 副事業本部長)

・ ジルコニウムと水との反応により発生する水素への対策については、イグナイタによる燃焼に加え、電源を必要としないPAR(静的触媒水素再結合装置)を設置している。

・ これらの水素低減効果に関する具体的な数値は、現在、手元にないが、保守的な評価を行った場合においても、水素濃度は7~8%程度に抑えられることを確認しており、定量的に、水素爆発を起こすことはないと評価をしている。

・ イグナイタについては、格納容器内に、予備を含めて13 個設置しており、様々な要因による水素の発生に対応できる設備構成となっている。
(中川委員長)

・ 今まで聞いてきたところによると、イグナイタや触媒式の再結合器を使わなくても、格納容器の大きさから、全ジルコニウムが水反応を起こし水素が発生したとしても、水素の爆轟領域には至らないと聞いていたと思う。
(田島委員)

・ ジルコニウムが100%反応しているということか確かめていただきたい。
(中川委員長)

・ 使っているジルコニウムの全量が分かるため、それと水が反応した時に、どれだけの水素が発生するかは計算で分かる。その結果と、格納容器の体積の比較から、爆轟領域には入らない。しかし、そのまま放っておいたら危険なので、やはり触媒式の再結合器とイグナイタを使って、水素濃度を減らす。

・ もう一つは、それが、建物に溜まらないよう、アニュラス部を通して外部に放出する機構を持っていると理解しているが、それでよろしいか。
(関西電力:大塚 副事業本部長)

・ そのとおりである。格納容器から漏れてきた水素については、アニュラス部のファンを強制的に回し、フィルタを通すことで屋外に排出することとしている。
(中川委員長)

・ 水蒸気爆発に関してはどうか。
(関西電力:大塚 副事業本部長)

・ 水蒸気爆発に関する評価については、手元に資料がないが、おそらく圧力条件が低いため、溶融炉心が下部キャビティへ落ちたとしても、蒸発して当然水蒸気は発生するが、爆発することはないと認識している。これは、確認して、後日回答する。
(中川委員長)

・ 水蒸気爆発を起こす条件があると思うが、そのあたりを説明いただきたい。
(関西電力:大塚 副事業本部長)

・ 了解した。
(田島委員)

・ 先ほど、劣化状況評価の中性子照射脆化について、5月の委員会の資料とは言葉が違う。「破壊靭性値」と「破壊に対する抵抗力」、これは多分同じものだと思うが。

・ 一番気になるのは、100℃くらいの温度のところで結構近いこと、おそらくコンピュータ計算だと思うが、モデル計算ではないので、必ず精度の低い入力を入れたりすると思う。その際、必ず誤差が出る。このため、今回新しい評価手法で実施したとのことだが、こういうものがデータとして表されるときは、誤差がどの程度入っているのかということが分からないと、100℃の値のところで、2つの応力拡大係数とどの程度近いのかが評価できない。

・ 要するに、理論物理の現象解析家であれば、これにエラーバーを付けて判定するが、不確定性の範囲はどれくらいなのか。
(原子力規制庁:中野 安全審査官)

・ この件に関しては、先ほど申し上げたとおり、新しい評価方法を用いており、様々なばらつきを考慮し、より安全側にみた評価を行っている。また、破壊靱性値の曲線は、下限包絡線となっており、様々なばらつきを考慮しても、これ以上は低くならないという曲線を表している。
(関西電力:南 高経年対策グループ チーフマネジャー)

・ 田島委員からご指摘のあった破壊靭性値、これはKⅠc と呼ばれており、分かりやすく破壊に対する抵抗力と称しているものである。また、KⅠc の曲線は、(監視試験片による観測結果を)60 年時点までシフトさせ、予測値として評価している。

・ 先ほど、規制庁からも説明いただいたが、60 年目の破壊靭性値の曲線は、最新のJEACに基づき、更にマージンを取り、保守性を考慮した評価となっている。

・ また、き裂の先端に作用する応力拡大係数側の評価に関しても、保守性を持った評価を行っており、60 年の今時点の脆化に対して、一定の保守性を確保したPTS の評価により、健全性を確認している。
(田島委員)

・ 1号機と2号機の運転開始時期は1年しか差がないということだが、関連温度は97℃と50℃、上部棚吸収エネルギーは65J と104J と、大きな差がある。号機ごとにこのような差が生まれるのはどういうことか。

・ また、上部棚吸収エネルギーが68J以下の場合は、き裂進展評価を別に行うということはどういうことか、別の評価により安全性を確認するということか。
(原子力規制庁:関 管理官補佐)

・ 関連温度や上部棚吸収エネルギーが号機ごとに異なる理由に関しては、簡単に言うと、運用開始時点から既に差があったということである。

・ 40 年前の時点で脆性評価を行っているが、上部棚吸収エネルギーは、高浜1号機が98Jで、高浜2号機が141Jであったということを確認しており、それが、これまでの運転により、65J、104Jという値になったということである。

・ 当然のことながら、使用前検査において、これらの試験結果が技術基準をクリアしていることを確認しており、基準はクリアした上で、このような違いがあったということが要因であると考えている。

・ また、上部棚吸収エネルギーが68Jを下回った場合の評価については、資料No.1-2 の15 ページにおける「主な要求事項」に記載している通りであり、上部棚吸収エネルギーの評価で68J以上であるかを確認するとともに、68Jを下回った場合には、「延性き裂進展性評価」、「き裂不安定性評価」、「欠陥深さ評価」等を行い、要求事項を満足することを要求している。

・ これに関して、1号炉は、上部棚吸収エネルギーが65Jと評価されたので、前述した4つの評価を行い、要求事項を満足していることを確認したということである。
(田島委員)

・ き裂進展評価がよければ、65Jでも問題ないということか。
(中川委員長)

・ 68J以下の場合は、この4つの評価を行い、要求事項を満足すれば良いという認識でよいか。
(関西電力:南 高経年対策グループ チーフマネジャー)

・ 資料No.2の参考資料の11 ページをご覧いただきたい。

・ 原子炉容器の照射脆化に関しては、大きく2つの事象があり、一つは脆性遷移温度、いわゆる関連温度が上昇すること、もう一つは高温域の十分靭性のある領域における吸収エネルギー、いわゆる上部棚吸収エネルギーが低下することである。

・ 資料No.2の参考資料の13 ページに関連温度の上昇の様子を図示しているが、先ほど規制庁からも説明があった通り、初期から靭性値の違いがあり、その後、1、2号機とも4回にわたり監視試験片の評価を行い、関連温度の推移を確認している。

・ その上で、最新のJEAC に基づく予測曲線を図示しているが、初期値が違うことや、原子炉容器の銅含有量等の照射脆化に影響する因子が異なることから、関連温度の上昇傾向が異なっている。

・ また、非常に専門的な内容になるが、上部棚吸収エネルギーに関して、16 ページに記載している。まず、上部棚吸収エネルギーが68Jを超えていれば、高温域での靭性が十分にあるということで、問題ないという評価になる。一方、68Jを下回った場合は高温域の靭性値が落ちているということで、規格に基づいて弾塑性破壊力学評価手法を用いて評価をしている。

・ そこに、3つのJ積分に基づく破壊力学評価の結果を記載しているが、供用状態「A、B」といわれる状態、あるいは、事故の荷重が働くような供用状態「C」、「D」において、原子炉容器に欠陥があると仮定した上で、高温域での荷重に対して、材料の耐性から弾塑性破壊力学的な評価を行い、原子炉容器の健全性が十分であることを確認しているということである。

・ この評価によって、延性き裂がどれくらい進展するかについても、詳細な評価を行っているということである。
(三島委員)

・ 原子炉容器の中性子照射脆化に関する検査が行われたということで、山本委員のご指摘にも関連する内容だが、完璧な検査ができないことも考えられる。例えば、小さな欠陥を見落とす可能性もある。

・ 超音波探傷などの検査方法や設定方法にもよるが、検査機器、検査手法の検出感度によっては、大きな欠陥であっても見落とす可能性があると仮定し、PTS の評価で見落とす可能性のある大きさの亀裂が進展した場合を考慮すると、どのようになるのか。そのあたりの内容はどのように取り扱われているのか。
(関西電力:南 高経年対策グループ チーフマネジャー)

・ まず、通常の定期検査では、溶接部を中心に超音波探傷検査を行っている。また、今回初めて、炉心領域の母材部全域に対して検査を行った。

・ 超音波探傷検査では、内面の浅い欠陥を検出できる斜角の超音波探傷装置を用いているが、検出の感度は、クラッドの表面から3.8mm の欠陥が検出できるというものであり、過去の国プロジェクトでも検証された手法ある。

・ これにより、5mm の欠陥は十分に検出できるとして、評価を行っている。その上で、PTS においては、原子炉容器の内表面に深さ10mm 欠陥があると仮定し、事故時の冷却水が注入された場合でも、健全性が確保されることを確認している。

・ また、非常に小さい、あるいは5mm 程度の小さい欠陥に関しては、通常の運転による60 年で想定される過渡変化を用いた評価を行った場合においても、疲労き裂の進展量は非常に小さくなることを確認している。
(三島委員)

・ 長期保守管理方針に関して、今回、40 年目の評価ということで、新たな長期保守管理方針が策定され、保安規定に反映されたということだが、今回の評価で、30 年目の長期保守管理方針に改めるべき点があったのか。

・ もう1点、山本委員の指摘にも関連するが、新規制基準対応として、既設の設備に新しい設備を追加することに関して、設計上の条件が変わることを考慮した評価を行い、期待通りの機能を発揮できることを確認していただきたいと、これまでの委員会でも申し上げてきた。

・ それに加えて、今回、高経年化対策ということで、新規制基準適合性審査における議論と同様に、運転期間延長認可において審査した内容を考慮しても、設備が期待通りに動くことを、今後、どのように確認されるのかお伺いしたい。
(関西電力:南 高経年対策グループ チーフマネジャー)

・ 30 年目の高経年化技術評価との比較に関しては、前回の委員会においても説明したが、基本的には、30 年目時点の長期保守管理方針を振り返り、大きな問題点や改善が必要な点はなく、10 年前に計画し、保安規定に記載した内容を適切に実施できたと理解している。

・ また、今回、照射脆化に係る規格やケーブルの絶縁低下に係る最新のデータを踏まえた評価など、この10 年間における最新知見の反映についても盛り込んでおり、次の10年、20 年で実施する新たな長期保守管理方針を設定したということである。

・ また、今回の高経年化技術評価では、既設の設備だけでなく、新たに設置する設備の、今後の20 年における劣化状況評価をしっかりと入れ込んで、延長認可申請を行っている。

・ 先ほど、規制庁からも説明があったが、新しい設備において想定される劣化モードを洗い出し、60 年時点までに想定される腐食や疲労等について確認している。

・ その上で、今後、長期保守管理方針が機能していることを確認していくとともに、我々が想定していない劣化が起きていないか等について、日常の管理や定期的な検査の中で確認していく。

・ 例えば、水素再結合装置など、新たに設置した設備についても、定期的な検査で機能が劣化していないことを確認するとともに、材料の劣化状況等も含め、日常的な管理の中で、劣化や異常が発生していないことを確認するとともに、それらの知見を蓄積し、今後の保全活動に反映していく。
(三島委員)

・ 設備の重要度の考え方について、既設の設備と新たに追加する設備とでは、設計上の重要度の位置づけが異なることがあると思うが、機器の重要度分類などに矛盾するところはないのか。

・ 例えば、安全上重要な機器として位置づけられていた設備に重要度の低い機器を取り付けて、そこが不具合の原因になるということはないということでよいか。
(関西電力:南 高経年対策グループ チーフマネジャー)

・ 劣化状況評価に関して、従来の高経年化技術評価では、安全上重要な機器に加え、高温あるいは高圧の系統機器等を対象としてきた。

・ 今回は、新規制基準を踏まえて、例えば重大事故等対処設備のうち恒設設備に属するものについては、小さい設備を含めて対象としている。また、耐津波安全施設や浸水防護施設等についても対象設備として評価を行っている。

・ 一方で、可搬設備や、定期的に取り替える設備については、高経年化の評価から外しているものもある。
(三島委員)

・ 逆に、今回の対策で、重要度の低い系統に重要度の高い設備が取り付けられたということはないのか。
(関西電力:南 高経年対策グループ チーフマネジャー)

・ 新規制基準において、事故の観点からクラスが上がっている設備も対象設備に含めており、基本的には、すべての恒設設備を対象とした評価を行っている。
(西本委員)

・ 今回は高経年化プラントの評価ということで、従来から評価されている劣化事象に加えて、耐震・対津波性の信頼性評価をされたことが特徴であると認識しているが、この評価を行う際、これまでに問題視されてきた劣化事象との重畳で起こる問題点についても評価されたのか確認したい。

・ 例えば、2相ステンレス鋼の熱時効脆化に関して、材料が極度まで劣化した場合、貫通記録まで同定して延性破壊しないということであったが、この時の外部応力については、地震による振動時の応力を考慮した評価が行われているのか。
(原子力規制庁:関 管理官補佐)

・ 耐震安全性評価については、添付資料として配布している「高浜1号炉の114 条への適合性に関する審査結果」の28 ページに記載しており、事業者に対し、「応力等評価」や「想定き裂(欠陥)に対する破壊力学評価」など、大きく4つの評価を求めている。

・ この中で、29 ページの「2.2.9.2」の(1)における2ポツ目に、「評価対象機器・構造物の抽出は、耐震安全上考慮する必要のある劣化事象に該当する機器・構造物」としている。また、(2)①における3ポツ目に記載しているように、「中性子照射脆化や熱時効等の靱性低下を伴う劣化事象」を入力条件に含めた評価が行われている。
(西本委員)

・ その場合、「材料が最大まで劣化が進行した」という状態は、具体的にどのような劣化を想定しているのか。
(原子力規制庁:中野 安全審査官)

・ 熱時効に関しては、これまでの研究成果からすると、ある程度まで進行すると飽和することがわかっており、運転時間にかかわらず、その材料が持つ最大の時効時の靱性低下幅を想定した評価を行っていることを確認している。
(田島委員)

・ 地震に関連して、熊本地震では大きな地震が何度も繰り返されたというのがあるが、今回の規制庁の審査の中に、熊本地震のような地震が何度も繰り返されることについての対策や、正確には分からないが、長周期地震動が熊本地震で大きかったという話があった。長周期地震動の場合、大きな建物への影響が大きいため、そのあたりについてどのように反映されているのか教えていただきたい。
(原子力規制庁:関 管理官補佐)

・ 地震の影響だが、まず疲労評価のところで、どのくらいの地震力が入るかということだが、基準地震動を基にした評価であり、長周期側も考慮して基準地震動の中に含まれているという考え方で、評価を求めており、それに従い審査を行っている。繰り返しの地震動について、熊本地震のような地震がどのようにくるのかというのと、この若狭サイトでどのような地震がくるのかということがあり、一概に熊本地震と比較するのは適当とは思っていないが、基本的な考え方としては、原子炉施設は基準地震動に対して、かなり低いところでトリップ設定値をかけており、ある程度の大きさの地震により止まることになっており、それに従い、基準地震動に応じた耐震の評価を求めている。

・ また、トリップ設定値に満たないような地震動が加わった場合は、基本的には疲労評価で考えると、応力がそれほど大きく加わるはことはないと考えている。
○関西電力より、資料No.2「前回の委員会(5/13)における委員からの質問に対する回答について」を説明

(田島委員)

・ 難燃ケーブルの話について、5月の委員会によって事業者から出された資料に基づいているのだが、難燃ケーブルの評価期間というのがあり、ループ室のケーブルの評価期間は106 年とあるのだが、106 年保つという意味だと思うが、劣化の仕方というのは、毎年一定の割合で劣化するとは限らないため、例えば40 年を過ぎたら、もう完全に劣化しているということもあると思う。そのような可能性はないのか。それから、私は分からないが、106 年という長い時間の絶縁低下をどのように計測したのかを知りたい。

・ もう一つは、この前の委員会で質問したことに対し、今回の資料ではっきりしたが、計測ケーブルが防火シートと複合した複合ケーブルになっている。イグナイタに繋がるのは計測ケーブルの中にあるのか。要するに、計測ケーブルは原子炉の中のパラメータを探るものであり、イグナイタに繋がっているもの等、他の様々なデータを探るためのケーブルが、事故のときに断線すると復旧が非常に困難になるのではないか。事故のときは、PWR の場合、たかだか30 分ほどの争いだと思うが、計測ケーブルの復旧は、それほど早くできるのか。

・ もう一つ、防火シートの中の温度はどの程度上がるのか。設計基準事故を想定した試験では最高190℃とされていると、前のデータに出ていたが、190℃というのは低く、200℃、300℃となるのではないかと思う。
(関西電力:南 高経年対策グループ チーフマネジャー)

・ 最初の質問の劣化の評価だが、資料No.2の参考資料の5、6ページで説明させていただく。規制庁からの説明にもあったが、ケーブルの評価が5ページにあり、長期健全性試験を実施しており、その結果も踏まえて、どの程度大丈夫かということを評価する。健全性試験は通常運転時の熱と放射線により徐々に絶縁抵抗が低下していくことを考慮して、その上で、さらに事故時の放射線と熱に対して急激に絶縁性能が落ちるというところも併せ持って評価を実施している。

・ 5ページのフローチャートの一番上で、熱と放射線を同時にかけて加速させた評価を実施しているが、ここでは100℃あるいは94.8Gy/h、こういうものを長期的に徐々に劣化していく条件として、確認している。この条件をアレニウスの式等を用いて、通常運転中は40℃以下という条件だが、実際のケーブルが置いてあるところの温度、放射線量を用いて評価期間を評価している。

・ 田島委員から指摘があったように、1号機は、6ページのように評価しているが、上段の1号機の評価結果では、加圧器室上部にあるケーブルでは99 年くらい、2号機は100年以上が評価期間となっているものもある。この評価期間は、運転開始からの年数として表示しているが、先程の試験などを踏まえ、各ケーブルがおかれている温度、放射線量、放射線量は低いところが多いが、徐々に劣化している期間を評価している。この評価結果として、ケーブルのリプレースなども考慮して評価しているが、先程の赤で書いてあるように、54 年目までしか試験で確認できていないということで、54 年目までに取替えると、2号機には47 年までというものがあり、実際には今、停止期間中に取替える計画であるが、この期間までに取替える必要があると我々が評価しているものである。そのような試験も踏まえ、徐々に劣化しているものを評価している。
(関西電力:今井 電気設備グループ チーフマネジャー)

・ イグナイタのケーブルについての質問について、まず先程、大塚から説明をしたが、水素の発生に対しては、静的なもので水素除去をするもの、さらに電源を用いて除去するイグナイタを設置している。先程、先生も話をされたが、実際に電源を用いるため、電源ケーブルと計装ケーブル、制御ケーブルというものがある。こちらは新たに今回設置するものであり、格納容器内にあるため、電線管の中に入れて難燃ケーブルを敷設するという形をとっている。

・ 当然、普段からケーブルの絶縁抵抗の確認等をおこなうが、イグナイタを13 個設置しており、これらについて、すべてが全部断線等することはないと思う。そういうことがないように日常から定期点検等を実施していく。また、190℃という話があった。参考資料の5ページ目、先程、南が説明をしたように、実際に格納容器が事故が起こった時に、格納容器の中の温度が190℃になるという形で試験をしている。実際の設計温度では、122℃程度にしか上がらないが、実際に事故が起こったときに、ケーブルの電気的機能が維持できるかどうかということに関しては、この190℃の温度を使って試験をしている。少し誤解が生じているかと思うが、実際にシートを巻いて、燃やしたときにどのような感じになるかというと、同じ資料の4ページ目になるが、これは非難燃性ケーブルをシートで巻いている。実際にシートを巻いた中のケーブルが燃えたらどうなるかという試験をしており、これについては、ここに書いてあるように、マイクロヒーターで650℃まで上げ、中のケーブルを燃す。試験した結果、中の炎が外に出てこないことを確認しており、中のケーブルが燃えたときはこのような形になる。事故時の試験の温度と、中のケーブルが燃えたときの温度というのが少し分かりにくい説明になったかと思うが、このような形で区分けしている。
(田島委員)

・ 防火シートに包まれたケーブルというのは、イグナイタにはつながっておらず、全て計測値用のものばかりということか。
(関西電力:今井 電気設備グループ チーフマネジャー)

・ 先程も申し上げたが、イグナイタは電源が必要になるため、電気を送るケーブルは、先程の本文の2ページで言うと、電力ケーブルと我々は呼んでいる。
(田島委員)

・ 理解した。計測ケーブルの中には、計測に関するものばかりだと、1、2本切れることがあるかもしれないが、問題ないということか。また、106 年の長い評価時間というのは、放射能の累積で測っているということか。
(関西電力:南 高経年対策グループ チーフマネジャー)

・ そうである。各ケーブルの放射線量と熱の累積で行っている。
(田島委員)

・ 徐々に低下するのであり、106 年と評価したものが、途中40 年ですでに十分低下している可能性はないということか。
(関西電力:南 高経年対策グループ チーフマネジャー)

・ 通常運転での徐々に低下しているもので、ここまで確認できていると評価している。
(田島委員)

・ 低下している可能性があるのか、ないのか。
(関西電力:南 高経年対策グループ チーフマネジャー)

・ 我々としては、通常運転だけで絶縁機能がここまで悪くなるということは考えていない。100 年と長いがそのような状況で、さらに事故で低下することがあっても大丈夫という評価をしている。
(田島委員)

・ それは分かるが、結局40 年ですでに十分低下している可能性はないということか。
(関西電力:南 高経年対策グループ チーフマネジャー)

・ そうである。絶縁抵抗の性能という面では大丈夫と評価している。
(田島委員)

・ 防火シートの中の温度は100℃ちょっとであり、190℃になることはないのか。
(関西電力:大塚 副事業本部長)

・ ヒーターでケーブルを650℃に加熱しても、内部の火炎が防火シートから露出することがないことの確認結果を、4ページ目では説明している。
(田島委員)

・ それは理解した。
(関西電力:大塚 副事業本部長)

・ 5ページ目の190℃というのは、耐環境温度である。事故が発生し、格納容器内の最高温度が190℃、集積放射線量が1500kGy になったことを想定した上での耐電圧試験で、健全であることを確認したということであり、この190℃というのは防火シート内の温度とは、関係ない。
(田島委員)

・ しかし、設計基準事故試験条件の中の最高温度は190℃とされているが。
(関西電力:大塚 副事業本部長)

・ これは、防火シート内ではなく、格納容器内の雰囲気温度が190℃の想定ということである。
(田島委員)

・ 理解した。
(関西電力:大塚 副事業本部長)

・ 防火シート内火災の耐延焼性試験を650℃で行っているというのが4ページ目になる。
(田島委員)

・ 計装用のケーブルなどが、防火シートの中で破断した場合、どの程度の時間で修理可能なのか。
(関西電力:今井 電気設備グループ チーフマネジャー)

・ 破断している場所によるが、ケーブルの引き替えという形になると思う。

・ 先程も説明したが、重大事故等対処設備は多重性を有しており、本当に事故が起こった場合は、他のイグナイタ等で対応をすることになると思う。

・ 実際に事故が収束した後に引き替える場合は、数日程度を要することになると思う。
(中川委員長)

・ 最悪の場合、どの程度の時間で復旧できるという評価はされているのか。

・ 場所によって違うとは思うが、概略として、どのように考えておられるのか。一日なのか、1週間なのか、1ヶ月なのか。
(関西電力:今井 電気設備グループ チーフマネジャー)

・ ご指摘いただいたイグナイタに関しては、格納容器中に設置されているため、イグナイタが必要な事態ということは、格納容器内は重大事故環境下に至っており、そこを人が立ち入って修復することは事実上不可能となる。

・ 一方で、イグナイタは複数設置しているため、まずは、それらを用いて事故を収束させ、その後、ケーブルを引き替えることになる。この場合は、定期検査における通常のケーブル引き替えと同じになり、数日程度で引き替えできると思う。
(田島委員)

・ 前回の委員会における事業者の資料に記載されている配管の減肉に関してお伺いする。

・ 減肉の予測肉厚により耐震安全性を確認すると記載されているが、この予測肉厚というのは、どのように評価するのか教えていただきたい。例えば、配管内に実際にファイバースコープを入れて確認するのか、あるいは、シミュレーションによる予測に基づくものか。
(関西電力:南 高経年対策グループ チーフマネジャー)

・ 配管の減肉に対する耐震性安全評価に関しては、実際の減肉を想定した上で、地震による応力が作用した場合においても健全性が確保できるかについて評価を行っている。

・ 基本的には、エルボの下流部や接続部等が必要最小肉厚まで一様に減肉した状態を前提とした評価を行っており、その状態で、耐震安全性が確保できることを確認している。

・ 一部の耐震性が厳しい配管については、定期検査の中で、定期的に超音波による肉厚計測を実施している。この計測はかなり細かいメッシュで実施しており、どの程度減肉しているかを確認している。

・ このため、50 年あるいは60 年時点で、どの程度、減肉が進展するかということを評価している。また、エルボ部等において、実際にはどこか一点が局所的に減肉するところ全域が一様に必要最小厚さまで減肉した状況を仮定し、耐震安全性評価を実施している。

・ 今回、長期保守管理方針として、一部の配管サポートの強化を挙げているが、これらの予測において、評価上、厳しい箇所があり、その箇所については、長期保守管理方針に基づき、サポートを強化していくということである。
(中川委員長)

・ 予測肉厚をどうやって決めているのかという質問だったと思うが。
(関西電力:南 高経年対策グループ チーフマネジャー)

・ 予測肉厚は、定期検査における超音波で肉厚計測の結果に基づくものである。
(中川委員長)

・ それは実測値か。
(関西電力:南 高経年対策グループ チーフマネジャー)

・ その通りである。定期的に測定しているので、どれ程度の速度で減肉が進行するかに関するデータを持っており、それを保守的に評価して、50 年時点でどこまで減肉が進行するかを評価している。
(中川委員長)

・ 外挿していくということか。
(関西電力:南 高経年対策グループ チーフマネジャー)

・ その通りである。
(田島委員)

・ 前回の委員会における説明資料において、コンクリートの強度低下に関する記載があった。この中で、原子炉容器の支持構造物、その直下部の最高温度は、温度分布解析の結果、約64℃であるとされている。ところが、温度制限値は「65℃を下回る」ことであり、1℃しか余裕がない。

・ 1℃の余裕しかない状況で、強度や遮蔽能力に本当に問題ないのか。
(関西電力:南 高経年対策グループ チーフマネジャー)

・ ご指摘の箇所は、原子炉容器の本体をノズルのところでサポートしている部分である。1次遮蔽のコンクリートにあたる箇所であるが、高浜1号機の場合は、ノズルが計6箇所あり、それらの箇所で原子炉容器をサポートしている。

・ この部分は、原子炉容器からの伝熱で、コンクリートの温度が高くなるが、この現象については非常に保守的な条件で評価している。

・ この点に関しては、規制委員会の審査会合においてもご質問いただいており、詳細な評価結果を提出しているが、評価上保守的な条件のもと評価した結果が64℃であることを説明している。

・ また、サポートのところに温度計を設置しており、コンクリートの中の温度を計測しているが、その温度計においても解析結果よりも低い温度が検出されている。つまり、この64℃は保守側に評価した値であることを実測値からも確認している。

・ また、65℃という温度制限値に関しても、実際の耐力はもう少し高いと認識しており指標として65℃と設定していること、また、その制限値についても満足しており、評価上、保守的になっていることを審査の中で説明している。
(望月委員)

・ 資料No.2の10 ページに記載されている中央制御盤取替え工事に関連して、重大事故に対する最適化ということで、前回の委員会における質問への回答という形で、テスターやジャンパ線などを準備し、仮にSA 監視操作盤が機能を喪失した場合等における代替手段・手順書を整備しているという説明があった。

・ 一方で、従来のアナログ式の制御盤の運用においても、様々な事態を想定し、可搬型機器も含めて、多くの対策が整備されていたと理解している。その点について、デジタル盤への取り換えに対して、テスターとジャンパ線の確保で十分なのか。あるいは、資料には記載していないが、他の対策も考えておられるのか。これらについて、もう少し詳しく教えて頂きたい。
(関西電力:今井 電気設備グループ チーフマネジャー)

・ 基本的に、万が一、重大事故に至った場合の対応に必要なパラメータの確認や操作は、テスターとジャンパ線の確保対応できる形になっており、多重化も有している。

・ これらの装置が故障することも想定されるが、その場合においても、資料に記載しているように、信号は現場から流れてきている。また、このSA 入出力盤の必要数が27 個であるとすると、テスターやジャンパ線については40 個程度確保しており、それらを中央盤やリレーラック室等に分散して設置し、計測するという形で対応する。

・ また、SA 関係の可搬設備も用意はしているが、それは本当に重大事故時に施設が壊れた場合に使用するものであり、SA 監視操作盤が故障した場合は、これらのテスター等で実際に値を確認して、必要に応じて必要なレンジのテスターを用意しながら対応する。

・ また、このような対応が実際にできるかという点に関しても、普段から訓練を通じて確認していくことを考えている。
(望月委員)

・ 新しい設備を導入して、仮にその運用がうまく行かない場合でも、これまでのアナログの制御盤と同等ないしはそれ以上の多重性は有している。そのための準備は行っているということでよいか。
(関西電力:今井 電気設備グループ チーフマネジャー)

・ ご指摘のとおり、アナログ式の制御盤において、万が一、故障等があった場合、同様の形でテスター等を用いて計測するという形になるので、この点は従来とあまり変わらない。
(田島委員)

・ 高浜1、2号機の再稼働に向けて、過酷事故時の汚染水対策をどのように進めるのか。高浜3、4号機と同様の対策をとるのか。

・ シルトフェンスは網の目が大きいため、放射性物質そのものの拡散を抑えるのではなく、放射性物質を泥に吸着させた上で、シルトフェンスで泥を補足するということである。このため、放射性物質の抑制効果は約50%しかないということである。

・ このため、高浜3、4号機では、(発電所敷地内の側溝等に)ゼオライトを配置することで放射性物質を吸着するということだが、いずれにせよ、シルトフェンスはあまり効果がないと認識している。

・ 今後、汚染水対策をどのように進めるのか。何か計画があれば教えていただきたい。
(関西電力:大塚 副事業本部長)

・ 前提として、設計基準事象を超える事態に至った場合でも、炉心が溶融しないような対策を行うこと、また、炉心が溶融した場合でも、格納容器の健全性を維持して放射性物質の放出を防ぐということが基本になる。

・ シルトフェンスおよびゼオライトを使用するというのは、万が一、格納容器が破損した場合において、放射性物質の放出をできるだけ抑えるという位置づけのものである。

・ 汚染水対策については、田島委員のご指摘のとおり、放水口等にシルトフェンスを設置するとともに、構内の側溝等にゼオライトを配置して、放射性物質を吸着するという、高浜3、4号機と同様の対策を高浜1、2号機に関しても講じていきたいと考えている。

・ これに加え、放水砲を用いた放射性物質の拡散抑制対策についても整備している。
(中川委員長)

・ いずれにしても、放射性物質の拡散を抑制するということである。

・ その後のことに関しては、これまでの委員会でも議論しているが、大量の汚染水が発生する状況に対して、それに対応できる設備(の調達)計画は整備されていると理解してよいか。
(関西電力:大塚 副事業本部長)

・ 浄化系(の設備の調達・運用)を含めて、環境に影響を与えないよう対応していく。
(田島委員)

・ 新規制基準ではテロ対策は重要な項目とされているが、高浜3、4号機に関して、原子力規制庁は、十分に効果的な対策がないまま許認可を出している。

・ 本委員会による昨年12 月の高浜3、4号機に関する審議の取りまとめでは、「テロ全体の対応強化のためには、国が積極的に関与することが重要」であることを、要望事項としてまとめている。

・ また、使用済燃料の危険性に関して、以前、この委員会において、あと10 年もすれば使用済燃料ピットは満杯になり、(ピット内で保有する)放射能量はチェルノブイリ事故(で放出された量)の1.5 倍に達し、非常に危険であると指摘した。

・ これらの問題について、西川知事が、今月25 日に、全国知事会でまとめた「原子力発電所の安全対策及び防災対策に対する提言」を規制庁等に提出しており、これらの問題の対策を国に訴えている。

・ このため、これ以上、私の方からは言わないが、早い時期に効果的な対策を整備していただきたい。
(原子力規制庁:小山田 地域原子力規制総括調整官)

・ テロ対策に関して、高浜3、4号機の特定重大事故等対処施設について審査を進めており、8月3日に審査書の案を取りまとめるとともに、現在、原子力委員会および経済産業大臣からの意見を求めているという状況であり、その結果を踏まえて対応を進めていく。

・ 使用済燃料に関しては、今後の処理・管理の問題ということで、安全の観点からは、規制庁として確認していくが、実際にどのようにすすめるかについては、原子力政策、エネルギー政策の範疇になると思うので、規制庁からの回答は控えさせていただく。
(中川委員長)

・ 今日は、2つ議題があり、高浜1、2号機の工事計画および運転期間延長認可に係る審査結果について、規制庁から説明を受けた。また、それについて、関西電力から前回の質 問プラスアルファの説明を頂いた。

・ 議題1に関しては、以下のような意見が出された。

 基準地震動を決める際の不確かさや、曖昧さをどのように考えていくかは、今後も続いていく問題である。

 品質管理や保全に関しては、検査での見落としなどをどうしていくか。

 高浜1、2号機の場合は追加施設や設備がいくつも工事計画で計画されているため、こういうものの検査方法とこれまでの既存設備との安全上の競合を考えていく必要がある。

 中性子による劣化の問題に関して、色々な問題があるが、高浜1、2号機では現状40 年の現状ではクリアできているが、今後、炉内構造物の取替えなども考えていかなくてはならない。その時に、破壊靭性値や応力拡大係数をどのように評価していくか考えていく必要がある。

 長期保守管理方針は、30 年、40 年、50 年で策定していくものだが、この間の整合性、30 年の場合と40 年の場合でどのような違いがあるか、50 年を考える時にはどうなるかなどを押さえていく必要がある。

 劣化事象を考える時の内部応力の考え方について、地震力を内部応力に付け加えており、問題ないと思うが、熊本地震のように繰り返し大きな地震が生じた場合、応力としても繰り返しかかることになるので、その場合の安全性はどうか。

・ 議題2に関しては、いくつか意見があったが、前回の委員会で出された質問に対する説明はなされたと思う。

・ テロ対策や使用済み燃料の問題については、言わば永遠の課題のようなものであり、この点も国を中心にして徐々に解決していっていただきたい。

・ 高浜1、2号機の工事計画および運転期間延長は認可されたが、今後現場において安全対策工事や設備改造等を踏まえた訓練が行われていくことになる。工事の実施にあたっては、防火シートの施工など規制庁がその手順・方法を始め、認可の内容について確認するとしており、事業者および規制庁の対応状況について、この委員会でも確認していく必要がある。

・ 本委員会としては、工学的安全性の観点から今後もハード、ソフトの両面において、確認すべき事項が特に高浜1、2号機の場合はあると思う。そういう意味で、高浜3、4号機とは少し状況が違うという認識を持っている。

以 上

カテゴリー: 福井県原子力安全委員会

原発の燃料屋さんは儲かっていない【9/29東京新聞・経済】原発燃料、事業統合で調整 日立など3社、環境悪化で/5年前の内閣府原子力政策担当室の「核燃料サイクルを巡る現状について」

京大原子炉実験所の隣にある原子燃料工業が潰れたらしいという噂を聞いた。

なるほど。
「原子燃料工業 熊取 工場見学」で検索したら操業停止しているのが分かった。
社員さんは早く再稼働してほしいだろうけれど「環境悪化」というのは原子力燃料の経済環境が悪化していることらしい。

http://www.nfi.co.jp/visit/

gennenko
熊取事業所

「誠に申し訳ありませんが、操業停止中につき、当面の間、工場見学を休止しております。 」

 

二年前にたしかここは見学したことがある。二日酔いと睡眠不足で私はろくにここを覚えていなかったが、アイアジアの鈴木記者の記事をもういちど読んでみよう。

大阪で原発燃料が作られてるって知ってました?【アイアジア】
http://www.npo-iasia.org/archive/2014/05/nuclear.html

 

そんなこんな見ていたら、核燃料サイクルの資料が公開されているのが分かった。
平成23年2月21日のは3.11直後だけれどまとめて公開したのがそれくらいで、内容は3.11前なのでとても強気だ。
平成16年11月という10年前の資料もあった。

核燃料サイクルを巡る現状について(平成23年2月21日)
内閣府原子力政策担当室新大綱策定会議(第4回)資料第2 - 1 号
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/tyoki/sakutei/siryo/sakutei4/siryo2-1.pdf

基本シナリオの核燃料サイクルコスト比較に関する報告書(平成16年11月)
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2004/kettei/sakutei041124.pdf

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原発燃料、事業統合で調整 日立など3社、環境悪化で

2016年9月29日 05時23分【東京新聞・経済】
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016092901000497.html

日立製作所と東芝、三菱重工業の3社が原発の燃料事業を統合する方向で調整していることが29日、分かった。来年春の実現を目指す。原発事業は東京電力福島第1原発事故の影響で環境が悪化しており、統合による経費削減などで経営基盤を強化する。将来は各社の原発事業の統合につながる可能性がある。

統合を検討しているのは、東芝が傘下の米ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)を通じて出資する原子燃料工業、米ゼネラル・エレクトリック(GE)と日立、東芝による合弁のグローバル・ニュークリア・フュエルの日本法人、三菱重工系の三菱原子燃料。

(共同)

カテゴリー: 再稼働, 放射能汚染, 核燃サイクル

9/27被ばく牛調査途中報告 甲状腺肥大、牛白血病も【東京新聞・ふくしま便り】

「原発事故被災動物と環境研究会」
http://liffn.jp/

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被ばく牛調査途中報告 甲状腺肥大、牛白血病も

2016年9月27日【東京新聞・ふくしま便り】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/tohokujisin/fukushima_report/list/CK2016092702000207.html

避難区域の中で放牧飼育されている牛たち=福島県大熊町で
写真

福島県の原発被災地に取り残された牛に関する調査が最終段階を迎えている。血液検査や解剖などを実施した結果、被ばく牛の中に甲状腺の肥大や牛白血病の感染拡大などが確認されており、こうした症状が内部被ばくと因果関係を持つか否かを慎重に見極めるのが、今後の作業になるという。放射能汚染が大型の哺乳動物に与える影響を追跡した研究は世界に例がなく、人の健康問題へも大きな示唆を与える可能性がある。

研究チームは北里大、岩手大などの研究者による「原発事故被災動物と環境研究会」。伊藤伸彦・北里大名誉教授が代表を務める。原発事故から二年後の二〇一三年三月から三年半にわたって避難区域に入り、安楽死処分を逃れて飼育されている牛の調査を実施してきた。当初は二百六十頭を対象としていたが、現在は自然減で百三十四頭になっている。

調査は、大きく分けて二本の柱から成る。まず牛が飼育されている環境にどれほどの放射性物質が存在し、牛の体内にどれほど取り込まれているかを計測する。放牧場の空間線量、土壌線量を測り、牛の首にも線量計を着けた。さらに死んだ牛を解剖し、取り込まれた放射性セシウムの量などを調べた。

この結果、放射性セシウムは、食肉の部位でいうサーロイン、ヒレ、モモなどの筋肉に集中することがわかった。たとえば一三年の数字で、ある牛のモモには一キロあたり八五〇ベクレル以上の高密度で放射性セシウムがあった。食品衛生法の基準値である一キロあたり一〇〇ベクレルを大幅に上回る数値だ。

ところが輸入した乾燥牧草など、汚染されていないエサを与えると、この数値は劇的に下がった。二週間~一カ月で半減し、当初の予想より二倍近く速かった。

季節による変化もみられ、五月と十二月を比べると五月の方が数値が高かった。これは牧場内で育った牧草を牛が食べてしまった結果とみている。

「避難区域以外で飼われている家畜については、汚染されたエサを食べさせないのが大切」と伊藤名誉教授は話す。

こうした放射性物質が影響を与えているか否かは保留するとして、牛の体にいくつかの異変が認められた。

岡田啓司・岩手大教授によると、調査した牛のほぼすべてが牛白血病に感染していた。牛白血病は血液の中のリンパ球のがんで、原因はアブを媒介とするウイルス。感染しても発症するとは限らず、国内の牛の四割ほどがウイルスを保持している。人間に感染することはない。

しかし避難区域の牛の感染率の高さは特別だという。

岡田教授は「放牧という飼育方法では感染を防ぎようがない。それが最大の原因」と話すが、一方で免疫機能が低下した可能性も捨てきれないとする。

また、甲状腺が肥大している牛も二頭、発見された。百頭以上を調べた結果で高い確率とはいえないが、「原因は不明」(岡田教授)という。気になるところだ。

皮膚に白斑が出た牛は二十頭ほどもいる。しかし白斑牛は、放射線量が高い牧場で現れず、むしろ低い農場によく現れる。「ストレス過多などの要因も考えられる」という。

被ばくと健康被害については、対象が人間であっても「因果関係はわからない」とされることが多い。しかし、わからないから存在しないという切り捨て方をすれば、疑念が膨らむばかりだ。異変の事例を積み上げていく作業が大切だろう。

研究グループは来年三月をめどに、これまでの成果を論文にまとめることにしている。 (福島特別支局長)

カテゴリー: 放射能汚染, 中日東京新聞・特報

9/27もんじゅ廃炉なら…高速炉撤退考える時/実用化ヘ見通し立たず/維持費 年200億円 基礎研究なら1桁減/仏と協力 活路開ける?/ASTRID計画 主導企業は経営難 計画遅延/「開発継続の是非議論が先決」【東京新聞・特報】

もんじゅだけじゃなくて核燃サイクル全体のことを考えなくては。。
団藤保晴氏「もんじゅ廃炉より深刻な再処理工場の迷走」も一読されたし。

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もんじゅ廃炉なら…高速炉撤退考える時

2016年9月27日【東京新聞・こちら特報部】

実用化ヘ見通し立たず

 維持費 年200億円 基礎研究なら1桁減

仏と協力 活路開ける?

 ASTRID計画 主導企業は経営難 計画遅延

  「開発継続の是非議論が先決」

政府は高速増殖原型炉「もんじゅ」を廃炉にする方向性を固める一方、新たに官民の「高速炉開発会議」を設置し、核燃料サイクル政策を維持しようとしている。フランスとの共同開発などに活路を見いだそうとするが、日本側の都合だけでうまく事が運ぶのか。もんじゅの頓挫が明らかになっているのに、勝算のないまま研究開発を続けていけば、今後も無駄に国費が失われていく恐れがある。(沢田千秋、池田悌一)

「電力会社が支援できないと表明した時点で、もんじゅの継続は難しいと思っていた。高速増殖炉の研究開発を見直すなら、当然、日本の核燃料サイクルの見直しもすべきだ」

元内閣府原子力委員会委員長代理で、長崎大核兵器廃絶研究センター長(原子力工学)の鈴木達治郎氏はそう話す。

原子力規制委員会は昨年十一月、もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構に「安全に運転する資質がない」と「最後通告」を突き付け、代わりの運営主体を探すように求めた。規制委は、名称変更にすぎない組織改編も認めないとクギを刺し、電気事業連合会も「電力会社は引き受けない」と突き放した。この時点で、もんじゅの廃炉は避けられない運命となっていた。

政府は今後、フランスとの高速増殖炉の共同開発を模索する一方、使用済み核燃料を再処理し、加工したMOX(プルトニウムとウランを混ぜた混合酸化物)燃料を一般的な原発で使うプルサーマル発電を続けようとしている。

このプルサーマル発電に、鈴木氏は疑問を呈する。「MOX燃料は一回使用すると、プルトニウムの質が悪くなり、二回目はほとんど使えなくなる。プルサーマルだけで核燃料サイクルを確立するというのは理論的に破綻している」

MOX燃料の廃棄処分にこそ、目を向けるべきだという。「高速増殖炉の実用化が見えない中、使用済みMOX燃料はもう再利用できない。高速増殖炉を切り離してプルサーマルでサイクルを回すというのはあり得ない。原子力の専門家も電力業界も経産省も分かっているのに、国民をごまかしている。MOX燃料をどう捨てるか、いつかは必ず扱わなければならない」

ただし、高速増殖炉から一切、手を引くべきだという意見には、鈴木氏はくみしない。「高速増殖炉には優秀な人材が多く携わっている。維持するに値する技術やノウハウを、世界の研究で活用できる」と説く。

「もはや一国ではやっていけないが、次世代炉として有力な選択肢の一つ。この先、百年、二百年単位で原子力を扱うなら、資源効率という持続可能性を追求するため増殖炉は必要になるかもしれない。日本がいつまで原子力をやるか分からないが、新しいアイデアにつながる研究開発手続けることは、人材確保にもつながる」

また、世界では、増殖炉とは別に、プルトニウム処分用の高速炉の開発も進んでいるという。「核燃料の処分、廃棄のための新しい研究分野はいくらでもある。世界を見ても、もはや高速増殖炉という目標は優先順位としては低い。MOX燃料の地下への直接廃棄を検討しながら、使用済み核燃料処理の新しい技術開発について、基礎基盤研究の国際協力を進める道は残されている」

そうした研究は、もんじゅの年間維待貨二百億円より一桁少ない予算で十分可能だという。「直接廃棄と研究開発の両輪を並行すればよいのではないか」

高速増殖炉は冷却材に液体ナトリウムを使い、中性子を減速させずに高速で利用し、MOX燃料を核分裂させる。消費する燃料よりも多く核燃料を作り出す次世代原子炉として期待されてきた。

その実用化には、高度な知見、技術が必要だ。そのため、まず、発電設備のない「実験炉」で基礎的な研究を行う。次いで、発電できる「原型炉」を稼働させる。経済性を検証する「実証炉」を安定的に運転させることができるようになれば、一般的な発電所と同様に電気を供給する「商用炉」の運転が可能になる。

日本の研究開発は一九六0年代に本格化した。原子力機構が七四年に実験炉「常陽」(茨城県)を完成させ、計七万時間の運転を実現した。第一段階はクリアしたといえるが、二OO七年に原子炉内でトラブルを起こし、現在は停止中。

続いたもんじゅは九一年に試験運転を始めたが、九五年にナトリウム漏れの火災事故を起こし、開発が滞った。一兆円以上の国費をかけたが成果はなく、第二段階の「原型炉」でつまずいたというわけだ。

年内には、もんじゅの廃炉が決まる方向だが、世耕弘成経済産業相は「高速炉開発の方針は堅持する」と明言した。官民の「高速炉開発会議」を新設して、今後も高速増殖炉開発を続けるという。見据えるのが、高速増殖実証炉「ASTRID(アストリッド)」計画のあるフランスとの共同研究だ。

アストリッドは、フランス政府と原子力大手アレバが、原子力施設が集中するマルクール地区で建設を進める。二O一九年をめどに基本設計を終え、三O年ごろに運転開始予定という。

実は既に、一四年八月、原子力機構がアストリッド計画で技術協力手することで合意している。その三カ月前、安倍晋三首相がフランスを訪問し、共同研究の推進を約束していた。

アストリッドの開発はどこまで進んだのか。原子力機構報道課の担当者は「職員をフランスに派遣するなどして、昨年までに概念設計を終えた。今年から基本設計に移り、予定通り一九年までに設計を完成させる方向だ」と話す。これまでに技術協力で使われた総額は、「手元の資料では分からない」という。

この先の技術協力は不透明だ。フランス側が求めているのは、もんじゅによる燃焼テスト。世耕民は「常陽も再稼働していく」と発言しているが、原型炉でなく実験炉のデータで、フランス側は納得するのか。原子力機構の担当者は「フランス側がどのような条件でのテストを想定しているかにもよるが、常陽で対応できるものは協力していく」と話す。

だが、規制委が「資質」を問題視した原子力機構が技術協力を続けてよいのか。また、高速増殖炉開発の第二段階を越えられなかった日本が、第三段階に進む必要があるのか。

原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「高速増殖炉は研究を重ねても、実用レベルに達する見通しが全く立たない。もんじゅがダメだからアストリッドに軸足を移すと安易に考えるのではなく、開発継続の是非をきちんと議論することが先ではないか」と指摘する。
「アレバは赤字続きで経営危機に陥っており、アストリッド計画は当初より五年遅れている。共同研究で、日本は資金だけ引っ張り出されることになりかねない」と警告し、政策転換を求める。「高速増殖炉は原発と比べ、はるかにコントロールしにくい。福島の原発事故後、受け入れる自治体があるとは考えにくい。撤退が合理的だ」

(写真)
1995年12月、もんじゅで起きたナトリウム漏れ事故現場=福井県敦賀市で

フランス政府が廃炉、解体を正式に決定した高速増殖実証炉「スーパーフェニックス」=AP・共同

2011年9月、フランス南部マルクール地区で、核施設を警備する憲兵隊員=共同
(((デスクメモ)))
フランス国境近くの原発の運転停止を、隣国のスイスやルクセンブルクが求めている。高速増殖実証炉「スーパーフェニックス」はナトリウム漏れ事故を起こした。そして、民間終処分場が決まらない。フランスも似た問題を抱えている。日本が寄り掛かるだけなら、事態は改善しない。(文)
2016・9・27

カテゴリー: もんじゅ, 中日東京新聞・特報

9/28国へ批判 県へ注文続々 もんじゅ廃炉方針【中日新聞・福井】

 

国へ批判 県へ注文続々 もんじゅ廃炉方針

【中日新聞・福井】2016年9月28日
http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20160928/CK2016092802000021.html

県議会は二十七日、厚生、土木警察の両委員会を開いた。厚生委では、委員から高速増殖原型炉「もんじゅ」(敦賀市)について、廃炉を含めて抜本的に見直すとした政府への批判や県への注文が相次いだ。

◆県議会厚生委

力野豊委員(県会自民党)は「もんじゅはコストなどの経済性だけではなく、エネルギー政策の根幹という観点から県の意見をまとめるべきだ」と指摘。山本芳男委員(同)は「県は国に進言してほしい」と要望し、大久保衛委員(同)は「できないこともできると信じてやるのが科学」と持論を展開した。

自民系の委員が政府の決定に異議を唱え、県に厳格な対応を求めるいびつな展開。清水英男安全環境部長は「国の責任は非常に重い」と述べ、野路博之原子力安全対策課長は「今後、国に経緯を確認して意見交換していく」と応じた。

議論は今後の国の原子力政策にも及んだ。清水部長は「高速炉開発会議での議論との関係で、もんじゅがどうなるのかが整理されていく」と指摘。「海外任せで国内に技術が集積しなければ、国民の信頼は得られない」とフランスとの共同開発を重視する政府の方針に懸念を示した。

(高橋雅人)

◆政府に説明要望意見書提案決定 敦賀市議会の特別委

敦賀市議会の原子力発電所特別委員会が二十七日、市役所であった。高速増殖原型炉もんじゅ(敦賀市)について廃炉を含め抜本的な見直しを決めた政府に対し、市議会への説明を求める意見書を本会議に提案することを全会一致で決定した。

意見書原案では、地元への説明が全くないまま議論が進められたことに、政府に大きな不信感を抱いていると指摘。立地地域の経済や雇用に与える影響が大きいため、もんじゅの在り方について責任ある者が市や市議会に理解を得るための取り組みを早急に行うよう求めた。

もんじゅを含めた核燃料サイクル政策の議論に際し、立地地域の意向を十分にくみ取ることも要望。意見書の提出先は首相と官房長官、文部科学相、経済産業相とした。

原発特別委の田中和義委員長は「原子力政策は、国と、立地地域と国民の理解があって進められる。一つでも欠けると、うまくいかない」と政府をけん制した。

(古根村進然)

カテゴリー: もんじゅ

9/24中日新聞 新貧乏物語 第6部・年金プア <特集>日本の制度、現状は?

中日新聞 新貧乏物語の第6部の連載が終了した。多分、今週末には読者の声が聞こえてくると思う。
まだ年金貰えていないだけに、この特集で一番切実に感じるシリーズ。
年金のお金を株式につっこんで、国のせいで皆貧乏になってきている。もっと怒れよ、自分。

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第6部・年金プア (1)老老介護(9月10日 紙面から)
第6部・年金プア (2)老後格差(9月11日 朝刊)
第6部・年金プア (3)弱者いじめ(9月13日 紙面から)
第6部・年金プア (4)切迫(9月14日 紙面から)
第6部 年金プア (5)短期保険証(9月15日 朝刊)
第6部 年金プア (6)余命の対価(9月16日 紙面から)
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新貧乏物語 第6部・年金プア <特集>日本の制度、現状は?

http://www.chunichi.co.jp/article/feature/binboustory/list/CK2016092402000235.html
2016年9月24日 【中日新聞・紙面から】

写真sinbin6_01

◆収入、現役時の35%に

現代の貧困や格差に目を向ける連載「新貧乏物語」は「敬老の日」(19日)があった今月半ばに第6部「年金プア」を掲載し、年金をもらいながらも生活苦に直面している高齢者を取り上げた。老後を豊かに過ごすための年金だが、日本は世界一の長寿国でありながら他国よりも制度面で見劣りする部分がある。低所得で年金の掛け金を支払えない現役世代が増え、将来的な制度維持を危惧する識者もいる。年金の今をデータなどから検証する。

■34カ国中30番目

老後の年金は現役時の給料に比べて、どれくらいもらえるものなのか-。その割合を示すのが、年金の平均支給額を所得で割った「所得代替率」だ。

経済協力開発機構(OECD)の二〇一四年の調査では、日本の代替率は35・1%。加盟三十四カ国の中で五番目に低く、退職して年金生活になると、収入は働いていたころの約三分の一に落ち込む計算になる。

OECD加盟国全体の平均は52・9%。現役時の所得の五割を超える年金を支給している国が、半数の十七カ国に上る。代替率が最も高いオランダは90・5%。スウェーデン56・0%、フランス55・4%、韓国は39・3%。米国とドイツは日本とほぼ同じ水準で、英国の21・6%が最も低い。

これらの割合を支給額に換算して比較すると、日本の月額約十四万三千円に対し、スウェーデンは約二十二万八千円、フランス約十九万九千円、ドイツ約十六万五千円(九月一日時点の為替レートで換算)。金額でも日本より高い国が目立ち、物価の違いなどを考慮しても日本の老後は「豊か」と言えそうもない。

■軽くはない負担

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現役時の年金負担も軽くはない。収入に対する年金掛け金の割合を示す「保険料率」は、会社員など厚生年金の加入者で法定17・828%。この料率を雇用主と本人が折半して約8・9%ずつ負担し毎月の給与天引きなどで国に納めている。

スウェーデンやフランスも17%台だが、雇用主の支払率を日本より高い10%台に設定しており、個人負担は抑えられている。米国とドイツは日本と同じく労使で折半。保険料が高い英国は、雇用主が13・8%、本人が12・0%を負担している。

日本は世界一の長寿国だ。人口に占める六十五歳以上の割合を示す高齢化率は、昨年の時点で26・7%(内閣府調査)。米国の14・8%、英国の17・8%、ドイツの21・2%などを大きく上回っている。

今後も加速する高齢化に備えて国は年金支給額の見直しを進め、二〇〇〇年代に入ってからしばらくは削減が続いた。

主に自営業者が加入している国民年金は、ピークの一九九九~二〇〇二年度は月額が六万七千十七円あった。しかし、財政難などを理由に〇三年度から引き下げられ、一四年度にはピーク時に比べて二千六百十七円減の六万四千四百円に低下。賃金の伸びなどに連動して昨年度から六百八円増え、現在は六万五千八円が支給されている。

高齢人口の増加と財政のバランスは、支給開始年齢にも影響している。会社員などが加入する厚生年金は現在、定年後の特例措置として男性は六十二歳、女性は六十歳から前倒しで受給できるが、法改正により段階的に引き上げられ、男性は二五年度、女性は三〇年度までに、一律「六十五歳以上」になる。

支給年齢をめぐる議論は国外にも共通し、現行六十六歳の米国は二七年までに六十七歳、六十五歳四カ月のドイツは二九年までに六十七歳に引き上げる方針を決めている。慶応大経済学部の駒村康平教授(社会政策)は「日本に限らず先進国では少子高齢化が進み、年金の運営が厳しくなっている」と指摘。実態に合った制度への見直しが各国で進んでいる。

(鈴木龍司、斎藤雄介)

◆納付、最低25年から10年に 無年金者対策で短縮へ

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日本の公的年金(国民年金と厚生年金)は、保険料を最低二十五年納付しなければ老後に受給することができない。主要国の制度を調べてみると、受給に必要な支払期間は米国と、今年から制度が変更された英国が十年、ドイツが五年。日本の長さが際立つが、国は無年金者対策の一環として納付期間の十年への短縮に踏み切る。

二十歳以上の国民全員に公的年金への加入が義務づけられている日本では、年金保険料を二十歳から六十歳までの四十年納めることで老後に満額を受給できる。納付が途切れても、最低期間の二十五年に達していれば少額でも受け取れる。ただ、たとえ二十四年十一カ月納めたとしても、二十五年に一カ月でも足りなければ、原則、六十五歳になったときに一円も受け取ることはできない。

「払い損」とも呼ばれる現状は、国の議論でもしばしば取り上げられてきた。特に、二〇〇七年の社会保険庁(当時)の調査で六十五歳以上の無年金者が四十二万人に上ることが判明すると、有識者会議からの「納めた保険料に応じて給付を受けられるよう、期間を短縮するべきだ」との指摘が一層強まった。

経済的に困窮する高齢者が年々増え続ける日本。一五年のOECDのまとめでは、六十五歳以上の貧困率は加盟三十四カ国中、七番目に高い19・4%。お年寄りの五人に一人が、平均的な所得の半分以下で暮らしている。

国は困窮の一因となっている無年金者の対策を税と社会保障の一体改革に組み込み、一二年八月に年金機能強化法が成立。消費税の10%への引き上げ時から納付期間を十年に短縮することを決めた。今年六月に消費税率の引き上げ延期が決まると、期間短縮も先送りされたが、安倍晋三首相は夏の参院選後に「来年度からスタートできるよう準備したい」と明言。今月二十六日開会の臨時国会に提出予定の改正法案では、期間短縮の施行期日を「一七年八月一日」としている。

成立すれば、これまでの納付が二十五年に満たずに無年金だった高齢者も、過去の支払期間に応じた額の年金を受け取ることができるようになる。救済対象は六十四万人に上る見込み。ただ、「年金は十年納めればいい」と誤解する人が増え、将来の低年金につながる恐れもある。

十年で納付をやめてしまうと、受給できるのは四十年払って受け取れる国民年金の満額の四分の一、月額約一万六千円に限られる。厚生労働省年金局は「十年では不十分。あくまで納付期間は四十年であることを強調したい」と話している。

(戸川祐馬)

◆免除制度増える利用者 国民年金保険料払えない…

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経済的な理由により、国民年金の保険料を支払えない加入者が増えている。日本年金機構が低所得者向けに設けている免除制度の利用率は、三人に一人に当たる37・9%。十年前に比べて10ポイント増加している。

国民年金の加入者数を過去十年で比較すると、二〇〇六年度の二千百二十三万人が一五年度には千六百六十八万人へと約二割減少。これに対し、一五年度の免除者は六百二十三万人で、〇六年度よりも三十九万人増えている。加入者全体に占める割合は〇六年度が27・9%。一〇年度に30%を超え、直近の三年間は38%前後で推移している。

特に増加が目立つのは、「単身で年間所得五十七万円以下」などが条件の「申請全額免除」で、〇六年度から約二十三万人増えた。次いで、生活保護受給者らが対象の「法定免除」が二十一万人増。「全額免除」よりも所得額が高い人に適用する「一部免除」など、十年間で対象者が減った項目もあった。

厚生労働省は免除者の増加について「制度の周知が進み、本来免除されるべき人の申請が進んだため」(事業管理課)と説明。非正規など比較的賃金が低い労働者の増加で保険料を払えない加入者が増えているのではないかとの疑問には「そのような分析はしていない」と答えた。

これに対し、早稲田大人間科学部の植村尚史教授(社会保障政策)は「免除制度はもともと一時的に支払えない人を想定した制度だが、非正規雇用の拡大などにより長期で払えない人が増えている」と指摘。その上で、「長期免除者が今後も増えれば制度が立ちゆかなくなる。年金の仕組みそのものを考え直す時期だ」と話している。

年金制度全般についての問い合わせは、日本年金機構の「ねんきんダイヤル」や、各地の年金事務所の窓口で受け付けている。

(戸川祐馬)

(CGデザイン・金子亜也乃、紙面構成・山田和宏)

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カテゴリー: 中日東京新聞・特報

市民のための自由なラジオ in 松本(2016/9/23) 松本市長・菅谷昭さんのお話、チェルノブイ​リ支援と福島事故、小出先生との対談

永岡です、市民のための自由なラジオLIGHT UP、第26回はジャーナリストの今西憲之さんの司会で放送されました。今西憲之の毎度おおきに、今回は長野県松本市、松本市役所での収録です。

今週のゲストは松本市長の菅谷(すげのや)昭さん、松本での収録です。小出先生も収録に同席されたスペシャルヴァージョンです。

菅谷さん、全国の市町村で、放射能、原発に最も詳しい市長さんで、菅谷さんはもともと甲状腺関係の医師であり、チェルノブイリ支援もされて、滞在された時間は合計で5年半であり、小出先生が今松本にいらっしゃるのも、菅谷さんが松本市長だからです。

今年の春に、松本市長選挙で4期目、3月の選挙では市民の支援で引き続き市政を担えても、長すぎるかなと言われて、しかし菅谷さんは信州大医学部を68年に出て、聖路加病院で日野原先生の指導を受けて、信州大に戻り、内分泌、ホルモンを出す臓器の外科医になられて、チェルノブイリ事故後、大学を辞めて支援し、当時の長野県の田中知事から連絡があり、県庁に来てほしいと言われても当初は断り、しかし何度も依頼されて、長野県民のためにとして、その後松本に戻り、第3の人生を、として、松本市長にと市民から依頼されて、ぜひ出てほしいとして、菅谷さんは全国で子供たちに講演を依頼されて、人の役に立つ人間になれと講演したので、それを自分がやることになり、それで選挙に出るが、落ちると思って、それでも支援者からいいと言われてやったら当選であり、市民の熱意、サポーターが増えて続けておられるのです。

チェルノブイリ支援、91年に松本のNGOグループとの関係でやって、それまで信州大におられたのに、なぜベラルーシの支援をされたのか、これは伏せていたが、兄弟7人の末っ子であり、母親は菅谷さんを産んだ後占ったもらったら、43歳で死ぬと言うことになり、これは母の臨終の場で叔母が教えてくれて、それで43歳に近づいて、占いが当たったら?であり、そしてアメリカの帰りの飛行機の中で43歳になり、これが落ちたら…死ぬなと思ったら、医者になるときに、患者さんから、この医者に診てもらってよかったと思われてほしく、大学の医学部でやって、そして飛行機の中で、患者さんのためにやっているかと自問されて、そこで成田に着いたときに、自分の生き方を考えるべきと思い、別の生き方は難しいので、医療者としてやったことを生かすまで死ねないと思い、それで大学に戻り、その際にチェルノブイリ支援をしたグループが松本のテレビに出て見て、甲状腺関係のことがあったので、これに尽くそうと、鎌田實さんと、91年から活動されて、チェルノブイリは甲状腺がんが激増しており、今やっていないような医療技術でロシアにてやっていたので、これは何とかしないと、と思われたのです。

いつもだと、LIGHT UPジャーナルですが、今週はこの後、小出先生も市役所に来られて、収録に参加されました。

その小出先生登場、松本は暑い大阪と比べて快適で、町中に温泉で、もっと前から住みたかったと言われて、松本市に来られたのは、暑いのが嫌いで涼しい町に行きたく、東京、大阪の大都市は嫌いで、新幹線が通るとミニ東京になるので、地方の小さい都市で、文化のある町がいいと思い、そして菅谷さんが松本市長であり、その街に行きたいと思い、しかしそれ以上に、菅谷さんを選ぶ市民がいるのが重要で、その市民になりたいと言われて、菅谷さんありがたい、まさか小出先生が松本に来られるかと言われて、小出先生は菅谷さん、医師がチェルノブイリ支援をされることをありがたいと言われて、小出先生もチェルノブイリに行かれて、97年、菅谷さんはベラルーシにおられて、それを訪ねてご馳走になり、それが出会いであり、菅谷さん、1月に零下10度に、日本からの研究者が訪ねてきて、単に原発に反対してもだめであり、日本人の価値観を変えるべきということが、チェルノブイリ、命の軌跡にあり、菅谷さんは市民運動をどうするか聞かれて、そして日本から持参のそうめんを召し上がられて、この出会いに、深いものを見られたのです。

ベラルーシでの医療活動、汚染地域での子供の検診をされて、手術した子供たちを見て、日本から通うのでは間に合わずと、96~2001年に現地に住んで医療活動をされて、その5年半、ミンスクで3年、ゴメリで1年半、もっと居てほしいと言われても、退職金の問題があり、それで医療活動をされても、使い果たされて、家族には了承されたものの、それが限界であり、しかし神は次の仕事に菅谷さんをつけてくれて、小出先生は、菅谷さんの生き方、日本で大学の医者になるような人は功なり名を遂げたのに、菅谷さんは納得して死ねるのかと思い、地位も、退職金も使い果たされて、自分の納得する生き方を選ばれて、菅谷さんは甲状腺のエキスパートであり、ベラルーシの子供たちには素晴らしいめぐり合いで、ありがたいことだと言われました。

菅谷さんは日本にいた際に原発の問題についてそれほど知らず、原発について、メカニズムは知っていても、がんの子供を目の前にしたら、罪のない子供を放射性物質が襲うことに驚きがあったのです。前半はここまでです。

ここで音楽、菅谷さんのリクエスト、堀内孝雄さんの青春(ゆめ)追えば、菅谷さんも若い時に思い浮かんだ夢であり、ベラルーシでも聞いておられたのです。これは、you tubeにありました。

後半のお話、菅谷さんは今年7月またベラルーシに行かれて、実質5日、しかし往復に4日もかかるので厳しい日程で、ミンスクやゴメリ市のホットスポットご覧になり、チェルノブイリ事故から30年たち、原発30kmは今も居住禁止であり、しかしホットスポットがあり、4年前も行ったが、150km離れてもホットスポット、福島も同じであり、高度に汚染されたところを見て、移染してもしきれずあきらめて、国は住んではいけないというのに、お年寄りが汚染地でもここで死にたい、墓を守りたいと、3つの老夫婦が住んでいるものの、この方々がいなくなると村は無くなり、そして福島への帰還と移染、小出先生、相手にしているのは放射能であり、人間には放射能を消せず、移動させるだけで、消したのではなく、移動させた放射能のゴミがそこら中にあり、そしてチェルノブイリも30年で移染の意味はなく、福島も5年でしんどく、セシウム137が半減するのに30年かかり、福島では汚れはほとんど減っておらず、そして国民が忘れさせられているが、3・11に原子力緊急事態になり今もそのまま、特措法で従来の法律は反故にされて、緊急事態宣言は今も解除されず、解除されるのはいつになるかわからず、今後何十年も解除されず、それを日本人は知るべきで、住んではいけない汚染地域にたくさんの人たちが捨てられていると言われました。

菅谷さん、チェルノブイリに行って気づいたことは、健康省(日本の厚労省)の役人や医者に聞いてみたら、国は心配ないと、日本と同じことを言うものの、現地の人は、ゴメリ州だと大人の5割くらい具合が悪く、子どもも免疫が落ちて病気になりやすく、早産死産があり、甲状腺については、もう子供にはなく、放射性ヨウ素はもう影響はなくても、今大人に増えており、自然発生のがん&幼少期に被爆した子供が大人になり病気になり、検診体制をしっかりしたらわかり、どちらが原因か断定できず、今20~30代の甲状腺がんが増えており、しかし放射能との影響を立証するのはしんどく、現地の医師は、時間が要ると語り、これからも検査と治療を継続するしかない。

小出先生、それなのに福島では地元に帰れであり、「本当にひどい国だ」と言われて、被曝が危険なのは学問の常識なので、法律で被爆の限度を作っているのに、福島事故で被曝限度を反故にして、1ミリシーベルトのものを、20ミリで帰れとして、20ミリの限度は放射線で仕事をしている人間のみに適用している基準を赤ちゃんにも適用するのはムチャクチャであり、疫学で病気と被爆の関係を証明するのには長い時間がかかり、これは子供たちを国が守るべきだと言われました。

菅谷さん、チェルノブイリ・エイズがあり、後天性の免疫不全、チェルノブイリだと放射線被曝で免疫がやられるものであり、チェルノブイリ周辺では他出し、子供たちの免疫は低下しており、低下の状態は汚染にもよるが、6~7割、高度汚染地には健康な子供がおらず、耐久力、元気がない子供がいて、将来どうなるかわからず、なら誤診でも、誤診で元気であったら問題ないが、ベラルーシでは日本で被災者を放置しているのを医師は驚いている、どうして日本はあんなに被曝に甘いのかと言われて答えられず、恥ずかしかった。

東日本大震災、福島事故を聞いて菅谷さん、子供たちを守らないといけないと思い、チェルノブイリの二の舞をさせてはならず、子供たちを守るべきで、被曝への感受性が高いため、避難させる、ヨード剤の服用を語っても、こちらの新聞は書いても全国には伝わらず、当初日本では10km圏内のみの避難であり、口では事故対応と言っても、被災者を見捨てていた。

放射能事故について、取り組まれているのは、長野には原発はないが、柏崎刈羽と志賀、浜岡が近くにあり、これらが事故なら松本には対策が必要で、松本は2012年から核災害の対策をして、松本での事故対策と、松本に避難された方の対策、ヨード剤も次の事故の際に観光客の分も蓄えているのです。

小出先生、菅谷さんには心強く、しかし松本だけやってもだめで、日本中でやるべきであり、なぜチェルノブイリを手本にしないのかと今西さん言われて、小出先生はしかし日本で核をやっていた人たちは安全、絶対に事故を起こさないと言ってこの始末であり、そして事故を起こして、それなのに再稼働だ、新規建設だと言う始末であり、福島の汚染地に人を帰そうとすらしていて、防災計画を立てる=核の危険性を知られるので、なかなかやらず、知らぬ顔で安全だと嘯くものなのです。

松本市の平和祈念式典で、菅谷さんは今の核政策でいいのかと語られて、原爆を含めての核廃絶だけでなく、原発も核、原発はアトミックではなく、ニュークリアパワー、原爆も原発も核であり、これの悲惨なことを日本は2回経験して、核の負の側面をもっと日本人は知るべきで、ベラルーシの子供たちの悲惨さを見たら、核を廃絶すべきであり、小出先生も、原発も原爆も核であり、原爆はだめだが原発はOKというはおかしいと言われて、菅谷さん、ウクライナでは核を大統領が推進して、原発も作り、日本同様、核に反対できないと言われて、これで時間になりました。

(永岡注:私はかつて神戸製鋼という、ヤクザや右翼が経営していた会社にいて(安倍総理も在籍)、そこの原子力事業部から、核と言うと聞こえが悪いので原子力と言えという通達が来たことがあり、このように原子力マフィアは核と言われるのを嫌がるので、そのために積極的に核と表現しています)

今週の放送、長野県松本市からの放送であり、菅谷さんに市政のことは聞かず、しかし松本城の外堀の復元を計画して、これで町は二分されるので、2021年に出来上がり、桜も植えて、観光資源になると締め くくられました、以上、自由なラジオでした。

カテゴリー: 小出裕章, 永岡さん

9/23老朽原発どう思う 福井で問題点解説するパネル展【中日新聞・福井】

老朽原発どう思う 福井で問題点解説するパネル展

http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20160923/CK2016092302000014.html
2016年9月23日【中日新聞・福井】

老朽原発の危険性や福島の現状を訴えるパネル展=福井市のアオッサで
写真

運転開始から四十年を超える老朽原発の問題点を分かりやすく解説したパネル展が二十二日、福井市のアオッサで始まった。二十四日まで。

「サヨナラ原発福井ネットワーク」と「福井から原発を止める裁判の会」が共催。六月に原子力規制委員会が関西電力高浜原発1、2号機(高浜町)の運転延長を認めたことを受け、県民にも考えてもらおうと企画した。

会場には、パネル十九枚と福島県浪江町の現状などを紹介する写真三十枚を展示。パネルでは長年、中性子が当たることで原子炉容器がもろくなる仕組みや、長大なケーブルを燃えにくい素材に替える必要があることなどを説明している。

随所に「あなたはどう思う」と吹き出しを掲示し、運転延長の是非をシールで答えてもらうアンケートも実施。主催者は「嶺北はどうしても関心が低い。展示が少しでも考えるきっかけになれば」と来場を呼び掛けている。

(高橋雅人)

カテゴリー: 再稼働, 中日東京新聞・特報

9/23「核燃サイクル中止を」 もんじゅ以外も 不合理予算認めず 自民・河野行革推進本部長【東京新聞】

いいわー!東京新聞。
まだまだ眉につばつけてる私。

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「核燃サイクル中止を」 もんじゅ以外も 不合理予算認めず

自民・河野行革推進本部長

2016年9月23日【東京新聞・朝刊・第2面】

(写真)本紙のインタビューで、核燃料サイクルは不要と語る自民党の河野太郎行革推進本部長=22日、東京都内でtky160923_kohno

自民党の河野太郎行政改推進本部長(前行政改革担当相)は二十二日、本紙のインタビューで、政府が高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を廃炉にする方針を打ち出したことについて「『もんじゅ』だけでなく核燃料サイクル全体をやめるべきだ」と述べ、巨額の予算をつぎ込んできた核燃サイクル政策そのものが不要だとの考えを示した。

河野氏は、使用済み核燃料を再処理し通常の原発で再利用する「プルサーマル」についても「コストが高いことは確実だ」と指摘した。

政府は「プルサーマル」を、もんじゅとともに核燃サイクルの柱の一つと位置付けている。

その上で、政府が二十一日の関係閣僚会議でもんじゅ以外の核燃サイクル維持の方針を打ち出したことを批判。「党行革本部で核燃サイクルなど原発予算を洗い出し、国民に合理的に説明できないものは認めない」と強調した。核燃サイクルには、これまでに少なくとも十二兆円以上が費やされてきたことが本紙の調べで判明。今後も国民負担の増加が懸念されている。

河野氏は第三次安倍改造内閣で行革担当相を務め、退任後の八月から党行革推進本部長に就任した。

カテゴリー: もんじゅ, 核燃サイクル, 中日東京新聞・特報

9/22もんじゅ廃炉へ 破綻する核燃サイクル 核のごみ さらに混迷【東京新聞・核心】「政府は無責任」 福井知事が非難 文科相、県庁で説明/大手電力も二の足時 もんじゅ 技術なく「もうからない」

核心じゃなくて特報みたいな感じがする東京新聞。
もんじゅの廃炉問題は9/22の東京新聞の紙面でも、政治だったり経済だったり社会だったりしている。
私はまだ眉につばつけている。

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もんじゅ廃炉へ 破綻する核燃サイクル 核のごみ さらに混迷

2016年9月22日【核心】

政府が高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)を廃炉にする方向で動きだした。既に古くなったうえに実用化のめどはなく、維持費ばかりがかさむ。十二兆円をつぎ込んできた核燃料サイクルの中心的存在が消えるなら、核燃サイクルそのものにも終止符を打たないと、国民負担は増え続ける。 (山川剛史)

(図)破綻する核燃料サイクルkakushin160923

(写真)廃炉を前提に抜本的に見直す方針が確認された高速増殖炉「もんじゅ」=21日午後、福井県敦賀市で

■ 回らぬ輪

「日本は資源が乏しい。核燃サイクルを実現させれば、国産のエネルギー資源を手にできる」。政府は、二つのリサイクルの輪を示し、核燃サイクルを宣伝し続けてきた。

原発で使い終わった核燃料は、再処理でプルトニウムを取り出して混合酸化物(MOX)燃料に再利用。もんじゅのような高速炉の輪では、使ったより多くのエネルギー源を生み出すとの内容だ。

「純国産」ではなく「準国産」としたのは、ウソになるからだ。そもそも原料のウランは輸入で、MOX燃料も国内製造できない。正直なのはそこまでで、二つの輸は回るどころか、図の通り、形があるのは原発と再処理工場、もんじゅのみ。再処理工場はトラブル続きで、いまだ稼働は見通せない。MOX燃料工場は建設中。一方の高速炉の輪は、もんじゅが廃炉になると完全に消滅することになる。核燃サイクル全体を見ると、残るのは原発だけとなる。

こんな実情の輪に、本紙の調査では、これまでに十二兆円が投じられた。さらに年間千六百億円ずつ膨らんでいく。

■ プルサーマル

「プルサーマル発電」と称し原発でMOX燃料を使うことは可能だ。現在、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)で使われている。大津地裁の仮処分命令で停止中の関西電力高浜3、4号機(福井県)でも使われていた。

福島事故の前も、全国の十六~十八基でプルサーマル導入を目指したが、各地で反対が起きた。シンポジウムで賛成の質問をさせる「やらせメール」問題を起こしてまで推進したが、伊方、高浜の両原発のほかに実績があるのは、東京電力福島第一3号機と九州電力玄海3号機(佐賀県)しかない。

当面、動く可能性がある新規制基準による審査中の原発で、プルサーマルを予定しているのは五基にとどまっている。建設中の電源開発大間原発(青森県)は、燃料にすべてMOX燃料を使うが、前例のない形式のため、原子力規制委員会も「別個に考える必要がある」と慎重姿勢で、審査は長期にわたる見通しだ。

■ 先送り

今後、政府はプルサーマル推進と高速炉研究を続けることで、核燃サイクルを延命させようとする可能性が高い。これまで何度も計画から撤退するチャンスはあったが、巨額を投じてきた計画破綻の責任を負わされるのを恐れ、ズルズルと先送りしてきた。

しかし、もんじゅなき後にかろうじて残るのは、プルサーマル発電の道だけ。この道にしても、再処理工場やMOX燃料工場が稼働し始めないと、海外依存は続く。使用済みのMOX燃料は、通常の核燃料より冷却するのに長い期間がかかり、有害な放射性物質の量も格段に多く、最終処分をどうするのかは白紙だ。核燃サイクルからの撤退を先送りすればするほど、お金と廃棄物の両面で後世へのツケは膨らむ。

 

 「政府は無責任」 福井知事が非難

   文科相、県庁で説明

松野博一文部科学相は二十一日夜、福井県庁を訪れ、西川一誠知事に政府方針を説明した。西川知事は地元に説明がなかった国の姿勢を「無責任極まりなく、県民は不信感を抱いている」と強く非難。「地元が納得するようにしてほしい」と訴えた。

西川知事は「もんじゅなくして核燃料サイクルが可能なのか。方針をはっきりさせるべきだ」と主張。

会談には敦賀市の渕上隆信市長も同席。もんじゅの扱いを高速炉開発会議ではなく、関係閣僚会議で決めるとの方針に「廃炉ありきとの懸念もぬぐえない」と批判した。

松野氏は政府の説明不足を陳謝し「厳しい意見を真摯に受け止めたい。県民、市民の声を率直に聞いて、指摘を関係省庁にしっかり伝えていく」と話した。

 

 大手電力も二の足時

  もんじゅ 技術なく「もうからない」

高速増殖炉もんじゅの廃炉問題で、一時は日本原子力研究開発機構に代わる運営主体として取り抄枕されていた大手電力会社は、一貫して距離をおいてきた。大手電力などでつくる電気事業連合会〈電事連)の勝野哲会長(中部電力社長)は、技術に対する「知見がない」と指摘する。「実現するかも分からず、もうからない」(大手電力幹部)との本音も聞かれる。

大手電力が保有している原発は、燃料を冷やすのに水を使う「軽水炉」。これに対し、もんじゅはナトリウムを複雑に駆使しなければならないなど扱いが難しい。勝野連会長は十六日の定例記者会見で「まるっきり技術的な知見がなく、運営主体として責任を持つのは非常に難しい」と述べた。

一方で、勝野会長は「日本は資源が乏しい」として核燃料の再利用(サイクル)を重視し、「もんじゅに関係なく原子力の燃料サイクルを進めることは可能だ」と指摘。もんじゅに頼らず、使用済み核燃料からプルトニウムとウランを取り出してつくるMOX燃料を使った「プルサーマル発電」を続ける考えを示した。

しかし、プルサーマル計画も難航。現在、稼働しているのは四国電力伊方原発3号機だけとなっている。

 

もんじゅ廃炉へ 政府、年内に結論 核燃サイクルは維持

2016年9月22日 朝刊【東京新聞・政治】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201609/CK2016092202000156.html

写真

政府は二十一日、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について関係閣僚会議を開き、「廃炉を含め抜本的な見直しをする」とした。一方で核燃料サイクルは維持し、新設の「高速炉開発会議」で、年末までに今後の方針を出す。もんじゅにはこれまで国費一兆円以上をつぎこんだ。再稼働には数千億円の追加費用が必要。成果を得られないまま幕引きとなる。

菅義偉官房長官は閣僚会議で「高速炉開発は、原発の新基準の策定など大きな情勢変化がある。本年中に、高速炉開発会議で、廃炉を含めて抜本的な見直しを行う」と述べた。

核燃料サイクルは、原発の使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、再利用する。プルトニウムを燃やすもんじゅはサイクルの柱だ。もんじゅに代わるものとして、フランスとの共同開発や、実験炉「常陽」(茨城県大洗町、停止中)の再稼働が検討される。

廃炉も容易ではない。もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構の試算によると、三十年の期間と三千億円の費用がかかる。地元の福井県には、松野博一文部科学相が陳謝し、直接出向いて事情を説明した。

もんじゅは、消費した以上の燃料を生み出す「夢の原子炉」とされた。半面、危険なナトリウムを冷却材に用いる必要があり、構造も複雑。一九九四年に本格稼働したものの九五年にナトリウム漏れ事故を起こして停止した。その後もトラブルが相次ぎ、稼働日数は二百五十日にとどまる。停止状態でも一日あたり約五千万円の維持費が必要だ。

原子力規制委員会は昨年十一月、約一万点の機器点検漏れなどを受け、所管する文部科学省に新しい運営組織を示すよう勧告した。運営主体は、動力炉・核燃料開発事業団に始まり、すでに二回変更されている。文科省は新しい受け皿を探したが、電力会社は難色を示し、引き受け手はなかった。

◆核燃、既に12兆円 本紙調べ

高速増殖原型炉「もんじゅ」を中心とした核燃料サイクルには、少なくとも十二兆円以上が費やされてきたことが本紙の調べで判明している。施設の維持・運営費で年間約千六百億円が新たにかかる。

本紙は一九六六年度から二〇一五年度までのもんじゅや再処理工場、取り出したプルトニウムを再利用する混合酸化物(MOX)燃料工場、高レベル廃棄物の管理施設の建設費や運営費、必要になる廃炉・解体費などを積算した。立地自治体への交付金も足しているが、通常の原発向けと判別が難しい場合は、全額を除外している。

その結果、判明しただけで総額は計約十二兆二千二百七十七億円。主なものでは、もんじゅは関連施設なども含めると約一兆二千億円。青森県六ケ所村にある再処理工場はトラブル続きで稼働していないが、七兆三千億円かかった。

核燃サイクルのコストを巡っては、電力会社などでつくる電気事業連合会が〇三年、建設から最終処分までの総額は約十九兆円と試算している。

<もんじゅと核燃料サイクル> 普通の原発は、主な燃料に「燃えるウラン」を使う。それに中性子をぶつけて、核分裂の連鎖反応を起こし、生じた熱を取り出し、タービンを回して発電する。

もんじゅでは、主な燃料がプルトニウム。中性子を高速でぶつけ、燃料周囲に置いた「燃えないウラン」をプルトニウムに変える。燃料が増えるので、「高速増殖炉」の名がある。

中性子を減速させないよう、炉内は水ではなく、高温の液体金属(ナトリウム)で満たされている。ナトリウムは水などと激しく反応し危険だ。

核燃料サイクルは、原発で燃やした使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、もう一度高速炉で燃やそうという試み。青森県六ケ所村に、巨費を投じて再処理工場が建設されている。だが高速炉がいつまでもできないので、普通の原発にプルトニウムを含む燃料を装填(そうてん)する「プルサーマル」が行われている。

カテゴリー: もんじゅ, 核燃サイクル, 中日東京新聞・特報

むのさん語り魂を継ごう 24日、早大で「偲ぶ会」【9/17東京新聞・首都圏】

関西でも開催してほしい。

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政治学研究科主催シンポジウム「ジャーナリスト・むのたけじの魂を継承する~むのたけじさんを偲ぶ~」開催のお知らせ(9/24)

(早稲田大学 大学院政治学研究科)
https://www.waseda.jp/fpse/gsps/news/2016/09/13/7698/

【日時】2016年9月24日(土)18:00開場 18:30開演
【場所】早稲田大学大隈記念講堂 大講堂
【主催】早稲田大学 大学院政治学研究科ジャーナリズムコース
【共催】「むのたけじさんを偲ぶ会」実行委員会
【参加方法】入場無料・直接会場へ
【問合せ】kyt@waseda.jp
高橋恭子(早稲田大学政治経済学術院教授)宛

【プログラム(予定)】
第一部 パネルディスカッション [18:40-19:30]
「むのたけじのジャーナリスト魂をどう引き継ぐか」

パネリスト:鎌田慧(ルポライター)、桂敬一(メディア研究者、元立正大学教授)、佐高信(評論家)、宮城修(琉球新報社会部長)
モデレーター:落合恵子(作家)

第二部 ①「むのさんと出会って」 [19:40-20:30]
②「むのさんの魂を継承する」
『笑う100歳』予告編上映 [20:30-20:35]
遺族のご挨拶
総合司会:高橋恭子(早稲田大学政治経済学術院教授)

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むのさん語り魂を継ごう 24日、早大で「偲ぶ会」

2016年9月17日【東京新聞・首都圏】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/metropolitan/list/201609/CK2016091702000156.html

写真tky160917_munotakeji

先月、百一歳で亡くなったジャーナリストのむのたけじ(本名・武野武治)さんを「偲(しの)ぶ会」が二十四日、東京都新宿区西早稲田の早稲田大学大隈記念講堂で開かれる。

「葬儀する時間があるなら、みんなで私の書いたものでも読んでほしい」とむのさんは生前、家族らに語っていた。その思いをかなえるように、会もまた、交流のあった人々が「むのたけじの魂を継承する」をテーマに語り合う趣向だ。

二・二六事件の起きた一九三六年に東京外国語学校(現・東京外大)を卒業し、新聞記者になったむのさんは、四五年八月の終戦時に「戦意高揚を支えた報道責任をとる」と退社。戦後は故郷の秋田県横手市で、週刊新聞「たいまつ」を創刊することから模索した。

九十歳を迎えてからの十年間は、改憲を心配して発言を続けた。特定秘密保護法や集団的自衛権の行使容認を柱にした安全保障関連法の反対でも先頭に立ち、五月に東京で開かれた憲法集会で五万人を前に「九条の理想、必ず実現する」と語ったスピーチが、公の場での最後の発言となった。

偲ぶ会は、同大学院政治学研究科ジャーナリズムコースと、ルポライターの鎌田慧さんや作家の落合恵子さんらの「偲ぶ会」実行委員会が共同企画。前半は鎌田さんや落合さん、琉球新報社の宮城修社会部長らがパネルディスカッションで語り合い、後半はむのさんをインタビューした記者らのリレートーク。むのさんの映像記録も流される。

「形式的なことが嫌いだった父なので、若い人にたくさん集まっていただきたい」と遺族代表の次男武野大策さん(63)は話す。香典は辞退し、だれでも自由に平服での参加を求めている。開演は午後六時半(開場六時)。問い合わせは武野さん=電048(857)4029=へ。 (編集委員・佐藤直子)

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9/21「国の方針転換は無責任」 栗田前知事に聞く 「もんじゅ残してほしい」【日刊県民福井】

私にも聞いて下さい 「もんじゅ、お釈迦になってほしい」

事故をおこすたびに責任者が2人も亡くなっているが、栗田前知事の部下ではないのか?動燃の社員だったか?あれはクチフウジだったのか?も聞いてほしかった。
今日(9/21)午後6時からのもんじゅ廃炉のニュースが楽しみ。

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「国の方針転換は無責任」 栗田前知事に聞く

 「もんじゅ残してほしい」

http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/kenmin-news/CK2016092102000205.html
【中日新聞・福井発】2016年9月21日

政府が廃炉とする方向で最終調整している高速増殖原型炉「もんじゅ」(敦賀市)。県がもんじゅの建設を了承した当時の副知事で、一九八七(昭和六十二)年~二〇〇三年に知事を四期務めた栗田幸雄さん(86)は本紙のインタビューに答え、国策で歩み出した経緯も踏まえ「国の方針転換は無責任。運営主体は変更し、もんじゅは残してほしい」と今の心境を語った。 (聞き手・尾嶋隆宏、高橋雅人)

「国の方針転換は無責任」と話す前知事の栗田幸雄さん=福井市内で

写真

-県がもんじゅの建設を受け入れた経緯は。

「高速増殖炉をどこに造るかの議論になって、敦賀に設置を、と国が進めることになった。県議会で議論し、国策だから協力しようとなった。福井県にとっては受け身で、『来てください』と言ったわけではない」

-もんじゅに期待もあったのか。

「使用した以上に燃料を生み出す、日本の原子力開発の最終目標みたいなものだった。『夢の原子炉』を実現してほしいと願った」

-知事だった一九九五年八月、もんじゅは初送電に成功したが、三カ月余り後にナトリウム漏れ事故が起きた。

「初送電の時は、これからのもんじゅの成功をみんなで期待した。それが三カ月で大きな事故を起こした。建設了承前に県議会で、そこは気を付けてもらわないとと注文していたナトリウムが漏れた。大変なショック。動力炉・核燃料開発事業団(動燃)のビデオ隠しもあった。当時の動燃理事長に怒りをぶつけた」

-県は事故後、もんじゅ存続を望んだのか。

「県からは言っていない。国が決めた。僕の在任中に改造工事に向けた安全審査入りは認めたが、改造工事は次の知事の判断に委ねた。(動燃を改組した)核燃料サイクル開発機構のやり方に不信感があり、県の同意には時間がかかると考えた」

写真kenfukui160921_monjyu

-現在、政府は「廃炉」も検討している

「運営の仕方に県民は不満を持っている。運営のまずさは是正し、事業主体をどこにするかは政府で考えてもらわないといけない。しかし、もんじゅは夢の原子炉であり、将来のために残してほしい」

 -もんじゅの実質稼働は二百五十日。県にとって何だったのか。

「成果も全然出ていないのに、事故で長期停止し、廃炉の議論が起こるのは一体どうして、と思う。廃炉になれば、苦労して協力したのにどうしてくれるんだという議論は出てくると思う。国の方針転換であり無責任だ」

-西川一誠知事はもんじゅの存廃への言及を避けている。

「知事の立場からしたら、福島の事故があり、原子力への国民の風当たりも強い。僕はもう知事の立場でないから『もんじゅは残してほしい』と言える。僕が西川知事の立場なら言えない」

 

カテゴリー: もんじゅ

9/21原発電力の購入拒否でも 全原発の廃炉費用は国民負担/原子力政策の限界鮮明に 廃炉費をすべての電力利用者負担へ【東京新聞の1面と2面】

原発電力の購入拒否でも 全原発の廃炉費用は国民負担

2016年9月21日 07時03分【東京新聞・経済】第1面
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016092190070120.html
経済産業省は、東京電力福島第一原発の廃炉や事故処理にかかる費用のほか、他大手電力が保有する原発も含む廃炉費用を、原則としてすべての電力利用者に負担させる方向で調整に入った。電気料金に含まれる「託送料金」に費用を上乗せする案が有力だ。同省の方針通りに決まれば、四月の電力小売り自由化で大手電力会社以外と契約した消費者も費用を支払うことになる。

福島第一原発関連の費用に加え、すべての原発に必要となる費用がいくらかかるのか、上限が見えない中で、同省の方針通りに決まれば消費者の負担はさらに増えていく。原発を保有する大手電力会社ではなく、原発の電力を使っていない消費者にまで負担を強いる方針は批判が避けられそうにない。

同省が費用の上乗せを考えている「託送料金」は、大手電力会社の送電網を使うための「利用料」のようなもので、修繕費など送電網の維持管理に必要な経費を基に国が認可し、すべての電力利用者の電気料金に上乗せされている。主に原発の維持に充てられる電源開発促進税も含まれ、東京電力管内では一キロワット時当たり八・五七円。ここに福島第一原発の廃炉や除染、賠償に必要な費用やほかの原発の廃炉費用も上乗せする案を軸に調整する。

同省は、原発による電力の一部をすべての電力会社が安く利用できる仕組みを整えることで「国民への恩恵がある」(経産省関係者)とし、消費者に上乗せの理解を求める方針だ。

二十日に有識者会合「東京電力改革・1F(福島第一原発)問題委員会」(東電委員会)と「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」を設置することを発表。年内に正式な結論をまとめ、二〇一七年の通常国会に電気事業法の改正案を提出する考えだ。

同省の方針通りになれば、消費者はどの電力小売り事業者と契約していても、原発に必要な費用を負担する可能性が生じる。料金が高くても原発による電力を売らない会社や、電源の種類を選ぼうとする消費者の意向に背くことになる。

福島第一原発では廃炉や除染、被災者への賠償にかかる費用が一三年の見通しを上回っている。東電の数土(すど)文夫会長は今年七月に「越えるべきハードル(負担)が見えないと、責任を持てない」と政府に支援を要請。自民党も対応を求める提言をまとめていた。同様に一二年にも国に支援を求め、国民の負担を強めた。誰も責任を取らないまま国民負担が膨らむ構図は、今でも変わっていない。

一方、ほかの原発の廃炉費用は同省が一五年の有識者会合「廃炉に係る会計制度ワーキンググループ」で、すべての電力利用者から徴収する方針を示していた。電力の自由化で大手電力会社から顧客が流出すると、廃炉費用を工面できなくなる可能性があるためだとしている。

(東京新聞)

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原子力政策の限界鮮明に 廃炉費をすべての電力利用者負担へ

2016年9月21日 朝刊【東京新聞・経済】第2面
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201609/CK2016092102000120.html

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経済産業省が東京電力福島第一原発をはじめとする大手電力会社の原発の支援に乗り出すことで、国民には「底なし沼」のような負担が迫る。「原発は安い」という説明を続けながら、綻(ほころ)びが生じるたびに国民負担を増やすことで覆い隠そうとする政府の原子力政策。有識者からは「限界にきている」と厳しい批判が相次いでいる。(吉田通夫)

実質的に国有化されている東電と政府は二〇一三年に福島第一原発の廃炉費用を二兆円と見積もり、東電が工面する計画を立てた。しかし、今後の作業は溶け出た核燃料の取り出しなど世界でも前例のない段階に入り、「十兆円はくだらない」(経産省関係者)などとみられている。除染や賠償費も、すでに一三年の見積もりを超えた。東電関係者によると、今年七月に、東電が政府に支援を求める声明を書いたのは、経産省から出向中の西山圭太執行役で、同省の「自作自演」だった。
今後、費用の上乗せを議論する「東京電力改革・1F問題委員会」は、国民に負担を求める議論にもかかわらず、経産省は「東電の経営に直結するので」(電力・ガス事業部の畠山陽二郎政策課長)と一部を非公開にする構えだ。
一方、ほかの原発の廃炉費用は電力会社が四十年かけて積み立てる規則だった。同省の資料によると一三年三月末時点で全国の原発五十基の廃炉費用一・二兆円分が不足している。「原発が安い」というならば、原発を持つ大手電力会社は廃炉費用に悩む必要はないはずだが、それも結局は国民に頼るという。
電力問題に詳しい立命館大の大島堅一教授は「矛盾は明らかで、福島第一原発のように最終的にいくらになるのか分からない費用があったり、超長期にわたって費用を積み立てなければならない不安定な電源を『安い』とは言えない」と話す。
原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「原発を保有する東電や大手電力会社を生かすために付け焼き刃の対応と国民負担を増やし続けている状態で、原子力政策の行き詰まりは明らかだ」と批判している。

◇各委員会のメンバー

(五十音順、敬称略)

【東電改革・1F問題委員会】

▽伊藤邦雄(一橋大大学院特任教授)▽遠藤典子(慶応大大学院特任教授)▽小野寺正(KDDI会長)▽川村隆(日立製作所名誉会長)▽小林喜光(経済同友会代表幹事)▽白石興二郎(読売新聞グループ本社会長)▽冨山和彦(経営共創基盤CEO)▽原田明夫(原子力損害賠償・廃炉等支援機構運営委員長)▽船橋洋一(日本再建イニシアティブ理事長)▽三村明夫(日本商工会議所会頭)▽オブザーバー・広瀬直己(なおみ=東京電力ホールディングス社長)

 【電力システム改革貫徹のための政策小委員会(◎は小委員長、○は小委員長代理)】

▽秋池玲子(ボストンコンサルティンググループシニア・パートナー)▽秋元圭吾(地球環境産業技術研究機構システム研究グループリーダー)▽安念潤司(中央大法科大学院教授)▽石村和彦(旭硝子会長)▽伊藤麻美(日本電鍍工業代表取締役)▽大石美奈子(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会代表理事)▽大橋弘(東京大大学院教授)▽大山力(横浜国立大大学院教授)▽崎田裕子(ジャーナリスト)▽松村敏弘(東京大教授)▽圓尾(まるお)雅則(SMBC日興証券マネージングディレクター)◎山内弘隆(一橋大大学院教授)▽山口彰(東京大大学院教授)○横山明彦(東京大大学院教授)

カテゴリー: 核燃サイクル

9/21もんじゅ 核燃料サイクル 年末までに結論 きょう関係閣僚会議【東京新聞・2面】

もんじゅ 核燃料サイクル 年末までに結論 きょう関係閣僚会議

2016年9月21日【東京新聞・社会】
政府は二十日高速増殖炉もんじゅ(福井県)の廃炉を巡り、二十一日午後六時から原子力関係閣僚会議を開くと発表した。所管する文部科学相は、現運営主体の日本原子力研究開発機構の関連部門を分離し存続させる案を目指してきたが、政府はもんじゅの廃炉を前提に、核燃料サイクル政策の取り扱いを協議する検討会を新たに設置し、年末までに結論を出す方針。

政府は、文科省による検討が遅れていることなどを考慮、二十六日から臨時国会が始まるのを控え、もんじゅ事業の抜本的な見直し方針の表明を急ぐ必要があると判断した。関係閣僚会議には官房長官文科相、経済産業相、外相、環境相らが出席する。

文科省はもんじゅを再稼働させると少なくとも十八年間で約五千八百億円の費用が必要と試算していたことも判明。文科省関係者によると、原子力規制委員会の新規制基準に対応させるための施設の改造工事に約十年かかる。その後、起動前点検や性能試験などを経て、十分なデータを取るためには五~六年稼働させる必要があり、計十八年間の費用を試算した。

改造工事に約千七百億円、人件費に約八百十億円、点検や試験に約三百二十億円のほか、年間の維持管理費を百八十億円として十八年間で約三千二百四十億円かかる。発電した電気を売却する利益約二百五十億円を差し引いて合計で約五千八百億円が必要と見込んでいる。文科省は首相官邸に存続案を伝えたが、受け入れられなかった。政府はもんじゅを廃炉にしても高速炉研究や核燃料サイクル政策は維持する方針。

 

政府、もんじゅ廃炉前提に検討 閣僚会議の確認方針判明

2016年9月21日 00時23分【東京新聞・社会】
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016092001001784.html

高速増殖炉もんじゅ(福井県)の廃炉問題で政府が21日に開く原子力関係閣僚会議で確認する方針の概要が20日、明らかになった。もんじゅは廃炉を前提に抜本的に見直す。高速炉の研究開発方針を協議する官民会議を新たに立ち上げ、年末までに結論を取りまとめる。閣僚会議は官房長官、文部科学相、経済産業相、外相、環境相らが出席し、非公開で行う。

政府はもんじゅを廃炉にしても、高速炉研究や核燃料サイクル政策は維持する方針。もんじゅの前段階の実験炉「常陽」の活用や、フランスの研究計画への参加などを検討。

新たに設置する官民会議には、電力会社やプラントメーカーも参加する。

(共同)

カテゴリー: もんじゅ

9/19 毎日放送VOICE 憤懣本舗 琵琶後の水の異変

永岡です、毎日放送のニュース「VOICE」の月曜特集、憤懣本舗にて、琵琶湖での水の異変、墨汁のようなにおいがするということについて報道がありました。

琵琶湖の南東岸の竜王町で、水道水から異臭がするとの情報がMBSに寄せられて、記者さんが行くと、水道水そのものから刺激臭、墨汁のようなにおいであり、飲料水は一旦煮沸しないと飲めず、さらに厄介なのがお風呂であり、風呂場に異臭が立ち込めて、体を洗うどころではありません。

滋賀県庁に、8月の末から異臭の苦情が900件以上寄せられて、それも琵琶湖全体ではなく、南東岸の19万人の地域で、近江八幡市ほかの地域、馬淵浄水場の管轄範囲での異臭であり、他にもかび臭いなどの苦情があり、MBSがシニアテイストの方に飲んでもらっても、これはやはり墨汁のような刺激臭というのです。

理由は、この地域に流れ込む川であり、そこは見てもはっきり緑色とわかるものであり、これを調査したら、オシアトリアという植物性プランクトンが原因で、これは1ccに1本このオシアトリアが入ってもにおうものであり、オシアトリアは水温が高く、そして水が汚れていると繁殖するものであり、今年は梅雨の雨が少なく、さらに今年の冬は雪も少なく、琵琶湖の水が少なく、そして猛暑で水温が高く、オシアトリアが猛繁殖することになったのです。

馬淵浄水場では、活性炭(冷蔵庫の脱臭剤に使われているものと同じ)を使ってにおいを取る努力をしているものの、根本的な対策にはならず、神戸学院大の中野雅至さんも、これが自治体の運営コストを上げることの問題も説かれました。

このような水道水は日本の宝であり、こういう公的インフラは何かの時に対応すべきであり、VOICEでは明日も琵琶湖の問題を取り上げると言うことであり、とせこかの自治体のように、水道を民営化するなど、とんでもないことになると思いますが…以上、VOICEの内容でした。

カテゴリー: 永岡さん

9/19大阪、長野、長崎、大分の安保法反対抗議デモ【東京・中日・信濃毎日・毎日・朝日・長崎】写真つき

 

安保法「反対し続ける」 成立1年、全国で抗議デモ

2016年9月19日 19時15分【東京新聞・社会】

安全保障関連法成立から1年となった19日、市民団体が国会前で大規模な反対集会を開いた。主催者発表で約2万3千人が集まり、参加者は雨の中、「廃止するまで諦めない」「みんなの力で憲法を守ろう」などと声を張り上げた。一斉行動も呼び掛け、各地でデモや集会が実施された。

国会前は「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が主催。6歳の娘を連れて東京都板橋区から参加した障害者施設職員山内朋子さん(40)は「安保法への関心が薄くなってきているが、成立1年で国会前に抗議に行ったよと周囲に話をしようと思い、参加した。関心を持ち続けたい」と話した。

(共同)

大阪市で開かれた集会で、ボードを掲げ安保関連法の廃止を訴える人たち=19日午後

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「平和憲法守れ」訴え続く 安保法1年、廃止求めデモ

【中日新聞・一面】2016年9月20日 朝刊
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016092002000081.html

集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法の成立から一年となった十九日、国会前で安保法廃止を求めるデモがあり、二万三千人(主催者発表)が集まる中、市民団体メンバーや野党幹部が次々スピーチし、参加者たちは「戦争する国、絶対反対」などと抗議の声を上げた。東海地方でも、雨が降る街頭で声が上がった。

名古屋・栄の白川公園には約二千人(主催者発表)が集まった。主催団体は、安保法成立時から毎月十九日に集会を開催。節目のこの日は、主催団体の共同代表の中谷雄二弁護士が「声を上げてきたが、政権は無視を続けている」とこの一年を振り返り、「戦争の危険が目前に迫っていることをこれからも訴える」と強調した。

参加者らは引き続き、「戦争法廃止」などと声を上げながら、繁華街を一キロ超にわたってデモ行進した。

同じ名古屋・栄では、愛知県内の母親らでつくる「全国ネットママの会@愛知」の十五人も街頭に。法成立時は大きかったデモへの共感が時がたつにつれて薄らいできたと感じており、若い母親を中心に再び関心を集めようと「マジ日本ヤバくない?」など、くだけた表現を使ったチラシを通行人に配りながら「改憲が間近になってきてしまいました」と危機感も伝えた。

「平和憲法を守れ」「戦争法廃止」のステッカーを掲げ、五十人がアピールしたのは三重県松阪市のJR松阪駅前。同市宮町の主婦竹田房子さん(69)は「一年前の強行採決は認められない。三人の孫のためにも絶対に安保法はなくさないと」と話した。

岐阜県多治見市のJR多治見駅前広場も市民ら約七十人が集まった。集会の主催団体代表の福田静夫さん(84)は「自衛隊予算は増えているのに福祉予算は削られている。命を軽んじ、戦争に巻き込まれることがあってはならない」と主張。集会の後、参加者らは近くの市役所駅北庁舎前の歩道に並び、「戦争あかん!!」「アベ政治を許さない」と訴えたプラカードを掲げた。

 

安保法制1年、県内でも反対の声 各地でデモや集会

【中日新聞・長野】2016年9月20日
http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20160920/CK2016092002000018.html

自作のプラカードを持って歩道に立つ参加者たち=阿智村で
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集団的自衛権の行使容認を柱とした安全保障関連法の成立から一年の節目となった十九日、法案廃止などを訴える集会やデモ行進が県内各地で繰り広げられた。

松本市のJR松本駅周辺では、市民ら約二百五十人が「命を守ろう、子どもを守ろう」などとシュプレヒコールを上げながら約二キロの道のりを練り歩いた。市民団体「戦争をさせない1000人委員会・まつもと」などが主催。デモ出発前の集会で、同会発起人の西村忠彦さん(86)が「大きな犠牲を払って手にした立憲主義、日本国憲法をないがしろにした強行採決で制定された安保法制を断じて許すことはできない」と呼び掛けた。

飯田市では「戦争をさせない千人委員会・飯田下伊那」などが呼び掛け、約百五十人が市街地を歩きながら声を上げた。「憲法九条を守り広めるあちの会」の原佐代子さん(69)=阿智村智里=は「平和の危機が訪れている。絶対に防がなければいけない」と語った。

飯田市でも安保関連法制廃止を力強く訴える参加者たち
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岡谷市では、市内の九条の会など八団体でつくるグループ「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める岡谷市民連合」がアピール集会を開き、会場の公園に共産党参院議員や野党各党の支持者ら約六十人が集まった。世話人の伊藤政美さん(76)は「安倍政権はものすごい暴走を始めた。戦争法の危険と、憲法九条を変えようとする狙いを、市民に広く伝えていく運動をしていかなければならない」と呼び掛けた。

阿智村では「戦争やめまい☆阿智の会」の会員ら約二十人が春日交差点付近に立ち、「戦争法廃止」などと書かれた自作のプラカードを掲げて通行車両に訴えた。事務局の市川勝彦さん(63)は「満蒙(まんもう)開拓で苦しんだ下伊那から再び戦争に行かせることは避けないと。廃止まで続ける」と話した。

(水田百合子、牧野良実、中沢稔之、服部桃)

 

県内や国会前、抗議活動 安保法成立1年

9月20日【信濃毎日新聞】
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160920/KT160919FTI090010000.php

sinano160920成立から1年となった安保関連法に抗議して長野市内で行われたデモ行進=19日、同市の新田町交差点

戦後の安全保障政策を転換する安全保障関連法の成立から1年となった19日、県内各地で集会やデモなどの抗議活動が行われた。多くの会場で集団的自衛権の行使を認めた同法を「憲法違反」と批判。憲法改正論議も見据え、参加者は今後も安保関連法への異議を唱え続けようと呼び掛けた。

長野市の上千歳広場では、市民有志らでつくる実行委員会が開いた集会に約230人が参加。リレースピーチで「強行採決の悔しさを忘れない」「自衛隊員の命が危険にさらされている」と訴えた後、プラカードを手に市街地をデモ行進した。

松本市の松本駅前では、市民有志らの実行委員会が反対集会を開催。市内外から約250人が集まり、デモ行進もあった。佐久市で同法廃止を求めた集会には約200人が参加した。

諏訪地方5市町では「9・19を忘れない集会IN諏訪地域」と銘打った街頭活動を展開。下伊那郡阿智村でも住民らが国道沿いに立って同法廃止を訴えるなど、町村部も含めて幅広い地域で抗議活動が繰り広げられた。

国会前でも市民団体が大規模な反対集会を開催。主催者発表で約2万3千人が集まり、参加者は雨の中、「廃止するまで諦めない」「みんなの力で憲法を守ろう」などと声を張り上げた。

(9月20日)

 

安保法成立1年  廃止、諦めない…各地で抗議集会

http://mainichi.jp/articles/20160920/k00/00m/040/023000c
毎日新聞2016年9月19日 19時09分(最終更新 9月20日 00時03分)

安全保障関連法の成立から1年がたち、国会議事堂(左奥)近くでの抗議行動に雨の中でも集まる人たち(右)。左は警戒する警官らと報道陣=東京都千代田区で2016年9月19日午後4時31分、山本晋撮影

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安全保障関連法の成立から1年となった19日、国会前で抗議集会が開かれ、市民らが「みんなで憲法守ろう」「廃止まで諦めない」と反対の声を上げた。成立後、日本の安全保障環境は厳しさを増し、自衛隊の新任務である駆け付け警護の付与も秒読み段階だが、安保法制を巡る安倍政権への批判はやんでいない。【山崎征克、柳澤一男】

 

◇「受け入れ、修正の過程」…専門家指摘も

雨の中で「自衛隊員の命守ろう」というプラカードも見える。主催団体によると、参加者は約2万3000人で、この日全国400カ所以上で抗議行動があったという。

国会前には野党の国会議員も姿を見せた。民進の岡田克也前代表は「憲法違反の法律は何年たっても憲法違反。それを廃止するのが国会の仕事だ」と訴えた。また、憲法学者の清水雅彦・日体大教授は「9割の研究者が違憲と考えた。どう考えても憲法に反しているのに、それが分からない首相は早く退いてほしい」と力を込めた。

参加者からは、安保法制の違憲性だけでなく、拡大した自衛隊活動や安倍政権の姿勢自体への疑問や不安の声が相次いだ。

千葉市稲毛区の無職、菅原軍次さん(73)は「海外で軍事力を行使すれば、必ず報復の標的にされる」と心配した。千葉県柏市の会社員、鬼木大輔さん(30)は「福島の原発事故で考え方が変わった。原発再稼働も安保も数の力で進める安倍政治にノーと言いたい」。埼玉県ふじみ野市の団体職員、武田梨華さん(38)は「消費増税など生活への負担は大きくなっているのに社会保障の充実は感じない。人に優しい政治を」と望んだ。

一方、各地で展開されたデモの参加者について「安保法制にやみくもに反対しているわけではない」と見る専門家もいる。

日本大危機管理学部の福田充教授は昨年の安保関連法成立前、研究室で参加者約400人にアンケートを実施した。大部分が「審議がしっかりなされていない」とする一方で、20代までの80%(30代以上の66%)が「日本一国で平和の維持は困難」と感じ、67%(同37%)が「世界情勢に合わせて安保政策も変わっていくべきだ」と答えた。

福田さんは「政府は説明責任を十分に果たさず、数の力で押し切った。安保法制には問題点もある」と指摘。その上で、日本人が犠牲になったバングラデシュでのテロや、北朝鮮が繰り返す核実験やミサイル発射などを踏まえ、「国際情勢を国民は冷静に見ている。夏の参院選でも与党が勝利した。今は社会が時間をかけて安保法制を受け入れ、修正していく過程にある」と分析する。

 

安保法廃止訴え、各地で集会 成立1年、危機感と模索と

http://www.asahi.com/articles/ASJ9M54BHJ9MPTIL00G.html
【朝日新聞デジタル・花房吾早子 保坂知晃】2016年9月20日05時08分

写真・図版
集会を開き安保関連法の廃止を訴える市民ら=19日午後、大阪市西区、筋野健太撮影

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安全保障関連法の成立から1年がたった19日、安保法廃止を求める集会が大阪市西区の靱公園であった。市民グループや労働組合の約5千人(主催者発表)が参加。「9月19日を忘れず声を上げ続ける」とする決議が読み上げられた。安保法に危機感を抱き、立ち上がった人々の模索は続く。

「参院選で改憲勢力が3分の2を超えた。でも、悲観も楽観もしている暇はない。何度でも、効果的な一手を打ち続けましょう」

8月に解散した学生団体「SEALDs(シールズ) KANSAI」の中心メンバーだった神戸大大学院博士課程の塩田潤さん(25)はこの日のスピーチで、安倍政権下で進む改憲の動きをけんせいした。集会後のデモで「野党はがんばれ」「民主主義って何だ」と久しぶりのコールをし、中心となって盛り上げた。

シールズ関西は昨年5月に発足し、街頭に立ち続けた。「一人ひとりが考え行動すること」を大切にし、代表や意思決定機関を設けなかった。だが、メンバーには「自分をしっかり持ってる人はいいけど、僕は何をやればいいかわからなかった」「やり方を示すのが団体の役目では」と戸惑う声もあった。安保法廃止を訴える野党候補を応援した参院選では、組織政党との力の差も痛感した。

しかし、個人の緩やかなつながりだからこそ輪が広がったという手応えもある。「政治と日常を近づけられたと思う」と塩田さん。「数年で社会が変わるとは思っていない。10年、20年と長いスパンで社会に働きかけたい」。10月末、他の市民と共に野党共闘に関するシンポジウムを開く予定だ。

昨年6月に結成された「安保関連法に反対するママの会@大阪」も集会に参加。生後6カ月の長男を抱いた安居裕子さん(36)が「安保法廃止のために前を向いて進まなきゃ」と壇上で語りかけた。

参院選後、会の名称を「子どもの未来を考えるママの会@大阪」に変えた。安保法に反対する署名集めや勉強会は続けるが、原発、保育所、学費、環太平洋経済連携協定(TPP)なども学び、問題提起していきたいという。

参院選でメンバーは大阪選挙区の民進、共産両党の候補からスピーチを頼まれた。だが、ためらいもあった。安保法反対は全員一致。でも、他の政策の議論を会の中で深めたことがなかった。選挙後、「政党の支持者だと思われたかも」「政党に利用されたのかな」と、政党との距離感について意見が噴出した。

5歳の息子を育てる小林真知子さん(35)は民進候補の応援で2回マイクを握った。冷たい視線も感じたが、勇気を出してよかったと思う。「政治に関わることをタブーにしたくない。大切だと思ったことは自分で言いたい」と話す。

野党共闘を後押しするために「みんなで選挙☆ミナセン大阪」をつくった市民らも集会に参加した。

運動が無関心層に届いたか確信はない。参院選後の会合では、チラシに書いた「生きづらい世の中を一緒に変えませんか?」という文に対し、若者から「わかりにくいポエムのよう」と言われたというエピソードも紹介された。

共同代表で弁護士の小谷成美さん(39)は「私たち以外の人をどれだけ巻き込めるか。次の衆院選に向けて準備をして、結果につなげたい」と意気込む。

東京・国会前でも19日、市民ら約2万3千人(主催者発表)が抗議デモをし、自衛隊の任務拡大などを批判した。(花房吾早子)

安全保障関連法の成立から1年となる19日、愛知、岐阜、三重の東海3県でも安保法廃止を訴える集会やデモがあった。

名古屋市中区の白川公園では、弁護士らが発起人の「安倍内閣の暴走を止めよう共同行動実行委員会」が集会を開いた。雨の中、約2千人(主催者発表)が参加した。主催者共同代表の中谷雄二弁護士は「市民が声を上げることをやめれば、世論は沈静化する。互いに励ましながら運動を進めよう」と運動継続を訴えた。集会後、周辺を「憲法改悪、絶対反対」と訴えてデモ行進した。

栄の繁華街では、母親らでつくる団体「全国ネットママの会@愛知」の約15人がアピール行動。「だれの子どももころさせない」と書いた横断幕を持ち、通行人にチラシを配って、安保法制や自民党が憲法改正草案に盛り込んだ緊急事態条項への反対を呼びかけた。

チラシの受け取りを断る人も多く、参加した名古屋市の増田奈緒子さん(39)は「のど元過ぎれば、という感じ。これからは何が問題なのかを伝えていかなければ」と語った。(保坂知晃)

長崎市や大分市でも、安全保障関連法の廃止を訴える集会があった。

 

安保法成立1年  長崎でも反対集会

http://mainichi.jp/articles/20160920/k00/00m/040/024000c
【毎日新聞】2016年9月19日 19時10分(最終更新 9月19日 19時10分)

安全保障関連法の成立から1年となった19日、長崎市では、市民団体「ながさき市民連合」が市の繁華街で安全保障関連法に反対する集会を開き、被爆者や市民ら約300人が参加した。長崎原爆被災者協議会副会長で被爆者の森内実さん(79)は「戦争をしやすくしている安保法は無謀なものだ。世界に誇る平和憲法を絶対に守らなければいけない。生きている限り私たちも頑張る」と訴えた。大分市でも市民団体のメンバーら約150人が法廃止などを訴えて市中心部でデモ行進した。

一方で鹿児島県や福岡県などで予定されていた集会は台風16号の影響で相次いで中止となった。【加藤小夜】

 

平和憲法守る 長崎で集会

http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2016/09/20092318049041.shtml
(2016年9月20日更新)【長崎新聞】

安保法廃止を訴えた「市民行動」=長崎市、鉄橋

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集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法の成立から1年となった19日、長崎市の鉄橋では、反対派市民による集会「1年たっても違憲は違憲~安保法制廃止!9・19市民行動」(ながさき市民連合主催)があり、約300人(主催者発表)が参加した。

同連合の芝野由和共同代表は「憲法学者のほとんどが『法案は憲法違反だ』と断言したのに、安倍晋三政権がごり押しして成立させたのは立憲主義の破壊だ。安保法は手続き的にも中身においても正統性を欠いている」と指摘した。

被爆者の森内實さん(79)=西彼長与町=は「安保法制は戦争をするための法律だ。今の平和憲法を絶対に守らなければならない」と強調。若者グループ「N-DOVE(エヌダブ)」のメンバーで堀江純子さん(30)は「平和な日本で安心して生きたい。子どもたちに受け渡したい」と法廃止を訴えた。

参加者は全員でラップ調のリズムに乗って「戦争反対」「解釈改憲絶対反対」などと声を上げた。

カテゴリー: 戦争法案

【9/20東京新聞1面・2面・社説】「戦争する国、反対」訴え続ける 安保法成立1年 国会前デモ・安保法成立1年/政府 新任務へ準備加速/市民 廃止訴え「共闘」導く・【社説】安保法成立1年 違憲性は拭い去れない

「戦争する国、反対」訴え続ける 安保法成立1年 国会前デモ

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016092002000116.html
2016年9月20日 朝刊【東京新聞・社会】1面

雨の中、国会前で安保関連法の廃止を訴える人たち=19日午後3時28分、東京・永田町で(中西祥子撮影)
写真

安全保障関連法が成立して一年となった十九日、国会前で安保法廃止を求めるデモがあり、二万三千人(主催者発表)が集まった。雨の中、市民団体メンバーや野党幹部が次々スピーチし、参加者たちは「戦争する国、絶対反対」などと抗議の声を上げた。

デモは複数の市民団体でつくる「戦争させない・九条壊すな!総がかり行動実行委員会」が主催。

解散した「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」元メンバーの林田光弘さんは「安倍首相は安保法の説明を続けていくと言ったが、いまだにされていない」と批判。解散メッセージを引用して「(民主主義が)終わったのなら始めましょう」と抗議活動の継続を訴えた。

憲法学者らでつくる「立憲デモクラシーの会」呼び掛け人の西谷修・立教大特任教授(思想史)は「成立から一年の間、反対の原動力になってきたのは、普通の人たちだ」と語りかけた。

民進党の岡田克也前代表は「一年たったが憲法違反なのは変わらない」と安保法を批判。共産党の志位和夫委員長は「野党共闘をさらに発展させて、新しい政治をつくろう」と呼び掛けた。

 

 

安保法成立1年

 政府 新任務へ準備加速

  市民 廃止訴え「共闘」導く

2016年9月20日【東京新聞・2面】

他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を往とした安全保障関連法の成立から、19日で1年となった。この間を振り返ると、政府は米国と軍事的な連携を強めながら、安保法に基づき自衛隊が海外で活動するための準備を加速した。市民団体は廃止に向けて粘り強く活動を続け、野党共闘を後押しする役割も演じた。(安藤美由紀、北條香子)=1面参照

安保法は昨年九月十九日に成立し、今年三月二十九日に施行された。日米両政府は昨年十一月、米軍と自衛隊の運用一体化に向けた「同盟調整メカニズム」の運用を開始した。安倍晋三首相は同月、マニラでの日米首脳会談で、安保法成立を受け「新たな協力の序章にしたい」と強調した。

昨年十月には、武器の輸出・購入、他国との共同開発を一元的に行う防衛装備庁が発足した。

二O一六年度予算の防衛は当初予算で初めて五兆円を突破。一七年度予算の概算要求額も、安保法の新任務に対応できる新型兵器の取得費が盛り込まれ、約五兆一千七百億円と過去最大になった。

防衛省は今月十四日から、安保法の新任務の実動訓練を開始。南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に派遣される交代部隊への「駆け付け警護」などの任務付与が検討されている。十月の日米共同統合演習「キーン・ソード」、十一月の日米共同方面隊指揮所演習「ヤマサクラ」でも新任務を反映させた訓練が検討される。安保法は本格的な運用段階に入りつつある。

これに対して市民団体は、安保法の成立直後から廃止に向けて動きだした。

「戦争させない・九条壊すな!総がかり行動実行委員会」は毎月十九日、国会周辺などで反対の声を上げる活動を継続。昨年十二月には「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」が発足した。

市民連合は今年七月の参院選一人区で、安保法に反対する野党による統一候補擁立を後押し。統一候補は三十二の一人区のうち十一選挙区で勝ち、一定の成果を挙げたと指摘される。市民が関与する野党共闘は同月の東京都知事選でも実現した。

今月十五日に就任した民進党の蓮舫代表は、安保法について「集団的自衛権行使の部分で憲法に抵触する。ほかの野党と協力してきた経緯がある」と、引き続き野党で連携して廃止を目指す考えを示した。

反安保法の動きは司法の場に持ち込まれた。今年四月、憲法が保障する「平和的生存権」が侵害されたなどとして、計約七百人が自衛隊出動の差し止めや賠償を求め、東京地裁などに集団提訴した。

 

【社説】安保法成立1年 違憲性は拭い去れない

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016092002000123.html
2016年9月20日【東京新聞・社説】

安全保障関連法の成立から一年。「違憲立法」の疑いは消えず、既成事実化だけが進む。戦後日本の平和主義とは何か。その原点に立ち返るべきである。

与野党議員が入り乱れる混乱の中、安倍政権が委員会採決を強行し、昨年九月十九日に「成立」したと強弁する安保関連法。今年三月に施行され、参院選後の八月には自衛隊が、同法に基づく新たな任務に関する訓練を始めた。

政権は既成事実を積み重ねようとしているのだろうが、その土台が揺らいでいれば、いつかは崩れてしまう。その土台とは当然、日本国憲法である。

◆他衛認めぬ政府解釈

七月の参院選では、安保関連法の廃止と立憲主義の回復を訴えた民進、共産両党など野党側を、自民、公明両党の与党側が圧倒したが、そのことをもって、安保関連法の合憲性が認められたと考えるのは早計だろう。

同法には、「数の力」を理由として見過ごすわけにはいかない違憲性があるからだ。

安保関連法には、武力で他国を守ったり、他国同士の戦争に参加する「集団的自衛権の行使」に該当する部分が盛り込まれている。

安倍内閣が二〇一四年七月一日の閣議決定に基づいて自ら認めたものだが、歴代内閣が長年にわたって憲法違反との立場を堅持してきた「集団的自衛権の行使」を、なぜ一内閣の判断で合憲とすることができるのか。

憲法の法的安定性を損ない、戦後日本が貫いてきた安保政策の根幹をゆがめる、との批判は免れまい。成立から一年がたっても、多くの憲法学者ら専門家が、安保関連法を「憲法違反」と指摘し続けるのは当然である。

現行憲法がなぜ集団的自衛権の行使を認めているとは言えないのか、あらためて検証してみたい。

◆血肉と化す専守防衛

戦後制定された日本国憲法は九条で、戦争や武力の行使、武力による威嚇について、国際紛争を解決する手段としては永久に放棄することを定めている。

これは、日本国民だけで三百十万人の犠牲を出し、交戦国にとどまらず、近隣諸国にも多大な犠牲を強いた先の大戦に対する痛切な反省に基づく、国際的な宣言と言っていいだろう。

その後、日米安全保障条約で米軍の日本駐留を認め、実力組織である自衛隊を持つには至ったが、自衛権の行使は、日本防衛のための必要最小限の範囲にとどめる「専守防衛」を貫いてきた。

自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力で阻止する集団的自衛権については、主権国家として有してはいるが、その行使は専守防衛の範囲を超え、許されない、というのが歴代内閣の立場である。

日本に対する武力攻撃は実力で排除しても、日本が攻撃されていなければ、海外で武力を行使することはない。日本国民の血肉と化した専守防衛の平和主義は、戦後日本の「国のかたち」でもある。

しかし、安倍内閣は日本が直接攻撃されていなくても「わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」には集団的自衛権の行使が可能だと、憲法を読み替えてしまった。

その根拠とするのが、内閣法制局が一九七二年十月十四日に参院決算委員会に提出した資料「集団的自衛権と憲法との関係」だ。

安倍内閣は、自衛権行使の要件として挙げている「外国の武力攻撃」の対象から「わが国」が抜けていることに着目。攻撃対象が他国であっても、自衛権を行使できる場合があると解釈し、「法理としてはまさに(七二年)当時から含まれている」(横畠裕介内閣法制局長官)と強弁している。

しかし、それはあまりにも乱暴で、粗雑な議論である。当時、この見解作成に関わった人は、集団的自衛権を想定したものではないことを証言している。

国会での長年にわたる議論を経て確立した政府の憲法解釈には重みがあり、一内閣による恣意(しい)的な解釈が認められないのは当然だ。それを許せば、国民が憲法を通じて権力を律する立憲主義は根底から覆る。安倍内閣の手法は、歴史の検証には到底、耐えられない。

◆憲法の危機直視せよ

日本の安保政策を、専守防衛という本来の在り方に戻すには、集団的自衛権の行使を認めた閣議決定を撤回し、安保関連法を全面的に見直すしかあるまい。

安倍政権は、自民党が悲願としてきた憲法改正に向けて、衆参両院に置かれた憲法審査会での議論を加速させたい意向のようだが、政府の恣意的な憲法解釈を正すことが先決だ。与野党ともに「憲法の危機」を直視すべきである。

カテゴリー: 戦争法案

9/16原発事故賠償制度どうなる 無限責任から有限責任!?/ 安全神話崩壊で議論 上限超なら税金で補填/電力会社守り、国民負担強いる/ 除染や廃炉にも税金 原発の高コスト浮き彫り【東京新聞・特報】

東電なんてつぶしてしまえ!誰でもそう思う。

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原発事故賠償制度どうなる

 無限責任から有限責任!?

  安全神話崩壊で議論 上限超なら税金で補填

電力会社守り、国民負担強いる

 除染や廃炉にも税金 原発の高コスト浮き彫り

2016年9月16日【東京新聞・こちら特報部】

東京電力は、福島第一原発事故の賠償について「無限責任」を負っている。だが、今後、原発事故が起きた場合、電力会社の責任は限定されるかもしれない。内閣府の専門部会が、賠償額の上限設定を検討している。「安全神話」が崩壊し、事故発生を前提に議論したら、税金で補填(ほてん)するというおかしな話が浮上してきた。脱原発を実現すれば事故は起きない。必然的に賠償はいらなくなるのだが…。 (沢田千秋、白名正和)

昨年五月、内閣府原子力委員会に原子力損害賠償制度専門部会(部会長・浜田純一東京大名誉教授)が設置された。目的は「今後発生し得る原子力事故に適切に備える」ための賠償制度の見直しだ。構成員は大学教授や弁護士ら十九人。

原子力損害賠償法は、電力会社など原子力事業者が原発事故を起こした時に備え、最大で千二百億円が支払われる政府補償と民間の保険契約を結ぶよう義務付けている。賠償額が千二百億円を超えた分は、過失の有無にかかわらず事業者が負担する「無限責任」となっている。

事業者側は賠償額の上限を設ける「有限責任」への変更を求めており、専門部会で議論してきたが、先月二十三日の中間報告で結論は出なかった。また、政府補償などの千二百億円は「引き上げていく」と明記されたが、具体額はまとまっていない。福島の事故で東電が支払った賠償総額は今月九日現在で、約六兆三千億円。多少の増額では「焼け石に水」でしかない。

専門部会では、無限責任、有限責任を巡り、意見が分かれている。「五兆円程度の責任限度額を設けるべきだ」という意見の一方、「有限責任にすると、安全性向上の投資が減少する」といった反論がある。

大塚直・早稲田大教授は「原子力事業者に故意、過失がある場合、有限責任はおかしいが、故意、過失の完全な判断は最後は裁判所がする。それを待っていては迅速な(賠償)判断ができない」と疑問を呈した。

ジャーナリストで環境カウンセラーの崎田裕子氏は、福島事故の現場を歩いた経験を基に有限責任に理解を示す。「事業者の予見可能性の確保という視点だけでなく、国民にとっても原子力の重大事故の場合、最後に国が支えるという制度設計があるのが安心感につながる。有限責任という新しい方向性も検討してほしい」。国民の負担増については「税金は少ない方がいいが、国民として支えるべき時は支えないと社会は成り立たない。一般財源による負担を考えるべきだ。責任限度額はできるだけ高めるとか、なんらかの意見交換は大事」と述べた。

日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会常任顧問の辰巳菊子氏は「被害者に対して無限の賠償責任を事業者が負うのが基本だというのは間違いない」と断言する。「事業者の損害賠償の実施が困難な時、国が緊急避難的に立て替え払いを行うことの必要性は認めるが、福島事故では、東電から何年かかって返還されるかもよく分からない」などと指摘し、原発事故におりる政府の立ち位置の明確化を求める。

さらに、議論の根本に切り込んだ。「再稼働が始まっているが、原子力の安全性、必要性に疑問を持ち、今度こそだまされないと思っている国民はとても多い。事故が起こらないならば、こんな損害賠償は必要ないと言いたい。(事故が)起こる可能性があるという前提で(賠償)制度を設けているので、国民が理解できるようにしてもらいたい」

事故を起こせば、企業は当然、被害賠償の義務を負う。

ニOO八年八月、東京都板橋区の首都高5号下りで、タンクローリーが横転して炎上した。路面が沈んだり橋桁が溶けたりし、復旧に二カ月以上を要した。今年七月、東京地裁判決は運送会社などに三十二億円余の損害賠償を命じ、運送会社は払いきれずに破産手続きを開始した。

大きな事故を起こした場合、企業が資産を整理して倒産することもあり得るが、原発事故に特例として「有限責任」を認めれば、電力会社は倒産しないで存続できる。

 ドイツと真逆

「何があっても電力会社がつぶれないようにする仕組みだ。事業者が特権的に守られるケースは、ほかに例がない」と、脱原発弁護団全国連絡会共同代表の海渡雄一弁議士は問題視する。また、「有限責任」によって「モラル・ハザード」を招き、電力会社が原発の安全対策を怠ることも危ぶむ。さらに、「ドイツは有限責任から無限責任へと転換し、原発をやめようとしている」と指摘し、「日本は真逆の道を歩んでいる」と批判した。

「国策」の原発で万が一事故が起きた場合、賠償を途中で打ち切るわけにはいかないだろう。残りの賠償の面倒は、政府がみるしかない。つまり、国民の税金を投入することになる。

「国民の反対が多いのに原発を強引に進め、賠償は国民が税金で負担するというのはおかしい」と、東電に賠償や除染などを求める「生業-なりわい-を返せ」訴訟の中島孝原告団長(福島県相馬市)は憤る。

昨年九月、日本世論調査会が九州電力川内原発1号機の再稼働直後にアンケートしたところ、原発再稼働に「反対」は58・2%で、「賛成」の37・3%を上回った。反対理由は「原発の安全対策や事故時の防災対策が不十分」など。

七月の都知事選で行った本紙の有権者調査でも、原発を「時間をかけてゼロに」「すぐゼロに」が計55・6%。「活用する」「減らすがゼロにはしない」の計43・6%を上回った。

「無限とも言えるる原発事故の被害に対する責任が有限でいいはずがない。今も続く福島の被害に向き合えば、とても有限責任とは言い出せないはずだ。とんでもない制度の改悪だ」(中島団長)

そもそも、福島の事故でも、賠償以外の事故処理に相当額の税金が使われている。飛散した放射性物質の中間貯蔵施設の整備や、福島県内の農作物の放射能検査、県民の健康診断など、その総額はまだまだ増える。

政府は先月三十一日、復興推進会議と原子力災害対策本部の合同会合で、福島県内の帰還困難区域の市町村ごとに「復興拠点」を設け、除染をインフラ整備と一体で行う方針を決めた。この整備にも、もちろん税金が使われる。

現在の「無限責任」を負う制度でも、税金が湯水のように使われるのに、今後、福島の事故を上回る過酷事故が起きたら、税金はいくら使われるのか。

「原発の安全神話が崩れ、賠償や除染費用に向き合うために議論を始めた結果、原発のコストが高く一企業では手に負えないことがあらためて浮き彫りになった」。立命館大の大島堅一教授(環境経済学)はそう指摘し、「国民の多数が反対する中で原発を動かすのに、政府も電力会社も国民に寄り掛かり過ぎている」と批判した。

(((デスクメモ)))
使用済み核燃料を捨てる場所がない。廃炉、解体で出るごみを捨てる場所もない。そうした、ごみ処理の費用がいくらか判然としない。原発が抱える問題点を真剣に考えれば、人の手に負えないことが、よく分かる。少なくとも現在の技術力では。分からないふりは、もう許されない。(文) 2016・9・16

福島第一原発の敷地内に建造された汚染水用のタンク=いずれも8月26日

防護服を着用して福島第一原発で働く作業員

水素爆発で崩れた福島第一原発3号機

カテゴリー: 中日東京新聞・特報

9/15もんじゅ 廃炉で調整 運営主体探し難航【東京新聞・朝刊】

もんじゅの廃炉?どうせまゆつば!六ヶ所村はどうすんだよーっ 国策の行方は?

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もんじゅ 廃炉で調整

 運営主体探し難航

2016年9月15日【東京新聞・朝刊】

政府は十四日、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市〉の在り方について、廃炉も視野に最終調整に入った。もんじゅを巡っては、原子力規制委員会が運営主体の交代を勧告しているが、受け皿探しは難航。政府内では、存続のための追加支出に国民の理を得るのは難しいとの見方が出ており、二十六日召集の臨時国会前にも結論を出す。

一兆円超投入 稼働250日

もんじゅは原発の使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクル政策の中核施設で、廃炉が決まれば政府が推し進めてきた政策は根底から見直しを迫られる。

高速憎殖炉は燃料に使った以上のプルトニウムを生み出す「夢の原子炉」とされ、政府は資源の乏しい日本のエネルギー自給率向上に役立つと主張。もんじゅの建設や維持にかかった一兆円余りの大半を支出してきたが、運転実績は二百五十日にとどまる。原子力機構は廃炉に三千億円以上かれかる可能性があるとみている。

もんじゅは研究開発用の原型炉で、一九九四年四月に初臨界に達した。九五年十二月にナトリウム漏れ事故を起こし、二O一O年五月に試運転を再開。同八月には燃料交換に使う炉内中継装置が落下し、再稼働できないまま、大量の機器の点検漏れが判明した。規制委は二ニ年五月、事実上の運転禁止を命じ、一五年十一月には運営主体の交代を文部科学相に勧告した。

サイクル政策では、再処理したウランやプルトニウムを通常の原発で燃やすプルサーマル発電も行われている。だが、高速増殖炉に比べプルトニウムの発生効率が低い上、原発の再稼働が進まないため、国内で現在実施されているのは四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)一基にとどまっている。

 もんじゅを巡る経過

1967年10月△動力炉・核燃料開発事業団(動燃)が発足
85年10月△高速増殖炉もんじゅ着工
94年4月△初臨界
95年12月△ナトリウム漏れ事故が発生、運転停止
98年10月△動燃を改組し核燃料サイクル開発機構(核燃機構)が発足
2005年10月△核燃機構と日本原子力研究所が統合し日本原子力研究開発機構が発足
10年5月△14年5力月ぶりにもんじゅ運転再開
8月△燃料交換装置の落下事故が発生、運転凍結
12年11月△機器の点検漏れが大量に発覚
13年5月△原子力規制委員会が事実上の禁止命令
15年11月13日△規制委が文部科学相に運営主体の変更を勧告。その後、有識者検討会で議論。
16年5月27日△検討会がもんじゅ存続を前提に、具体的な運営主体を示さない報書了承
31日△文科省が規制委に報告書を提出

 もんじゅ

プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使い、高速の中性子で核分裂を起こし、発電しながら消費した以上のプルトニウムを生み出すことから高速増殖炉と呼ばれる。開発第2段階の原型炉で出力は28万キロワット。

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