5/23原発再稼働の経済学 大島堅一【原子力市民委員会の資料から】

「なんでこんなに値上げばっかりするのよ!」という関電八木社長への怒りから難しそうなお勉強会へ行ってきた。動画配信のカメラマンさんは小出さんの最終講義、今中さんの生駒集会の時のIWJの方。京都1chだとお聞きしてfacebook にはチェンネル名を書いておいたからご覧の方もおられたはず。

多分先週金曜日の東京新聞の特報記事が関電の値上げの話でなければ、この集会には行かなかったから、あの記事は良かった。

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原発再稼働の経済学
大島堅一

2015年5月23日
原子力市民委員会
ひと・まち交流館(京都市)

OHSHIMA150523 ←PDF

関西電力値上げ申請はなぜ?

 

内容

-原発再稼働により、どの程度電気料金が下がるのか。
一高浜3,4号機のみ
一高浜3,4号+大飯3、4号機
-原発ゼロにした場合、電気料金はどうなるのか。
・電力自由化のための原子力延命策
一原子力事業環境整備

 

電気料金の仕組み

・自由化料金:大口
・規制料金:小口(低圧:家庭など)

原価=営業費+事業報酬

電力会社 申請              掲示
↓             ↑
経産省  受理 → 審査・公聴会 →   認可
適正であるか

 

2015年の関西電力の値上げ申請

・電源構成が変化したことによって原価が異なる場合、その変化分について料金原価を算定しなおすことができる。
→電源構成変分認可制度
※もともと電気料金の原価算定期聞は1年。震災後、3年に変更。
・2015年の値上げ認可は、この電源構成変分認可制度に基づくもの。

 

なぜ値上げが必要になったのか

・総括原価主義であれば、赤字はでない。
・もともと、無謀な再縁働方針をもち、これを電気料金決定の際に採用したことによる。

2013年11月 高浜3• 4号機再稼働
2013年12月 大飯4号機再稼働|

-値上げ申請:2012年11月26日
-値上げ認可:2013年4月2日
・このとき新規制基準すら無かった。つまり、再稼働できる現実的見込みはなかった。再稼働できないことを前提に料金認可申請を行うべきだった。
→関西電力の無責任な体質。

原子力比率(2008-10年)

OSHIMA_原子力比率

原発再稼働の電気料金への影響

OSHIMA_関電値上げはなぜ

選択肢は2つある

OSHIMA_選択肢は2つある

原発ゼロと原発再稼働、どちらの電気料金が安いかは、電力会社によって違います。

原発ゼロにすれば原発のコストとリスクは無くなります。

原発ゼロにすれば電気料金以外の原発コスロ負担は無くなります

 

つまり、
控えめに言っても、再稼働すれば安くなるとか、原発ゼロだと高くなるとか、単純に言えません。
国民負担まで入れて考える必要があります。

 

 

原子力延命策の背景

・電力システム改革の進行
-発送電分離→系統の広域運用
-電力自由化→電力市場の創設
→総括原価主義に基づく認可料金制度の撤廃
・電力システムに関する改革方針(2013年4月11日、閣議決定)
-2016年    小売の全面自由化
-2018~20年 料金規制の撤廃
→原子力事業のリスク拡大

 

エネルギー基本計画

このため、国は、電力システム改革によって競争が進展した環境下においても、原子力事業者がこうした課題に対応できるよう、海外の事例も参考にしつつ、事業環境の在り方について倹討を行う。
原子力損害賠償制度の見直しについては、本計画で決定する原子力の位置付け等を含めたエネルギ一政策を勘案しつつ、現在進行中の福島の賠償の実情等を踏まえ、総合的に検討を進める。

 

原子力の事業環境整備1

1.廃炉にともなう損失
-原子力発電設備
電力会社の資産
-核燃料
→廃炉決定とともに一挙に損失に
→これがなんとかならないか

会計・電気料金精度の変更

 

廃炉会計・電気料金制度の改定

1.原子力発電施設解体引当金の未引当額
→廃止決定後も引当可能に(2013年10月)
2. 原子力発電設備の減損損失
①廃止措置にも使われる原子力発電設備の減損損失
→償却可能に(2013年10月)
②発電のみに使われていた原子力発電設備の減損損失
→償却可能に(2015年4月)
3. 核燃料資産の減損損失
→償却可能に(2015年4月)

 

原子力の事業環境整備2

OSHIMA_原子力の事業環境整備2

・電力自由化が進むと、電力会社による日本原燃支援が今後続けられなくなる。

原子力の事業環境整備3

・損害賠償の有限責任化
・現在の原子力損害賠償の原則
-無過失責任
-責任集中
-無限責任:原発事故被害は青天井なので当然

有限責任化
損害賠償が限度額を超えれば、自動的に国民負担

まとめ
・2015年に値上げ申請にいたったのは、関西電力の経営の失敗による。
・高浜3,4号機を再稼働したとしても、現行水準より電気料金は上がる。高浜3,4号機、大飯3,4号機を再稼働させてはじめて現行水準が維持される。
・原発ゼロは、高浜3,4号機再稼働よりも電気料金が下がる。火力の構成が中部電力のように効率的であったとすれば、高浜3,4、大飯3,4号機再稼働より、電気料金が低くなる可能性があった。
・原子力維持のための延命策が着々と策定されている

ちたりた について

2021/5/13 投稿ページが真っ白で何もできなくなったので、ブログ停止します。まるで画面がウィルスに汚染されたかのようで、わけわかりません。
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